新しい働き方で成長を続けている注目企業を紹介する本企画。今回は、英語とIT・プログラミングを掛け合わせた教室事業と、グローバル医療人材の育成事業を展開するKREDO JAPAN株式会社にお話を伺いました。
「”WINし続ける”」「誠実である」「変化し続ける」「ユニークな存在であり続ける」「全員がリーダーである」「顧客と徹底的に向き合う」という6つのバリューをメンバー間で指針としているKREDO JAPAN株式会社の働き方に迫ります。
KREDO JAPAN株式会社とは
▲KREDO JAPAN株式会社のミッション(公式サイトから引用)
「ITと教育で世界に価値を創造し人類に貢献する」をミッションに掲げるKREDO JAPAN株式会社は、英語でプログラミングを教えるスクール「Kredo」と、「国内外で活躍できるグローバル医療人材を育成する」というミッションを掲げ、医療英語を教えるオンラインスクール「HLCA」を運営しています。
立ち上げ時は、フィリピン・セブ島で校舎と宿泊施設を構え、英語とプログラミングのほか、医療英語を教える留学事業を展開。しかし、社会情勢の変化による渡航制限が出たこともあり、オンラインスクールサービス「Kredo Online Camp」を始めました。
会社名 | KREDO JAPAN株式会社 |
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住所 | 東京都新宿区西新宿7丁目2−12 |
事業内容 | 英語・プログラミング教室事業 留学代理店事業 / 旅行代理店事業 |
設立 | 2019年11月 |
公式ページ | https://kredo.jp/ |
現在は全社員がフルリモートで働いているというKREDO JAPAN株式会社。日本のみならず、カナダやフィリピン、トルコなど、海外に在住している社員も多数いらっしゃいます。子育て中の女性も活躍しており、多様な人材がそれぞれの個性を発揮することで成長を実現できているとのことです。
今回は、そんなKREDO JAPAN株式会社の成長の理由や特徴的な働き方について、コーポレートチームマネージャーの後藤拓さんと、コーポレートチームメンバーの鎮守望さんにお話を伺いました。
プログラミング×英語で世界に通用する人材を育てる
▲「Kredo Online Camp」公式イメージキャラクター「クレゴリくん」
編集部
最初に、KREDO JAPANさんの事業内容について教えてください。
後藤さん
私たちは、プログラミングを英語で教えるオンラインスクール「Kredo Online Camp」を運営しています。世の中にはさまざまなプログラミングスクールがありますが、「英語でプログラミングを教える」というのが「Kredo Online Camp」の特長です。
現在は「WEBデザインコース」「WEBデベロップコース」「IT英語コース」のほか、より実践的な「インターン型実践プログラム」の4コースを提供しています。
「Kredo Online Camp」の受講者は、グローバル企業での勤務や海外の現地で働くことを見据えている方々が多いです。現在では単にプログラミングが書ける、TOEICの点数を上げるなどのスキル習得だけではなく、英語でディレクションをしたり、海外からIT人材の採用までやっていく必要が国内でも増えています。そんな中で、英語で実践的なチーム開発が学べる、身につけられるという部分がハイレベル層に響いています。
編集部
なぜ今、英語とプログラミングを掛け合わせたサービスが必要とされているのでしょうか?
後藤さん
英語とプログラミングの両方が求められる背景には、日本経済の衰退と海外IT企業が台頭してきたことが挙げられます。
1990年代には世界時価総額ランキングのTOP20に日本企業がいくつも入っていたにもかかわらず、現在は一社も入っていません。2021年には、GAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)の合計時価総額が、東証一部上場企業の合計時価総額を上回りました。
現在、世界的に成長している企業、個人の多くは、プログラミングと英語を軸にした事業や活動を展開しているので、そこで活躍するためにはどちらも実践的に身につける必要があります。近年は働き方がグローバル化しており、国内にいたとしても外国の人材と競争する必要があるため、ニーズはさらに高まっていますね。
なので、日本人も当然、英語やIT、グローバル環境を当たり前にすべきだと思っていて、サービスやプロダクトを基本全て英語で実践的に身につけられるような形で展開しています。
編集部
なるほど。世界で活躍できる人材を一人でも多く育てようという思いが、現在のスクールの形になったのですね。
リアルからオンラインスクールに切り替えて成長を維持
編集部
KREDO JAPANさんが手掛ける「Kredo Online Camp」は独自性のあるサービスなので、かなりの需要が予想されますが、業績にも表れているのでしょうか?
後藤さん
2016年にサービスを立ち上げて、4年で10倍の伸び率で成長していましたね。しかし、2020年頃からの新型コロナウイルスの流行で、社会情勢が変わり一転して厳しい状況となりました。立ち上げ時にはフィリピンのセブ島に留学する形を取っていましたが、渡航制限が出たことにより、そもそも物理的に留学に来られず、教室の運営自体が困難になったのです。
その時期は売り上げがゼロになり、校舎や宿泊施設家賃などの莫大な固定費がかかり続けました。そこで、オンラインスクールに舵を切り、困難を乗り切ったという経緯です。
編集部
オンラインスクールに切り替えてからの業績はいかがでしょうか?
後藤さん
2022年の売り上げは昨対比で2倍です。サービスへの需要はもちろんですが、成長を維持できている要因として、人材が挙げられます。即戦力の人材を採用し、それぞれが活躍してくれています。従業員数については、1年間で130%ずつ増えているという状況です。
フルリモートとワーケーションで「ユニークな存在であり続ける」
▲ワーケーションでは、このような絶景を目の前に仕事をすることも。
編集部
KREDO JAPANさんが大切にしている6つのバリューの中に「ユニークな存在であり続ける」がありますが、サービスだけでなく働き方という点でユニークな部分はどこでしょうか?
後藤さん
国内では北海道から沖縄まで、海外で言えばフィリピンやメキシコ、カナダなど、さまざまな場所にいるメンバーがフルリモートの体制で活躍している点が挙げられます。メンバーの半数は海外在住です。国籍もさまざまで、フィリピンにいるメンバーが多いのですが、半数ぐらいは外国籍です。
鎮守さん
後藤もまさに移動しながらのワーケーションスタイルで働いていますし、ユニークな働き方だと言えるのではないでしょうか。
編集部
後藤さんは実際にどんな働き方をしているのでしょうか?
後藤さん
私は普段は都内に住んでいますが、実家は岐阜県です。今日の取材は、実は岐阜から参加しています。ほかにも、千葉にいる友人の自宅に週末は泊まらせてもらいながら、日中は現地のコワーキングスペースで働くという生活をすることもあります。
編集部
さまざまな国籍の方が、さまざまな場所で働いている。ユニークかつグローバルなサービスを展開している企業ならではの環境だと感じました。
フルリモートの体制を支えるツールと福利厚生
▲積極的に各種ツールを利用することで、リモート環境でも効率的に働けているとのこと。
編集部
KREDO JAPANさんは世界中にメンバーがいるということですので、情報の共有やコミュニケーションの部分で苦労することもあるのではないでしょうか?
後藤さん
おっしゃるとおり直接顔を合わせる機会は少ないですが、社内全体でフルリモートの体制を支える施策を取り入れています。その一つがツールの活用です。
例えば、Asanaというツールを導入しています。Asanaはチームのメンバーそれぞれの進捗状況や負担などが分かるツールで、こちらを活用してプロジェクト管理を行っています。
そのほか、バーチャルオフィスツールのoViceも導入しています。チャットツールだけだとどうしても他部署と交流する機会がなかったり、雑談のタイミングもなかったりするので、社内のコミュニケーションの活性化にかなり役立っています。
いろいろな施策を進めることで、ふとした瞬間に会話ができたり、メンバーの体調について軽く聞ける機会も増えました。これからもオンライン特有の課題を解決し、社内の心理的安全性やメンバーのエンゲージメントを上げていきたいですね。
編集部
ハードの部分でフルリモートを支える体制ができているのですね。そのほか、御社の制度などで特徴的なものはあるでしょうか?
鎮守さん
コワーキングスペースの利用費について、会社から補助が出ます。福利厚生の一環なのですが、メンバーに積極的に移動してもらうことで、よりクリエイティブに働いてもらいたいという思いが込められています。また、フルリモート、フレックスのメンバーもいるので、自分の業務やスケジュールによっては、業務時間に中抜けすることも可能です。
他には、正社員のメンバーはKREDO JAPAN内のフィリピンのスタッフによる英会話レッスンが受けられるなど、社員の成長を促す制度もあるんです。
誰が言ったかではなく、何を言ったかを重視するカルチャー
編集部
多様な人材が活躍しているKREDO JAPANさんのカルチャーはどういったものでしょうか?
鎮守さん
CEOの横田(猛夫さん)は「ポジションや役職は関係ない」とよく言っています。「マネージャーだけの意見が優先的に採用される」というような役職に縛られた考え方は特にないので、風通しは良いですね。全員が意見を言える環境です。
また、それぞれの職能をちゃんと見てくれて、それに応じたポジションにすぐに就かせてくれるというのもカルチャーとしてありますね。入社してすぐにマネージャーになった者もいます。業績や姿勢次第で、すぐに上に行くチャンスはあります。
後藤さん
「誰がいったか、ではなく何をいったか 」ということを重要視するのは、KREDO JAPANが大切にしているカルチャーの一つです。
「CEOの横田が言った」「役員が言った」「マネージャーが言った」「新入社員が言った」という「誰が」という部分には捉われず、会社の目指すところに対して率直な意見であれば、積極的に取り入れていこうという文化があります。これはKREDO JAPANの柔軟な部分ですね。
編集部
役員以外の方による意見が反映された具体的な例はあるのでしょうか?
後藤さん
先ほどお話ししたバーチャルオフィスの導入と、コワーキングスペースの利用費の補助はメンバーからの提言でしたね。どちらとも、提言があった後すぐに導入しました。
育児と仕事を両立し、女性メンバーが活躍している環境
▲KREDO JAPAN株式会社さんがセブ島で運営する、医療英語を教えるオンラインスクール「HLCA」のメンバー
編集部
KREDO JAPANさんでは多くの女性メンバーが活躍されているとのことですが、男女の割合は現在どれくらいでしょうか?
後藤さん
フィリピンのメンバーを入れての数字ですが、正社員または業務委託の方でも中心的な役割を担っているメンバーについては、女性が全体の58%を占めています。管理職については今は男性の方が多いのですが、以前は管理職でも女性と男性の比率が3対2ぐらいという時期がありました。取締役の海仲も女性ですし、活躍していますね。
編集部
女性が活躍できる環境が整っていると見受けられますが、実際に女性のメンバーはどういった部分で働きやすさを感じているのでしょうか?
鎮守さん
私の体験からお話しすると、もう少しで2歳になる子どもがいるのですが、やはりフルリモートで働けるのはすごく助かりますね。通勤時間がないので無駄がなく、スキマ時間で家事をすることができます。
出社する場合だと、子どもが託児所を休むとなってしまった場合に、仕事ができないというケースも多いでしょう。その点、フルリモートだと完全に仕事を休む必要はないですよね。「もっと成長したい」「きちんと仕事をキャッチアップしていきたい」という女性からすれば、ありがたい環境だと思います。
編集部
会社全体としても女性が働きやすい雰囲気があるのでしょうか?
鎮守さん
CEOやマネージャーがさまざまな事情を理解してくれるというのはあります。私はまだ入社して1年も経っていないのですが、入社する際に働き方や働く時間帯を考慮してもらって、フレキシブルに対応してくれました。
私は時短正社員で、フルリモート、フルフレックスといった形で働いていまして、本人の希望に合わせて柔軟な働き方を認めてくれて助かっています。完全に休むのではなく働き続けられるので、金銭面でも助かっていますね。
さらに、KREDO JAPANでは現在女性の働き方推進施策を進めている状況です。スタッフの声を聞いて、それに応えていく社風がありますので、より女性が活躍できる会社になっていくと思います。
社員を大事にする組織。プライベートの充実が仕事にもつながる
編集部
CEOの横田さんやマネージャーの理解があるということをおっしゃっていましたが、「個人を大切にしよう」という思いがKREDO JAPANさんのメンバーの間で共通認識としてあるように感じます。
鎮守さん
これは後藤の言葉ですが、以前に「家族よりも大切なものはないですよ」と言ってくれて、とても感動しました。ほかにも元気かどうか気にかけてくれたり、急な体調不良で休んだ場合などは案件を調整してくれたりと、いろいろとフォローしてもらっています。
以前、精神的にも体力的にも少し落ち込んだことがあったのですが、メンバーの心遣いのおかげで今も元気に働いています。本当にありがたいことですし、感謝する日々を過ごしていますね。
編集部
後藤さんがマネージャーとして心がけていることはどんなことでしょうか?
後藤さん
メンバーにはそれぞれの人生があり、近年は家庭・趣味・学習など人生の様々な側面を含めての『ライフキャリア』という考え方があります。そして、総じてプライベートの充実は、仕事の充実にも繋がると考えています
プライベートと仕事の両立をサポートしていくことはもちろんですが、仕組みというハードの部分を整えていきたいと考えながら動いていますね。
ワールドワイドな視野と多様性を理解する人を歓迎
▲コーポレートチームマネージャーの後藤拓さん
編集部
どんな方にKREDO JAPANさんに来てもらいたいと思いますか?
後藤さん
採用について重視しているポイントは3つあります。それは「ミッション、ビジョン、バリューに共感できるか」「コトに向かい合えるか」「ワールドワイドな目線を持っているか」という点です。まだまだベンチャーベースではあるので、メンバーには当事者意識を持って動いてもらいたいと考えています。
「コトに向かう」というのは、CEOの横田がよく言っていることです。「この人が怖いから話しかけづらい」「自分は新入社員だから」とかではなく、コトに向き合って、たとえ新入社員であっても必要なことはどんどん言っていきましょう、行動していきましょうということですね。
▲コーポレートチームメンバーの鎮守望さん
鎮守さん
ワールドワイドな目線という点で言えば、KREDO JAPANはグローバルな規模で事業を展開しています。日本人は英語やグローバル環境を当たり前にすべきだと思っていて、教育サービスや教育プロダクトも全て英語で展開しています。ですので、海外での活躍を視野に入れているという方は大歓迎です。一方で、「ここの国の人だからこうだろう」という考え方や発言をしないことが大切です。
フィリピンのメンバーをはじめ、外国籍のメンバーと仕事をする機会があるので、外国の文化への理解というのは当然として求められます。
編集部
多様な人材が働いているからこそ、さまざまなバックグラウンドに対する理解が必要なのですね。
KREDO JAPANさんでは、メンバー個々に対する理解が深いからこそ、それぞれが自由に意見を言える。そしてその意見によって、より働きやすい環境が作れるという好循環が生まれていると感じました。本日はありがとうございました。
■取材協力
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