ミライを見据えたミッションや理念をもとに、成長を続ける企業にお話を伺っていくこの企画。今回は、営業育成DXツール「リフレクトル」を提供し、対話力を上げることで働き方を変えていく企業「Co-Growth株式会社」にインタビューさせていただきました。
Co-Growth株式会社の概要と目指す世界
▲Co-Growth株式会社のミッション(カルチャーデックから引用)
Co-Growth株式会社は、「対話力が上がれば、人と人はもっと分かり合える」から始まるミッションを掲げる企業です。自社開発のSaaS「リフレクトル」を中心に、あらゆる人がお互いを理解し、多様性を認め合える世界を作るべく事業を展開しています。
会社名 | Co-Growth株式会社 |
---|---|
住所 | 東京都千代田区神田佐久間河岸91番地2階 |
事業内容 | ・動画を使った対話力強化・評価ツール「リフレクトル」の開発・運用 ・上記に付随するコンサルティング業務 |
設立 | 2007年2月(現社名/事業への移行は2016年1月) |
公式ページ | https://co-growth.jp/ |
働き方 | ハイブリッド勤務 |
今回は、そんなCo-Growth株式会社の事業内容や成長を続けてきた経緯、大切にしている価値、どんな人材がフィットするかなどについて、代表取締役である佐々木文平さんにお話を聞かせていただきました。
「リフレクトル」が実現する対話力向上と効率的な営業育成
▲Co-Growthさんのコーポレートデザインは、異なる特徴を持つ図形が重なり合っているのが特徴的
編集部
まず、Co-Growthさんが展開されている事業についてお話を伺えますでしょうか。
佐々木さん
Co-Growthがメインとしている事業は、営業の現場を中心に、組織の対話力育成を効率化かつ可視化するためのツール「リフレクトル」の開発および運営です。
我々の目標は、社会全体の対話力を向上させることで「多様な人々が互いにもっとつながり、成長できる世界」を作ることです。コーポレートロゴに丸と三角と四角が入っているのも、多様な個が交わって、お互いがさらに成長していくというアイデンティティを示しています。
対話、つまり話し合うことは、人間社会の根幹になるものです。そこを強化していくための仕組みとして提供しているのが、リフレクトルなのです。
編集部
リフレクトルを皆さんに使っていただくことで「こんな課題が解決できる」という例を教えていただけますか?
佐々木さん
家庭でも会社でも、対話力が不足することでマイナスが生まれることは多々ありますが、代表的な事例としては営業のシーンが挙げられます。
現在リフレクトルを活用いただいている現場は、8割が営業、2割がそれ以外です。特に営業だけに的を絞ったツールというわけではありませんが、結果が見えやすいのが営業の場面だということです。
▲ニーズと解決策がそろっていても、対話力が不足していると結びつかないことも(カルチャーデックから引用)
佐々木さん
たとえば「雨が降っている」というニーズと、それに対して「傘を持っている」という解決策があったとします。通常であれば、お互い結びついた方が良いもの同士です。しかし、実際の営業現場では「ソリューションとしてはよくても、押し売りされているように感じると採用したくない」ということもよくあります。
リフレクトルは、そういった営業のワンシーンに対して、動画でアウトプットを捉えて、フィードバックを実施します。動画と結びつけることで、改善すべきポイントを曖昧な言葉でなく、具体的に可視化できるんです。それにより、あるべき姿を認識して自らの対話力を向上していけるというサービスです。
組織全体で共有する「良い育成」とカスタマイズされたサポート
▲対話力育成プラットフォーム「リフレクトル」により、属人性に頼らない育成が可能となる
編集部
Co-Growthさんのサービス「リフレクトル」は、営業の現場ではどのようなシーンで活用されるのでしょうか?
佐々木さん
リフレクトルは商談力向上全般に活用されます。具体的には、営業チーム全体で「理想的な営業の姿」を共有するために使用されたり、新入社員や経験の浅い社員のトレーニングツールとして活用されることが多いですね。
特に若手社員にとっては、誰からどのようなフィードバックを得られるかが、キャリアに大きな影響を与えます。適切な指導ができる上司に恵まれれば良いですが、育成に興味のない上司の下では、本人の努力とは無関係に結果を残せないこともあります。
多くの企業が社員の育成を重視していますが、「効果的な育成とは何か」を明確にしていない場合が多く、結果的に上司個人の能力や姿勢に左右されがちです。
リフレクトルの導入により、育成プロセスを可視化し、「効果的な育成」の定義を共有することで、全社員が同じ基準で成長できる環境を作ります。これが私たちの目指す姿なのです。
編集部
業界や企業によって具体的な営業の手順など異なる部分も大きいかと思うのですが、リフレクトルを使いこなしていただくためのフォローもされるのでしょうか?
佐々木さん
はい。Co-Growthのカスタマーサクセスチームが、各クライアントに寄り添ってサポートしています。ただツールの使い方を説明するだけでなく、プロフェッショナルとして「組織の改善と育成文化の構築」を共に進めていくことを重視しています。
企業ごとに独自の文化がありますから、私たちは画一的な対話力ではなく、各社の特性に合わせた対応力を身につけてもらうことを目指しています。「当社ではこのような対応をする」といった具体的なケースを学べるよう、カスタマイズしたサポートを提供しています。
AIを活用した「A.I.See」機能と今後の展開
編集部
「リフレクトル」の機能のひとつとして、AIによるサポートが受けられると公式サイトで拝見しました。詳しくお教えいただけますか?
佐々木さん
オプションとして選択いただける「A.I.See」のことですね。これは、AIが商談の動画を文字起こしして社内で共有できたり、商談中の話者の比率を自動的に判定して見える化することで、精度の高い分析が可能となる機能です。
また、今後はAIにさらなる役割を持たせていきたいと考えています。例えば、ある動画に対して社員がどのようなフィードバックを入れたのかを自動で分類し、その会社独自の評価基準を作り上げていくためのサポートを行うことなどを検討しています。
ただし、Co-Growthとしては「AIが全てを解決してくれるわけではない」というスタンスです。AIは個人の成長につなげるための素材収集やデータ分析の手助けをしてくれるツールとして位置づけ、今後も開発を進めていく予定です。
編集部
AIのような先端技術も取り入れながら、今後もリフレクトルを進化させていくということですね。育成においては教える側のスキルが必要になるケースが多いと思いますが、その点を支援する仕組みがこれからも増えていきそうですね。
Co-Growth株式会社の成長過程と現在の急成長フェーズ
編集部
続いて、Co-Growthさんが現在までどのように成長されてきたのか、伺ってもよいでしょうか?
佐々木さん
弊社は2007年に設立しましたが、現在のリフレクトルを中心とした事業に転換したのは2016年からです。それまでも育成・組織開発の事業を手掛けていましたが、従来型の育成について、ずっと課題感を抱えていました。
この課題感は、「一人ひとりが『できる』状態に到達するために大切な最後の一歩、即ち実践を見てあげてフィードバックすることが、現場の属人性に頼っている」ということです。研修などで営業の概論を伝えても、結局は一人ひとりの実践内容にフィードバックしないと、成長しません。そこを見るのは現場の上司や先輩ですが、育成への関与度や指導力は人によってばらつきが大きいのです。
この状況を変えるため、デジタルを活用した効率的な仕組み作りに着目し、リフレクトルを開発しました。2016年9月の正式リリース後、2〜3年は試行錯誤の期間がありましたが、2019年頃から多くのお客様にご利用いただけるようになりました。
リフレクトルを使用した効率的な育成モデルが確立し、それ以降は毎年成長を続けています。2022年12月には資金調達も実施しました。そして2023年は大きく飛躍し、次のステージに進むタイミングとなっています。
編集部
従来の育成スタイルの課題を、自社開発のサービスで解決し、多くの企業に受け入れられたのですね。今後さらに成長するフェーズということで、これからジョインする方は大きな変化とチャレンジを体験できそうです。
信頼関係と強い横連携が生み出す組織の強み
編集部
近年、急激に成長を続けられてきたCo-Growthさんですが、組織としてはどのような変化があったのでしょうか。
佐々木さん
組織としての成長と、プロダクトとしての成長は密接に関連しています。プロダクトが市場で存在感を得ていくのと同時に、組織としても伸びてきましたし、組織が強くなることでプロダクトもさらに進化したと感じています。
2019年頃までは、私個人のコンサルティング業務が中心でしたが、リフレクトルが企業に導入され始めてからはメンバーも増え、協力して事業を進めています。
新しく加わったメンバーが、カスタマーサクセスの改善提案や、営業による顧客信頼の獲得、チームの基幹となるエンジニアの参加など、それぞれの分野で存在感を発揮しています。
編集部
メンバーが増えていくことで、連携が取りづらくなるようなことはなかったのでしょうか?
佐々木さん
そのような問題はありません。これは我々の特徴だと思うのですが、Co-Growthという組織はファンクション(組織内の機能)同士の連携がすごく強いんです。
エンジニアが他部門の意見を積極的に取り入れ、各部門が互いの専門性を尊重しながら協力しています。
例えば、月に2回程度「開発優先順位会議」を実施しています。ここでは営業、カスタマーサクセス、エンジニアが全員集まり、次に開発する機能について議論します。このように、開発においても全部門が関わる体制を整えています。
Co-Growth株式会社が大切にする4つの価値観と組織文化
▲Co-Growthさんが大切にしている価値は「まっすぐな」「創造的な」「前向きな」「おもいのある」の4つ(公式サイトから引用)
編集部
Co-Growthさんのカルチャーや、「メンバーにはこんな働き方をしてほしい」という想いについてお聞かせいただけますか?
佐々木さん
我々が大切にしている考え方は、「まっすぐな」「創造的な」「前向きな」「おもいのある」という4つの言葉で表現しています。
「まっすぐな」とは、お客様に喜んでお金を払っていただけるような良質なサービスを提供することです。「創造的」「前向き」な姿勢も重要で、プロフェッショナルとして日々新しいことに挑戦し、チームで協力しながら課題解決に取り組むことを大切にしています。
このような価値観の根底には、「どうせなら本当にやりたいことをやってほしい」という想いがあります。せっかく一度きりの人生なんだから、それぞれの「おもい」のままに、熱量高く仕事に取り組んでほしいと考えています。
編集部
その価値観は、現在いらっしゃるメンバーの方々にも共通しているのでしょうか。
佐々木さん
はい、そう思っています。私たちは、ドライな組織というよりもウェットな関係性を持っています。プロフェッショナルとして仕事をしつつも、業務以外の話もし、お互いの家族のことも知り合えるようなチームを形成しています。ただし、昭和時代のような「毎晩飲みに行く」といった過度な付き合いではありません。
編集部
Co-Growthさんの現在のフェーズとして「急成長中のベンチャー企業」と見られることも多いと思います。そういった企業は得てして個人主義の組織だと思われがちですが、御社の場合はチームが一体となって熱く仕事に取り組まれているんですね。
Co-Growth株式会社が求める人材像と採用の基準
編集部
Co-Growthさんの採用面についてお話を伺えますでしょうか。
佐々木さん
採用に関してはかなり積極的に進めています。2023年4月時点のメンバーは14人ですが、今年中に30人弱まで増やす予定です。
編集部
社員数が倍増以上になるのですね。採用において大切にしていることは何でしょうか?
佐々木さん
面談では、応募者の経験の中で「真剣に取り組んで積み重ねたものがあるか」を重視しています。また、「その時の選択に芯があるか」も見ています。
新卒や社会人1〜2年目の方であれば、部活動や趣味でも構いませんが、本気で打ち込んでやり遂げたことがあるかを聞きます。社会人経験が長い方なら、過去の仕事で成し遂げた実績について聞きます。
このような経験がある方は自分の考え方をしっかり持っていて、話を聞いても決断の理由に深みがあり、納得感があるのです。そういう人であれば、入社後も「イメージと違うから辞めます」といった安易な理由で退職することはないでしょう。
そのため、1〜2年など短期間で頻繁に転職を繰り返している方は、Co-Growthには合わないかもしれません。終身雇用を前提としているわけではありませんが、人生の大切な時間を共に過ごすわけですので、入社してくれた方とは長く一緒に働きたいと考えています。
Co-Growthが提供する成長環境と求める人材へのメッセージ
編集部
最後に、Co-Growthさんに興味を持たれた読者の方へ、メッセージをお願いいたします。
佐々木さん
わかりました。皆様へのメッセージとして、2つお伝えさせていただきたいです。1つ目は「人が成長するかどうかは、誰と働くかによって変わる」ということです。
我々は育成を事業にしているので当然社内に育成の文化があります。また、採用も厳選しているため、メンバーのレベルは相当高いと自負しています。私を含め大手コンサル出身の者や、リクルートの中でもトップ営業だったメンバーがいます。仕事に対する水準が非常に高いので、刺激を受けながら成長していきたいという方を大歓迎します。
2つ目は「キャリアにおいて決断する機会を逃してほしくない」ということです。キャリアを積み重ねていくことは非常に大事ですが、どこで積み重ねていくかも重要です。例えば、35歳で転職する場合、相当の実績がないと難しいケースも多いのが現状です。
この考えは20代前半から当てはまり、キャリア選択の幅は年齢を重ねるごとに狭まっていきます。転職の際は「自分がどこまでできるのか」を考えて企業を選ぶべきだと思いますし、経験を積む場所として、私たちCo-Growthはすごく良い環境だと自負しています。
編集部
レベルが高い環境で切磋琢磨して成長していきたい、そしてこれからの人生のために真剣に取り組める仕事がしたいという方にとって、Co-Growthさんは非常に魅力的だと感じました。本日はお時間をいただき、本当にありがとうございました。
■取材協力
Co-Growth株式会社:https://co-growth.jp/
採用ページ:https://www.wantedly.com/companies/company_1448907/projects