新しい働き方や独自カルチャーの企業を紹介するこの企画。今回は、システム開発事業を通して顧客のニーズに応えつつ、エンジニアファーストな働き方を実現されているフォワードソフト株式会社をご紹介します。
フォワードソフト株式会社とは
フォワードソフトは2013年にエンジニア出身の清水健一代表取締役社長が起業したシステム開発企業です。創業時からクライアント(顧客企業)先に自社のエンジニアを常駐させ、システム開発や運用を行うSES(システムエンジニアリングサービス)事業を柱として、順調に成長を続けています。現在は東京本社のほか、横浜、新潟に拠点を持ち、社員数は約190人に上っています。
システム開発事業のほかには、ITエンジニアに特化した人材紹介、転職サイト「Workteria(ワークテリア)」の運営、教育・研修事業、Webマーケティング事業と、あわせて4つの事業を行っています。
▲フォワードソフトさんが運営するITエンジニアに特化した転職サイト「Workteria(ワークテリア)」
教育・研修事業は社内エンジニア育成のノウハウを生かして2019年に立ち上げたもので、未経験者でも短期間で一人前のエンジニアを目指すプログラミングスクール「東京ITカレッジ」を開講しています。
「東京ITカレッジ」は求人数がもっとも多いと言われるプログラミング言語Javaに特化したスクールとして、エンジニアの育成や転職サポートも行っています。
会社名 | フォワードソフト株式会社 |
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住所 | 東京都台東区上野7-7-6 MPR上野駅前ビル9階 |
事業内容 | 情報処理サービス業 |
設立 | 2013年 |
公式ページ | https://forward-soft.co.jp/ |
社員の9割をエンジニアが占めるフォワードソフトでは、顧客の要望に応えることだけではなく、エンジニアの働きやすさを追求しており、「やりたい仕事」と「ワークライフバランス」が両立できる環境が整っているそうです。社員の働き方や支える制度、採用で重視するポイントなどについて、人材開発部で採用責任者を務める秋山さんにお話を聞かせていただきました。
エンジニアがやりたい言語や業界を選べる
編集部
フォワードソフトさんはシステム開発をメインに4つの事業を展開されていますが、御社の特徴から教えてください。
秋山さん
弊社のメイン事業はSESですが、社長の清水が元々SESエンジニアであり、開発プロセスの下流工程であるコーディングからスタートした人間なので、エンジニアの気持ちがよく分かります。そのため、「自分がエンジニアとしてされて嫌だったことはしない」ことをポリシーにしています。
編集部
SES事業において、「エンジニアとしてされて嫌だったことはしない」というポリシーはどのように反映されているのでしょうか。
秋山さん
エンジニアが参画する案件を選べないSES企業もある中で、弊社では「選べる案件制度」をとっています。入社いただいたエンジニアから、これまでのスキル・これから経験を積みたい業界・ポジション・開発言語などをヒアリングし、それに応じた案件を営業担当が取ってくるといったスタイルをとっています。
例えば、「Javaに関する案件はたくさん経験してきたから、次はPythonにチャレンジしたい」と相談を受けたら、その前段階の案件を取ってきたりします。
そのため、フォワードソフトでは金融や官公庁など幅広い業界のシステムやWeb・モバイルなどの開発実績がありますが、「この業界しかない」「この言語しかない」という制約はありません。エンジニアの能力と希望次第で、仕事をカスタマイズするという形です。
編集部
エンジニアが「やりたい仕事がある」環境をつくっているのですね。エンジニアさんが希望を伝えやすい雰囲気が社内には浸透しているのでしょうか?
秋山さん
そうですね。エンジニアに対しては、入場同行だけではなく、現場アサイン後も、LINEやSlack・ショートメッセージ・電話など様々な手段を使い、営業担当から連絡を行っています。
また、社風としても会社との距離を対等に保てるフラットさがあります。「こんなことをやってみたいけれど、どうしたらいいかな」という前段階の相談もできますし、もっとしっかりと提案や要望を聞いてほしい場合は代表の清水にダイレクトに連絡を取ることもできます。清水は今も自身が手を動かすエンジニアであることから、現場からの発案にも柔軟に対応できるところも強みです。
社内イベントは自由参加。社員の自主性を尊重するカルチャー
▲フォワードソフトさんは顧客・社員と共に歩み続けることを目指している(同社HP経営理念ページより)
編集部
フォワードソフトさんではエンジニアの皆さんが集まったり、意見交換をする場として、社内イベントなども定期的に行われているのでしょうか?
秋山さん
はい。定期的な帰社日のほか、年に1回~2回は忘年会などのイベントを行っています。イベントは社員からのリクエストを聞いて決めていますが、最近は対面でのイベントが難しいため、Zoomでオンライン飲み会をしたり、全従業員参加のSlackを使って趣味仲間の集まりをやったりしています。
また、これもフォワードソフトの特徴なのですが、社内イベントは自由参加が前提です。IT業界ではこういった社内イベントに参加しないと評価が下がるとか、欠勤扱いになってしまうとか、有給休暇を充てて参加しなければならないという企業さんもあるようなのですが、弊社はそういったことは一切ありません。「参加したい人は参加してください。途中から参加でもいいし、途中で帰ってもOK」という自由なスタイルをとっています。
実際には自由参加でも8割ほどの参加率はあるので、多くの人が社内コミュニケーションを取りたいと思っているようです。ただ、自由参加が前提というカルチャーはすごくいいなと、私自身も思っています。
編集部
社員さんの自主性を尊重するとともに、声をすくいあげるようなカルチャーがあるのですね。
心身ともに健康に働くためのサポート環境
編集部
エンジニアを中心とする社員の方の働き方について、教えてください。
秋山さん
フォワードソフトではエンジニアは正社員であり、安定した雇用を図っています。また、ワークライフバランスをとても重視しており、有給消化率は100%・月間の平均残業時間は20時間以下で、業界ではとても少ない水準となっています。20時間といっても、多くの社員が普段は15時間もいっていないのではと思います。選べる案件制度や残業時間の少なさもあり、社員定着率は96%となっています。
編集部
エンジニアは徹夜案件もあるといったイメージを持つ読者もいるかもしれませんが、残業を削減するために、どのような工夫をしていらっしゃるのでしょうか。
秋山さん
繁忙期にはもちろん残業もありますが、普段はできるだけ無理せず働けるように案件の管理を行っています。毎週月曜に営業部と社長で営業会議を行っており、エンジニア1人ひとりの稼働時間や有休消化率などをチェックしています。
そこで何か異変や気付きがあれば、例えば、1人に対して集中的に負荷がかかっているのではないか、能力以上の業務が上乗せされているのではないかと調べ、必要に応じて営業担当が常駐先の企業さんに連絡をとっています。
「自分がされて嫌だったことはしない」。エンジニア出身社長の想い
▲現役エンジニアでもある清水健一代表取締役社長
編集部
残業削減のための案件管理も、社長様の「自分がエンジニアとしてされて嫌だったことはしない」というポリシーが反映されているのでしょうか。
秋山さん
その通りです。清水自身が「残業をしても残業代をもらえない」という辛い環境を経験したことが根っこにあり、残業をよしとしていません。SESの業態ではどうしてもエンジニアの裁量性が重んじられ、本人が納期に間に合うようにどうにかするものという考えも耳にしますが、弊社にはそのような考えはありません。「会社として社員を守っています」と胸を張って言えるところは、強みかなと思います。
日本特有の「残業することが美徳」や「足で稼ぐことが美学」という考えは持たず、外資企業的な考え方をしています。残業時間を減らすだけでなく、心身ともに社員が健康に過ごせるようにということも常に意識しています。
編集部
心身ともにという言葉がありましたが、エンジニアさんに対するメンタル面のサポートなどもあるのでしょうか?
秋山さん
現場に常駐をした後は、先ほどお話した通り、営業担当がこまめにコミュニケーションをとるほか、採用を担当した私自身が定期的に個別でフォローアップ面談を行っています。
採用面接の際に希望としてお伺いしていたキャリア形成などの次のステップについての相談はもちろんですが、例えば「ちょっと営業担当には言いにくい」ということや、プライベートも含めて何か悩みがあれば色んなお話を聞いています。このように、会社全体で全方向からしっかりと連絡やフォローをする体制をとっています。
スキルアップとワークライフバランスの両方がかなった男性社員の話
編集部
フォワードソフトさんに転職して、エンジニアとしてのやりがいとワークライフバランスの両方が実現できたというような社員様の声があれば教えていただけますか。
秋山さん
例として、私がスカウトをして入っていただいた30代の男性社員がいます。この社員は元々は1社で長くエンジニアを務め、自社で扱う特殊な言語のみでしか案件を持たない企業だったため、「言語の幅を広げたい」という希望を持っていました。
また、お子さんが2人いらっしゃって、当時ちょうど小学校と幼稚園に入りたてという年齢でしたが、
当時の現場業務は土日も休めないことが多く、幼稚園のイベントにも行けなくて寂しい思いをさせているとお悩みでした。そこで、仕事の幅を広げ、ワークライフバランスを改善する目的で弊社に転職を決められました。
入社後は前職より上のサブリーダーのポジションに昇格し、リモートワークでJavaを使う案件にアサインされ、活躍しています。お昼休みにお子さんと公園に遊びに行ったり、お子さんの送り迎えを担当できるようになったそうです。
おかげで、お子さんから「パパと今度はこれをして遊びたい」とリクエストも出るほどになり、「反抗期を迎える前にちゃんと子どもと話ができたのは良かった」「妻ともたくさんコミュニケーションがとれるようになった」と仕事面だけではない喜びの声を聞いています。
編集部
仕事面では言語の幅やマネジメント経験を広げつつ、希望していた家族との関わりも深めることができたのですね。エンジニアの「選べる案件制度」や発言しやすいカルチャーがあるフォワードソフトさんらしさが伝わるエピソードでした。
▲フォワードソフトさんの社員データ。社員数は右肩上がりで増えている(採用ページより)
20代でサブリーダーも。挑戦に年齢や社歴は関係なし
▲20代のエンジニア社員が初代責任者を務めた教育事業。「東京ITカレッジ」を運営している(東京ITカレッジHPより)
編集部
フォワードソフトさんでは社員数がどんどん増えていると思いますが、どのように昇給・昇格が決まるのでしょうか?
秋山さん
弊社はいわゆる年功序列の昇給ではなく、職務能力によって決まる実力主義です。給与のタイムテーブルにおいて、「20代だったらここまでしか上がらない」とか「上のポジションが詰まっているから昇格できない」といったことはありません。
新卒2年目でサブリーダーに昇格した若手社員もいますし、プログラミング未経験からのチャレンジでも早々にサブリーダーになった者もいます。この社員の場合は、技術力では未熟な部分もありましたが、業務効率化に貢献したことが高く評価されました。もちろん技術や経験も必要ですが、会社としては「個人の特性が活かせるように」、そして「モチベーションが上がるように」評価していますので、若手のメンバーも活躍できます。
編集部
若手の方でも、挑戦できる環境があるのですね。
秋山さん
はい。「東京ITカレッジ」を運営する教育事業部は、当時20代前半だった社員が責任者として行っていた事業のひとつです。清水自身が、スキル不足のままプロジェクトに送り込まれフォローやサポートもなく困っているエンジニアの姿を見たことがあり、何かできないかと考えていた時に、「フォワードソフトの社内ノウハウを活かして、教育事業を行ってはどうか」と考え、スタートしたものです。
当時の責任者だった本人は、起業のため既に退職済みですが、その後、教育事業部の責任者にバトンタッチしたのは、2年前に入社したばかりのメンバーです。この社員も事業企画などの経験があったわけではなく、エンジニア歴20年の40代で、IT講師として入社しました。
「これしかやらない」「これしかできない」と仕事を限定せずに、「自分の事業部を拡大するためには何をするべきか」を清水と一緒に考えチャレンジした結果、今では、プログラミングスクール運営や講師業務だけでなく、マーケティングまで幅広く活躍の場を広げています。
編集部
若手だけでなく、中途入社の方でも、40代でも、チャレンジし、活躍されているのですね。やりたいことにどんどん手を挙げられる風土があることがうかがえました。
3つのキャリアビジョンを描くことができる
編集部
フォワードソフトさんの評価制度の特徴やこだわりはありますか?
秋山さん
評価のブラックボックス化を避け、スケルトンな(透明性の高い)評価制度にこだわっています。エンジニアの場合、現場評価6割、勤怠や自己研さんが4割となっており、ウエイトを現場に置いています。現場評価は、現場リーダーなどへ各メンバーの業務への取り組み姿勢、スケジュール管理、日頃のコミュニケーションや業務効率化への努力などを評価してもらいます。
残りの4割については、無断遅刻や無断欠勤をしていないかといった勤怠や本社への提出物を守れているか、IT関係の資格取得をするなど自己研さんに努めているか、といった点を評価します。社会人としてのルールを守りしっかり仕事をしていれば、昇給できる制度になっています。
これらの評価をまとめ、年に1回、清水から本人にフィードバックする形をとっています。1対1での社長面談は創業当初から全社員を対象に行っており、1人1時間くらい、長い人だと3時間くらい行っています。
というのも、清水自身が今もコーディングを自分でする「現役エンジニア」でもあるので、評価の話以外にも技術の話で盛り上がることが多いようです。会社の動きを知ることができ、技術の情報交換もできるこの面談を楽しみにしている社員も多く、満足してもらっているポイントかなと思います。
編集部
社風として会社との距離を対等に保てるフラットさがあるとうかがいましたが、社長面談は1エンジニア同士として対話される場でもあるのですね。
採用で重視するのは「発言力」と「傾聴力」
▲多様性を尊重する意味を込めてレインボーパーカーを着用する秋山さん
編集部
最後に採用についてお聞きしたいと思います。フォワードソフトさんが選考において重視しているポイントは、どんな点でしょうか?
秋山さん
自主的に発言できる力があるかと、傾聴力があるかの2点です。
弊社はSESという業態なので、色々な会社の方と仕事をすることになります。そのため、受け身姿勢の方は難しいです。「自発的に発言する」「わからないことがあれば聞く」「改善に気付いたらアイデアを出す」など、行動ができる方を求めています。また、他人の会話を途中で遮ったり、自分の意見や思い込みだけで走ったりしないことも大事です。
編集部
発言する力と傾聴する力、一見相反するようですが、どちらも重視していらっしゃるのですね。
秋山さん
そうですね。面談ではコミュニケーションができるかどうか、ということを重視させていただいています。雑談ベースでもいいので、「どうして転職するのか」をご自身の気持ちを乗せて話していただきたいと思っています。テンプレート的な転職理由では本音がわからず、コミュニケーションができないなと感じてしまいます。緊張せずに色々とお話をしてくれる方が、とてもありがたいです。
フォワードソフト採用責任者秋山さんからのメッセージ
編集部
この記事を見てフォワードソフトさんに興味を持った方に、秋山さんからのメッセージをいただけますでしょうか。
秋山さん
私がぜひお伝えしたいのは、フォワードソフトは『自分が主役になれる会社』だということです。
人生の中で仕事の占める割合はとても高いものです。その仕事で自分を主役にして、ストレスなく、自分のスキルアップや成長を図れる環境を目指しませんか?フォワードソフトには、相談しやすい環境、孤独にならない環境が整っています。少しでも興味を持っていただいたら、気軽にお話に来てください。
編集部
秋山さん、本日はありがとうございました!
フォワードソフトさんのITエンジニアに特化した転職サイト「Workteria(ワークテリア)」では秋山さんが転職活動に役立つ情報や交流企業のインタビューなどを発信しています。また採用Twitterでは、採用チームからのお知らせや社内の様子も紹介されています。自由な社風を知るきっかけにもなりますので、ぜひご覧ください。
■取材協力
フォワードソフトの採用情報:https://forward-soft.co.jp/recruit
採用Twitter(人材開発部):https://twitter.com/forwardsoft_01
※提供サービスはこちらから!
Workteria:https://workteria.forward-soft.co.jp/
東京ITカレッジ:https://it-school.io/