新しい働き方や、働きやすい環境をつくる独自制度を取り入れている企業にインタビューするこの企画。今回は、導入企業数、契約送信件数国内1位の「電子印鑑GMOサイン」など多くのサービスを展開し、事業をグローバル展開しているGMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社を取材させていただきました。
GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社とは
GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社は、「コトをITで変えていく」というミッションが表す通り、電子認証・印鑑事業、クラウドインフラ事業、DX事業など、トラストサービスを軸とした多角的なインターネット事業を展開するグローバル企業です。
国内外に11拠点を展開している同社は、働き方も世界基準といえるかもしれません。パートナー(GMOグループ内で社員を指す呼称)が最高のパフォーマンスを発揮するため、柔軟な働き方を選択できるようになっています。
会社名 | GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社 |
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住所(東京本社) | 東京都渋谷区桜丘町26-1 セルリアンタワー10階 |
事業内容 | クラウド・ホスティングサービスおよびセキュリティサービスを中核とした各種インターネットソリューションの開発・運用 |
会社設立 | 平成5年12月 |
公式ページ | https://www.gmogshd.com/ |
今回は、そんなGMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社の事業内容や働き方、またカルチャーなどについて、社長室広報担当の大月さんと人事・採用担当の森重さんにお話しいただきました。
海外勤務パートナーが約半数。電子認証事業などをグローバルに展開
編集部
最初に、GMOグローバルサイン・ホールディングスさんの事業に関してお教えいただければと思います。
大月さん
私たちは元々レンタルサーバーの会社としてスタートし、2001年にGMOグループにジョインしました。現在、子会社は16社、パートナー数は1,000人弱という規模になっています。また、社名にある「グローバル」の通り海外にも10か国に拠点を持っており、グループ全体のパートナーも半数近くは海外勤務です。
事業の領域については、3つにセグメントを分けています。1つ目はインターネット上の認証や電子契約を扱っている「電子認証・印鑑事業」、2つ目は創業時からあるホスティングサービスを提供する「クラウドインフラ事業」、3つ目は企業のDXを促進させる「DX事業」です。
中でも電子認証については厳格な監査等の理由で参入障壁が非常に高く、弊社が唯一の国産認証局なんです(※)。収益としてもこちらが現在の柱になっています。
(※)グローバルなシェアを持つ電子認証局は世界で5社のみ。GMOグローバルサイン・ホールディングスは、唯一の国産認証局「Global Sign」を保有している。
特に、電子契約サービス「電子印鑑GMOサイン」は、2020年以降の社会情勢の変化の影響もあり急激に伸びています。電子印鑑を使えば、いわゆる「ハンコ出社」の手間をなくすことができ、契約書類に伴う収入印紙のコスト削減にもなります。
さらに、2022年5月から不動産の賃貸借契約も法的に電子印鑑が認められたため需要が増え、2022年12月現在で100万社を超える企業様や自治体様等にご契約をいただいています。
編集部
DX事業では、ゲームの開発エンジンなども手がけられているそうですね。当初のイメージと違っていて驚きました。
大月さん
おっしゃるとおり、昨今メタバースやデジタルツイン案件での利用が増加している国内唯一のWebファーストゲームエンジン「PlayCanvas」の国内独占代理店を担っています。
また、集客支援アプリをかんたんに制作できる「GMOおみせアプリ」、変わったところではスマホでアナログメーターを撮影するだけでAIを使って検針できる「hakaru.ai(ハカルエーアイ)」など、さまざまな領域にビジネスを広げています。
これは、主力事業である電子認証事業やクラウドインフラ事業で安定した収益が取れているため、新しい事業への投資が可能なためです。もちろん、まだ採算が取れていない事業もありますが、土台がしっかりしているので新たなチャレンジができているのかなと思います。規模に対して、実はフットワークは軽い企業なんです。
生産性向上のための、様々な勤務スタイル
編集部
次に、パートナーの皆様の実際の働き方についてお聞きできればと思います。現在の勤務体系はどのように設定されていますか?
森重さん
弊社はリモートワークを導入していて、利用者は全体のおよそ95%にも及びます。カスタマーサービス職など、オフィスでの業務が求められるポジションの方は出社がメインですが、ほとんどの部署でリモートワークを活用していますね。
この勤務スタイルについては、2020年に社会情勢が大きく変わる前からトライアルを進めていました。ですから時代の要請でリモートワークが推奨されたときも、すでに社内のシステムが完備されていてパートナーも慣れていましたので、スムーズに移行することができました。
編集部
部署によって変わるケースもあるかと思いますが、「週のうち何日出社する」などのルールはあるのでしょうか?
森重さん
基本はチーム単位で設定しています。直接コミュニケーションによる効率化やチームワークの効果などを考慮した上で、出社とリモートを掛け合わせたハイブリッドな働き方をしている人が多いです。出社頻度もチームや個人単位で決めています。
ただし、会社からのメッセージとしては、リモートワークをするのであれば出社時よりもパフォーマンスが上がることを前提としています。そのため、出社と同じパフォーマンスか、もしくはリモートだと下がるようであれば出社を推奨しています。
環境なども影響し、リモートワークの向き不向きは個人差があると思うので、実際にフルで出社しているパートナーもいます。
フレックス・短時間正社員・副業可。柔軟に働ける制度あり
編集部
勤務時間については、どのような制度を設けておられるのでしょうか?
森重さん
弊社ではフレックスタイム制をメインに採用しており、職種によって「コアタイムあり」「フルフレックス」のいずれかの勤務形態となっています。チームや業務の状況に合わせた勤務にはなりますが、始業や終業については、セルフマネジメントで管理しています。
また、働き方に関連したものだと短時間正社員制度というものもあります。これは、育児や介護、もしくはパートナーがリスキリングや副業・複業を実現するため、一時的に所定労働時間を短縮して設定できるという制度です。
短時間正社員を活用するケースの多くは育児が理由ですが、弊社では子育てしながらフルタイムで働くパートナーもいるんです。育児や保育園の送り迎えなどで中抜けすることは可能なので、前後の時間でうまく調整して働いています。
編集部
副業も可能だと伺ったのですが、そのあたりはいかがでしょうか?
大月さん
弊社では、副業および複業をすることは社長(代表取締役社長の青山満さん)が推奨しています。副業といっても、会社での業務と全く別のことをするという意味ではなく、関連する分野で働くことでスキルや人脈を得てほしいと。そしてそれを本業にも活かしてほしいというメッセージがあります。
森重さん
もし副業のため平日に休みが必要になった場合は、「ソトカツ休暇」という特別休暇制度を利用することもできます。現在、副業申請をいただいている方は20名くらいで、ソトカツ休暇を利用されているのが10名程度いますね。
副業の内容としては、先ほど大月がお伝えしたように業務の延長線上にあたるものが多いですが、直接的なものだけではないです。ボランティア的にプロボノ(※)の活動をされている方もいます。
(※)普段は専門家として働いている人が、そのスキルや経験を活かして行うボランティア活動
コミュニケーション促進のため、社長を含めた飲み会も開催
編集部
リモートの方が多い環境だと思いますが、情報共有やコミュニケーションの促進などの点で工夫されている点はあるのでしょうか?
大月さん
情報共有については、月1回1時間半程度の「シェアリングカンファレンス」というものを開催しています。そこではパートナーをはじめ役員も参加していて、業績含めた会社の現状、カルチャーや、役員のフリートークなどを行っています。
リモートワークが増えた2020年以降、弊社には新しい人材が200名近く入っており、多様な事業があるため自分の関係する分野以外はほとんどわからないこともあります。それは会社にとって良くないので、シェアリングカンファレンスでの情報共有はインナーブランディングの観点としても非常に大事だと考えています。
森重さん
コミュニケーションでいうと、東京オフィス内のカフェは毎週金曜日の夜にバーに変わり、お酒やおつまみが無料で提供されます。それを楽しみに出社して、交流を深めているパートナーもいますね。
また、2020年頃は社会情勢の影響で今よりリモート率が高かったため、いろんな形で社内コミュニケーションの工夫をしていました。その一つとして「青山はしご酒」という社長を交えてのオンライン飲み会が定期的に実施され、自由参加できるような取り組みがありました。その後も社内交流ができるような仕組みや制度を随時リリースしています。
編集部
御社ほどの規模で、社長自らパートナーの皆さんと飲み会を開くというのは驚きです。社員とのギャップをなくし、同じ目標を持って働いているということを浸透させたいという気持ちをすごく感じました。
充実の福利厚生。社内カフェは食事・ドリンク無料
▲シナジーカフェでは食事やドリンクがすべて無料!
編集部
ここからは、福利厚生制度について伺います。東京本社オフィスの施設が充実している印象を受けたのですが、そこからお聞かせいただけますか。
森重さん
おっしゃるとおり、弊社の福利厚生は充実していると感じています。もちろんこれは、私たちだけではなくGMOグループ全パートナーが利用しています。
まず、24時間365日稼働しているシナジーカフェ「GMO Yours」では、日中の食事やドリンク、夜間のコンビニ自動販売機に至るまですべて無料です。
入社されたほとんどのパートナーから一番好評なのは社内カフェで、ドリンクの種類やクオリティが大手コーヒーチェーンと比べても見劣りしないと思っています。また、ランチビュッフェも人気でなかなか予約が取れませんが、味はもちろん栄養を考えたメニューが並びます。
大月さん
私はリモートワークが中心でほとんど行けていないんですが、出社しているパートナーからは好評の声が本当に多いですね。また、このカフェは非常に広いのでイベントスペースとしても利用可能です。
編集部
食事やドリンクが無料で提供されるのは、本当にあこがれる環境ですね。経済的な支援に加え、パートナーの健康にも配慮していることが伝わってきます。
▲ランチメニューにもオシャレかつ栄養バランスが考えられた料理が並ぶ。
保育士付きのキッズルームやマッサージも利用可
▲キッズルームには保育士がいるため、安心して子どもを預けることができる。
編集部
福利厚生に関して、本社のその他の施設についてはいかがでしょうか。
森重さん
子育て中のパートナーが重宝しているのはキッズルーム「GMO Bears」ですね。保育士さんが見てくれているのですが、民間の保育園よりリーズナブルで、1日預かりもできるので喜ばれています。
季節に応じたイベントもあり、クリスマスやハロウィンのときには、子ども達がかわいい仮装をしてオフィスを回ったりすることもありました。子どもを預ける側からすると、そういった光景が見られるのは安心すると思います。
好評なのは、タオルやおむつなどもキッズルーム内に完備されているところです。やはりお子さんがいると通勤も大変なので、持ち物を少しでも減らせるのは助かっているようです。
▲なんと、勤務中でも質の高いマッサージが受けられる。
編集部
仕事の疲れを癒やしてくれるスペースなどはあるのでしょうか。
森重さん
はい。マッサージ&おひるね「GMO Bali Relax」という施設があります。ハンモックでお昼寝ができるスペースは休止中で、今はマッサージだけ利用可能です。予約は必要ですが、勤務中の休憩時や勤務後に低価格かつ質の高い施術が受けられるので、リピーターになるパートナーも多いです。
街中にある一般的なマッサージ店のおそらく半額程度で受けられるので、私も気に入って何回か通いました。予約が結構埋まっているので、押さえるのがなかなか大変なんですけども(笑)。
また、施設としてはその他にフィットネスジム「GMO OLYMPIA」があるのと、それ以外にもさまざまな福利厚生制度、休暇制度、そして学習支援・スキルアップ支援制度などを用意しています。ここで紹介しきれないほどなので、ぜひ弊社の採用ウェブサイトをご覧いただければと思います。
■GMOグローバルサイン・ホールディングスの各種支援制度はこちらから!
https://job.gmogshd.com/environment/
仕事を「自分ごと」にして挑戦する社内カルチャー
編集部
続いて、GMOグローバルサイン・ホールディングスさんのカルチャーについて伺えればと思います。社内にはどのような雰囲気、そして企業風土があるのでしょうか。
森重さん
私たちは「コトをITで変えていく」というミッション、「One&1st」というビジョンを掲げていることからも、挑戦や積極的な発言を推奨している社風があります。決してトップダウンではなく、一人ひとりがリーダーシップを持って、主体的に働くことができます。
また、社長からも「物事を自分ごとに捉えて動いてください」というメッセージが強く発信されています。なので、すべてにおいて自分ごととして捉え、自分の原動力として進めていくことが会社からも求められています。
編集部
パートナーの皆さんも、会社に寄りかかるという感じではなく「この会社でやりたいことがある」というメンタリティをお持ちの方が多いのでしょうか?
森重さん
そうですね。採用においても、応募者からよく「チャレンジができる会社なのか」ということを尋ねられます。そこは、我々としては自信をもって「ハイ」と言えるところですし、入社後にミスマッチの起こりづらいところになるかなと思っています。
いつでも相談を受け付け、入社後もフォローするサポート制度
編集部
それぞれのパートナーがチャレンジをしていく中では、仕事の進捗としても精神的な面でもサポートが必要な場面があると思います。そういった機会はあるのでしょうか?
森重さん
もちろんです。まず、「パートナーサポートプログラム」という制度があります。これは、いわゆるお悩み相談室のようなものです。キャリアに関することでもその他のことでも、小さな悩みでもいいから相談してくださいという駆け込み寺にあたるサポートですね。
あとは、私たちTA(Talent Acquisition)チームで実施しているのが入社後の「1・3・6制度」です。こちらは、入社1ヶ月後にフォローアップのアンケートを取って、必要に応じて面談を実施する。そして、試用期間満了にあたる3ヶ月後、6ヶ月後にも同様のフォローをおこなうというものです。
入社後から慣れるまでの時期、キャリアを積み重ねていく時期など、どのような段階でもサポートできるよう、いろいろな制度がありますね。弊社の人事もチャレンジ精神を持ちながら日々向き合っているので、これからも改善しつつ新しいものを生み出すことにも積極的に取り組んでいこうと思っています。
採用時に重視するのは「当事者」「専門家」「楽しむ人」であること
編集部
最後に、採用に関しては現在どんなフェーズだとお考えでしょうか。
森重さん
現在、弊社は経験者採用の募集が中心です。直近の2年は、それぞれ年間50名規模の採用を進めてきています。
編集部
面談などを実施する際、重視しているのはどこになるでしょうか。
森重さん
会社の求めるパートナー像は主に3つです。1つ目は「当事者である」こと、2つ目は「専門家である」こと、3つ目は「楽しむ人である」ことです。まずは、これらにフィットされるかどうか情報交換させてもらっています。
採用における面接では、「一方的にジャッジをする!」という考えはありません。応募者の方にとっては、転職軸が叶うかどうか、理想のキャリアが描ける環境かどうか判断いただく場だと思っています。弊社も、応募者の方が楽しく活躍いただける場を提供できるのか、双方ともに情報交換をさせてもらう考えです。
そのため、できる限り自社の情報を開示するようにしています。「私たちはこんな会社です」「あなたはどんな人ですか」というように本音で話せる関係を大切にしていて、面談や面接でもそこは意識していますね。
弊社のミッションやバリューに共感していただけることが前提ですが、最終的には組織や人とのフィット感や一緒に仕事をする上での信頼感も大事だと思っています。
大月さん
付け加えると、弊社はさまざまな事業に挑戦しているので、自分から失敗を恐れず行動できる人を求めています。新しいことを次々と生み出す文化があるため、指示待ちというよりはチャレンジ精神が強い人は働きやすいと思います。
編集部
最後に、メッセージなどがございましたらぜひお願いいたします。
森重さん
弊社は、事業部によって多少カラーは違うものの、40歳近くという平均年齢からもわかるように、全体的には落ち着いた雰囲気のある会社です。ただ、守りというわけではなく攻めの気持ちで「チャレンジ」や「積極性」、「成長」といったマインドをもちながら仕事に向き合うパートナーで構成されています。
また、弊社は「社歴」「年齢」「役割」関係なく、自分の意見を発信しやすい環境です。上下関係のないフラットな組織体系のため、自ら考え、発信し行動することがより求められます。自由度は高いですが、その分厳しさも伴う環境ではあると思います。変化し続ける私たちと一緒にご自身の成長を楽しめる方は、興味を持っていただけたらまずは情報交換させていただけたら嬉しいです!
編集部
本日はありがとうございました。
■取材協力
GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社:https://www.gmogshd.com/
採用ページ:https://job.gmogshd.com/