31歳の管理職も。ZACROS株式会社で若手が早期に成長・キャリアアップする秘訣

ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、ZACROS(ザクロス)株式会社にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。

ZACROS株式会社は、医薬品包装材やつめかえパウチ、液晶保護フィルムなど、多彩な分野の製品を開発・提供しています。創業110周年のタイミングにあたる2024年10月に「藤森工業」からZACROS株式会社へと社名を変更し、企業としてさらなる進化を遂げようとしています。

制度面に目を向けると、勤務時間の一部を研究開発に充てられる「10%ルール」などで社員の成長を徹底サポート。また、課長補佐制度の導入で31歳の若手管理職が誕生したり、多様な部署を経験できるジョブローテーション制度で経験を積むことができたりと、次世代リーダーの育成にも力を入れています。

今回は、ZACROS株式会社の若手育成への取り組みや組織の特徴について、人財戦略部の平向さん、産業包装営業部の飯田さん、製品開発部の大竹さんにお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
ZACROS株式会社の平向さん

平向 充(ひらむき みつる)さん

ZACROS株式会社 執行役員 人財戦略 部長。2017年9月、同業種から転職し入社。インドネシア赴任を3年間経験した後、2022年に執行役員 医薬医療包装事業部長に就任。2024年4月より人財戦略部長を務める。豊富な国際経験と業界知識を活かし、組織の成長と人財戦略の強化に取り組んでいる。

ZACROS株式会社の大竹さん

大竹 智也(おおたけ ともや)さん

ZACROS株式会社 製品開発部 粘着機能開発グループに所属。同業種からの転職で、2022年2月に入社。研究開発職として横浜の研究所に所属し、ディスプレイの内部などに使用される粘着シートの開発を担当。

ZACROS株式会社の飯田さん

飯田 さくら(いいだ さくら)さん

ZACROS株式会社 産業包装営業部 粧業包装営業課に所属。前職は旅行会社勤務で、2023年11月に同社へ入社。現在は主に化粧品向けつめかえパウチの営業を担当。

若手育成:「10%ルール」や工場見学などスキルアップの機会が豊富

ZACROS株式会社の平向さん、大竹さん、飯田さんがインタビューを受けている様子
▲取材にご対応いただいた皆さん。終始和やかな雰囲気で、笑顔あふれるインタビューとなった

編集部

ZACROSでは、若手のスキルアップをサポートする制度が充実していると伺っています。大竹さんと飯田さんは、具体的にどのような制度がスキルアップにつながっていると感じていらっしゃいますか。

大竹さん

私が所属している研究所においては、「10%ルール」という制度がスキルアップに役立っていると感じますね。業務時間の一定割合を自身の興味のある開発や新技術の探索、市場調査などに充てることができる制度で、私の場合は製造工程の効率化に関わる新しい技術開発に取り組んでいます。

具体的には、光学用粘着フィルム(両面テープの一種)の製造における新しい塗工方法の開発など、コスト削減と品質向上の両立を目指した研究を行っている次第です。このような制度だけでなく、風土としても新しいチャレンジを積極的に推進してくれるので、スキルアップがしやすい環境だと感じています。

飯田さん

私が所属している営業部門では、月1回の営業会議がスキルアップにつながっていますね。各営業担当者がお客様の課題や提案内容、成功事例などを共有する会議となっており、他の営業担当の経験から多くの学びを得られるんです。また、自分の発表に対して先輩や上長からフィードバックをもらえるため、自身の活動を振り返る良い機会にもなっています。

ZACROS株式会社の飯田さんが話している様子

飯田さん

ちなみに、入社時には約1週間の事業所見学研修があり、自社製品や設備に関する理解を深めるのに大変役立っています。また、お客様の事業所見学や会議体などで事業所に行く機会もあり、その都度知識をブラッシュアップできている形です。

さらに、当社は製品開発から提供まで一気通貫でサービスを展開していることから、様々な部署と密接に連携している関係で、入社時には他部署での業務を一部体験できる機会もあります。実際の業務を体験することによって各部署の状況や業務の流れを把握でき、より業務を習得しやすくなると感じます。

ZACROSのBioPhaS、ZACROSのつめかえパウチ、ZACROSの血小板凝集測定装置
▲ZACROSでは医療分野から産業用資材まで幅広い製品を展開しており、総合的なソリューションを提供

キャリア支援も充実。「課長補佐制度」の効果で31歳の管理職も誕生

編集部

御社ではキャリア支援にも注力されているそうですね。具体的な取り組みについて教えてください。

平向さん

3年前から、将来の幹部職を育成するための「課長補佐制度」を導入しました。具体的には、将来部長以上を目指せる素養のある人財を他薦制で選出する取り組みです。当初は10人程でスタートしましたが、この制度で多くの候補者が課長に昇進しました。2025年度も継続して課長補佐制度により候補者が選出されております。

課長補佐の対象者は、社内ランク制度で「ランクⅢまたはⅣ」の社員です。ランクⅤの課長になるためには、一定期間の経験とポイント制での評価が必要ですが、課長補佐制度では、その要件が免除されます。もちろん、正式な課長就任には試験合格が必要ですが、将来の幹部候補を速やかに育成するための制度としてしっかりと機能していると感じますね。

編集部

課長補佐制度の導入によって、若手のうちから管理職を目指せるようになったのですね。

平向さん

おっしゃる通りです。変化は数値にも表れており、2014年の創業100周年時には管理職の平均年齢が51.8歳でしたが、現在は49歳です(わずか2.8歳ですが…)。最年少管理職の年齢は、10年前は41歳でしたが、現在は31歳まで下がりました。

ちなみに、その31歳の課長は事業所の品質保証課に務めています。40代・50代の従業員が多い環境で、年上の方々とのコミュニケーションやチームビルディングなどを上手くこなしてくれていますね。

編集部

課長補佐の方々へはどのようなサポートをされているのでしょうか。

平向さん

課長補佐に選ばれた人財には、外部の講習会への参加機会を提供しています。また、社内でもインハウスセミナーを行っており、役員が講師となって経営の考え方や方針を直接伝える場を設けていますね。そして、工場のような現場では様々な年齢層の従業員をまとめていく力も必要となりますので、マネジメント能力の育成にも力を入れている形です。

このように、当社には将来の経営層として必要な知識やスキルを体系的に学んでいただける環境が整っています。

挑戦を推奨する文化のもと、年齢に関係なく多様な世代の管理職が活躍中

ZACROS株式会社の平向さんが話している様子

編集部

挙げていただいたスキルアップ支援や課長補佐制度の導入には、どのような狙いがあるのでしょうか。

平向さん

当社は若い人財に対して積極的にチャンスを与え、挑戦を推奨する文化を大切にしているので、その一環としての取り組みです。

ただ、若手だから無条件に挑戦を勧め、抜擢するというわけではありません。実力と意欲を持った人財であれば、年齢に関係なく活躍できる環境を整備することが重要だと考えています。

実際に当社では30〜40代の管理職も着実に増加しており、10年前の28名から、現在は44名まで増えています。これは単に年功序列で昇進させるのではなく、積極的に管理職を育成する方針が成果にあらわれた形ですね。世代を超えた多様な管理職層が、組織の活性化につながっています。

編集部

その他に、社員のキャリア構築に関してご紹介いただける施策はあるでしょうか。

平向さん

ジョブローテーションを積極的に行っていることでしょうか。社員のみなさんには経営層へのキャリアアップを目指して頑張っていただきたいのですが、経営においては様々な視点でものを見られるゼネラリストの素養が必要だと考えています。そのため、若手のうちから多様な職種を経験していただけるよう、定期的なジョブローテーションを行っているんです。

ローテーションの周期については、一般社員の場合は業務に慣れて成果を出し始めるタイミングを考慮して「3年~5年」を目安としています。一方、課長以上の幹部社員は短期間で結果を出すことが求められるため、2年前後でのローテーションが基本です。私自身も約1年半のサイクルで異動し、7年間で5部署を経験しました。

カルチャー:温かな雰囲気&失敗に寄り添う組織

ZACROS株式会社の平向さん、大竹さん、飯田さんが雑談をしている様子

編集部

御社の社風についても教えてください。

飯田さん

誠実で温かみのある社風ですね。実は前職の旅行会社にてZACROSの出張時の航空券の手配を担当したことがあったのですが、社長を含む方々との直接のやり取りを通じて当社の雰囲気の良さを肌で感じ、入社を決めた経緯があるくらいです。

平向さん

私も同感で、当社には転職してきた方もスムーズに馴染める風土があると感じます。また、仮に失敗しても責めることはせず、なぜ失敗したのかを一緒に考えるという、常に寄り添う雰囲気があります。

フレックスタイムや時短など、柔軟な働き方が叶う職場環境

ZACROS株式会社の大竹さんが話している様子

編集部

働き方の面で特徴的な制度はありますか。

大竹さん

研究所ではフレックスタイム制を導入しているほか、在宅勤務も可能です。有給休暇も柔軟に取得でき、家賃補助もあるなど福利厚生の充実も実感しています。

平向さん

フレックスタイム制は研究所のみですが、その代わりに本社では時差出勤制度を設けており、朝7時から10時までの間で出勤時間を15分刻みに選択することが可能です。また、時間休制度もあって時間単位で休暇を取れるため、例えば私の場合は花粉症の薬をもらいに行くために1時間ほどお休みをいただくなどして活用しています。

なお、育児や介護に携わる社員は短時間勤務制度や在宅勤務も行っていただけます。例えば育児中の社員であれば、2時間の時短勤務が可能です。

ZACROS株式会社の休憩スペース
▲オフィスには開放的でおしゃれな休憩スペースも

転職検討者に伝えたい「ZACROSでのやりがい」とは

ZACROS株式会社の平向さん、大竹さん、飯田さんのインタビュー風景

編集部

転職を考えている方にとって、仕事上でどんなやりがいを感じるかも気になるところだと思いますので、お聞かせいただけますでしょうか。

大竹さん

研究開発部門では、お客様との密接なやり取りを通じて製品開発を進めていくことに働きがいを感じています。

時にはお客様自身も明確に把握できていない要望や課題について、コミュニケーションを重ねながら具体的な目標を定めていきます。その上で、お客様のニーズに合った製品仕様へと調整し、最終的な契約に結びつけていく。このような課題解決のPDCAサイクルを回していく過程全体が大きなやりがいです。

また、設計の自由度が高いことも当社で働く魅力のひとつですね。他社の粘着剤を使用するのではなく自社で開発した粘着剤を使用することで、材料面からの開発も行えるため、作り込みの幅が広がっていると感じますね。

飯田さん

私の場合は、お客様と社内の関連部門との橋渡し役としてコミュニケーションがスムーズに進み、相互理解を深められたときに大きなやりがいを感じます。

また、お客様からご指摘をいただいた際は事業所と共有し、新機能の開発やサステナブル対応に関する要望は研究所や事業所に相談するなど、各部署と協力しながら営業活動を進めていくやり方もモチベーションになっており、そういった関連部門と密に連携しながらお客様のニーズに合った製品を開発・提供する当社の姿勢に魅力を感じています。

採用担当者からのメッセージ

編集部

最後に、人財戦略部の部長であり採用業務に携わる平向さんから、転職を考えている読者の方々へメッセージをお願いできますでしょうか。

平向さん

当社には、社員の「やりたい」という想いを会社全体でサポートする文化があり、自ら手を挙げ、積極的にチャレンジする方を応援する環境が整っています。

例えば先ほどお話しした課長補佐制度でも、チャレンジしたい場合はその意欲を上司にアピールすることが可能です。その結果、実際に課長、そして部長へとキャリアを築いていく社員も多くいます。

また、現在は海外展開も活発に進めており、今後さらに海外比率が高まっていく方針なのですが、海外拠点への赴任についても希望者を優先的に検討する仕組みがあります。このように、自ら意思表示をし、アピールすることを大切にする会社です。

そのため、明確な目標を持ち、それを当社で実現したいという方は、ぜひ門戸を叩いていただきたいと思います。

編集部

本日はありがとうございました!

編集後記

営業部門と技術部門の日常的な連携や、勤務時間の一部を研究開発に充てられる「10%ルール」など、社員がスキルを磨く環境が整っている企業だと感じました。また、課長補佐制度や多様な部署を経験できるジョブローテーションなど、社員の将来を見据えた育成を大切にされている印象を受けました。

この記事のまとめ

若手育成の特徴
  • 31歳で課長登用実績あり(管理職平均年齢49歳)
  • 課長補佐制度で次世代リーダーを育成
  • 外部講習会参加や役員による経営セミナーを実施
キャリア開発制度
  • 3〜5年周期でのジョブローテーションを実施
  • 研究開発部門では「10%ルール」で自主研究が可能
  • 営業部門は月1回の事例共有会を開催
働き方の特徴
  • 研究所はフレックスタイム制を導入
  • 育児・介護に対応した短時間・在宅勤務制度あり
  • 本社は15分刻みの時差出勤が可能
中途入社者の特徴
  • 従業員の約半数が中途入社者
  • 中途・新卒の区別なく活躍できる環境
  • 各部署からの手厚いサポート体制あり
社風・カルチャー
  • 社員の「やりたい」を全社的にサポート
  • 失敗を責めず、原因を一緒に考える文化
  • 海外展開も積極的で、希望者優先の赴任制度あり

ZACROS株式会社の基本情報

企業名 ZACROS株式会社
住所 東京都文京区小石川一丁目1番1号 文京ガーデンゲートタワー22階
事業内容 ・ウェルネス事業
・環境ソリューション事業
・情報電子事業
・産業インフラ事業
設立 1936年11月(創業:1914年4月)
働き方 フレックスタイム制度(研究所)
時差出勤制度(本社)
公式ページ https://www.zacros.co.jp/
採用ページ https://www.zacros.co.jp/careers/
募集職種 ・研究技術
・営業
・事務企画
・製造
取材・編集
紫竹淳志のプロフィール写真

ミライのお仕事編集部

紫竹 淳志

元新聞記者として約10年間、地方行政や選挙、プロ・アマチュアスポーツなど幅広い分野の取材経験あり。ミライのお仕事では、ソフトバンク株式会社や東京商工会議所、株式会社オープンハウスグループなど、数多くの著名企業や教育機関への取材を担当。