バスケクラブ異例の「本拠地移転」をした横浜エクセレンスの軌跡とカルチャー

バスケクラブ異例の「本拠地移転」をした横浜エクセレンスの軌跡とカルチャー(求職者向け)

注目企業の躍進の背景や、若手社員活躍の秘訣に迫るこの企画。今回はプロバスケットボールクラブ「横浜エクセレンス」を運営する株式会社横浜エクセレンスにお話を伺いました。

株式会社横浜エクセレンスとは

株式会社横浜エクセレンスのエンブレム
▲横浜エクセレンスのエンブレム

株式会社横浜エクセレンスは、横浜市に本拠地を構えるプロバスケットボールクラブ「横浜エクセレンス」の運営を行う会社です。2012年にプロクラブ化された横浜エクセレンスですが、元々は「東京エクセレンス」の名称で、東京都板橋区にホームタウンを置きクラブ活動を行ってきました。

2016年のBリーグ発足後、東京エクセレンスは人気と実力を兼ね備えながらも、ライセンス不交付やコロナ禍などの外部環境に翻弄されることになります。紆余曲折を経て2021年、東京エクセレンスは東京都板橋区から神奈川県横浜市へ、プロスポーツクラブとしては異例の「本拠地の移転」を行いました。それに伴い名称も「東京エクセレンス」から「横浜エクセレンス」に変更されています。

会社名 株式会社横浜エクセレンス
住所 ヘッドオフィス:神奈川県横浜市中区真砂町2-25関内中央ビル4FK402号
チームオフィス:東京都品川区東⼤井1-9-37(株式会社加藤製作所内)
事業内容 ・バスケットボールクラブの運営
・プロスポーツに関する興行の実施
・スポーツ関連商品やグッズ、写真、映像、その他製品の企画・販売
・スポーツ施設の管理運営
・スポーツ選手のマネジメント
・知的財産権の管理運営
・広告代理店業
・労働者派遣業
・スポーツ教室・大会・勉強会・イベント等の開催
・前各号に附帯又は関連する一切の事業
設立 2016年7月1日
公式ページ https://yokohama-ex.jp/

今回は株式会社横浜エクセレンス営業本部の田島さんに、横浜エクセレンスのこれまでの軌跡や、8割を占めるという若手社員の活躍の秘訣、スポーツ好きの社員が集まる中での社内カルチャーなどについてお話をお伺いしました。※取材は2023年7月に実施

本日お話を伺った方
株式会社横浜エクセレンス営業本部法人営業部の田島忠明様

株式会社横浜エクセレンス
営業本部 法人営業部

田島 忠明さん

横浜エクセレンスの運営を中心に、ユース運営などを多角的に展開

横浜エクセレンスの試合風景

編集部

最初に、横浜エクセレンスさんの事業内容についてお聞かせいただけますでしょうか。

田島さん

我々は「横浜エクセレンス」という、現在B3リーグに所属するプロバスケットボールクラブを運営している企業です。クラブ運営にあわせてグッズなどのスポーツ関連商品、写真・映像の販売、試合での広告物の販売なども行っています。

小中学生向けのアカデミーも弊社事業の一環として実施しています。小中学生向けバスケットボールスクールの「バスケットボールアカデミー」、クラブチームの横浜エクセレンスの「ユース」運営。その他に「チアダンスアカデミー」も運営しています。

また横浜市に本拠地を置くクラブとして、中区役所様、中区連合町内会長連絡協議会様、弊社との3者間で2022年10月にホームタウン活動の協力に関する基本協定を締結しました。選手と一緒に、地域の清掃活動や地産地消の取り組み、小中学校訪問などのホームタウン活動を行っています。

横浜市への異例の「本拠地移動」から2年で約2,400人の観客動員達成

横浜エクセレンスの試合動員数
▲横浜市に本拠地を移してから2年で2,410名の動員を達成

編集部

横浜エクセレンスさんは現在横浜市をホームタウンとされていますが、もともとは東京都板橋区で活動されていたんですよね。このあたりの経緯を詳しく教えていただけますでしょうか。

田島さん

おっしゃる通り、横浜エクセレンスは今から3年前まで、東京都板橋区で「東京エクセレンス」として活動していました。2016年にBリーグが発足された最初のシーズンはB2に在籍しており、次シーズンも残留可能な成績を残していました。しかしそのとき本拠地にしていた板橋区のアリーナがBリーグのライセンスを満たさないものであったため、B3への降格を余儀なくされてしまったんです。

編集部

B2に残留するためのライセンスの条件とはどのようなものだったのでしょうか。

田島さん

「3,000席以上のホームアリーナで、年間のホームゲームの60%以上を開催する」というものです。当時本拠地としていた板橋区の板橋区立小豆沢体育館ではキャパシティが足りず、また板橋区内にB2の開催基準を充足するホームアリーナを建設する、という計画も上手く進みませんでした。

そこから紆余曲折を経て、B2のライセンスを満たすこの横浜武道館を本拠地とすることが決定しました。それに伴い2021年、横浜市にホームタウンを移転することになったのです。

しかし移転したところまでは良かったのですが、そのタイミングがちょうどコロナ禍と重なってしまいました。いろいろなイベントに出たかったのですが、横浜市のイベント自体が縮小していることもあり、なかなか露出する機会がなく横浜市の方々に認知されるまで時間がかかってしまったんです。

ただ2年目となる2022-23シーズンからは徐々に社会情勢も落ち着いてきて、試合の方も中断なくすべての日程を終えることができました。横浜武道館は3,000人を収容できるキャパシティがあるのですが、横浜エクセレンスの試合で約2,400名の観客を動員することができたんですよ。ほぼ満員の観客席を見たときは、「頑張ってきて良かった」と思いましたね。

編集部

横浜市の方に拠点を移されてからわずか2年、しかもコロナ禍も重なった中で、それだけの観客を動員できた要因というのは何だとお考えでしょうか。

田島さん

2年目になって徐々にイベントもいろいろなところで開催されるようになり、選手たちがそこでPRさせていただけたというのはもちろんのこと、働いているスタッフの力も大きかったと思います。パートナー企業様の応援や、友人・知り合いに声をかけたり、駅前でチラシを配ったりとか、本当に地道な作業を重ねて重ねて、やっと今があるんだと感じています。

編集部

さまざまな苦労を乗り越えて、たくさんの人の横浜エクセレンスさんへの想いや熱意が実を結びはじめているんですね。

※横浜エクセレンスの歴史と今後の目標については、以下の動画をご覧ください。

若手社員が8割!スポーツ業界未経験の社員も多数

株式会社横浜エクセレンス営業本部法人営業部の田島忠明様
▲若手社員は全体の8割!田島さんをはじめスポーツ業界未経験社員も多数

編集部

続いて横浜エクセレンスさんにおける若手活躍のトピックについて伺います。まず現在の体制についてお聞きしたいのですが、横浜エクセレンスさんでは何名くらいの方が働いていらっしゃるのでしょうか。

田島さん

現在は25名弱の体制となっています。その内の約8割が、所謂「若手社員」と呼ばれる20代から30代前半の社員で構成されています。

編集部

かなり若い方が多いんですね!皆さん前職はスポーツ関連の業界で働かれていたのでしょうか?

田島さん

他のクラブチームで働いていた経歴を持つ者もいますが、全く違う会社で働いていた未経験者もいますよ。ほとんどが中途採用ですが、新卒採用で入ってきた社員もいます。私自身も昨年横浜エクセレンスにジョインしたばかりなんです。

編集部

田島さんご自身が「活躍されている若手社員」なんですね。田島さんは現在どのような業務をされているのでしょうか。

田島さん

営業本部法人営業部に所属し、いろいろな企業様に横浜エクセレンスの広告を出していただいたり、一緒にイベントを開催したりしています。我々のクラブのリソースを十分に発揮し、企業様のお役に立てるようなことを提案しているというのが主な業務となります。

編集部

田島さんは前職ではどのようなお仕事をされていたのでしょうか。

田島さん

前職でも法人営業はしていましたが、ヘルスケア事業に携わっていたため、スポーツ業界や広告業というのは未経験です。そのため新鮮な気持ちでお仕事させていただけていますね。

前職での経験から、「健康には食事と運動が大切だ」ということを改めて実感しました。前職では食事をメインとした業務だったのですが、私自身ずっとラグビーをやっていたため、スポーツを通じて人々を健康にできたら、と考えていたんです。それでご縁があって横浜エクセレンスにジョインした、というのが入社の経緯です。

気軽に話せる1on1ミーティングは「気づき」を得る場としても重要

編集部

田島さんご自身をはじめ、未経験での入社も多いとのことですが、横浜エクセレンスさんにはどのようなサポート体制があるのでしょうか。

田島さん

私の所属している営業部で言うと、取引先に上司が同行してくれたり、毎週のミーティングの中で不明点を解消したりすることができます。また、全体のミーティング後には1on1ミーティングがあるため、そこでもいろいろな質問や相談をすることができています。

先ほども言った通り若手メンバーが多いため、上司も年齢が近いことが多いんです。分からないことも気軽に話せる雰囲気があるため、とても学びやすく、仕事がしやすい環境ですね。

編集部

ミーティングの中ではどのような質問をされているんですか?

田島さん

営業数字が伸びなかったときに「どうやったら数字が伸びるのか」というような、直面している課題について聞くことが多いですね。

上司からはいろいろなアドバイスをいただくのですが、その中でも「人は少しずつの積み重ねで成長するから毎日毎日学ぶことが大切」という話をいただいたときは、はっと気づかされる部分がありました。なあなあで仕事をするのではなく、毎日何かしらの新しい気づき、学びを得るという意識で仕事をしていかなくてはならないんだなと改めて感じましたね。

編集部

良い関係性の中で精神的なケアも含めてサポートが受けられる環境があるのですね。

提案しやすい「風通しの良さ」と、アイディア実現までのスピード感が魅力

エクセレンスのLTO活動の様子

編集部

横浜エクセレンスさんの中で、若手社員の方が中心となって進められている取り組みがあれば教えてください。

田島さん

『LEADS TO THE OCEAN』、通称LTOの取り組みは若手の営業メンバーが中心になって進めています。まちに捨てられたゴミが最終的に海に辿り着くことで海を汚してしまうという現状があるため、特に人の集まるアリーナ周辺の清掃活動をみんなで行う、という取り組みです。

2023-24シーズンは各節、試合開始80分前にアリーナの入場口付近で実施しており、横浜エクセレンスブースター(※)の皆様にご参加いただいています。
※ブースター:特定のバスケットボールチームを応援する人のこと

エクセレンスのLTO活動の様子
▲試合前に列をなすLTO参加者

編集部

横浜エクセレンスさんでは若手社員の方からの発案で生まれる取り組みもあるのでしょうか。

田島さん

はい。そういう場合は上司とのミーティングの中で提案し、実現に向けて動いていくことが多いですね。

年齢や年数に関わらずそういった提案ができる風通しの良さは、横浜エクセレンスの魅力の1つです。自分の意見を伝えやすい環境がありますし、理にかなった意見であればスピード感を持って採用してもらえるのも横浜エクセレンスの特徴です。

編集部

実際に田島さんが提案して実現したものはありますか?

田島さん

直近で言うと、JR東日本の戸塚駅で選手が構内放送をする、という取り組みがあります。マナー啓発用構内放送を横浜エクセレンスの選手が担当するというもので、7月から開始されています。

また私が通っているスポーツジムの店長から「一緒に何か取り組みができないか」という相談を受け、何ができるのかを上司に相談しました。その中で「バスケットボールの体験教室を開いてみてはどうか」というアドバイスをいただき、こちら実際に開催まで結びつけることができました!

編集部

新しい取り組みのアイディアがきちんと実現されるというのは素晴らしいですね。風通しの良さや意見が反映される環境が社員の方の活躍を後押ししているなと感じました。

自由だからこそ必要な「行動」と「自己管理」が活躍の秘訣

編集部

今お話にあった通り、田島さんは横浜エクセレンスさんにジョインしてから1年弱でとてもご活躍されていますが、ご自身のどのような部分が評価につながっているとお考えですか?

田島さん

横浜エクセレンスは自由度や裁量が大きい環境があるのですが、その分自分で動き出さないと何も始まりません。その中できちんと行動に移し、最近はその行動に対して芽が出るようになってきているので、そういったところが評価されている部分なのかな、と思います。

編集部

「自由」というのはどういった部分で感じるのでしょうか。

田島さん

特に働き方の部分で感じますね。出社することもあれば在宅ワークをすることもあり、その頻度なども決まりはありません。すごくありがたいなと思う一方で、やはり自己管理ができていないと難しい部分もあると思います。

自由だからこそ、行動に移せない人は結果が出づらくなります。その差は年数を重ねるごとに開いていくんだろうな、というのは感じますね。「自分自身で主体的に動く」ということ、そして「責任を持って自己管理をする」ことが、横浜エクセレンスで活躍するために求められることなのではないでしょうか。

編集部

横浜エクセレンスさんでは自由な分、自分で行動しないと結果が伴ってこない環境があるんですね。行動した量や結果がしっかりと評価される体制があることも伝わりました。

バーベキューにバスケ。交流機会も多く明るい社内カルチャー

編集部

横浜エクセレンスさんの社内カルチャーについてもお伺いできればと思います。同世代の方も多いそうですが、社内はどのような雰囲気なのでしょうか。

田島さん

横浜エクセレンスの社内は明るい雰囲気ですね。男性陣はスポーツ経験者が多く、女性陣はスポーツ観戦が好きな人が多いという印象です。

仕事をしている中で、どうしても厳しい局面を迎えることもあります。そんなときでも、一緒にランチに行ったり、お酒を飲みながら話したり、それでも答えが出ない場合は上司に相談をしたりと、普段の気軽な交流の中で悩みや困りごとを話せる環境がある会社だなと感じています。

編集部

横浜エクセレンスさんでは普段から交流機会が多いのでしょうか。

田島さん

そうですね。人数が少ないこともあり、部署を超えた交流も盛んです。先日は皆でバーベキューを行いましたし、今度はバスケットをやろうという話も出ています。バーベキューは家族連れで参加する人も多くて、お子さんも来ていましたよ。

リーグ優勝と昇格。同じ方向を目指すことで生まれる良い雰囲気

編集部

風通しの良さや交流機会の多さなど、横浜エクセレンスさんの雰囲気の良さが伝わってきます。雰囲気の良さをつくり出している要因は何だとお考えですか?

田島さん

やはり、横浜エクセレンスでは目指す方向が一緒だということが大きいと思います。まずB3リーグでの優勝、そしてB2リーグへの昇格ですね。

そこに到達するまでの道のりはそれぞれで異なるかもしれませんが、最終的に皆そこを目指して頑張っています。だからこそ意見を言い合えたり、風通しが良くなったりしている部分があるのだと思っています。

編集部

クラブチームならではの共通の大きな目標が、社内の一体感や風通しの良さを生んでいるのですね。

横浜エクセレンスで活躍できるのは「学び続ける」姿勢を持った人

株式会社横浜エクセレンス営業本部法人営業部田島忠明様
▲活躍できるのは「学ぶ姿勢を持つ人」だと話してくれた田島さん

編集部

続いて採用についてお伺いします。横浜エクセレンスさんで活躍できるのは、どのような人材だとお考えでしょうか。

田島さん

やはり「学び続けよう」という意識のある人だと思います。結果はすぐに出ないかもしれませんが、学び続けることで急成長につながることもありますよね。

働き方は自由ですし、一人ひとりの裁量は大きい職場環境です。その中で学ぶ姿勢を持って行動できる人は横浜エクセレンスで活躍していただけると思います。

編集部

田島さんが上司の方からもらったアドバイスにも通じますね。田島さんご自身のご活躍にもつながるお話だなと思いました。

勝利後はお客様とハイタッチ。目標に向かってモチベーション高く働き続けられる

編集部

それでは、横浜エクセレンスさんに興味を持った読者に向けて、最後にメッセージをお願いします。

田島さん

先ほどもお話した通り、横浜エクセレンスが目指しているのはまずB3リーグでの優勝、B2リーグ昇格です。目に見える結果がきちんとあるので、モチベーション高く働き続けることができます。

また実際に試合会場でも働くことになります。そこでお客様と一緒に勝利の喜びを味わえるのは、クラブスポーツにしかない経験だと思いますね。勝ったときにお客様とハイタッチをしたり喜びを分かち合えるのは最高です。

編集部

今回の取材を通じて、東京時代からの横浜エクセレンスさんの歴史の積み重ねを知ることができました。人々に愛されてきたクラブで、お客様と勝利の喜びを分かち合えるのは他にない魅力だと思います。

また横浜エクセレンスさんには共通の目標のもと、さまざまなアプローチで新しいことに挑戦できる環境があります。そんな横浜エクセレンスさんでは、やりがいを存分に感じながら成長していけると思います。本日はお忙しい中、ありがとうございました!

■取材協力
株式会社横浜エクセレンス:https://yokohama-ex.jp/