ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、株式会社シー・エス・エスにインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。
株式会社シー・エス・エスは、証券会社向けシステム開発で50年以上の実績を持つIT企業です。金融業界の基幹システム構築、DX推進を支えるエンジニア集団として、大手証券会社と直接取引を行い、上流工程から下流工程まで一貫して担っています。近年は、AWS(Amazon Web Services)などクラウド技術の活用や生成AI技術の導入など、新しい技術への挑戦も積極的に行っています。
同社は、社員の約8割がエンジニアという技術者中心の組織です。システムエンジニア、インフラエンジニア、データエンジニアなどチーム一丸となって開発に取り組む中で、資格取得支援や研究開発(R&D:Research and Development)などを通じて、専門性の高いエンジニアの育成に力を入れています。
今回は、株式会社シー・エス・エスの事業内容や働き方について、代表取締役社長の佐川さんにお話を聞かせていただきました。
シー・エス・エスのエンジニアの成長:開発の上流工程で幅広いスキルを磨く
編集部
シー・エス・エスのエンジニアが成長できる環境や、身につくスキルについて教えてください。
佐川さん
当社ではクライアントと直接取引を行い、要件定義から設計、製造まで一貫して担当しています。製造工程の一部は海外のオフショア(※)を活用しているため、エンジニアは要件定義や基本設計といった上流工程を中心に手がけます。単なるプログラミングスキルだけでなく、業務知識を深め、それをシステムに適用する力が求められる環境です。
(※)海外の企業や拠点に業務を委託すること
特に当社の主要顧客である証券会社のシステムは専門性が高く、求められる要件も複雑ですので、高度な業務理解と設計スキルが必要です。そのため、エンジニアは証券外務員やファイナンシャルプランナー(FP)などの資格を取得し、専門知識を習得しながら開発に取り組んでいます。大変な面もありますが、その分、自身の成長を実感できる環境です。
編集部
技術力だけでなく、クライアントと密にコミュニケーションを取りながら、実現したいことをシステムに反映させる力は、エンジニアとしての価値を高めることにつながりそうですね。
佐川さん
はい。今後、AIがプログラミングや設計の領域にも進出してくる中でも上流工程の仕事は残ると思いますし、「AIに代替されないスキル」を身につけることは非常に重要なことだと考えています。
自社SaaSを活用して新技術のR&Dも!エンジニアが実践的に学べる環境が魅力
編集部
エンジニアの皆さんが新しい分野や最新の技術に挑戦する機会はあるのでしょうか?
佐川さん
はい。当社は証券会社向けシステム開発で安定した収益基盤を確立しており、そこで得た利益を新たなビジネスや技術に投資しています。スタートアップ企業では資金調達に苦労することも多いですが、当社は自社内で投資を回しながら新しい挑戦ができる環境があります。
老舗でありながら、ベンチャーのように新たな技術や分野へ果敢に挑戦できる点は、大きな魅力だと考えています。
編集部
具体的に、新しい分野への挑戦の事例があれば教えてください。
佐川さん
例えば、自社SaaS(Software as a Service)である「Qube」を開発し、BtoB向けのコミュニケーションプラットフォームとして提供しています。少子化が進むなかで、従来の労働集約型のシステム開発から、より効率的でスケーラブルな収益モデルへの転換を目指しているんです。サービスローンチから約2年で、すでに2,500社以上の企業に導入されています。
また、社内で新しい技術を検証する際には、Qubeに実装して試行することができるため、自社サービスを運営していること自体が、技術習得の面でも大きなメリットになっています。
例えば、金融機関のように機密情報を多く扱うお客様では、自社のデータをAIと組み合わせ、セキュアに活用したいというニーズが今後さらに増えると考えられます。RAG(検索拡張生成)やベクトルデータベースといった技術がこれに当たりますが、こうした新たな技術的課題に対しても、まずQubeに実装し、十分な検証を行ったうえでお客様に提案することができます。
このように、単に知識をインプットするだけではなく、実際に手を動かしながら試行錯誤することで、エンジニアが実践的に学び、技術力を磨ける環境を提供しています。
「資格取得支援」や「やりたいこと勉強会」など自主的な学びを積極支援
編集部
研修など、エンジニアの学びの機会についても教えてください。
佐川さん
近年は技術の進化が非常に速いため、全員一律で同じ研修を受けるだけでは対応しきれなくなっていると感じています。以前であれば、JavaやCOBOL(共にプログラミング言語)といった特定の技術を習得すればよかったかもしれませんが、現在は業務に応じてさまざまな技術をキャッチアップする必要があります。
そのため、当社では残業をなるべく抑え、勉強の時間を確保しやすい環境を作り、自主的に学べるスタイルを大切にしています。
例えば、eラーニングの教材を豊富に揃えており、技術の基礎から応用、さらにはマネジメントスキルまで幅広く学べる環境があります。自分のレベルやペースに合わせて学習できる点が特徴です。
また、資格取得支援制度も充実しており、合格すれば受験料は会社が負担しますし、報奨金が支給される資格もあります。システム関連の資格だけでなく、お客様の業務知識を深めるための簿記や証券外務員、ファイナンシャルプランナー(FP)など、さまざまな資格取得を推奨しています。
さらに、外部のセミナーや展示会の参加費用、書籍購入費用なども会社が負担します。トレンドについて学んだり、得意を伸ばすことに活用していただければと思います。
編集部
社員同士で情報交換をしたり勉強会をしたりする機会はあるのでしょうか?
佐川さん
社内では「やりたいこと勉強会」と呼ばれる取り組みがあり、各部門で定期的に勉強会を開催しています。基本的なIT知識から、Pythonなどのプログラミング言語、AWSなどテーマはさまざまですが、最近ではAI関連の勉強会が特に活発に行われていますね。
編集部
御社では若手も多く活躍されていると思いますが、経験の浅いメンバーに対する実務面のサポートについても教えていただけますか?
佐川さん
当社では、未経験者が必ず先輩社員とチームで動く体制を取っています。クライアント先に常駐することもありますが、単独で現場に配置することはありません。社員が安心して働けることはもちろん、個人の成長を促進し、仕事の質を確保するためにも非常に重要な体制だと考えています。
シー・エス・エスの事業展望:中小企業のコンサル事業を強化
編集部
シー・エス・エスの事業の強みや展望についても教えてください。
佐川さん
当社では、基幹系システムやその周辺の情報系システムの開発、アプリケーション開発などに加えて、AWSなどクラウドを使用したインフラ構築や、SAS(Statistical Analysis System)等のBI(Business Intelligence)ツールを活用したデータの可視化・分析にも力を入れています。
当社の強みは、業務効率化のためのシステム開発から始まり、データレイクやDWHといったデータ蓄積基盤の構築、クラウドに蓄積されたデータの分析まで提供できる点です。これらの一連の流れにより、データを経営に活かすご支援ができています。
今後は、コンサルティングの領域にさらに力を入れていきたいと考えています。
編集部
近年は、大企業だけでなく中堅・中小企業のシステムコンサルティングにも注力していると伺いました。その背景ややりがいについて教えていただけますか?
佐川さん
多くの中堅・中小企業では、大企業に比べてデジタル化が遅れているのが現状です。私たちは、これまで培った技術と実績を活かし、そうした企業のデジタル化を支援していきたいと考えています。
中堅・中小企業では、専門のシステム企画部署がないことが多く、「何をどうIT化すべきか」「どこに課題があるのか」といったお客様の業務理解を行ったうえで、根本的な部分から一緒に考える必要があります。企業ごとに状況が異なるため、画一的な解決策ではなく、個別のアプローチが求められます。これは難しい部分でもありますが、その分、やりがいがあり、エンジニアのスキル向上にもつながります。
最終的には、技術力をさらに高めながら、お客様に価値を提供し、日本全体のデジタル化とイノベーションに貢献していきたいと考えています。
編集部
御社で働くエンジニアのやりがいはどのようなところにあると思いますか?
佐川さん
当社はプライム案件を多く持ち、元請けとしてお客様と直接取引をしているため、お客様のリアルな声をダイレクトに受け取ることができます。もちろん、厳しいご意見を直接受けることもありますが、その分「ありがとう」と言っていただける機会も多いのが大きな魅力です。
システム導入後の効果を実感しやすく、エンジニア自身が問題意識を持って改善に取り組めるため、モチベーションの向上にもつながっています。
シー・エス・エスの働き方:ハイブリッド勤務で柔軟な働き方を実現
▲シー・エス・エスでは育児や介護、資格取得など、個人の事情に応じてリモートワークを選択可能
編集部
社員の皆さんが働きやすい環境を整えるために取り組んでいることがあれば教えてください。
佐川さん
当社では、社員が心身ともに健やかに働ける環境づくりを大切にしています。その一環として、メンタルケアのサポート体制を整え、管理職のメンバーにはメンタルヘルスマネジメント検定の取得を推奨しています。
検定の取得は私から指示したわけではなく、社員から「より良いマネジメントに役立つのでは」という声が上がり、自然と広がった取り組みなんですよ。
編集部
管理職の皆さんがメンタルヘルスに対する高い意識を持っているのは素晴らしいですね。リモートワークなど、柔軟な働き方をサポートする制度はあるのでしょうか?
佐川さん
リモートワークは可能ですが、最近は出社を推奨し、直接コミュニケーションを取れる環境で一緒に働くことを優先しています。フルリモートでは社員の様子が分かりにくく、特に若手社員が先輩に質問しづらい状況が生まれやすいためです。また、毎日自宅で一人きりの業務は精神的な負担も大きく、体調の変化にも気付きにくくなります。
一方で、育児や介護などの事情がある社員には、リモートワークを柔軟に活用できるようにしています。このように、社員一人ひとりの状況に応じたハイブリッドな働き方を実現しています。IT企業のエンジニアとしてワークライフバランスを大切にしながら、チームの一体感も重視したいためです。
資格取得を目指す社員に対しても柔軟に対応しています。リモートワークを活用し、通勤時間を学習に充てる人もいれば、むしろ電車の中の方が集中できると考える人もいます。社員が自分に合ったスタイルで成長できるよう、柔軟な働き方を支援しています。
▲お洒落で洗練されたオフィス。フリーアドレスを採用しており、作業に合わせてオープンな席やクローズドな席を自由に選択できる。
シー・エス・エスの採用方針:前向きで向上心のある仲間を募集!
編集部
最後に、御社の採用方針を教えてください。
佐川さん
人間の行動はすべて思考から始まります。「絶対に成功する」と強く信じて行動すれば、自然と良い結果につながります。逆に、「自信がない」「うまくいくはずがない」と思ってしまうと、本当にうまくいかなくなってしまいます。
「より良い世の中をつくる」「お客様に貢献する」という想いを持ち、それを実現しようと努力できる前向きで向上心がある方と一緒に働きたいですね。
一つのことを突き詰めていけば、どんな環境でも通用する力が身につきます。ぜひ当社で経験を積みながら成長していってほしいと思っています。一緒に成長し、未来を切り拓いていきましょう!
編集部
ありがとうございます。インタビューを通して、御社にはエンジニアの皆さんがスキルを磨きながら成長できる魅力的な環境があることがよくわかりました。
本日は、たくさんの貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!
編集後記
株式会社 シー・エス・エスの働き方まとめ
事業の特徴 |
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技術面 |
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働き方 |
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成長支援 |
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組織体制 |
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株式会社 シー・エス・エスの基本情報
企業名 | 株式会社 シー・エス・エス |
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住所 | 東京都品川区西五反田2-12-3 第一誠実ビル2階(受付)・6階 |
事業内容 | ・システムコンサルティング ・Webアプリケーション開発 ・スマートフォン・タブレットアプリ開発 ・金融系基幹システム開発 ・インフラ・クラウド構築 ・データ分析および関連システム開発 ・自社プロダクト開発運営 |
設立 | 1976年4月 |
働き方 | ハイブリッド勤務(出社+リモートワーク) |
公式ページ | https://www.css-net.co.jp/ |
採用ページ | https://holdings.css-net.co.jp/recruit |
募集職種 | ・エンジニア ・営業 |