株式会社サピエントが目指すのは「女性が活躍できる社会構造」を作ること

女性が活躍している企業のワークライフバランスへの取り組みについて紹介する本企画。今回はMICE(※)関連の人材サービスを中心に、女性が活躍できるあらゆる場を提供する株式会社サピエントを取材しました。
※MICE:会議(meeting)、研修・報奨旅行(incentive travel)、国際会議(convention)、イベントや展示会(event または exhibition)など、多くの集客が見込まれるイベントの総称

株式会社サピエントは企業のPR・販促をサポートする人材会社

株式会社サピエントの事業概要

株式会社サピエントは、企業の販促・PR活動に貢献するハイスペックな人材の提供(展示会やコンベンション、セミナー、シンポジウム、博覧会、株主総会、販促プロモーション)・ショールームなどの施設運営や人材育成を展開する企業です。

来場者に寄り添ったコミュニケーションやクライアントの期待値を超えたサービスを提供することで、顧客の利益向上に寄与する事業を提供しています。

会社名 株式会社サピエント
住所 東京都港区台場2丁目3-1 トレードピアお台場14階
事業内容 人材サービス 、施設の運営管理・サービス業務、イベント運営管理 、人材育成・研修、コンサルティング業務、クルーズ事業
設立 2012年8月
公式ページ https://www.sapient-inc.co.jp/
働き方 フレックスタイム制度による出社orリモートワークの選択制

株式会社サピエントは、もともと自動車メーカーの社員として販促活動やショールーム運営を行っていた湯川さん(代表取締役社長の湯川智子さん)により、2012年に設立されました。

湯川さんは販促や教育領域に関して過去にも事業を手掛けており、今までの取引実績を合わせるとクライアント数が延べ4,000社に及びます。また、サピエントの社員・契約社員はほぼ100%が女性で、さまざまな領域で活躍しています。

今回は、ライフステージの変化に合わせた働き方や独自の文化・社風について、社長室で秘書業務を務める坂本さんと、業務推進部に在籍する坂倉さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
株式会社サピエント社長室の坂本さん

株式会社サピエント
社長室

坂本さん

株式会社サピエント 業務推進部 坂倉さん

株式会社サピエント
業務推進部

坂倉さん

サピエントが目指すのは「お客様の期待以上」のサービス提供

株式会社サピエントのコーポレート・アイデンティティ

編集部

最初に、サピエントさんの事業内容についてお聞かせいただけますでしょうか?

坂本さん

当社は「信頼の結晶」を企業理念に掲げ、お客様と仲間を幸せにする、強くて優しい信頼企業の実現を通して、喜びに満ちた社会作りに貢献する活動を展開しています。

主たる事業は人材サービスです。企業ブランドや製品のブランド価値向上のため、各種プレゼンテーション、商品説明、接客を担うアテンドをはじめ、セミナーやシンポジウムなどの司会進行を務めるハイスペックな人材紹介をしております。

また、施設運営事業では、当社代表の湯川が大手自動車メーカー勤務時代から培ってきた知見と実績をもとに、ショールームを中心に運営全体をお任せいただける体制を構築しています。

編集部

施設運営事業はショールーム運営が主体とのことですが、サピエントさんではどのような業務を担っているのでしょうか?

坂倉さん

ショールーム運営では受付やコンシェルジュ、ツアーガイド、デモンストレーター、プレゼンテーターなどの施設業務を担っております。現在、当社が請け負っている創業90周年を迎える大手自動車メーカーや、カメラメーカーのショールームでは主に、ご来場者の応対をメインに担当しております。

また、お客様のご依頼を受け、施設運営設計やオペレーションマニュアルの策定、イベント企画・運営、顧客調査の実施や分析をもとにした改善提案、ユニフォームの企画・制作・管理なども担っております。

リモート接客をセットで提供する「SAPI-MO(サピーモ)」をリリース

編集部

近年の社会情勢の変化を受けて、サピエントさんが新たにリリースしたプロダクトはありますか?

坂本さん

はい。近年では、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、非接触での商談や商品説明が可能となるリモート接客サービス「SAPI-MO(サピーモ)」をリリースしました。

リモート接客導入に欠かせない人材とシステムを⼀式で提供するこのサービスは、接客のプロ人材と機材をワンストップでオーダーができ、企業様や地方自治体などに導入されています。

編集部

コロナ禍に関しては状況は落ち着きつつありますが、オンラインでの接客を含め多種多様な企業のニーズに応えられるよう、新しいサービスを提供されているのですね。

社員の9割以上が女性!温かな社風が「勤続5年以上の社員半数超え」を実現

株式会社サピエントのオフィス内勤務風景

編集部

セレモニーやセミナー、シンポジウム、ショールームなどの現場では、女性が接客や司会進行を務める印象です。サピエントさんで活躍されるメンバーの男女の比率はどのようになっていますか?

坂本さん

正社員・契約社員も含め、9割が女性で、管理職においては全員が女性です。当社の設立は2012年ですが、代表の湯川が起業した会社を含めて20年以上働いている者もいるほか、勤続5年以上の者が半数以上を占めています。離職率の低さは当社の特徴の1つです。

編集部

離職率の低さは企業の健全性や働きやすさを示す指標になると思われます。ほぼ全員が女性というサピエントさんの社風についてお聞かせいただけますか?

坂倉さん

第一に、温かい社風であることが挙げられます。当社の業態の特徴として、社員はクライアント様のショールームに常駐したり、各種イベントの現場に出向いたりすることが多いのですが、研修やミーティングで普段顔を合わせないメンバーと交流する場合でも、声かけをするカルチャーが根付いています。

現在、横浜オフィスに勤務している私は、年に数回ほどしか本社に行く機会がないのですが、代表の湯川をはじめ、「元気?」とフランクに話しかけてくれるメンバーばかりです。お互いを常に気にかけることで、働きやすい環境づくりを1人ひとりが心がけています。

また、評価制度が確立しているので、上司や仲間からの自分への期待や課題が分かり、着実に成長することができます。

編集部

離職率の低さは温かい社風による居心地の良さの現れなのですね。

サピエントでは「女性が公正に評価される環境」を求める人が多く勤める

編集部

サピエントさんにジョインするメンバーに共通するマインドなどはありますか?

坂倉さん

思い立ったら即行動に移す、アグレッシブなメンバーが多いように思われます。ショールームの運営はルーティン業務のイメージを持っている方がいるかもしれませんが、受け身ではなく、より良い接客のためのアイデアなどを現場単位で発信し、実行しています。

また、働きやすい環境についてアンケートを取った際は、いろいろなアイデアが各方面から集まってきます。正社員や契約社員、アルバイトなど雇用形態に垣根はなく、能動的な思考を持って仕事に向き合っているメンバーが多いです。

編集部

向上心を持った方が多く在籍するサピエントさんですが、どのようなバックグラウンドを持った方がジョインされているのでしょうか?

坂倉さん

広告代理店のデザイナーやプランナー、航空会社のグランドスタッフ、他社の契約社員としてショールーム運営に携わっていたものなど、さまざまなバックグラウンドを持った者が在籍しています。多様性はあるものの、接客やアテンドなど、女性が公正に評価される環境を求め、その仕事を選んだ者が多いように感じます。

華やかな現場に出向くことが多い当社の事業ですが、その裏では日々の緻密な情報共有に加え、定期的に業務改善や課題解決をテーマとしたミーティングをおこなっています。個々のスキルレベルを上げながら自発的に取り組むことで、業務やサービスの改善に努めています。

編集部

それぞれが女性が活躍できる仕事環境づくりを心がけ、プロ意識を持って改善に取り組んでいることも、継続年数の長さにつながっていると感じました。

接客・おもてなしのプロ人材を育成する教育制度が充実

編集部

坂本さんと坂倉さんは、元々は契約社員から正社員になられたと伺っております。その経緯をお聞かせいただけますか?

坂本さん

代表の湯川が1985年に設立した会社に契約社員として入社し、大手カメラメーカーのショールームで勤務しました。その後、サピエントで正社員になったという経緯があります。出産を機に勤務先がショールームから本社に移り、育児休暇を経て、現在は社長直轄の社長室で秘書業務を担当しています。

編集部

坂本さんがショールームの仕事を選ばれたきっかけについて教えていただけますか?

坂本さん

もともと接客業に興味があった私は、大手企業のショールームで接客ができることに魅力を感じ、志望しました。

サピエントは単に人材派遣ではなく、プロとしての接客、おもてなしを提供するための教育制度がしっかりしています。この会社なら、さまざまな接客スキルを身につけられると思い、入社を決めました。

目的ごとに分かれた研修は大きく分けて2つあり、1つはクライアント様のサービスや製品に関する知識ベースの研修となっています。2つ目は接遇研修となっており、接客で必要な正しい礼儀作法や立居振舞、言葉遣いなどを学ぶことで、上質なおもてなしを身につけることができます。

キャリアの途中にもステップアップのためのブラッシュアップ研修があります。CS向上やおもてなしのブラッシュアップに加え、マネジメント研修やクレーム対応研修など、それぞれのステージに合わせた研修がしっかりしていることも、当社の特徴であり強みと考えます。

編集部

キャリアに応じた研修制度があることで、サピエントさんでは常に優秀な人材を派遣できているのですね。

サピエントの魅力は「部署が違ってもすぐに相談できる環境」があること

編集部

続いて、坂倉さんがサピエントさんにジョインしたきっかけをお聞かせいただけますか?

坂倉さん

私の場合、別の会社が運営業務を委託する自動車メーカーのショールームに勤務していました。途中、所属していた会社側の都合でサピエントとご縁があって契約社員として所属することになり、業務にあたっていました。

ショールームでの接客業務がとても好きだった私は、所属が変わっても同じ仕事ができることを嬉しく感じました。また、サピエントのメンバーと仕事をすることで、アグレッシブな思考や人の温かさに触れ、この会社で長く働きたいという思いが芽生えたことを覚えています。

正社員として長く働くことを目指し、正社員登用にチャレンジしました。現在は横浜市にある大手自動車メーカーのショールーム運営を担当しています。

編集部

サピエントさんにジョインされた坂倉さんから見て、企業としての御社の魅力はどこにあると思われますか?

坂倉さん

社員同士の距離の近さが魅力だと感じます。規模としては前職の方が大きかったのですが、現場で困ったことがあったり、相談したい事案があったりしても、なかなか声が届かないことがありました。サピエントは部署の垣根を超えてすぐに相談できる環境があり、親身になって対応することに当社の良さがあると思います。

編集部

すぐに相談ができる環境があることは、日々の業務の健全性や、生産性向上にもつながりますね。

「女性が活躍できる社会構造を目指す」のがサピエント社員に通じる思い

株式会社サピエントのオフィス内勤務風景

編集部

勤続5年以上の方が多く在籍するサピエントさんには、温かい社風や社員の距離感の近さなど、企業としての魅力がたくさんあることがわかりました。坂本さん、坂倉さんが御社で働く意義についてお聞かせいただけますか?

坂本さん

代表の湯川が抱く求心力を支えたいという思いがあります。女性の職域開発や女性活躍に長年にわたって取り組んできた湯川は、結婚や出産などライフステージが変わっても女性が働き続けられる社会構造を目指しています。そのような熱意ある湯川のもとで働きたい者が、私を含め、サピエントに在籍していると思われます。

人間関係を理由に転職する方が多い中、長く働くことができる企業との出会いを求めている方はたくさんいらっしゃると思われます。サピエントは従業員数が約120名と、それほど大きな組織ではないこともありますが、湯川が1人ひとりの社員としっかり向き合い、我が子のように思っている会社です。

自動車のメーカー宣伝部において販売促進の領域で実績を積んだ湯川は、その自動車メーカーとJVで事業を立ち上げました。まだ女性が高額な商品を販売することが根付いていなかった時代に、女性による自動車セールス部門を築き上げました。

湯川は、MICE関連や人材サービスにおける女性活躍を30年以上前から推進した、いわばパイオニア的存在です。そんな湯川のもとで働けることが、私がサピエントで働く意義だと感じます。

編集部

秘書として湯川さんに常に寄り添われている坂本さんだからこそ、湯川さんの求心力の強さを感じ取ることができるのですね。続いて、坂倉さんがサピエントさんに長年勤務する理由についても教えていただけますか?

坂倉さん

横浜のショールームに勤務する私は、本社との関わりは多くないのですが、女性が働きやすい環境づくりやライフステージの変化に合わせた働き方などに注力していることはよくわかっています。湯川から脈々と受け継がれているサピエントの考えは、私たち社員にもDNAのように記憶され、つながっているように感じます。

先ほど坂本からも話があったように、湯川は驚くほど社員1人ひとりに目を向けています。現場で働く私の悩みを、相談せずとも汲み取り、適切なアドバイスをする姿勢は、全ての社員にとって目標であり、憧れの存在です。

人材がどんなに良くても、研修やマネジメントが行き届いていないとそれを活かすことはできません。ブラッシュアップを繰り返すことで人を育て、個々の成長につなげている当社は、向上心を持った者が活躍できる場所です。

当社の接客の質の高さは業界No.1と自負しております。クライアント様からのリピート率の高さを誇るサピエントの一員であることは、私の誇りです。

編集部

湯川社長のお人柄がわかる素敵なエピソードからも、サピエントさんにジョインするメンバーが、強い絆で結ばれてていることがうかがえます。

サピエントではライフステージにあわせたキャリアパス・働き方も可能

株式会社サピエントのオフィス風景

編集部

ここからはワークライフバランスを中心にお話を伺います。サピエントさんではキャリアパスをどのように描かれ、実践される方が多いのでしょうか?

坂本さん

当社が運営するショールームの契約社員として入社し、正社員登用にチャレンジする道があります。ショールームをフィールドにキャリアを積む者、私のようにライフステージの変化に合わせて本社勤務を選択する者もいます。

編集部

サピエントさんの勤務形態はどのようになっていますか?

坂本さん

当社はフレックスタイムを導入しています。月末月初は仕事が集中する傾向にありますが、それ以外の日は早めに時間を切り上げ、業務の状況に合わせることで各自が時間調整をしています。

また、通院や家庭の状況などによる中抜けや早退も可能となっており、自分のペースで仕事ができるのも当社の働き方の特徴です。本社勤務に限定されるのですが、テレワークによる働き方を選択することも可能となっており、お客様主体の予定がない限りは、自己判断で勤務形態を決めることができます。

子育て中の急な休みには、同じ部署内でサポートする体制あり

編集部

女性社員が9割のサピエントさんでは、やはり育児休暇を取得される方は多いのでしょうか?

坂本さん

正社員、契約社員も含め、ほぼ全員が育児休暇を取得しております。現在は私を含め、2名が時短勤務をしています。子どもを幼稚園や保育園に預けると、発熱などイレギュラーなことが発生しがちです。急な欠勤や早退などがあった場合は、同じ部署の者が協力をしてサポートする体制をとっています。

新型コロナウィルス感染拡大を機に導入したテレワークは、ニューノーマルな働き方として定着しています。ショールーム勤務の場合は業務の性質上、出社が原則なので、ショールームのスタッフはシフト申請で有給休暇を活用することで、ワークライフバランスを整えています。

編集部

坂本さんは出産・育児休暇を経て復職されたとのことですが、復職するにあたり、周囲のサポートなどはありましたか?

坂本さん

私の場合、ポジションがショールーム勤務から本社勤務になったことで環境も仕事内容もガラリと変わりました。秘書業務は新たな挑戦でしたが、仕事を1からサポートしてもらいながら業務を引き継いだので、スムーズな職場復帰ができました。

編集部

復職後、新しいポジションに就くのは不安もあったと思われます。温かな環境に迎えられたことで、ブランクを意識することなく、復職されたのですね。

サピエントでは1人ひとりの経験・特性にあった業務をアテンド!だから輝ける

株式会社サピエント社長室の坂本さん

編集部

サピエントさんのカルチャーやワークライフバランスを知ることで、御社に興味を持った読者は多いかと思われます。最後に、転職を検討されている方に向け、メッセージをお願いします。

坂倉さん

人材サービスを提供する会社は数多く存在しますが、1人ひとりの特性や経験を理解した上で仕事をアテンドする会社は決して多くはありません。当社は各種研修制度だけでなく、社員と向き合うことで、その者が最も輝ける場をアテンドしています。

2025年4月には大阪・関西万博が控えており、人材派遣を担う当社でも、人材の募集や教育など、準備を進めています。これまでの実績や業務内容は、当社の公式サイトからも知ることができるので、ぜひ参考にしてくださいね。

新しい環境に飛び込むことは勇気が必要ですが、サピエントのメンバーは代表の湯川をはじめ、心根が温かく、優しい者ばかりです。当社に少しでも興味を持った方は、お気軽に問い合わせいただけたら幸いです。

坂本さん

ショールームのような施設運営は、契約社員としての雇用が多く、キャリアがそこで止まってしまうことが多い業界です。当社は契約社員から正社員にステップアップすることができ、私を含め、多くのメンバーが社員として活躍しています。長く働きたい方にとって、理想的な職場環境だと思います。

ショールーム運営や、展示会、各種イベントは、接客や司会進行など、女性が主体となって活躍してきた分野です。今後は女性活躍の場を広げていくと共に、多様性を重視する新しい時代に合わせた事業を展開する方針です。

業務内容が多岐にわたる当社ですが、求める人物像の全てに共通するのが“人が好き”であることです。クライアント様やお客様、登録スタッフの対応には臨機応変さが求められます。日々変化するトレンドやニーズに対し、柔軟に対応できる方がサピエントにジョインいただけると嬉しいです。

編集部

人材サービス事業やショールーム運営を通じ、女性が活躍できる場を常にブラッシュアップされながら事業に取り組むサピエントさんでは、メンバー1人ひとりが高い意識を持って業務にあたられていることがわかりました。

湯川社長がこれまで取り組まれてきた実績を継承しつつ、多様性社会に応じた新しい人材サービスにも取り組まれている御社は、MICE関連事業を牽引する存在になると、今回の取材を通して実感しました。

本日はありがとうございました。

■取材協力
株式会社サピエント:https://www.sapient-inc.co.jp/
採用ページ:https://www.sapient-inc.co.jp/works/