革新的な事業と若手活躍の両輪で成長を続ける企業を特集するこの企画。今回は、AIを活用したサービスで人々の暮らしやライフイベントをサポートする株式会社くふう AI スタジオにお話を伺いました。
株式会社くふう AI スタジオとは
株式会社くふう AI スタジオは、2023年7月1日にくふうカンパニーグループの株式会社Zaimと株式会社Da Vinci Studioの統合により、新たに発足しました。高度なAI技術を活用し、人々の毎日の暮らしに役立つツールや、住まい・結婚といったライフイベントのサポートを手掛けるカンパニーグループにおけるプロダクトの企画・開発・運用を担う組織です。
会社名 | 株式会社くふう AI スタジオ |
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住所 | 東京都港区三田1-4-28 三田国際ビル23階 |
事業内容 | ・AIを活用した新たなプロダクト価値の創造 ・Zaimをはじめとする記録・データ関連事業 ・くふうカンパニーグループがもつ事業のプロダクト企画・開発 ・新規事業の創出、R&D |
設立 | 2012年9月 ※株式会社Zaimとして設立。2023年7月に株式会社Da Vinci Studioと合併し、株式会社くふう AI スタジオに商号変更 |
公式ページ | https://kufu.ai/ |
新たな組織の大きなポイントの一つには、AIに注力する体制が整備されたことが挙げられます。今後もさらなるAI体制の強化を図りながら、グループ事業全体でのAI活用の促進、新たなプロダクトの開発を目指しています。
今回はそんな株式会社くふう AI スタジオのHR企画部長をつとめる綿島さんに、組織体制を変更した背景や変化、今後の方向性についてお話を伺いました。さらに若手が活躍できる制度やカルチャーの醸成に向けた取り組みにも迫っています。
より早く、良いサービスをユーザーに届けるための新体制を始動
▲くふう AI スタジオさんが掲げる「AXで暮らしにひらめきを」というビジョン
編集部
くふう AI スタジオさんが2023年7月1日付で新たな体制となった経緯を教えていただけますか?
綿島さん
くふう AI スタジオが属するくふうカンパニーグループでは、毎日の暮らしや様々なライフイベントにおいて、生活者がより賢く、楽しく意思決定を行うためのサービスを展開しています。
2023年3月頃、OpenAIから大規模言語モデルシステム「GPT-4」がリリースされ、社内でAI技術が手軽に利用できるようになりました。そこで、「各事業のエンジニアやデザイナーの知見を集約することで、より迅速かつ広範にユーザーファーストなサービスを展開できるのでは」という意見が挙がり、AI技術を活用してサービスを一新する方針になりました。
そのタイミングで、家計簿サービス「Zaim」を開発・運営していた株式会社Zaimと、テクノロジーを活用したプロダクト開発に携わっていた株式会社Da Vinci Studioが経営統合し、新たに発足した「株式会社くふう AI スタジオ」が、この変革の中心を担うことになりました。
新組織ではAI体制を強化。自社の業務へのAI活用も推進
編集部
実際に2社を統合されたことで、くふう AI スタジオさんの組織体制にはどのような変化がありましたか?
綿島さん
2社統合により事業規模の拡大はもちろん、エンジニアとデザイナーが集約されたことで開発体制がより強固なものとなりました。また「AX本部」という新しい組織も発足され、全社的にAIに注力できる体制が整ったことが大きな変化です。
編集部
「AX」というのはどのような意味なのでしょうか?
綿島さん
「AX」は「AI」と「experience(経験)」「DX(デジタル・トランスフォーメーション/変化・変容)」をかけ合わせた弊社の造語です。
AIの活用というのは、「人工知能を使った新しい技術を取り入れて終わり」ではありません。AIを我々のサービス、そして働き方にどう活かしていくのか、その「体験」と「変化」こそが本当に大切であるという意味を込め「AX」という言葉を考えました。AI が当然のように浸透した未来を描き、それに応じたサービス体験、そしてそれを実現するためのチームや仕組みを作り出していくことを目指します。
編集部
なるほど。AX本部ではどのような取り組みをされているのですか?
綿島さん
AX本部では、AIを使った新しいサービスを提供できるよう、日々研究・開発を行っています。例えば、Zaimが今年4月末にリリースした新機能「Zaim 買いものレシピ AI」はChatGPTの開発元であるOpenAIのAPIを活用し、ユーザーの購買履歴をもとに過去1〜2 週間で購入した食料品を使ったレシピを自動で提案するものです。こうした既存サービスとの組み合わせによるAIの活用を増やすなど、今後はグループ全体で勢いよくAIを活用したサービスを展開していく予定です。
また、我々の仕事の中でAIをどう活用するかを検討するために、社内ワークショップを企画・開催するなど実験的な取り組みも行っています。
コーポレート部門におけるAI活用を促進するために、人事、経理、労務、広報、法務などのメンバーに具体的な業務をヒアリングし、AX本部が効率的な業務運用をサポートする取り組みもあります。実際、すでにローンチされた社内用サービスの一つとして、オンライン会議の録画データを自動で要約・テキスト化してくれるツールがあります。議事録作業をスムーズに行うことができ、対応コストを大幅に削減できるようになりました。
このように、「くふう AI スタジオ」という新しい社名で事業を進めていく上で、AI・AXの意義をエンドユーザーだけでなく我々自身が体感していくことが大切だなと思います。AX本部はその点において、すごく重要な取り組みを進めてくれていると実感しています。くふうカンパニーグループ全体で、すべての職種のメンバーがAIを当たり前に業務に取り入れ、人間にしかできないことに集中できる。そんな組織にしていきたいと考えています。
編集部
確かにAI技術を活用する上で、AIがもたらす「体験」「変化」への理解がまず社内に浸透していることは重要ですよね。知見的な部分で体制を強化するだけでなく、社内での事業理解も深めながらAIに関する新しい取り組みを進められていることが良く分かりました。
新たなサービスの礎にもなった、若手主導の「Zaimトレンド」
▲若手主導でリリースした「Zaimトレンド」
編集部
くふう AI スタジオさんでは若手の方が多く活躍されているとうかがいました。新体制に変わったばかりですので、統合前のものも含め、エピソードがあれば教えてください。
綿島さん
統合前にリリースした「Zaimトレンド」というサービスは、「Zaim」と「Da Vinci Studio」の若手社員が中心となって開発したものです。
これは、toCサービス(※1)として活用される家計簿サービス「Zaim」の購買ビッグデータを、社会的にインパクトのあるマーケティングデータとして解析し、消費者の求める商品開発・マーケティング活動に活かしてもらうtoBサービス(※2)として考案されました。
(※1)企業が個人に対して商品・サービスを提供する取引をさす
(※2)企業間取引を意味し、企業が企業に対して商品・サービスを提供する取引をさす
「Zaimトレンド」の開発に際しては、エンジニア、デザイナー、ディレクターとして若手社員がそれぞれの役割を果たしました。主体的にプロジェクトを推進し、無事にリリースまで実現することができました。結果的にそれを端緒として、新たなtoB向けサービスの開発にもつながり、インパクトのある出来事でしたね。
編集部
統合前にその結束力であれば、1つの会社になったことで今後は1+1以上の効果が期待できそうですね。これからも、若手の方々が率先して、株式会社くふう AI スタジオという新しい会社を創り上げていかれるのではないかと想像しました。
年齢や立場関係なく挑戦しやすい環境
編集部
くふう AI スタジオさんには新しい挑戦がしやすい環境があるとのことですが、挑戦を後押しするような制度もあるのでしょうか?
綿島さん
そうですね、くふう AI スタジオに限らず、グループ全体で実力とマインド双方が十分に機能すると判断されれば年齢や立場関係なく、抜擢する環境があります。
現在のくふう AI スタジオにも、実際に、新卒入社 2 年目でユニットリーダーとしてチームを率いた経験を持つエンジニアが、現在 3 年目ですでに大手クライアントのサービスを中心に多数のプロジェクトをリードしています。また、同じく新卒 3 年目のデザイナーも、すでに新会社のコーポレートサイトの開発を手掛けたほか、社名変更に関するプロジェクトも推進しました。
共通して言えることは、年齢やキャリアに関係なく手を挙げる機会があり、本人たちが失敗を恐れず自発的にそれを推し進めるチーム体制を提供していることです。
そして、くふうカンパニーグループ共通の制度として、「ジョブポスティング制度」という、グループ内の求人に応募し、合格すれば転籍できる制度があります。例えば、営業職の社員が別の事業領域で新しい商材に挑戦できたり、あるいは別の職種に挑戦したい場合に手をあげたりすることができます。
そのほかにも、グループ内の出向や転配置は活発に行われています。本人の意向を尊重しつつ、「新しい事業のサポートが必要」「この人の成長のために新たな挑戦の機会を提供したい」など、グループ全体での最適な人員配置を目指すための取り組みです。
グループ内での交流が活発なことで、臆することなく新しい挑戦をしやすい環境になっていますね。
若手社員が自主的に進める、新しい社内カルチャー醸成の取り組み
編集部
くふう AI スタジオさんの社内カルチャーの醸成はどのように進められていますか?
綿島さん
2社が統合されることが決まった際、20代前半の若手社員たちが先導して社内コミュニケーションやカルチャーの醸成に向けて取り組みを開始しました。会社の指示を待たずに、懇親会や勉強会などのコミュニケーションの機会をどう設けるか、積極的に議論を始めてくれました。
編集部
自発的に動けるというのは、素晴らしいですね!
綿島さん
実際に、株式会社Zaimと株式会社Da Vinci Studio独自で行われていた勉強会を統合するなど、現場の若手エンジニアが先陣を切ってスピーディーに動いてくれました。若手社員のカルチャー醸成に対する意識の高さに驚かされましたね。
編集部
会社の雰囲気によっては、意識は持っていても行動に移しづらいという場合も多くあると思います。若手社員の方の自発的な動きがあるのは、年齢や立場にとらわれずにお互いをリスペクトし合う、くふう AI スタジオさんだからこそではないでしょうか。
これから少しずつ体制が整い、今までの良い文化を継承しつつ新たな文化が築かれていくと思いますが、その過程に携われるのはとても貴重な経験になるのではないかと感じました。どんな会社になっていくのか楽しみですね。
「暮らし」と「AI」をかけ合わせ、社会に良いインパクトを与えたい
編集部
最後に、くふう AI スタジオさんに興味を持った読者の方にメッセージをお願いします。
綿島さん
私たちくふうカンパニーグループの強みの1つは、豊富な独自の生活関連データを持っている点です。AIがますます身近になるこれからの時代、ユーザーがより賢く、楽しく意思決定をするための体験を向上させていくために、保有する独自データを統合し、一人ひとりに寄り添ったシームレスな体験をAXで創出していくことを目標としています。
その取組みの中心となる、くふう AI スタジオは、”社会にインパクトを与えたい人”や、”人のために何かをしたい人”にとって、チャンスが多い環境です。身近な「生活」という「事業領域と「AI」による革新的な挑戦に興味がある方と、ぜひ一緒に働きたいと思います。
編集部
新しい組織体制となったくふう AI スタジオさん。ユーザーファーストの思いや、お互いを尊重し合うカルチャーはそのままに、さらなるAIの知見や理解を深めながら新たな可能性を切り拓いていかれることだろうと感じました。
本日はお忙しい中、ありがとうございました!
■取材協力
株式会社くふう AI スタジオ:https://kufu.ai/
採用ページ:https://open.talentio.com/r/1/c/kufu-ai-studio/homes/3849