女性や若手社員など多様な人材が活躍する企業に、そのカルチャーや制度などをお聞かせいただくこの企画。今回は、多くの企業の健康経営を支援しながら、自らが率先して社員が生き生きと働ける環境を実現し、成長を続けている株式会社アドバンテッジリスクマネジメントを取材しました。
株式会社アドバンテッジリスクマネジメントの事業概要:健康経営支援のリーディングカンパニー
株式会社アドバンテッジリスクマネジメントは、ストレスチェックをはじめとしたメンタルヘルスサービスを中心に、先進的なソリューションにより企業のさまざまな人事課題を解決し、多くの企業の健康経営を支援しています。
2022年度の実績では、健康経営銘柄企業の45%、ホワイト500認定法人(※)の4社に1社にソリューションを提供しています。
(※)健康経営を実践する企業を評価する制度のひとつ。優良な取り組みを行っている大規模法人のうち上位500法人が該当。
会社名 | 株式会社アドバンテッジリスクマネジメント |
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住所 | 東京都目黒区上目黒2-1-1中目黒GTタワー17階 |
事業内容 | ・メンタリティマネジメント事業 ・就業障がい者支援事業 ・リスクファイナンシング事業 |
設立 | 1999年3月 |
公式ページ | https://www.armg.jp/ |
働き方 | テレワーク、時差勤務制度、プレミアムワンアワー(定時より1時間早く退勤可能)など |
株式会社アドバンテッジリスクマネジメントは、自ら率先して社員が生き生きと働きやすい環境の実現に取り組んでおり、女性や若手社員を含む多様な人材が活躍しています。2022年度には「健康経営銘柄」に初選出され、2023年度も2年連続で選定されました。
今回は、社員の働きやすさを実現する組織の制度や文化に焦点を当て、人事部の小山さんと滝口さんにお話を伺いました。
株式会社アドバンテッジリスクマネジメントのミッション:企業の活力向上を支える健康経営サポート
▲「企業に未来基準の元気を!」というメッセージが掲載されている(公式サイトから引用)
編集部
まず最初に、アドバンテッジリスクマネジメントさんの事業内容について教えてください。
小山さん
当社は、コーポレートメッセージにも掲げている「企業に未来基準の元気を!」という想いのもと、さまざまな事業を展開しています。
1995年の創業時は、企業の従業員がケガや病気で働けなくなった場合の所得を補償する「団体長期障害所得補償保険(GLTD)」の販売代理店として事業を始めました。
その後、保険を導入いただいている企業から、従業員のメンタル面の問題が多いことがわかってきました。「所得補償の前に、メンタル面の問題による不調を未然に防ぎたい」という要望を受け、メンタルヘルス分野へ事業を拡大しました。
さらに、心と身体の健康が密接に関連していることから、身体の健康にも対象を広げて事業を展開しています。
小山さん
現在では、企業の「健康経営」や従業員の「ウェルビーイング」の実現を支援するため、企業が抱える経営・人事の問題に対するソリューションを総合的に提供しています。
▲経営・人事に関する幅広い分野の課題を総合的に支援している(公式サイトより引用)
ウェルビーイング:株式会社アドバンテッジリスクマネジメントの多様なサービスを貫くコア概念
▲「ウェルビーイング」の定義(同社の会社説明資料より引用)
編集部
「ウェルビーイング」という言葉は、近年「健康経営」とあわせて耳にする機会が増えてきましたが、具体的にどのような状態を指しているのでしょうか?
滝口さん
ウェルビーイングをひと言で表すと、「身体的にも、精神的にも、そして社会的にもすべてが満たされた状態」です。従業員の心身の健康はもちろんのこと、個人の働きがいや自己実現、私生活との両立なども含めて幅広い意味で生き生きと働ける状態を目指します。
従業員がこのような「ウェルビーイング」な状態になれば、企業の生産性が向上し、企業価値の向上につながるという好循環が生まれると考えています。
編集部
従業員の心身の健康を実現する「健康経営」に加えて、経済面、キャリア、家族関係などの社会的側面での満足度向上も目指しているということですね。
滝口さん
そうですね。我々はさまざまな事業を展開していますが、これらに共通するコンセプトとして、「ウェルビーイング」という言葉がしっくりくると感じているんです。
心と身体の関係と同様に、仕事で問題があれば私生活に影響し、私生活で問題があれば仕事に影響することも多いです。生活のどこかに問題があっては「ウェルビーイング」な状態にはなれません。そのため、総合的なアプローチが必要だと考えています。
未来戦略:ウェルビーイングのプラットフォーマーへの進化
編集部
具体的なソリューションの中身についても少しお話をお伺いしたいのですが、多くの企業に導入されている代表的なソリューションにはどのようなものがありますか?
小山さん
導入実績が多く、顧客基盤となっているソリューションという意味では、メンタルヘルス分野の「アドバンテッジ タフネス」が挙げられます。従業員のストレスチェックやエンゲージメントサーベイ(※)から課題を見つけ出し、具体的な解決策を提供するところまでをワンストップで実施するというサービスです。
(※)従業員のエンゲージメント(組織に対する愛着心)を測定するための調査
ただ実際には、このサービス単体での導入を推進しているというよりは、企業の状況に応じてさまざまなソリューションを組み合わせて総合的な提案を行っています。近年では、当社がこれまで展開してきたサービスを統合した「アドバンテッジ ウェルビーイング DXP」というプラットフォームの提供も開始しており、現在、力を入れて提案を進めています。
編集部
「アドバンテッジ ウェルビーイング DXP」は具体的にどのようなソリューションなのですか?
小山さん
先ほどご紹介した「アドバンテッジ タフネス」によるストレスチェックの結果をはじめとして、健康診断のデータ、勤怠情報など、さまざまな人事労務情報を集約できるプラットフォームです。ビッグデータをもとに分析して課題を見える化し、その課題に対し最適な支援を行っていくというものです。
▲「アドバンテッジ ウェルビーイング DXP」の画面イメージ(公式サイトより引用)
編集部
最先端の技術も取り入れながら、個々の企業に最適なソリューションを提供し、解決に導かれているのですね。
アドバンテッジリスクマネジメントさんが目指している「ウェルビーイング」というゴールや、その実現のために提供しているさまざまなソリューションについて、よく理解できました。
株式会社アドバンテッジリスクマネジメントのダイバーシティ推進:女性や多様な人材の活躍支援
編集部
続いて、社員の皆さんが働く環境についてお伺いしたいと思います。
まず、アドバンテッジリスクマネジメントさんでは多くの女性社員が活躍しているとお聞きしていますが、社員全体に対する割合はどれくらいなのでしょうか?
滝口さん
2023年3月時点のデータでは、女性比率は社員全体の58%程度です。管理職に関しては、43.4%が女性となっています。
編集部
育児をしながら働かれている方もいらっしゃるのでしょうか?
滝口さん
はい、職種や部署を問わず、育児と両立している社員はたくさんいます。課長や部長など役職者の中にも育児しながら活躍している人が多くいますよ。妊娠・出産が理由で退職する社員はほとんどおらず、2022年度実績では、女性の育児休業の取得率は100%です。
また、男性の育休取得率は71.4%となっています。育児休業だけでなく、子どもの病気の際に取得できる看護休暇なども、女性だけでなく男性の利用率も高いです。
編集部
女性を含めたすべての社員の方が、ライフステージの変化を経ても活躍し続けられる環境があるということですね。
滝口さん
そうですね。当社では、性別に関係なく、全社員が活躍できる環境作りを重視しています。それが結果的に女性の働きやすさにもつながっていると考えています。
2022年10月には「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」の推進を宣言しました。育児や介護のほか、性別・年齢・性的指向・国籍・障がいの有無などにかかわらず、全員が生き生きと活躍できる環境の更なる進化を目指して、様々な取り組みを進めています。
柔軟な勤務制度:時間単位有給休暇など自由度の高い働き方
編集部
「社員の皆さんが生き生きと活躍できる環境づくり」について、具体的なサポート制度や取り組み内容を、いくつか例を挙げて教えていただけますか?
滝口さん
はい、勤務スタイルの観点からお話しますと、在宅勤務や時差勤務制度を組み合わせて活用することで、かなり柔軟性の高い働き方が実現できます。
時差勤務制度では、7時から10時までの30分刻みで勤務開始時間を調整できます。これにより、朝の用事を済ませてから業務を開始したり、早朝から仕事を始めて早めに切り上げたりすることが可能です。
また、社員から特に好評な制度として、年次有給休暇の時間単位取得があります。例えば、家庭の用事で1〜2時間早く帰りたい場合でも、半日休や全日休を取る必要がなく、必要な時間だけ休暇を取ることができます。
編集部
時間単位で取得できると、有給休暇取得のハードルが少し下がるので、ちょっとした用事でも気軽に利用できそうですね。
勤務時間に関しては、プレミアムワンアワーという制度もあると伺いましたが、これはどのような制度なのでしょうか?
滝口さん
プレミアムワンアワーは、17時まで勤務すれば、18時前に退勤しても18時まで勤務したとみなす制度です。時短勤務の場合は、30分早く退勤しても所定労働時間勤務をしたとみなします。これにより、短時間で集中して業務に取り組むことで、仕事とプライベートのメリハリをつけた働き方が可能になります。
編集部
さまざまな制度の組み合わせで、かなり柔軟性高く働けそうですね。生産性高く仕事をして、育児や介護との両立だけでなく、趣味や勉強などを含めて自分の好きな時間の使い方ができれば、社員の皆さんの働きがいにつながりそうです。
両立支援:自社サービスを活用した育休復帰サポート
編集部
続いて、子育てとの両立サポートという点にスポットを当ててお伺いします。先ほど、女性の育休取得率100%というお話がありましたが、復職や復帰後の活躍をサポートするための独自の取り組みがあれば教えてください。
滝口さん
一例としては、復職前に必要な準備や復職後の両立のコツなどをまとめたガイドブックを作成し、対象者にお渡ししています。また、復職者を受け入れる部門長向けのガイドブックも整備していて、組織としてスムーズに復職できるような支援を行っています。
そのほかに、特徴的なものでいうと、当社がお客様向けに販売しているサービスの中に「ADVANTAGE HARMONY(アドバンテッジハーモニー)」という商材があるんですけれども、それを自社でも導入しています。
編集部
「ADVANTAGE HARMONY」とは、どのようなサービスなのですか?
滝口さん
お休みを取っていらっしゃる方と会社を繋ぐクラウドサービスで、定期的な会社情報の発信などを行なっています。人によっては育休中にも研修に参加したりすることもできますし、社員との懇親会の案内などもお届けできます。
休職中にも継続的なコミュニケーションをとることで、職場復帰への心理的なハードルを下げられているのかなと感じています。
編集部
長い期間会社から離れていると、取り残されているような感覚を持たれる方もいらっしゃいますよね。それを感じさせないためのつながりを持てるというのはとても素晴らしいですね。
滝口さん
当社では社員同士のつながりというのは大事にしていて、子育てに関する情報交換や両立のコツをシェアする場も積極的に設けられています。
人事部主導のものもありますが、子育て中の社員が自主的に設立した「ハハ部」というコミュニティもあり、2023年7月現在、50名ほどのメンバーが定期的にランチ会などを開催しているようです。
編集部
同じ境遇のメンバーと交流できる場があると、心強いですよね。自主的にそれを実施できる組織風土があるというのもとても素晴らしいと感じました。
企業文化:ワークライフバランスを重視する組織風土
編集部
さまざまな支援制度について伺ってきましたが、企業によっては「雰囲気的に利用しづらい」というケースもあるかと思います。アドバンテッジリスクマネジメントさんでは、なぜこのような高い利用率が実現できているのだと思われますか?
小山さん
これは私の考えですが、長時間労働を良しとしない風土が、もともと存在しているからだと思っています。
長時間労働が当たり前の会社だと、例えば育児のために時短で働く人が他の人と同じぐらいのパフォーマンスを出すのはとても大変です。そうすると時短を取ることに引け目を感じてしまうことにつながると思うんです。
ですが、当社では残業なしで帰ることが当たり前なので、帰りづらいという雰囲気がありません。時短で働く方に限らず、柔軟な働き方で早めに退勤するということが当たり前にできるんです。
働くことに対して、「ワークだけじゃなくてライフも大事にしようね」という価値観が根付いていることが、制度の利用率にも表れているのだと思います。これは、まさに「ウェルビーイング」のコンセプトですね。
編集部
組織全体として、長時間労働よりも生産性高く仕事をすることを重視する価値観があるのですね。とても理想的な姿だと感じました。
株式会社アドバンテッジリスクマネジメントの若手育成:年齢に関係なく挑戦できる環境
編集部
続いて、若手社員の活躍についても教えてください。アドバンテッジリスクマネジメントさんで働く社員の平均年齢は30代で、若手社員も多く活躍されているとお伺いしました。
小山さん
はい、その通りです。2022年3月末時点で平均年齢は37.6歳です。新卒・中途問わず、20代から多くの若手社員が活躍しています。
編集部
若手社員の具体的な活躍事例をお聞かせいただけますか?
小山さん
全社員がさまざまな分野で活躍していますが、いくつか事例を紹介します。例えば、新卒入社の優秀な営業職の社員が、入社5、6年目くらいでMBA取得支援制度を利用してMBAを取得しました。その社員は7年目で管理職に就任し、組織マネジメントでも大きな成果を上げています。
また、営業職として実績を上げていた社員が、今期新設された人事企画部の立ち上げに抜擢されています。
さらに、学生時代からベンチャー企業でのインターン経験がある新卒1年目の社員が、会員制コミュニティ・オウンドメディアの新規立ち上げを担当しました。先輩社員と協力しながら主体的に業務を進め、新規会員獲得数で目標の200%以上を達成し、チームとして社内表彰を受けました。
編集部
年齢や在職年数に関係なく、機会が与えられるということがよくわかる事例ですね。
小山さん
その通りです。これらは一部の事例で、実際にはさまざまな分野で多くの若手社員が活躍しています。主体性を持って自分のやりたいことを発信すれば、希望に応じて新しい部署や職種にチャレンジする機会が与えられるのが当社の特徴です。
組織文化:チャレンジを奨励する風土と人事制度
編集部
お話をお聞きして自らの主体性をとても大事にされているように感じました。自発的な行動を後押しする組織の風土のようなものはあるのでしょうか?
滝口さん
はい、あります。「新しいことにチャレンジをするために主体的に行動する」という価値観が、若手社員を含め会社全体に根付いていると思います。考えることも大切ですが、考えてばかりでは前に進まないので、考えながら行動することを推奨しています。
この「チャレンジし続ける」という価値観は、当社の行動指針である「アドバンテッジWAY」でも明確に提示されており、非常に重視しています。
▲社員の行動指針である「アドバンテッジウェイ」でも、チャレンジを重視(同社の会社説明資料より引用)
滝口さん
このような価値観により、若手だからという理由で意見が言えないとか、軽視されるということは全くありません。会社全体、チーム、上司個人のそれぞれのレベルで、「こういうことにチャレンジしてみたい」という声を歓迎し、サポートする風土があるのです。
編集部
社員全体が同じ価値観を持って新しいことにチャレンジされているということですね。
滝口さん
その通りです。加えて、人事制度についても、年次や在職年数に関わらず、成果で判断する実力主義の人事評価を採用しています。
高い生産性で成果を出すことや、自発的に考え新しいことにチャレンジすることが求められる環境だからこそ、若手社員であっても「やりたい!」という思いを積極的に発信でき、自ら成長の機会を掴んだり、やりがいを創り出したりすることにつながっているのだと考えています。
人材育成:社員の主体性を重視した選択制研修制度
編集部
制度としては、チャレンジや成長を後押しするための仕組みはありますか?具体的な例があれば教えてください。
滝口さん
職種別やテーマ別の研修はもちろんありますし、社員のキャリア形成を支援するキャリア開発研修も実施しています。また、オンライン学習ツールや資格取得補助など、学びを支援する制度も用意しています。最近では、ITやDX関連のスキルがどの職種でも重要になってきているため、これらの学習を支援する制度も整えています。
さまざまな制度がありますが、特徴的なのは、ほとんどの制度が社員自らが手を挙げて活用できる点です。
編集部
社員が自ら手を挙げて学べる点に、アドバンテッジリスクマネジメントさんの「チャレンジしたいことを尊重する」という組織風土が表れていますね。自主性を重視した学習環境は、社員の成長にとても有効だと思います。
株式会社アドバンテッジリスクマネジメントが求める人材像:変化を楽しみチャレンジする人
編集部
では最後に採用についてお伺いします。アドバンテッジリスクマネジメントさんに興味を持たれた方に向けて、お二人からメッセージをいただけますでしょうか。
滝口さん
当社は働きやすさと高いパフォーマンスの両立を重視しています。自由度の高い働き方を提供する一方で、求められる成果のレベルも高いことをお伝えしたいです。
当社のメンバーは、働きやすさと働きがいを両立させ、最高のパフォーマンスを発揮することが当たり前だと考えています。このような人材が集まることで、組織全体の力が高まっていると感じます。
そのような環境で自分も成長し、組織の成長にも貢献したいと思っていただける方と一緒に働きたいですね。
小山さん
「アドバンテッジWAY」という当社の行動指針にあるように、私たちは常に新規市場の創造と既存市場の革新を目指しています。
毎年新しい取り組みを始めており、その変化のスピードはとても早いです。新たなチャレンジを続けることができる人。そして、変化や困難を楽しみ、自らリーダーシップを発揮して行動することができる人。そういう人には当社はフィットすると思います。「ウェルビーイング」と「チャレンジ」は両立することを実証したいですし、こうした価値観に共感していただける人と一緒に働きたいですね。
滝口さん
企業の生産性が上がり、従業員も健康に働いている。そんな日本社会の実現に向けて、ウェルビーイング領域におけるNo1.プラットフォーマーになるべく、これからも新しいチャレンジを続けていきます。興味をお持ちの方は、ぜひ挑戦してみてください!
編集部
自らがウェルビーイングな職場を実現しているアドバンテッジリスクマネジメントさんだからこそ、常に新しいことにチャレンジし、多くの企業の健康経営やウェルビーイングの実現を支えることができているということがよくわかりました。
本日は、たくさんの貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
■取材協力
株式会社アドバンテッジリスクマネジメント:https://www.armg.jp/
採用ページ:https://www.armg.jp/recruit/