不動産取引×テクノロジーのリーディングカンパニーを目指すリーウェイズ株式会社。エンジニアの市場価値を高める「π型人材」の育成術とは

テクノロジーを活用し、時代をリードする事業を展開する企業を紹介する本企画。今回は、2億5,000万件の不動産ビッグデータと人工知能AIによる分析機能を搭載した、不動産業務パッケージ「Gate.」を提供するリーウェイズ株式会社にインタビューしました。

リーウェイズ株式会社とは

リーウェイズ株式会社は、不動産テックベンチャーとして、不動産DXコンサルティング事業や、2億5,000万件の不動産ビッグデータと人工知能AIによる分析機能を搭載した、不動産業務パッケージ「Gate.」の開発・運営などを手がけています。

「Gate.」は、独自に収集した2億5,000万件以上の物件データなどをAI(人工知能)により分析をすることで、最長50年先までの不動産価格や賃料、空室率などを予測できる特徴があり、不動産会社400社以上、金融機関10行以上が査定業務に活用しています。

会社名 リーウェイズ株式会社
住所 東京都渋谷区神宮前3-15-9 CREST表参道3階
事業内容 ・不動産取引の意思決定を支える情報インフラの提供
・不動産、資産運用のコンサルティング業務
設立 2014年2月
公式ページ https://www.leeways.co.jp/
働き方 ・ハイブリッド勤務(出社:週1日、リモート勤務:週4日)
・フレックスタイム制(コアタイム:10:00〜12:00)

リーウェイズ株式会社がエンジニアの育成で重視しているのは、エンジニア以外の知見やスキルを持ち合わせた「π型人材」になってもらうことです。不動産などの知識を身につけることで、市場価値の高いエンジニアに成長してほしいという思いを持っており、社内には宅建士の資格を持つエンジニアもいます。

今回は、システム開発部マネージャーの相川大輔さんに、不動産テックを支えるエンジニアのお仕事や、成長を後押しする仕組みについてお話を伺いました。

本日お話を伺った方
リーウェイズ株式会社のシステム開発部でマネージャーを務める相川大輔さん

リーウェイズ株式会社
システム開発部マネージャー

相川大輔さん

AIやビッグデータを用いた不動産テックサービスを展開

リーウェイズ株式会社の公式サイトに掲載されたスローガン
▲リーウェイズ株式会社は不動産テックの領域で時代をリードする事業を展開する。(公式サイトから引用)

編集部

まず、リーウェイズさんの事業内容についてお聞かせいただけますでしょうか。

相川さん

弊社は、不動産取引とテクノロジーをかけ合わせた事業を展開しています。

事業は3つあり、1つ目が不動産DXコンサルティング事業、2つ目は個人様向けのアセットコンサルティング事業、3つ目はAIによる不動産価値分析などを行う不動産業務システム「Gate.」の開発と運営です。

編集部

それぞれの事業について、概要を教えてください。

相川さん

不動産DXコンサルティング事業では、不動産ビジネスをデジタル変革したい金融機関様や不動産事業者様に対して最上流からコンサルティングをしており、ご要望によってはシステムの納品まで対応しています。

アセットコンサルティング事業では、資産を形成したい個人のお客様に対して、不動産を購入する際の相談や、売却・買い替えのアドバイスを行い、不動産による資産形成を総合的にサポートしています。

「Gate.」は、金融機関様や不動産事業者様向けの不動産業務システムで、AIやビッグデータを用いた不動産査定や投資分析シミュレーション機能で業務の効率化に貢献しています。

不動産価値分析サービス「Gate.」は50年先まで予測が可能

リーウェイズ株式会社が提供する「Gate.」の操作イメージ画像
▲不動産価値分析AIクラウドサービスの「Gate.」は、AIを活用した不動産の査定や、投資分析シミュレーション、市場分析やハザード情報の提供を行う。(プレスリリースから引用)

編集部

「Gate.」は、不動産会社400社以上、金融機関10行以上(2023年9月時点)が導入するサービスだと伺いました。どのような特徴があるのか、詳しく教えていただけますか?

相川さん

これまでの不動産査定業務では、事業者がお客様に不動産を紹介する際に担当者ごとに査定金額が変わってしまったり、「なぜこの物件が良いのか」という根拠を示せないためにお客様に納得してもらえなかったりする課題がありました。また、納得いただく根拠を示すためには複数の不動産サイトで事例を探す必要があるため、時間がかかって非効率でした。

「Gate.」は、15年間にわたって独自に収集してきた2億5,000万件以上(2023年9月時点)の物件データや、地価公示や用途地域(※)などの統計データをAIが学習し、賃料や空室率、価格などを高い精度で50年先まで予測することができるため、客観的な情報に基づく提案や、社内の査定スキルの平準化、業務効率の向上が期待できます。
(※)住居系や商業系、工業系などの用途に応じたエリア分けで、エリアによって建物の種類や大きさなどが制限されている。

編集部

50年先までシミュレーションできると、将来的なリスクも把握できるので安心感が高まりますね。

相川さん

資産形成の目的で不動産に投資する個人の投資家様が増えていますが、将来的なリスクを見落としてしまうケースがよくあります。

例えば、「家賃収入が毎月10万円見込めます」と説明されると、30年後も10万円入ってくると思ってしまいますよね。しかし、実際は経年によって賃料は下落していくので、15年後の家賃収入は8万になっているかもしれません。

また、不動産投資では「空室率」も重要なファクターです。例えば、6室あるマンションを1棟丸ごと購入し、10万円の家賃で貸し出したとき、満室なら毎月60万入ってきます。しかし、1室空室があれば50万に減ってしまい、不動産収入の想定が狂ってしまうことになりかねません。

「Gate.」を活用すれば、50年先までの賃料下落予測や空室率の予想を含めたうえで査定できるので、リスク管理をしながら資産形成ができます。

編集部

将来への不安から不動産投資などで資産形成する人が増えているので、このようなサービスは今後ますます需要が高まりそうだと感じました。

リーウェイズの事業を支えるエンジニアの魅力とやりがい

リーウェイズ株式会社のエンジニアがミーティングを行うようす

編集部

ここからは、不動産テックを展開するリーウェイズさんの事業に欠かせないエンジニアのお仕事について伺います。相川さんご自身は、システム開発部のマネージャーとしてどのような業務を担当されているのでしょうか?

相川さん

私はプレイングマネージャーとして、サーバーサイドエンジニアとしてデータやインフラ周り、ロジック周りの実務を担当しながら、10名ほどいる開発部のメンバーのマネジメント業務を行っています。

また、職域を超えて他部署と連携しながら、事業拡大を推進する役割も担っています。例えば、営業部門やマーケティング部門と協力してお客様が「Gate.」に求める機能を開発したり、今後狙うマーケットなど経営領域の議論にエンジニアの立場で参加したりしています。

市場が拡大し将来性のある不動産テックに関われる

リーウェイズ株式会社のエンジニアが仕事をするようす

編集部

不動産テック領域のエンジニアの仕事の特徴や魅力として、どのような点が挙げられますか?

相川さん

不動産業界は、いまだにFAXでやり取りをする事業者さんがいるなど、IT化が遅れている業界と言われてきましたが、新型コロナウイルスをきっかけにDXへの意識が高まり始めました。弊社のDXコンサルティングサービスや「Gate.」を活用いただく機会も増えており、アナログだった不動産業界を一気にデジタル化する仕事に関われるのはエンジニアとしてやりがいを感じます。

また、不動産業が日本の国内総生産(GDP)に占める割合は、1割を超えています。日本経済を動かす重要な産業にインパクトを与えるような大きなスケールの仕事ができるところが魅力と言えます。

編集部

市場そのものが大きいうえに、これからDXが本格化するフェーズにあるため、伸びしろがとてもあるのですね。

相川さん

はい。特に、弊社にはAIを活用したサービスがあるので、ある程度DXが進んでいる事業者様であっても、さらなる高度化のお手伝いができます。これは、高いテクノロジーを持つ弊社ならではの強みです。

さらに、不動産テックはクリエイティブな仕事ができる業界だと感じます。一般の消費財はメーカー、卸、消費者という3者で成り立っていますが、不動産の場合は、不動産事業者や金融機関、投資家、一般消費者、税理士など関わるプレイヤーが多く、それぞれが深く繋がっています。

そのため、フィンテックと不動産テックをかけ合わせたサービスや、税理士さん向けの不動産テックなど、かけ合わせによって新しい価値やビジネスチャンスをたくさん創出することができます。

編集部

組み合わせによってさまざまな価値を生み出せる反面、あらゆる業界を理解したうえで開発しなくてはならない難しさもありそうです。

相川さん

不動産に関わる全てのマーケットを一気に押さえることはできませんし、しっかりした開発体制を確保するためにも、優先順位をつけながらサービス開発を行っています。

弊社としては、まずは現在注力している金融機関×不動産の領域で市場を押さえ、最終的には不動産取引に関わる全てのプレイヤーに対してサービスを提供したいと思っています。

編集部

積極的に事業拡大を狙うリーウェイズさんが今後どのような新サービスを開発するのか、楽しみです。

開発したシステムがクライアントの集客に貢献

編集部

相川さんがこれまでに開発に関わったサービスで、評価や反響を得たものには何がありますか?

相川さん

DXコンサルティングの一環で、電鉄系の企業様から、不動産投資事業のプロモーションのためにライフプランシミュレーションができるサイトを作りたい、というご相談をいただきました。

そこで、弊社のビッグデータを活用しながら、家族構成や収入などを入力するだけで簡単にライフシミュレーションができるシステムを一から開発しました。その結果、多くの方がサイトを訪れ、お問い合わせなどのアクションを取ってくれた方も多かったということで、クライアント様から高い評価をいただきました。

編集部

相川さんが手がけたシミュレーション機能が、集客に寄与したのですね。

相川さん

はい。システムを納品するだけでなく、それがお客様のサービスにどのようなインパクトを与えたか知ることができたため、モチベーションにもつながりました。

「π型人材」に育てることでエンジニアの市場価値を高める

リーウェイズ株式会社のエンジニア3名が話し合いながら仕事するようす

編集部

リーウェイズさんは、エンジニアに対してどのような成長を期待していますか?

相川さん

弊社のエンジニアには、複数の専門分野や詳しい知識を持つ「π型人材」になってほしいと思っています。自分の領域であるITの知識を高めるだけでなく、不動産やマーケティング、コンサルティングなどの知識も身につけてもらうことを重視しており、リーダー以上になるための条件にはπ型人材であることを設定しています。

私はエンジニアですが、宅地建物取引士の資格を持っており、ほかにも宅建の資格取得に向けて勉強しているエンジニアが複数います。

編集部

エンジニアを目指す人は増えていますが、プラスアルファで強みがあると市場価値も高まりそうですね。

相川さん

そうですね。不動産の知識を持つエンジニアという意味での市場価値もそうですが、私は、エンジニアがドメイン知識(※)を「勉強する」こと自体が市場価値を高めると思っています。
(※)エンジニアが関わる業界や事業領域についての知識

エンジニアが不動産の勉強をして宅建を取得したということは、「ドメイン知識に真剣に向き合う姿勢」があることを意味し、これは今後のキャリアで大きなアピール要素となります。

例えば、エンジニアとしてトラベルテックの企業に転職する場合、業界未経験だったとしても「トラベル関連の資格を取るくらいドメイン知識を勉強してくれそうだ」と期待してもらえるはずです。

編集部

自分の付加価値を高め、エンジニアとしてのキャリアを追求したい人にとって、リーウェイズさんの人材育成はとても魅力的だと感じました。

スキルアップをサポートする制度やカルチャーがある

リーウェイズ株式会社のエンジニア2名が並んで座るようす

編集部

リーウェイズさんには、エンジニアの学びやスキルアップをサポートするような制度はありますか?

相川さん

はい。例えば、書籍勉強代の補助があり、読み終わった本を会社に寄贈することを条件に、全額会社負担で購入できます。また、任意参加の読書会を開催しており、読書を通じて得たナレッジを共有する場として活用しています。

また、2023年11月から資格手当を充実させる予定です(取材は2023年9月)。これまで資格手当の支給対象者は宅建士だけだったのですが、新たにエンジニア向けの資格にも手当を支給することで、スキルアップへの意欲につなげたいと考えています。

編集部

エンジニアの成長を後押しするような環境についてはいかがですか?

相川さん

弊社はベンチャーということもあり、大手金融や大手不動産のプロジェクトにも早い段階から裁量を持って関わることができます。

同じ不動産テックでも、大手になるとテスターから始まり、かなり成長した段階でようやく金融機関などの大型プロジェクトに補助で入れるようになります。弊社の場合はある程度自分でプロジェクトを選べますし、大きな裁量を渡してしっかり任せるスタイルなので、成長スピードが圧倒的に早いと思います。

また、開発部内にさらに小さなチームを作る「チーム制」を導入していることも成長の起爆剤になっています。AIデータチームや、サーバーインフラチーム、フロントデザインチーム、セキュリティチーム、プリセールスチームなどがあり、ひとりが複数のチームに所属することができます。チームに所属するメンバーに対してベテランメンバーが講義などを行い、知識やスキルの向上につなげています。

編集部

リーウェイズさんにはメンバーの成長を促すような取り組みが、制度面でも環境面でも充実していることがよくわかりました。

社員の発想が会社の未来を作る。リーウェイズの「自由」な社風とは

リーウェイズ株式会社のエンジニアが仕事するようす

編集部

リーウェイズさんの社内の雰囲気について教えてください。

相川さん

お話ししたように、自己成長ができる職場であることはもちろんですが、もう一つ「自由な会社」という特徴があります。

まず、弊社はフレックスタイム制を導入しているほか、週4リモート、週1出勤のハイブリッド勤務が可能なので、働き方の自由さがあります。

また、「変えられないことは何ひとつない」という考えのもと、必要だと思えば社員が人事評価制度を変えることもできます。

過去には、営業チーム主導でサービスの料金表が刷新されました。サービスの価格設定は経営の上の方から下りてくるもので、アンタッチャブルな領域と見なされることが多いですが、弊社では、変えるべきだと思ったことは誰でも手を上げて改革に取り組むことができます。

編集部

立場に関わらず、一人ひとりが主体的に事業や組織づくりに関わっているのですね。エンジニアの業務においても、自由にアイデアを出せるような雰囲気はありますか?

相川さん

はい。他の会社だとCTOなどが決めるような技術の根幹に関することでも、弊社では現場のメンバーが主導で決めることがあります。

例えば、弊社はもともとAngularJSという、Googleが提供しているフロントエンドのフレームワークを使っていたのですが、入社間もないメンバーから「もっと時代に合ったフレームワークを使うべきだ」という意見が出され、彼が主導してReactというモダンなフレームワークを導入するようになりました。

編集部

リーウェイズさんには、社歴の有無や年次は関係なく、良いアイデアがあれば積極的に取り入れようという前向きな姿勢があるのですね。

裁量のある職場で、π型人材に成長したい人を歓迎!

リーウェイズ株式会社のシステム開発部でマネージャーを務める相川大輔さん

編集部

最後に、記事を読んでリーウェイズさんのお仕事に興味を持った方にメッセージをお願いします。

相川さん

弊社には、自分が主体となって組織を作り上げる楽しさがありますし、大きな裁量を持ってプロジェクトに関わることができるので成長機会も豊富です。

不動産に関する知識は入社後に学んでいただけるので、必須条件ではありません。成長への意欲があり、情熱を持って仕事に取り組んでいただける方なら、ぜひご応募いただきたいと思っています。

編集部

今後ますます需要が高まりそうな不動産テック業界で、積極的な事業展開を行うリーウェイズさん。「π型人材」として市場価値の高いエンジニアを目指す人にも最適な職場だと言えそうです。

本日は、ありがとうございました。

■取材協力
リーウェイズ株式会社:https://www.leeways.co.jp/
採用ページ:https://www.leeways.co.jp/recruit