ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、株式会社MESON(メザン)にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。
空間コンピューティング技術(※)を活用し、企業と生活者が交わる新しい空間をデザインする株式会社MESON。「人々のまなざしを拡げる」をパーパスに掲げ、現実世界にデジタル情報を重ね合わせることで、今までとは違う観点から世界を見られる革新的な体験やソリューションを提供しています。
(※)空間コンピューティング技術:頭部に装着するデバイスを通して、現実世界にデジタル情報を重ね合わせ、自由に閲覧・操作する技術のこと。
そんな同社では、ゲーム開発、SIer、XR関連企業など、多様なバックグラウンドを持つエンジニアが集まり、新しい技術を社会へ浸透させることに挑戦し続けています。
今回は、代表取締役社長の小林さん、HRマネージャーの市川さんにインタビュー取材し、同社の働き方やカルチャー、求める人物像といった転職に役立つ情報を伺いました。
空間を自在に操るスタートアップ「MESON」のミッション
▲MESONのオフィスを3Dで表したもの。技術を駆使してあらゆる体験を生み出している。
編集部
「空間コンピューティングで企業と生活者の新たな接空間をデザインする」というミッションを掲げる御社ですが、ミッション実現に向けどのようなことをされているのでしょうか?
小林さん
弊社は、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)、空間コンピューティング技術などを用いたサービスを提供する会社です。“空間コンピューティングだからこそ実現できる体験や表現”を通して、企業と生活者が空間でつながる「接空間」をデザインしています。
例えば、大型客船の商品発表会でその場に3Dモデルの大型客船を登場させ、あたかも目の前に船があるように感じてもらう体験も制作可能です。企業にとっては、商品発表会に来たお客さんに商品をより魅力的にアピールできます。
編集部
空間コンピューティングを扱う御社の今後の展望をお聞かせください。
小林さん
今後、人々が使うデバイスはパソコンやスマートフォンから空間コンピューターへと大きくシフトしていくと考えられます。そのなかで、先ほど紹介した商品発表会の例のように、企業と生活者の間にも新しい繋がりができるはずです。この新たな繋がりは今後大きな市場へと成長していくと確信しています。
3つのバリュー:アソビを作る・心を揺さぶる・知を通わせる
▲AR・XR関連のあらゆるデバイスが揃うオフィス。前方に見えるのはXRのハッカソンイベントでの優勝記念!
編集部
御社のバリューとして「アソビを作る」「心を揺さぶる」「知を通わせる」を掲げていらっしゃいますが、これは具体的にはどのようなことを示しているものでしょうか?
小林さん
まず「アソビを作る」についてですが、この「アソビ」とは、楽しく遊ぶ「play」ではなく「余白」を意味します。思考や行動、成果物に余白を持たせることが、新しい視点やいつもとは異なる発想で世の中を捉えていくことにつながると考えています。
MESONの事業には、顧客と一緒にプロジェクト型の体験を作っていくものが多くあります。その際に、お客様が想定している以上のアイデアを提案するためにも「アソビ」が生きてくると考えています。
次の「心を揺さぶる」は、論理的な理解以上に、直感的な共感や感動を重視するという考えです。理性ではなく感性で共感を促すことで、より深い感動を生み出すことができるのではないかと考えています。
最後の「知を通わせる」は、経験や知識を循環させたいという思いを言葉にしたものです。各々がもっている知識を集約したうえでそれをどう生かしていくかを皆で考え、発信することが重要だと考えています。そのためにも循環が非常に重要だと考えます。
編集部
これらのバリューは日々の業務にどのように表れていますか?
小林さん
最もわかりやすいものが、「知を通わせる」に繋がる取り組みです。このバリューには、知識を発信することにより、さらに大きな知識が返ってくることへの期待も込めています。
例えば、私は個人のSNSで空間コンピューティングについてさまざまな投稿しているのですが、これまで自分では届かなかったような情報や体験談などがフォロワーのリアクションとして返ってくることがあります。その結果、新しい「知」を得ることにつながっています。
このような、知識がいきいきと循環する場を社内外で作りたいと考えています。その循環の場として、社内ではテックブログなどの取り組みを、社外ではXRのコミュニティ「ARISE」の運営を行っています。
これらはすべてMESONがもつさまざまな知識を業界全体に発信するための取り組みです。
編集部
具体的にはどのような内容を発信されているのでしょうか?
市川さん
テックブログは、エンジニアチームが自主的に新しい技術についての情報をまとめています。業務内で発生した技術的な障害や、それをどう解消したかといったノウハウなど、空間コンピューティング開発を行うMESONだからこそ発信できる内容になっています。
例えば最近では、Apple Vision Proが発売された際に、当社のエンジニアが自分なりの視点で感想をまとめたもの(※1)を輪番制でUPする取り組みも行っていましたね。
(※1)MESON公式note:MESON Apple Vision Proアドベントカレンダー#2 まとめ記事
https://note.com/meson_tokyo/n/ncf9d5c73ddda
他にも、社内で「アタリマエLab」というチームを発足し、空間コンピューティングが社会に普及した世界を想定したさまざまな取り組みを検証、その結果を発信しています。例えば、どのようなUXが当たり前になっているかを検証したモックアップアプリの開発(※2)や、XRデバイス向けに開発された他社のアプリケーションの検証レポート(※3)などです。
(※2)MESONスタッフのX:oji_chang | Gaku Shimizu
https://x.com/oji_chang/status/1846315112531161241
(※3)MESON公式note:物語が飛び出す瞬間:没入型エンタメの新常識
https://note.com/meson_tokyo/n/n0739746b07ab
編集部
社外でのXRコミュニティ「ARISE」では、どのようなことをされていますか?
小林さん
MESONがもつ知識を業界全体に発信するためイベントなどを実施しています。基本的には空間コンピューティングに関することをテーマにしていますが、そのときどきのトレンドを汲んだものなど、扱う内容は多岐にわたります。
先日、「空間コンピューティングが創り出す未来を考える」がテーマの対話イベントを開催した際には、さまざまな視点から空間コンピューティングを考えるワークショップや、アートや宗教、伝統芸能など、多種多様なジャンルのゲストを招いてのトークセッションを行いました。
このように、業界全体がハイスピードで成長していくためにも、積極的に情報発信をしています。
▲ARISEで行われたアイデア出しのワークショップ。
空間コンピューティングを扱うMESONで働く魅力
編集部
かなり特殊な事業を展開されている御社ですが、御社で働く魅力はどのような点だと思いますか?
小林さん
新しい分野に挑戦できる機会、そして新たな分野の先駆者として活躍できる機会があることだと思います。
空間コンピューティングでは、2Dと3DのUIが融合したり、自分の体全体を使って操作したり、これまでのユーザー体験にはなかった概念を扱う必要があります。弊社は、空間コンピューティングのUXデザインに特化したスキルを有しているのはもちろん、新しい分野だからこそ前例がないユーザー体験をデザイン・提案するセンスには自信があります。
また、新しいものを創り出す柔軟さと、多彩な専門スキルや知識をもつ社員が多く在籍しているという点も、当社の大きな強みであり特徴だと思います。
エンジニアとして働く魅力:空間コンピューティングに最前線で携わり、稀少スキルを磨ける
▲日常業務でも空間コンピューティング技術を活用している小林さん。
編集部
御社でエンジニアとして働く魅力はどのような点だと思いますか?
市川さん
当社には常に最新の技術に触れられる機会があるため、関連した技術力や実装力が必然的に身につくことだと思います。
まだ世の中に普及していない空間コンピューティングという技術をいかに実用化し、生活者にとっての新しい「当たり前」を作り出していくか、つまりどのように「社会実装」していくかが当社の事業には欠かせない視点です。
その最前線で技術開発に携わることができるという点で、成長機会は非常に多いですね。当社のメンバーからも、こういった点に魅力を感じているという声をよく聞きます。
小林さん
また、3Dでのユーザー体験や設計スキルを磨くこともできます。空間コンピューターが主流になっていくなかで、今後、3DのUXデザインを考えることができる人材の市場価値が非常に高まっていくことは容易に予想されます。
例えば、現時点でWebやスマートフォンアプリのデザインには対応できても3DのUXデザインが得意なデザイナーが少ないように、エンジニアも希少価値の高いスキルを習得できる機会が整っているのも魅力だと思います。
世の中にない物を生み出すMESONならではのカルチャー
▲定例で行われる朝会では、さまざまな情報交換や進捗の共有が行われます
編集部
御社の社風やカルチャーについてお聞かせください。
市川さん
職種を問わず、建設的な議論やディスカッションを好むメンバーが多いのが特徴です。
空間コンピューティングという新しい分野に携わり、世の中にないものを生み出すという観点からも、年齢を問わずお互いの知識や経験を持ちよってディスカッションすることを会社自体が重視しているため、そういったメンバーが集まっているともいえます。
編集部
ディスカッションはどのように行われるのでしょうか。
市川さん
お互いに意見を出し合う会議のような形式の場合もあれば、ワークショップを行い、その一環として議題に関連したテーマでディスカッションの場を設けることもあります。
また、とてもフラットな組織なので、チームごとの会議にも、そのときどきで必要な知見を持つメンバーが他部門にいれば、気軽に招き入れて意見交換することもあります。
例えば、プロジェクトマネージャーがお客様とのコミュニケーションについて悩んだ際に、PR担当者にアドバイスを求めるなど、必要な時に必要な人に相談できる雰囲気です。
▲真剣な議論が交わされるミーティング。「決してバチバチにはなりませんよ(笑)」と市川さんがお話していました。
仕事中に美術館鑑賞を推奨!?生み出す仕事だからこそインプットを重視
▲仕事中に美術館でのアート鑑賞。アート作品から受けた多くのインスピレーションは、業務へと還元。
編集部
他にも、御社ならではの取り組みはありますか?
小林さん
勤務時間内に美術館鑑賞などを目的とした外出を許可しています。美術館や展示会、より業務に直結するところではXR技術を扱う他社が開催しているイベントなどへの参加も、勤務時間内で推奨しています。
私たちのバリューのひとつ「知を通わせる」の一環として、当社のメンバーには普段接することのない体験や知見を得る機会を積極的にもってほしいと考えています。新しい発想を生み出し、それを共有したり、感性を刺激したりする機会を増やすための取り組みといえます。
市川さん
空間コンピューティングは新しい分野なので、顧客にわかりやすく言語化して伝えることを非常に重視しています。そのため、例えば美術館にある作品の背景などを知ることで受けるインスピレーションを、さまざまなアウトプットの場で糧にしてもらいたいと考えています。
また、これは業務外の取り組みになりますが、社内で「MESON I/O」と名付けた読書会のような形態のカンファレンスも定期的に開催しています。
3週間から1ヶ月ほどの期間で、参加者が自由に選んだ本を読み、その内容をまとめて共有する取り組みです。単なる要約の寄せ集めではなく、それぞれの視点からの意見交換や、新しいアイデアとの結びつきを議論する機会にもなっています。
MESONが求める人材:新技術への興味関心が強い人
編集部
御社のメンバーは、どのようなバックグラウンドの方が多いですか?
市川さん
異なる考え方や専門性をもつ人材が集まることで、より新しいものやユニークな発想が生まれると考えているため、メンバーのバックグラウンドは実に多様で、年齢も職種もさまざまです。
SIer、XR関連のシステム開発経験者といった業種をはじめ、ゲーム、建築、芸術、コンサルタント、ソフトウェア開発など、多様なバックグラウンドをもつメンバーに参画してもらっています。
編集部
採用にあたっては、どのような人材を求めていらっしゃいますか?
市川さん
空間コンピューティング技術や、この技術が私たちの生活をどのように変えていくのかということに強い関心をもち、それぞれの専門性や視点、アートやデザインなどのさまざまな概念を組み合わせながら、新しい価値を生み出せる方を歓迎します。
それがあれば、前職の経歴を重視はしていません。これは、空間コンピューティングが新しい分野であることと、当社の事業が不確実性が高いために、一般的なサービス開発のフレームワークに基づいた作業が通用しないことが多いためです。
まだ業界にスペシャリストと呼ばれる人材が少ない今、MESONから空間コンピューティング分野のスペシャリストが多く生まれることを目指しているので、我こそはという方がいたら歓迎ですね。
編集部
歓迎スキルや経歴はありますか?
市川さん
XR空間での設計や空間デザインは現実世界で行われているものと親和性が高いので、建築事務所での勤務経験や建築学科での知見などは大いに活かすことができます。また、ビジネスサイドのポジションでも技術バックグランドや元デザイナーのメンバーなどが活躍してくれていますね。
エンジニアについては、ゲーム業界やUnityエンジニアの経験がある方をもっとも必要としています。ゲーム同様、空間コンピューティングにおいても、3Dの概念はもちろん、インタラクティブなコンテンツ作りやフロントエンドをどう見せるかが重要です。
小林さん
広い視野で見れば、広告業界の経験も当社では活かせると思います。広告は、企業からのメッセージを生活者にどう届けると効果的かを考える仕事ですよね。空間コンピューティングをメディアと捉え、どのように活用していくかという観点で考えれば、広告業界での知見が役立つのではないかと思います。
空間コンピューティングという領域は総合格闘技のように様々な領域のスキルや経験を持ち合わせた人々が力をあわせることで初めて素晴らしいプロダクトを創ることができると考えています。ぜひ多くの人々が空間コンピューティング技術に挑戦する機会をMESONが創れたらと思っています。
転職希望者へのメッセージ:未来志向の強い方はぜひ応募を!
編集部
最後に、転職を希望する読者に向けてメッセージをお願いします。
小林さん
空間コンピュータが普及し、私たちの現実世界の見え方が多様に変化していく。そんな未来にワクワクできる方、興味をもっていただける方には、ぜひご連絡いただきたいと思います。
また先述のとおり、この業界は不確実性が高く、例えばハードウェアの普及が思うように進まないなど、予想とは異なる結果や展開が待ち受けていることもあります。しかし、長期的な視点で見たとき、私たちが描く未来は必ず訪れると確信しています。
当社のパーパスやミッション、カルチャーを理解したうえで、そういった未来を信じ、共に成長していける方、過去や現在よりも未来志向の強い方と一緒に働けることを楽しみにしています。
編集部
空間コンピューティング技術を広く社会に浸透させ、一般的なツールとなる未来の実現に向けて邁進する御社に共感する方は多いだろうと感じました。
本日はありがとうございました。
この記事のまとめ
企業カルチャー |
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エンジニアとして働く魅力 |
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職場環境 |
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求める人物像 |
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株式会社MESONの基本情報
住所 | 東京都渋谷区恵比寿4-20-4 恵比寿ガーデンプレイスグラススクエアB1PORTALPOINT-Ebisu-G1 |
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事業内容 |
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設立 | 2017年9月 |
公式ページ | https://www.meson.tokyo/ |
採用ページ | https://www.meson.tokyo/company |
募集職種 |
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