ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、東京都杉並区で地域の健康を支える医療法人社団勝榮会いりたに内科クリニックにインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同院で働く魅力をご紹介します。
「クリニックのベンチャー企業」を掲げるいりたに内科クリニックは、スタッフの人材教育に非常に重点を置いており、通常のクリニック業務の枠組みを超えたさまざまな経験ができる点が特徴です。実際に20代スタッフがSNSで2万人超のフォロワーを獲得するなど、年齢問わず多くのスタッフが成果をあげ活躍しています。また医療業界未経験者も歓迎しており、前職のスキルを活かして活躍できる環境も魅力です。
今回はいりたに内科クリニックの人材育成や若手を育てる理念などについて、理事長の入谷さんにお話を聞かせていただきました。
成長環境:教育費は1人年間約60万円!「必要とされる」人材を目指せる
▲医療事務のスタッフ
編集部
貴院は非常に教育に力を入れているとのことですが、その背景を教えていただけますか?
入谷さん
私たちは、患者様により良い医療を提供するためには、何よりもまずスタッフの安心と幸せが重要だと考えています。そのため、「『教育』から人が集まる日本一のモデルクリニックになる」というビジョンを掲げ、1人当たり年間約60万円という手厚い教育費を投じて重点的な人材育成を行っています。
編集部
人材育成方針についてもぜひ教えてください。
入谷さん
当院では「周りから必要とされる」人材の育成を目指しています。「課業はできて当たり前」を前提に、プラスアルファのスキルを得られるさまざまな機会を提供しています。
世の中には1万以上のクリニックや病院がありますが、どの医療機関よりも成長できる環境を提供する、具体的にいうと大学を卒業して3年後には「同級生の中で一番すごい」と言われるような人材育成が目標です。
当院はホワイト企業アワードにて複数回の受賞経験があり、直近では第11回ホワイト企業大賞において特別賞「働く人の成長と地域の幸せ賞」を、またWELLBEING AWARDS 2025ではFINALISTに選出されていますが、圧倒的な成長環境こそが受賞理由だと考えます。
ただ楽な働き方ができるのではなく、徹底的にチャレンジし、苦労や失敗を繰り返しながら成長できる、そんな環境を提供できるのが我々の最大の魅力です。
入職後は必ず20代〜30代のうちにオリジナルのスキルを身につけ、50代〜60代になってもいろいろな職場から引き合いがある人材にする、その覚悟を持って教育を実施しています。
月に1回のプレゼン、他院の見学などスキルアップの機会が豊富
▲クリニックで勤務する看護師と臨床検査技師
編集部
具体的にどのような成長機会があるのか教えていただけますか?
入谷さん
特徴的なのが、スタッフ一人ひとりが課業とは別のプロジェクトを担当し、月に1回はプレゼンテーションの機会を設けていることです。そのため医療機関としては珍しくスタッフ全員が1人1台のパソコンを持っており、自分でスライドを作るのが当たり前の環境です。
プロジェクトの一例としては、SNS等の情報発信を担う「Xプロジェクト」「Instagramプロジェクト」「クリニックブログ」や、メンバー同士が感謝の気持ちを贈り合う「サンキューカード」の取り組みなどがあります。
なお、Xは短期間で2万人を超えるフォロワーを獲得、クリニックブログは検索ランキングで1位となるなど、素晴らしい結果を残しているケースも多いです。
▲積極的な意見交換が行われるスタッフミーティングの様子
入谷さん
また、勤務時間内にスキルアップの機会を多く設けているのも特徴です。例えば土曜日の午後はもともと外来診療をしていましたが、現在は人材育成とチームビルディングを目的に、ミーティングや学習の機会に充てています。勤務時間内に他医院見学に行ってもらうこともあり、良い取り組みはトライアンドエラーで当院にも取り入れてもらっています。
好事例とされるクリニックを実際に見てきてもらうと、既に当院で取り組んでいることも多いのですが、そうやって「自分たちが普段やっている取り組みはすごいことなんだ」と自信を持ってもらうのも目的の1つです。
▲職員同士の交流、学びのための研修や合宿機会も豊富
編集部
スタッフの学びを評価するために「ポイント制度」を導入されているとのことですが、こちらもご説明いただけますか?
入谷さん
プレゼンテーションや講習会参加など、自身の頑張りをポイントとして可視化し、それに対して評価を行うのが「ポイント制度」です。
周りから見てすごいと思える成果も、それが本人の中だけにとどまってしまっていては正当に評価されません。客観的な評価を受けられるよう、成果は必ず発信することを推奨しています。それがポイントとして賞与などに還元されることで本人のモチベーションにもなりますし、スタッフ間で共有されることで、お互い切磋琢磨して高め合うきっかけになっています。
入職前から予算をもらって採用業務に挑戦!若手スタッフの挑戦事例
▲在宅診療部の医師と看護師
編集部
かなり実践的に学んでいける職場だと思うのですが、そんな中でスタッフの皆さんがチャレンジしたエピソードがあればご紹介いただけますか?
入谷さん
内定が決まっている入職前の大学生に、クリニックの採用プロジェクトを任せた事例があります。
結果的に東京ビッグサイトでの就職説明会への参加、600人のエントリー、5人の内定者という成果を出すことができました。費用は1回100万円以上の出展費用を含め数百万円かかりますが、これだけの額を入職前の大学生にいわば「投資」した、当院ならではの事例といえるでしょう。
編集部
入職後の若手スタッフのエピソードもあれば教えてください。
入谷さん
先ほどお話しした「Xプロジェクト」は、新卒で入って半年のスタッフにプロジェクトの担当を任せ、1年目で2万人超のフォロワー獲得という成果をあげたという事例ですが、これがまさに若手が残した実績の好例です。
このときは単に任せるだけでなく、費用を投じて専門コンサルタントにも入ってもらいました。若手スタッフにとっての成功体験となったことはもちろん、コンサルタントによって専門的な見地からアドバイスを受けることで、そのSNS運用手法を再現性あるものとして確立できたのも大きな成果です。
未経験者の活躍:営業や飲食など他業界で培ったスキルを発揮
▲清潔感があふれたクリニックの内観
編集部
貴院では、医療業界未経験の方も積極的に採用されているのでしょうか。
入谷さん
はい。いりたに内科クリニックでは医療業界の常識を変えていくためにも、むしろ他業種からの転職者を歓迎しています。先にお話しした当院独自の教育制度、成長機会のもと、未経験でもゼロから成長して活躍できる環境を整えているのが特徴です。
編集部
未経験で入職して活躍されている方の事例を教えてください。
入谷さん
外来部門でリーダーを務めるスタッフは、ミャンマー出身で、前職は営業職をしていました。日本語にも不安があり、さらに医療用語に関して言うと全くの未経験でしたが、基本業務はすぐに習得しましたし、前職での営業経験や粘り強さを活かして現在はNo.1の実績を残しています。
また別の例では、臨床検査技師の資格を持つスタッフがいます。そのスタッフは病院勤務が合わずに転職した飲食業界の接客で頭角を現し、当院に転職してからもそこで培った接客スキルを活かして、目覚ましい活躍を見せてくれているのが特徴です。
未経験者の方には、このように前職でのスキルを活かして当院に新しい視点をもたらしてくれることを期待しています。
カルチャー:目標達成のために「協力し合う」関係性がある
▲オフィス内にあるカフェスペースは、ランチのときにはスタッフで賑わうそう
編集部
貴院ならではの特徴的なカルチャーはありますか?
入谷さん
困っている人がいたら協力し合う雰囲気が、自然と醸成されているのが特徴的です。当院では全員が達成目標を持って日々の業務にあたっていますが、個人の成績だけを求めるのではなく、達成のために日頃からお互いに協力し合っています。
例えば看護師は区民健診の受診者を集める目標を持っているのですが、その達成のために事務スタッフが協力して患者さんに健診を勧めることもあります。
編集部
スタッフ間の良い関係構築のために工夫していることがあればご紹介ください。
入谷さん
スタッフが本領を発揮するには、教育はもちろんのこと、組織に馴染むことも大切です。そのためスタッフの交流促進のために院内の行事やイベントを特に重視しています。
例えば毎月のミーティングの後に行う「コンパ」では、お誕生日のお祝いなどをしてスタッフ間の交流を活性化しています。ここでは「全員が主役になれる飲み会」をコンセプトに、全員の1分間スピーチなどを行っているのもポイントです。1年目のスタッフなどなかなか意見を言いづらい方も自分の意見を言うことができ、さらに普段交流がない者同士のコミュニケーションのきっかけになるような場を目指しています。
▲理事長・入谷さんのお誕生日も皆でお祝い!
インターンシップ:やりたいことを見極め、具体化できるプログラム
編集部
いりたに内科クリニックでは学生インターンシップも実施されているとのことですが、具体的な内容を教えていただけますか?
入谷さん
インターンシップでは3日間、2日間の2段階のプログラムを実施しています。特徴的なのが、最初の3日間は当院への入職を勧めることは一切せず、学生自身が何をしたいのかという「自分軸」を見つけるワークショップを行うことです。
大手人材企業の部長を務めていた当院の執行役員が監修した「働くとは何か」を深く考えるプログラムで、この3日を経て他の進路に興味が出たために、残りの日程に参加しないことも良しとしています。
残りの2日間は、そこで医療に興味を持った学生向けに実施するプログラムです。当院に入職した場合の10年後のビジョンを考えてもらい、最終日には、自分が思い描く未来について10分間の劇を披露してもらうという内容です。学生たちからは「医療村を作りたい」など、さまざまな発想が出てきて、医療の仕事に対するイメージがより具体的になるようです。
編集部
このインターンシップと採用は連動しているのでしょうか?
入谷さん
はい。このプログラムは内定直結型のインターンシップとなっています。この5日間のプログラムを受けることが入職の条件です。
理念:「クリニックのベンチャー企業」として社会に貢献したい
▲経営計画発表会の様子
編集部
教育制度の充実やインターンシップなど、貴院ではクリニックには珍しい取り組みを多々行われていますが、そこにはどのような思いがあるのでしょうか。
入谷さん
根底にあるのは、「医療業界を学生たちが憧れる職業にする」という当院の理念です。患者さんやスタッフも含めすべての人の幸せに貢献し、業界全体を変えていくためには、医療行為だけでなく「教育」や「人との関わり」などのさまざまな要素が不可欠です。
だからこそ我々はクリニックの枠を超え、さまざまなことに挑戦する「クリニックのベンチャー企業」でありたいと考えています。
編集部
医療機関でありながら、「ベンチャー企業」を目指すのはなぜなのでしょうか。
入谷さん
「企業」という言葉から受け取る印象は人それぞれかと思いますが、私の考える企業の本質は社会貢献です。患者様からいただいた対価を社会貢献に還元していくというのが当院の姿勢であり、ベンチャー企業としてその経営ビジョンをスタッフ全員で共有し、組織全体で成長していきたいと考えています。
社会貢献への思いには、私自身の生い立ちが関係しています。私は元々重症の喘息患者ということもあり、多くの人に助けられてここまできました。これまで助けられた分、恩返ししていきたい、社会貢献したいという思いが当院の原点となっています。
いりたに内科クリニックから求職者へのメッセージ
編集部
最後に、記事を読んで興味を持たれた方、特に転職を考えている方々へのメッセージをお願いします。
入谷さん
我々は「日本一のモデルクリニック」を目指す同志を求めています。当院が気になった方は、ぜひ採用ページをご覧ください。
通常の採用ページは有給休暇や年間休日、給与などの条件面が中心ですが、当院の採用ページには良いことも大変なことも赤裸々に記載しています。条件面だけで働く場所を考えるという方は、当院にはフィットしません。当院だからこそ得られる成長機会、教育制度に魅力を感じ、真剣に日本一を目指していける人をお待ちしています。
当院では、周りから必要とされ、自分自身で人生を選択できる力を身につけられる環境を用意しているので、意欲を持つ方であれば必ず成長できるとお約束します。医療業界未経験者も大歓迎です。前職で培った経験やスキルを最大限活かし、活躍していただければと思います。
編集部
入谷さん、本日はありがとうございました!
編集後記
いりたに内科クリニックの働き方のまとめ
人材育成の特徴 |
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組織文化 |
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未経験者の活躍 |
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ホワイト企業としての特徴 |
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いりたに内科クリニックの基本情報
医院名 | 医療法人社団勝榮会 いりたに内科クリニック |
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住所 | 東京都杉並区和泉4丁目51-6フォンティーヌ杉並1階 |
設立 | 2013年9月(2016年5月に法人格を取得) |
公式ページ | https://www.iritani.jp/ |
採用ページ | https://iritani-recruit.jp/ |
募集職種 | マネージャークラス |