自然エネルギー100%の社会づくりに挑む「ハチドリソーラー」「ハチドリ電力」の挑戦と働きがい

特徴的な事業や若手の成長についてインタビューする本企画。今回は「自然エネルギーが主電源の未来を創る」をミッションに、現在約20%にとどまっている日本での自然エネルギー率を100%にしようと、太陽光発電事業を展開するハチドリソーラー株式会社にお話を伺いました。

■経済産業省資源エネルギー庁
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/index.html

ハチドリ電力と協働で社会を変えていくハチドリソーラー株式会社

ハチドリソーラー株式会社は、株式会社ボーダレス・ジャパン(※)の起業プログラムの中で2021年に生まれた発電事業でした。事業を立ち上げたのは、現在も代表を務める池田将太さんです。
(※)ボーダレス・ジャパンは、社会課題をビジネスとして事業化し解決していく「ソーシャルビジネス」を13カ国で51事業展開している。ハチドリソーラーやハチドリ電力もそのひとつ。

当時、池田さんは「環境問題を解決するエネルギーのビジネスを起業したい」という一心で、ボーダレス・ジャパンに入社した新卒メンバーでした。

ボーダレス・ジャパンには、ハチドリソーラーよりも早くからスタートしている、地球温暖化を解決するための電力サービス「ハチドリ電力」があり、自然エネルギー100%の電気を届ける小売電気事業を行っていました。

それぞれ代表がいた両事業ですが、池田さんはハチドリソーラーとハチドリ電力でシナジーを生み「自然エネルギーが主電源の社会を創りたい」と、2023年12月にハチドリ電力の代表にも就任しました。

ハチドリソーラーとハチドリ電力は、自然エネルギーをつくる太陽光発電の設置を進め、そのエネルギーをお客さまに届けるワンストップサービスを提供し「自然エネルギー100%」を実現しようとしています。

会社名 ハチドリソーラー株式会社
住所 東京都新宿区市谷田町2-17
八重洲市谷ビル10F
事業内容 ・太陽光発電システム(ソーラーパネル)や蓄電池の販売、リース事業
・発電所の開発、設計
設立 2022年8月
(株式会社ボーダレス・ジャパンより独立、創立は2021年10月)
公式ページ https://hachidori-denryoku.jp/solar/

今回は、事業の特徴や若手メンバーの活躍、これから採用したい人材について、代表の池田将太さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
ハチドリソーラー株式会社代表・ハチドリ電力事業代表の池田将太さん

ハチドリソーラー株式会社
代表
ハチドリ電力
事業代表

池田 将太さん

発電と販売の仕組みを確立し、自然エネルギー100%の社会づくりを目指す

編集部

池田さんが代表をされている、ハチドリ電力とハチドリソーラーさんの事業について、特徴を教えていただけますか。

池田さん

どちらも、地球温暖化の問題を解決するために立ち上げた、エネルギーの事業です。今、日本全体で排出しているCO2の40%は、電気の使用によるものです。それを全部、CO2の排出がない自然エネルギーに切り替えようとしています。

ハチドリ電力の主な特徴は「実質自然エネルギー100%の電気のみを提供する電力会社」であることです。また、お客様から頂く電気代の1%を、お客様が応援したいNPOなど社会活動を行う団体に、寄付できる仕組みとさらに1%を自然エネルギーの発電所を増やす基金に貯蓄する仕組みがあります。

ハチドリソーラーは、現在日本で20%しか賄われていない自然エネルギーを、どんどん増やしていくための事業です。太陽光パネルの搭載率は、まだ戸建て住宅全体の10%なのですが、これを100%にすれば、使用電力に占める自然エネルギー率を、プラス15~20%引き上げることができます。

編集部

ハチドリソーラーさんは、どのようにして戸建て住宅への太陽光パネル設置を進めているのですか。

池田さん

戸建て住宅をつくっているビルダーさんや工務店さんに、販売パートナーとなってもらい、お客様への提案・施工をお任せしています。「自然エネルギーが主電源の社会づくり」に共感してくださる販売パートナーを、これからも増やしていきます。

編集部

販売パートナーさんは、どのようにハチドリソーラーさんの太陽光パネルをお客様に紹介されるのでしょうか。

池田さん

「初期費用0円の定額サービス」ということを知っていただいています。太陽光パネルは無料で、月々の料金は様々なプランから選択できる定額制です。分かりやすく始めやすいサブスクの様なシステムにしています。

また、太陽光を設置した売上の一部を、ハチドリソーラーでは「自然エネルギー基金」として貯め、学校に太陽光パネルを設置する取り組みをしています。今まで、学校への設置は費用の関係で進まないことが多かったのですが、余剰利益を活用して学校自体が発電所に変わり、学校に太陽光が設置されていくことで、子どもたちにとって自然エネルギーがもっと身近になって欲しいと思っています。

編集部

同じ電気代を支払うなら、太陽光を設置するなら、社会や環境に貢献できる仕組みを選びたいと考えるお客様が、たくさんいらっしゃいそうですね。

池田さん

ハチドリ電力でも、ハチドリソーラーでも「“1%”は微力かもしれないけど、無力ではない」という思いを、すごく大切にしています。一人ひとりが、電気を切り替えるのは小さなことですが、その数が大きくなって、社会を動かすムーブメントをつくれたらいいですね。

編集部

ハチドリ電力さんとハチドリソーラーさんの事業の仕組みと、2つの事業の関係がよく分かりました。ハチドリソーラーさんが発電所づくりを、ハチドリ電力が自然エネルギーをより多くの方に届ける電気の小売の機能なのですね。

透明性のある事業を展開する「日本で一番正直な電力会社」

編集部

池田さんが、ハチドリ電力さんとハチドリソーラーさんの両事業を統括し始めてから、感じていらっしゃる課題などはございますか。

池田さん

ハチドリソーラーで、太陽光パネルを搭載した戸建ての発電所をいくら増やしても、電気の性質上、同時同量で使用しなくてはならなくて、夜間の電気が自然エネルギーで賄えないという課題があります。

その課題に対し、小売り側であるハチドリ電力の知見を使って、今後どのような発電所をどのように増やしていくのが、社会にとって一番良いのかを考えていきたいですね。

編集部

どのような解決策がありそうなのでしょうか。

池田さん

例えば「ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)」や環境に優しい小規模水力発電、風力発電をはじめとした太陽光以外のエネルギーをミックスできる発電所など、様々な可能性を実現化して事業を進化させたいと思っています。

編集部

ほかにも課題がございましたらお教えください。

池田さん

一般的には、「電力」はとても複雑で、分かりにくいところがあると思います。私たちは費用を明解にしているので、電力の仕組みをわかりやすく伝えていきたいです。

私たちは「日本で一番正直な電力会社でありたい」と思っています。電気代に含まれる私たちの利益を「1ユーザー、1ヶ月500円」ときちんと示しています。そのほかにかかった費用は実費をそのまま請求していて、内訳も料金明細に全部細かく記載しています。

必要最低限の運営固定費として500円(※)いただくだけなので、お客様からは「電気代として安いので経済メリットがあるし、ちゃんと説明してくれるから信じられる」というような声を、たくさんいただいています。
※低圧電力(家庭やオフィスの電気契約)の場合

編集部

料金の仕組みが分かりやすく説明されていると、ユーザー側はとてもありがたいですし、販売パートナーさんにとっても有益ですね。

3分で完了するアクションが、ソーシャルインパクトを創りだす

編集部

ハチドリ電力さんとハチドリソーラーさんの目標を教えていただけますか。

池田さん

ハチドリ電力では、2030年までに私たちのサービスを、日本国民全体の3.5%が使うものにしたいと思っています。数でいうと198万世帯です。現在、ハチドリ電力のお客様は7,000世帯弱ですので、すごく頑張らないといけないですね。

ハチドリソーラーでは、現在約3000kWの自然エネルギーの発電量を、2030年までに800万kWまで増やしたいと思っています。これらが、私たちのファーストゴールです。

編集部

2030年に設定されているのには、何か理由があるのでしょうか。

池田さん

2030年というのは、いわゆる地球温暖化のティッピング・ポイントで、それを超えると後戻りができないと言われるものです。世界的に、2030年までの気温上昇を1.5度未満に抑えるべきとされていますが、現状すでに1.2度上昇してしまっています。

また、世界中の社会運動を分析したデータに「3.5%の人が参加した社会活動は成功している」というものがあります。少なくとも、ハチドリ電力のサービスを日本国民全体の3.5%に使ってもらって、温暖化防止に寄与したいですし、社会基盤のインフラを変革したい。ソーシャルインパクトを創りだしたいですね。

編集部

大きな目標を掲げていらっしゃるのですね。新規のお客様は増えているのですか?

池田さん

ハチドリ電力では、毎月約200人から300人の方が電気を切り替えてくださっています。現在は広告費を使っておらず、基本的に全部口コミで広がっています。

切り替え作業は、Webからの申し込みで、たった3分で完了します。「電気の切り替えは、電線の引き直しが必要で大変そう」と考えている方もいるので、そうではないことをしっかり伝えたいです。すごく手軽にできる、エコアクションだということを周知して、お客様を増やしたいと思っています。

編集部

ちなみに、一般家庭でハチドリ電力さんに電気を切り替えると、どれくらい温暖化防止に力添えができるのでしょうか。

池田さん

家庭から排出されるCO2のうち、45%が電気によるものなんです。ですので、ハチドリ電力が供給する自然エネルギーに切り替えると、CO2を45%カットできるということなんですよ。

編集部

なるほど、電気が切り替わっていると、普段と変わらない暮らしでも、環境の維持に貢献できるということなのですね。

芽生える環境への意識を持って、20代が事業を動かしていく

ハチドリ電力とハチドリソーラーの若手メンバーが代表を囲んで談笑している様子

編集部

ハチドリ電力さんとハチドリソーラーさんでは、皆様どのように働かれているのでしょうか。

池田さん

別々の会社で、業務の領域も電力とソーラーに分かれていますが「地球温暖化の解決」という同じ目標を持つ「チームハチドリ」のメンバーとして、一緒に仕事をしています。

毎日同じオフィスで一緒に朝会をしていますし、経営企画の合宿も合同です。連携して密に情報共有しながら、ワンチームで働いています。

編集部

どれくらいの年齢の方が多いのでしょうか。

池田さん

2つの事業で合計16名いて、20代が一番多いですね(2024年4月取材時点)。30代のメンバー、50代のメンバーもいます。男女比は半々くらいです。

私が事業を立ち上げた当初のメンバーは、中学の頃から一緒に野球をしていた同級生など、20代前半の友人だけでした。現在は事業の規模感が大きくなり、何かしらの専門性を持ったプロフェッショナルな方の入社も増えています。

編集部

新しく入社された皆様は、元々環境に対して意識の高い方々だったのですか。

池田さん

私たちのビジョンに共感し、入社してくれたケースはあります。ただ、基本的には「この仲間と働きたい」とジョインしてくれた場合が多いですね。

入社後、環境や地球、社会課題解決などを主語に話をしているうちに、最初はそれほど興味を持っていなかったメンバーも、環境の問題を自分ごととして捉えられるように、マインドがセットされていくんですよ。

入社直後から大きな裁量を持ち事業開発を担当。意欲的に成長していける

編集部

ハチドリ電力さんとハチドリソーラーさんに入社後、若手の方はどのように成長されるのでしょうか。

池田さん

私たちが若手に仕事を任せるときには、数字やインパクトを出すことに対して、戦略を練るところからスタートしてもらいます。メンバーは、自身でプロジェクトを動かして振り返りをして、さらにもう1回アウトプットし直すというように、能動的にPDCAを回しています。自分の力で結果を出して、成長しています。

入社間もない若手でも、個人に任される裁量はとても大きいと思います。

編集部

そのような活躍をされている若手の方のことを、詳しく教えていただけますか。

池田さん

元々はオペレーションの業務をやっていたメンバーに、事業推進のためのオペレーション改善を任せました。「頼むよ」とバックエンドを丸ごと任せたのですが、業務オペレーションの設計から改善まで、見事に1人でやってくれましたね。そのメンバーは現在、経営企画室で経営に関わるボードメンバーに入って、活躍しています。

ほかにも、営業の基本も分からない状況からスタートしたメンバーで、どんどん現場に出て、自分で色々な経験を積みながら成長した者がいます。1人で10億円の売上目標を持っているメンバーもいます。

若くても、入社から日が浅くても、大きなプロジェクトを任せています。最近では入社3ヶ月目の20代に、膨大な顧客データベースの開発をお願いしました。

編集部

若手の皆様は、失敗を恐れたりしないのでしょうか。

池田さん

失敗の経験も含めて、仕事を任せてもらうのが一番成長につながることは、私自身がボーダレス・ジャパンに入社して体感しています。若手を信じて仕事を任せて、失敗して駄目だったら、みんなでリカバリーに入ります。私のチームの仲間にも、そういう成長のプロセスを歩んでほしいと思っています。

編集部

任せられることで大きなやりがいを感じたり、モチベーションが上がったりする方には、ピッタリの環境ですね。

事業成長のキーファクターであるマーケティング人材を歓迎

ハチドリソーラー株式会社代表・ハチドリ電力事業代表の池田将太さん▲これから仲間となるマーケターへの期待を語ってくれたハチドリソーラー株式会社代表の池田将太さん

編集部

ハチドリ電力さんとハチドリソーラーさんでは、採用の際にどのようなポイントを重視されているのでしょうか。

池田さん

現在採用したいのは、マーケティングができる方です。集客のための企画を立案し、実行できるマーケティングのプロフェッショナル人材を求めています。

ハチドリ電力もハチドリソーラーも、今後のマーケティングが事業を成長させるためのキーファクターだと思っているので、知識豊富でレベルの高いマーケターが仲間に入ってくださると心強いですね。

編集部

即戦力として活躍できる方に向けて、ハチドリ電力とハチドリソーラーで働くことのメリットをお聞かせください。

池田さん

私たちのフェーズでは、まだ大きな予算の中での企画はできません。しかし、そのような「ゼロ」の状態から、オリジナルの「イチ」を生みだす面白さがあると思っています。

私たちの事業の中でなら、自分の戦略が結果にそのまま跳ね返ります。「縛られない中で仕事を任されたい」「自分の力を試したい」と思っている方には、すごくやりがいがあるのではないでしょうか。

自分のマーケティングによって、私たちのインフラ事業が多くのニーズに刺さり、社会の基盤が大きく変わる。そのようなインパクトの大きな仕事を実現できます。

編集部

チャレンジングな思考のある方には、ワクワクする環境なのですね。

池田さん

ハチドリ電力もハチドリソーラーも、これから色々な新規事業を展開していく予定です。エネルギー問題や地球温暖化の解決をさらに加速させるための事業や、別の社会課題のテーマを追求していく事業、新しい切り口の事業形態にもトライします。

私たちの周辺は、日々めまぐるしく変化します。「カオスを楽しめる」そんな方と、ぜひ一緒にお仕事をしたいですね。

編集部

新しい職場で経験を活かしたいと考えている方が、存分に力を発揮できる職場だということが分かりました。本日はありがとうございました。

■取材協力
株式会社ボーダレス・ジャパン ハチドリ電力事業
ハチドリソーラー株式会社:https://hachidori-denryoku.jp/solar/
採用情報:https://recruit.jobcan.jp/borderless/list/017