社員のワークライフバランスを向上させ、活躍をサポートする企業をインタビューする本企画。今回は、決済代行事業者として事業者や自治体のキャッシュレス化を支える株式会社エム・ピー・ソリューションにお話を伺いました。
株式会社エム・ピー・ソリューションとは
▲エム・ピー・ソリューションは、決済代行事業者として便利で安全なキャッシュレス決済の普及を支えている。(公式サイトから引用)
株式会社エム・ピー・ソリューションは、キャッシュレス決済を導入する事業者とクレジットカード会社などの決済事業者の間に立ち、決済に関連するあらゆる業務を代行する「決済代行事業者」です。
「キャッシュレス決済で、安心・便利なユニバーサル社会の実現に貢献する」が企業理念である同社の強みは、「ニッチ領域」におけるキャッシュレス決済です。自動販売機をはじめとする小額決済業界や公金を扱う自治体などに対して、それぞれの要望に即したキャッシュレス決済導入をサポートしています。
会社名 | 株式会社エム・ピー・ソリューション |
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住所 | 東京都港区虎ノ門2-10-4オークラプレステージタワー8階 |
事業内容 | キャッシュレス決済代行事業 |
設立 | 2006年9月 |
公式ページ | https://mp-solution.com |
キャッシュレス化が急速に進み、生活に欠かせない存在となるなか、決済代行事業者として重要な役割を担うエム・ピー・ソリューションでは、育休や子育て中の社員をサポートする取り組みや、若手社員の活躍を推進しています。
今回は、取締役で事業開発部長の林さん、営業企画部リーダーの鈴木さん、ソリューション営業部と事業開発部を兼務する安さんに、どのようにワークライフバランスと若手の活躍を両立させているのか伺いました。
決済代行を通じてキャッシュレスの普及を支える
▲エム・ピー・ソリューションは「キャッシュレス決済で、安心・便利なユニバーサル社会の実現に貢献します」というミッションを掲げている。(公式サイトの会社情報から引用)
編集部
まずはじめに、エム・ピー・ソリューションさんの事業内容についてお聞かせいただけますでしょうか?
林さん
買い物や外食、サービスを利用する時、多くのみなさんがクレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済を利用していると思います。弊社では、キャッシュレス決済を導入する店舗とクレジットカード会社などの決済事業者の間に立ち、決済に関わるあらゆる業務を代行する「決済代行業」を行なっています。
クレジットカードや電子マネー、バーコード決済など、キャッシュレス決済の種類は多様化しています。そのため、お店がそれぞれの決済事業者と契約したり、決済サービスごとに入金の確認や売上管理をすることは負担になる場合があります。
そこで、弊社のような決済代行事業者がお店に代わって決済事業者との契約から売上金入金まで一括して代行することで、キャッシュレス決済を導入するお店の負担を減らすことができるのです。
編集部
キャッシュレス決済の利用が拡大するなか、店舗側としてもキャッシュレスへの対応が不可欠になりつつあると思います。決済代行サービスは、手続きが煩雑で導入に踏み切れない事業者の背中を押す存在と言えますね。
自販機から自治体の窓口まで。「ニッチ領域」で存在感を放つ
編集部
エム・ピー・ソリューションさんの決済代行サービスの強みは、どのような点にありますか?
林さん
弊社の強みは、大手の決済代行事業者が参入しないようなニッチな領域でのキャッシュレス決済代行にあります。「キャッシュレス決済で、安心・便利なユニバーサル社会の実現に貢献します」という経営理念のもと、隙間なくあらゆる場面でキャッシュレス決済が使えるように手助けするのが私たちの役目です。
編集部
ニッチな領域というと、具体的にどのようなところにサービスを提供しているのでしょうか?
林さん
2006年の創業以来、弊社がメイン事業としているのが自動販売機の決済代行です。「JMMS」というサービス名で、決済端末の手配からキャッシュレス決済を利用するための契約、売上金入金まで代行しています。
自販機は商品価格が150円前後なので決済手数料も小さく、大手の決済代行事業者が参入しづらい状況です。従業員数約30人のベンチャー機運の弊社だからこそ、挑戦できた分野だと言えます。自販機向けの決済代行で得たノウハウを活かし、現在では駐車場の精算機や券売機、コインランドリーなど、様々な無人機で弊社のサービスを導入いただいています。
このほか、「KAZAPi(かざっぴ)」という対面式の電子決済サービスは自治体様に多く導入いただいています。レストランや書店などの民間のお店に比べると、自治体の場合は決済システムを導入する際にはPOSレジメーカーと連携や入札などの手続きが複雑であり、こちらも大手の事業者があまり参入していない現状があります。
しかし、市役所での手数料の支払いなどにキャッシュレス決済を利用できることは、市民の利便性向上に大きく貢献します。市役所などの施設のほか、「さっぽろ雪まつり」をはじめとする自治体主催のイベント会場でも弊社の決済代行サービスを利用いただいています。
編集部
キャッシュレス決済でユニバーサル社会を実現するという理念の通り、あらゆる場面でキャッシュレスを利用できる社会をつくるために日々営業されているのですね。
林さん
弊社の使命は大手の決済事業者のような数や規模を追う営業ではなく、事業者様ごとに個別に提案書を作り、キャッシュレス化に向けて並走することだと思っています。
働きやすさ=成長戦略。だから育休も「当たり前」
編集部
続いて、エム・ピー・ソリューションさんが推進するワークライフバランスの向上について、お話しいただけますか?
鈴木さん
はい。弊社では産休・育休を取得しやすく、子育て社員が働きやすい職場づくりを推進しています。実は、私も明後日から1ヶ月の育休に入るんです。
編集部
そうなんですね!現在、従業員数は31名(2023年7月時点)ということですが、男性女性問わず、産休や育休を取得される方は多いですか?
鈴木さん
「産休・育休の取得は当たり前」という社風があると感じます。実は、私は男性で育休を取得するということで、申請することに対して少しだけ不安があったのですが、会社に申し出たところ快く受け入れてくれました。
もちろん、お客様に迷惑がかからないように休暇前の業務の引き継ぎはしっかりしますが、それ以外の点で負担を感じることは一切なく、安心して育休に入れそうです。
編集部
育休を取得しやすい環境が整っているんですね。一方で、休みを取得する側としては、仕事を離れることに対して不安や焦りを感じることはありませんか?
鈴木さん
産休や育休中に、会社の人とのコミュニケーションが一切なかったり、会社の状況がわからないと、取り残されたように感じてしまうかもしれませんが、弊社では休暇中も定期的に上長などとコミュニケーションを取ってお互いの近況を共有しています。もちろん業務の一環としてではなく、世間話のような気軽なものです。
定期的にコミュニケーションを取ることで、復帰の時期などについて相談しながら決めることができますし、会社の現状を把握できることで、仕事についていけなくなる不安や今後のキャリアの心配の解消にもつながると思います。
編集部
適度なコミュニケーションを取ることが、復帰しやすさや休み中の不安解消につながっているのですね。会社としては、どのような思いで子育て社員が働きやすい環境づくりを推進しているのでしょうか?
林さん
専門性を高めながら、安心して長く働いてほしいという思いからです。まず、弊社が必要とする決済に関わる人の数はあまり多くなく、経験者の採用がとても難しい現状があります。そのため、弊社では未経験の方を採用し、時間をかけて決済に関する知識を身につけてもらっています。
せっかく専門性を高めたのにライフステージの変化などで退職してしまうのは、本人のキャリアにとってももったいないことですし、会社の成長戦略の観点からもプラスではありません。
編集部
出産や育児があっても仕事を続けられる環境を作ることは、エム・ピー・ソリューションさんの成長にもつながるということですね。
中途半端は嫌!子育て社員の声から生まれた新システム
編集部
育休から職場復帰した子育て社員に対しては、どのようなサポートをしていますか?
林さん
インタビューに同席している管理部の井上さんが時短勤務をしているので、井上さんからお話ししてもらいましょう。
同席した井上さん(管理部)
現在、子育てしながら時短で働いています。子どもが小さいと急に熱を出すなど突発的な休みを取ることもあるのですが、周囲が快くフォローしてくれるので働きやすい環境だと実感しています。
また、1時間単位で有給を取得できる時間休制度があり、保育園の用事などで数時間だけ仕事を抜けたい時に活用できます。
林さん
子育て社員の働きやすさについては、取り組みの参考にするために育休明けの社員にヒアリングを行いました。多かったのは、井上さんのお話にもあったように、子どもが熱を出した際などの突発的な休みや早退に関する対応です。
このような理由で早退する時は、とにかく仕事を途中で中断して子どものところへ行く必要がありますが、お子さんを自宅に連れ帰ってからは、かえって手が空いてしまって、途中になったままの仕事が気になって、続けれらたらうれしい。という声がありました。そこで、社外から会社のデスクトップパソコンを操作できる環境を整え、その際の業務をちゃんとカウントできるように運用も見直しました。
そうしたことで、例えばエクセルの入力作業が途中のまま帰宅したとしても、子どもの様子が落ち着いた後に自宅で切りの良いところまで作業をすることができます。
また、結果的にはそれがコロナ環境下のリモート業務体制にもつながり、当社がスムーズに対応できたのはこのやり取りのおかげと感謝しています。
編集部
社員の声を聞きながら、ライフステージが変わっても安心して働き続ける環境を整えていることがよくわかりました。
「定時帰り」を目指して効率化を追求
編集部
子育て社員以外のワークライフバランスに対しては、エム・ピー・ソリューションさんで何か取り組んでいることはありますか?
鈴木さん
弊社は、仕事の効率化を積極的に推進していると感じます。
会社がシェアオフィスと契約をしているので、出先から会社に戻る代わりに近くのシェアオフィスに入って仕事をしたり、対面会議だけでなく、必要に応じてWEB会議も活用したりと、時間を有効に使おうという意識が浸透していると思います。結果的に、残業をしない社風につながっています。
安さん
残業に関しては、会社として推進していないので、みんな定時で帰ることを目指して働いていますね。定時に帰ることに対して誰かに何かを言われることも一切ありません。そこは本当に働きやすい点だと感じています。
編集部
「他の人より先に帰りづらい」という声は今でも多くの職場で聞かれますが、会社として定時で帰ることを当たり前とする雰囲気があるのは大きなポイントですね。
自ら望んで部署を兼務。若手の活躍を全力で後押し
▲安さん(写真右)がバリ島で開催された決済関連のカンファレンスに参加した時のようす。エム・ピー・ソリューションでは、海外事業者との協業も多い。
編集部
エム・ピー・ソリューションさんは社員の7割が20~30代ということで、ここからは若手社員の活躍についても伺いたいと思います。現在28歳の安さんは、2つの部署を兼務しているということですが、どのような業務を担当しているのでしょうか?
安さん
私はソリューション営業部と事業開発部を兼務しています。営業職としては、中小の食堂事業者様等のキャッシュレス決済導入のお手伝いをしています。事業開発部では、決済端末を製造するメーカー様と共同で新しい端末の開発などを行っています。
編集部
営業と事業開発、どちらもエム・ピー・ソリューションさんのビジネスの要となる部署だと思いますが、どのような理由で兼務をすることになったのですか?
安さん
当初は営業職だけ担当していたのですが、営業活動をするなかで、お客様から弊社のサービスに対する様々なフィードバックをいただきました。こうした声を開発に生かしたいと思ったことから、事業開発部での仕事を希望しました。
弊社は月に1度、目標や今後のキャリア、職場環境や、仕事のやり方などについて上長と話す"One on One" というミーティング制度があるのですが、その際に自分の思いを伝えたところ、「お客様の声を開発にしっかり生かす」という私の希望を実現するためには、営業と開発の兼務という形が理想的だという結論に至りました。
編集部
兼務と聞くと忙しそうなイメージもありますが、実際のところいかがですか?
安さん
もちろん忙しさもありますが、自分がやりたかったことに携わっている達成感や面白さの方が勝っています。事業開発部では海外のパートナーと共同で事業を行うことも多く、活躍の舞台が世界に広がりました。最新の決済事例を日本に取り入れるために、海外で開催されるビジネスカンファレンスに参加することもあります。
部署の垣根はなし!活発な情報共有で活躍の場を広げる
▲出張先のバリで息抜きの時間を過ごす安さん(写真右)。
編集部
エム・ピー・ソリューションさんでは、安さんのように希望に応じて部署異動や兼務をできる環境なのでしょうか?
林さん
安さんのように明確に兼務をしている社員は珍しいですが、部署の垣根を越えて仕事をする機会は多いです。
弊社は30人規模の会社なので、担当業務の範囲が細かく分かれているわけではありません。そのため、事業に関する広い知識を身につける必要があるのですが、積極的にほかの部署と情報交換することで自分の仕事に役立てようという雰囲気があります。事業開発部の会議に他の部署の社員が参加するといったこともよくあります。
また、明確なジョブローテーション制度は設けていませんが、採用時や日々のOne on Oneの中で適正や本人の希望を聞き、必要に応じて最適な部署で力を発揮してもらっています。
▲社員のスキルアップに積極的投資するエム・ピー・ソリューションでは、オフィスに設置された本棚にMP文庫を活用して購入した書籍が並ぶ。
編集部
若手社員のチャレンジやスキルアップに対する会社のサポートについて、安さんはどう感じていますか?
安さん
先ほどお話ししたOne on One以外にも、日々の朝会や昼礼などで社員が集まる場があり、仕事で困っていることを相談すれば、経験豊富な先輩が適切なアドバイスをくれます。
このほか、仕事に役立つ書籍に限らず、興味のある本を会社負担で購入し、それを共有できる制度(MP文庫)もあります。オフィスの一角に本棚を設置し、購入した本をほかの社員も読めるようにしています。
また、スキルアップ支援として、ITやビジネススキルなどを学べるオンライン講座サービス「Udemy」に会社で登録しています。業務をするなかでスキル不足を感じたら積極的に活用して、自身の成長に繋げています。
変化の早い環境で自分をアップデートし、挑戦できる人を歓迎
編集部
最後に、エム・ピー・ソリューションさんで働くことに興味を持っている読者の方へのメッセージをお願いします。
林さん
採用面接の際に、弊社が求める人材についてご質問をいただくことがよくあるのですが、私がいつもお伝えするのは「自分ごととして考えてくれる方と一緒に働きたい」ということです。
30人ほどのメンバーで、決済代行に関する多岐にわたる業務を行っているので、自分の仕事の範囲を決めてしまうと隙間だらけになってしまいます。自分の仕事ではないかもしれないけれど、会社の事業全体を考えた時に必要だと感じたら自分ごととして積極的に関わってくれるような方と一緒に働きたいと思っています。
キャッシュレス業界は、変化が早い業界です。技術もどんどん進化していますし、新たな決済サービスも続々と誕生しています。今年の常識が来年には非常識になっていることもあるかもしれません。急速に変化する環境のなかで常に自分をアップデートし、新しい挑戦をしたい方にとっては、活躍していただける場所だと思います。
安さん
若手社員としての私がこの会社に感じることは、意見やアイデアを出した時に、「若手だから聞いてもらえない」ということは一切ないということです。立場に関係なく良いアイデアは受け入れようという姿勢がある職場ですので、どんどん意見を出せるような人たちと一緒に楽しく働きたいです。
鈴木さん
30人規模の会社ですので、お互いが様々な業務で関わりを持ちながら仕事をする必要があります。そのため、助け合いの感覚を持っている方と一緒にお仕事できたら嬉しいです。
キャッシュレス決済はこれからの時代に欠かせないものです。林さんのお話にもあったように、変化が早い業界なのでキャッチアップする努力も必要になりますが、社会や経済において重要な役割を担うキャッシュレスの仕事に関わることは、大きなやりがいをもたらすはずです。
編集部
働きやすい環境づくりや若手社員の活躍支援など、「人」を大切にしながらキャッシュレス業界で挑戦するエム・ピー・ソリューションさんの熱い姿勢が伝わってきました。
本日は、ありがとうございました。
■取材協力
株式会社エム・ピー・ソリューション:https://mp-solution.com/
採用ページ:https://mp-solution.com/recruit/