ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、岐阜県海津市(かいづし)にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同市で働く魅力をご紹介します。
海津市役所は、約330名の職員が在籍し、子育て支援制度の充実と柔軟な働き方の推進に注力している自治体です。小学校卒業まで利用可能な部分休業制度や、男性育休取得率76.9%など、先進的な取り組みで職員のワークライフバランスを実現。特に土木技術職は県・国への派遣制度を設け、専門性を高められる環境が特徴です。
部分休業制度の対象拡充や男性の育児休業取得の推進、業務委託による職員の負担軽減など、誰もが働きやすい職場環境づくりに取り組んでいます。
今回は、海津市役所の働きやすい職場環境や支援制度について、総務課の古川さんにお話を聞かせていただきました。
女性が長く活躍できる!ライフステージに合わせた働き方支援
▲働きやすさ向上のための研修も多い同市。女性活躍推進への意識もあがっている。
編集部
海津市役所における女性職員の割合や管理職の状況についてお聞かせください。
古川さん
2024年12月1日時点のデータでは、正職員332人のうち35%が女性です。管理職については、課長職以上の10%を女性職員が占めています。女性の管理職登用は意識していますが、退職などもあり、割合は年度によって変化している状況です。今後も継続して取り組んでいく課題と認識しています。
編集部
女性特有の健康管理に関する支援についてはいかがでしょうか?
古川さん
今年7月から、従来の生理休暇を女性健康休暇と改定し、診断書不要で気軽に取得できるようになりました。また、つわり休暇も新設し、1回の妊娠につき10日以内の休暇を付与しており、現在数名の妊娠中の職員が利用しています。
さらに、大塚製薬と連携して女性の健康セミナーを実施しています。管理職が生理や妊娠、更年期など女性特有の健康について理解を深めることで、女性が各種休暇を取得しやすい職場環境づくりにつながっています。
▲大塚製薬と連携して行われた女性の健康セミナーの様子
働く親を支援:小学6年生までの子OKの柔軟な看護休暇制度
▲インタビューに応じてくださった古川さん。総務課課長補佐として、働きやすい制度設計を進める
編集部
女性職員の活躍を支援する特徴的な制度についてご紹介をお願いします。
古川さん
子育て支援の面では産前産後休暇や育児休業はもちろんのこと、部分休業制度に市独自の特徴があります。部分休業制度は勤務時間の前後2時間までを30分単位で短縮できる制度で、基本的に国のガイドラインでは小学校入学までを対象とするものです。当市では職員の声を受けて、2024年4月から小学校卒業まで利用できるように拡充したところ、現在1名の職員が利用しています。主に子どもの送り迎えのために利用されているようです。
また、子どもが病気になった場合に取得できる子の看護休暇についても、一般的には未就学児が対象なのですが、中学生まで範囲を拡大して運用しています。こちらもまだ導入したところで具体的な数字は出ていませんが、取得する職員が増えたと感じています。
編集部
育児休業からの復職について、どのようなサポート体制を整えていますか?
古川さん
総務課人事職員係の女性職員が、具体的な職員の復帰時期について一緒に組み立てを行っています。特に初めて育児休業を取得する方は保育所入所などの具体的なイメージを持ちにくいため、丁寧なサポートを心がけています。育児休業は最長3年まで取得可能ですが、復帰のタイミングについては慎重に検討していただくようにしています。
さらに復職にあたり、所属長と人事職員係を交えた面談を実施しています。業務内容や時短を含めた働き方について事前に話し合うことで、スムーズな復帰をサポートしています。
編集部
男性の育児休業取得については、いかがでしょうか?
古川さん
特に近年は、男性の育児休業取得を積極的に推進しています。2021年度は取得者がゼロでしたが、2022年度に20%、2023年度には76.9%へと取得率が大きく上昇しました。市長が100%取得を目指すという方針を打ち出しており、具体的な取り組みとして、配偶者の妊娠がわかった時点で所属長と職員で面談を行い、育児休業の取得計画を立てています。
残業削減と柔軟な働き方で実現する両立
編集部
職員のワークライフバランスを支援する取り組みについて教えてください。
古川さん
毎週水曜日を定時退庁日と設定しており、時間外勤務が必要な場合は事前に人事職員係への報告を徹底しています。この取り組みにより、残業時間は徐々に減少傾向にあります。
また、2024年7月には宿日直制度の見直しを行いました。これまで休日の日中には女性の職員が、平日・休日とも夜間には男性職員が当直業務を行っていました。しかし、職員アンケートから当直勤務により子育て中の家庭で配偶者が一人になってしまうなどの課題が挙がりました。そこで、職員でなければ対応できない日直業務は残しつつ、宿直業務については外部委託に切り替えることで、職員の負担軽減を図っています。
編集部
有給休暇の取得状況について教えていただけますか?
古川さん
有給休暇については、2023年度の実績で職員一人当たり平均11.6日の取得があります。市長も、折に触れて休暇取得を推進するようトップメッセージを発信しています。
私自身も1時間の早退や時間単位での中抜けなどを含めて、必要に応じて柔軟に休暇を取得しています。部署には相談しやすい雰囲気があり、業務に大きな支障がない限り、休暇を取得できることが当たり前になっています。
レガッタ大会に参加も。一体感のある職場づくりの取り組み
▲木曽三川の豊かな川に囲まれた海津市ならではのレガッタ大会には、市役所チームも多数出場
編集部
職場での交流活動について教えてください。
古川さん
市に隣接する長良川には、5人乗りのボートで競技を行うレガッタの国際コースがあります。毎年行われる市民も参加できる大会では、職員チームも参加しています。ほとんどの職員は未経験者なのですが、一から練習を始めて、例年10人程度のチームが4チームほど出場します。
勝ち負けというよりも、テント設営や食事の準備なども含めて、部署を超えた交流の場として機能していますね。私も参加していますが、和気あいあいとした雰囲気で親睦を深める良い機会となっています。
レガッタの他にも、職員の部活動もさかんで、ゴルフ部や野球部などがあり、交流活動の場となっています。
求める人材:市民に寄り添える職員と土木技術職
編集部
最後に、海津市役所が求める人材像についてお聞かせください。
古川さん
まず大前提として、市民に寄り添ってサポートできる、市民の気持ちになって考えることのできる職員を求めています。公務員として税金を財源としている以上、市の発展のために一緒に取り組んでいこうという志を持った方に来ていただきたいと考えています。
また、特に現在は建設関係の専門性を備えた技術職のニーズが高まっています。土木系の職員については県の土木事務所への派遣制度を設けており、実務を通じたスキルアップを行いやすい環境です。土木技術職については、全国的な人材不足の課題がある中、当市でも採用に苦心しているため、専門学校や高校への訪問活動を強化し、キャリア形成の魅力を丁寧に伝える取り組みを進めています。
海津市は都会ではありませんが、豊かな自然環境に恵まれた大変住みやすいまちです。愛知県と三重県に隣接しているため、名古屋市へのアクセスも良いという立地の良さがあります。ぜひ遠方にお住まいの方も、海津市を就職先の選択肢として検討していただければと思います。
編集部
本日はワークライフバランスのための取り組み、特に女性が働きやすい職場環境をつくるための新しい制度の導入について詳しくご紹介くださり、ありがとうございました。
編集後記
この記事のまとめ
子育て支援制度 |
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女性活躍支援 |
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働き方改革 |
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職場環境・文化 |
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キャリア開発 |
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求める人材像 |
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岐阜県海津市の基本情報
住所 | 岐阜県海津市海津町高須515 |
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公式ページ | https://www.city.kaizu.lg.jp/ |
採用ページ | https://www.city.kaizu.lg.jp/shisei/ category/2-2-0-0-0-0-0-0-0-0.html |
募集職種 | 土木技術職など |