ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、福岡県の宗像市役所にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同市で働く魅力をご紹介します。
宗像市役所は、新卒・既卒がほぼ同数の採用を行う組織で、専属のトレーナーによる手厚い育成体制により、未経験者でも安心してキャリアをスタートできます。また、時間単位で取得できる有給休暇やリモートワーク、フリーアドレスなど、柔軟な働き方を次々と導入しています。
さらに、民間企業や官公庁への派遣制度を含め、多彩なキャリアを積める環境も魅力。特にジェネラリスト志望で、さまざまな職を体験してみたい人にフィットする職場だと言えるでしょう。活気ある組織と、チャレンジを推奨する未来志向のカルチャーの中で、部活動やイベントを通じた活発な交流も行われています。
今回は、宗像市役所の働き方や組織・キャリアの特徴について、人事課の中村さんにお話を聞かせていただきました。
キャリア:多彩な職種経験で成長できるジェネラリスト型組織
編集部
中村さんの経歴についてお聞かせください。市役所に入られてどのくらいになりますか?
中村さん
新卒で入庁し、15年目になります(取材当時)。合計8回の異動を経て、2023年の10月ごろから人事課で採用と育成を担当しています。
人事課の前は、宗像市のベッドタウンとしての特性を活かした団地再生プロジェクトを担当し、築50年近い団地の老朽化に対し、どのように魅力をつくり、新旧住民の住み替えを進めていくかの仕組みづくりを行っていました。
編集部
これまでの異動経験の中で、特に印象に残っている苦労や、そこからの学びについてお聞かせください。
中村さん
苦手な部署へ配属されたときは、確かに苦労しました。好き嫌いに関係なく、配属された以上は仕事に向き合う必要があり、その克服のプロセスは大変でした。また、住民サービスの最前線で働く中で、住民の方や事業者の方とのコミュニケーションで行き違いが生じ、トラブルになったこともあります。
このような経験から、相手の立場に立ったコミュニケーションや仕事に能動的に取り組む気持ちを学びました。これらは、私が宗像市役所で仕事をしていくベースの姿勢になっています。
民間企業や官公庁への派遣も実施!多彩なキャリアを積める環境
編集部
民間企業や官公庁への職員派遣制度について、どのような狙いで実施されているのでしょうか?
中村さん
大きく分けて民間企業への派遣と官公庁への派遣があります。現在も、民間企業に3名、官公庁に3名が派遣されています(取材当時)。民間企業への派遣では、企業のスピード感やノウハウを学び、市政に還元することが目的です。一方、官公庁への派遣では、内閣府や環境省、国土交通省などで、政策立案から市町村への展開までのプロセスを学びます。これにより早期の情報収集や人脈形成が可能となり、より効果的なまちづくりに活かせています。
編集部
中村さんご自身が派遣を体験して学んだことについてお聞かせください。
中村さん
私自身、20代後半にトヨタ自動車九州に2年間派遣された経験があります。行政と民間企業では異なる特徴があり、私の当初の想定と違う点もありました。例えば行政では個々の裁量が大きく、意思決定のスピード感がある部分も多くありました。一方で、トヨタの「なぜを5〜6回繰り返す」といった組織文化や仕事の進め方には大変感銘を受け、現在も市役所での業務に活かしています。
民間企業の派遣先はトヨタ自動車九州株式会社のほかに、株式会社ジャルセールスや西日本旅客鉄道株式会社があります。
民間企業では転職しないと他社での経験を得られませんが、宗像市では派遣制度を通じて様々な組織での学習機会があります。実は私も、様々な職種を経験したいという思いから市役所を志望しました。そういったことに興味のある、学習意欲の高い人材を求めています。
編集部
キャリアパスとしては、ジェネラリストを目指す方向性が強いのでしょうか?
中村さん
その通りです。様々な部署を経験しながら、まちづくりのプロフェッショナルとして成長できるのが特徴です。例えば、福祉部門で住民サービスを経験した後、企画部門でまちづくり政策の立案に携わるなど、幅広い視点を持った行政のプロフェッショナルを目指せる環境です。特に、多様な経験を通じて成長したい方に向いている職場です。
「住み続けたいまち」へ向け、アイデアやチャレンジを推奨する文化
編集部
最近の応募者からはどのような志望動機を多く聞かれますか?
中村さん
宗像市の特徴である「先駆的なまちづくりへのチャレンジ」に共感して応募される方が多いですね。例えば、団地の再生プロジェクトや「食のまち」としての取り組みなど、特徴的な施策に興味を持ち、「自分もそういった取り組みに関わりたい」という方が増えています。
宗像市では職員のミッションとして「住みたい、住み続けたいまち」をつくることを掲げています。特に住宅団地の再生プロジェクトは新規の定住促進と、既存住民の満足度向上の両方に寄与する重要な取り組みです。
編集部
職員からの新しい企画や改善提案について、組織としてどのように受け止め、実現につなげているのでしょうか?
中村さん
日常業務の改善提案や新しいアイデアについては、経験年数に関係なく積極的に意見を出せる環境です。
新しいことにチャレンジすることを否定的に捉えない組織文化が根付いており、失敗を恐れずにチャレンジできる風土があります。
編集部
これまでの業務の中で、特に印象に残っている挑戦的な事業を教えていただけますか?
中村さん
ふるさと納税事業が特に印象に残っています。ふるさと納税は、全国からふるさと納税という形で寄附をいただき、そのお礼として地域の特産品を届ける取り組みです。魅力的な特産品を取り揃えるため、市内の事業者を積極的にまわり、協力を呼びかけました。その結果、お礼の品の提供に協力していただける事業者を増やすことでき、当時は、福岡県内で1,2を争う実績を上げることができ、全国的にも注目される自治体の一つでした。
自分が力を入れて取り組んだ事業が成果として出たことが、とても嬉しかったです。
転職者の不安を解消する専属トレーナー制度
編集部
宗像市役所の採用の特徴を教えていただけますか?
中村さん
新卒採用と社会人経験者採用が同数程度と、バランスの取れた採用を行っています。新卒・既卒にかかわらず、市役所の仕事の進め方や組織文化を理解していただくため、最初の1年間は新人期間として育成に力を入れています。具体的にはトレーナー制度を設けており、経験豊富な所属部署の先輩職員がトレーナーとして認定され、新入職員の指導を担当します。
トレーナーには一定以上の市役所経験を持つ職員が選ばれますが、少人数の部署では係長などの役職者がトレーナーを務めることもあります。
このように、身近に話しかけやすい先輩がいることで、スムーズに仕事を覚えていけるようです。トレーナー側も新人育成を重要な役割として認識しており、組織全体で育成を重視する文化が根付いています。
編集部
トレーナーになる人は、どのような点を意識して指導されているのでしょうか?
中村さん
自分自身が新人だった時、どのようなことに不安を感じていたかを考えながら指導するよう意識しているようです。仕事だけでなく、市役所の雰囲気や環境に馴染めるように、寄り添っているイメージが強いですね。
編集部
部署異動の際も、また1から業務を覚える必要があると思いますが、その習得期間はどのくらいでしょうか?
中村さん
経験を重ねるにつれて、習得期間は徐々に短くなっていきます。仕事の進め方は部署ごとに違いがあるため一概に言えませんが、日々の事務作業で使用するシステムは変わらなかったり、意思決定までの流れは一緒だったりと、異動をしても根本は同じであるため、習得期間が徐々に短くなるという感じです。
私自身、8回の異動を経験していますが、慣れるまでの期間が短くなってきています。ベテラン職員になると、1〜2ヶ月程度で新しい業務をこなせるようになると思います。
また、宗像市役所の仕事は、自身が所属する部署だけで完結するものが少ないため、色々な部署の職員と仕事をする機会があります。そのため、異動先で一緒になった職員とすでに知り合いの場合が多くなるので、部署が変わっても一緒に働く人はそれほど変わりません。異動するたびに上司や同僚との関係構築も円滑になっていきます。
ワークライフバランス:時短勤務やテレワークで働きやすい職場
編集部
休暇取得や勤務時間など、働き方の面で特徴的な制度があれば教えていただけますか?
中村さん
時間単位での休暇取得制度があります。学校や病院など、子育てに関わる急な用事にも使いやすく、実際に私もよく使っています。
また、有給休暇は非常に取得しやすい環境で、私のこれまでの経験では全ての部署で気兼ねなく申請できました。夏季休暇5日間も9割以上の職員が取得しています。年間の有給休暇は20日付与され、平均して15日程度取得できていますので、かなり取得しやすい環境だと感じています。
編集部
働きやすい職場環境づくりで、特に力を入れている取り組みを教えていただけますか?
中村さん
継続的な取り組みとして、水曜日の定時退庁制度があります。これは職場文化として定着しており、特別な事情がある場合を除いて、皆が意識して実践しています。また、ここ最近で導入したのが、20時以降の残業における事前申請制度です。所属長が人事課に申請する必要があり、業務負荷の平準化や個人裁量の抑制を図っています。
編集部
その他、働き方に関してどのような取り組みをされていますか?
中村さん
テレワークを導入しており、特にコロナ禍で積極的に活用しました。現在は所属先の仕事内容によりますが、出社とのバランスを取りながら、柔軟な働き方を実現しています。また、オフィス環境の改善として、フリーアドレス化の実証実験をフロアごとに進めています。
フリーアドレス化により、書類を減らす必要性が生まれ、職員一人一人が業務の効率化について考えるようになりました。その結果、電子決裁の活用や早期決裁の意識が高まっています。職員一人一人が働き方改革の当事者として、より効率的な仕事の進め方を実践しています。
若手が活躍する職場環境:20~30代が半数の活気ある組織
編集部
職場の雰囲気や職員同士の関係性について、特徴的な点を教えていただけますか?
中村さん
「仲間」という言葉が一番しっくりくると思います。ここ数年は年間30人程度の採用が続いており、全体500人の組織の中で20~30代の若手が約4割を占めています。そのため、職場内での若手同士のコミュニケーションが活発で、和気あいあいとした雰囲気です。上司も若手の活発な交流を好意的に受け止めており、それが仲間意識の醸成につながっています。
編集部
仕事以外での職員同士の交流について、どのような取り組みがありますか?
中村さん
はい、多くの部活動があります。サッカーや野球、バレーなどがあり、私もサッカー部に所属していて、月1〜2回の試合や週1回の練習があります。市からも活動費の支援があり、部員の部費と合わせて運営しています。
転職希望者へのメッセージ:年間を通じて採用試験を実施中
▲宗像市役所で働く魅力について熱く語ってくださった中村さん
編集部
最後にあらためて、宗像市役所への転職に興味を持った読者の方へメッセージをお願いします。
中村さん
市役所で働くことの最大の魅力は、一つの職場で様々な経験ができることです。世の中では専門性を極める働き方が注目されていますが、市役所ではその逆で、多様な経験を積むことができます。そのキャリアパスに魅力を感じ、新しいことにチャレンジしたいと思う方には、特に宗像市をお勧めします。そういった挑戦を支援する組織風土が根付いているからです。
宗像市では近年、その魅力や住みやすさを評価して移住される方が増えており、関東圏から転職される方もいらっしゃいます。年間を通じて様々な採用試験を実施しており、年齢や社会人経験に応じた受験機会を提供していますので、興味のある方は、ぜひご応募ください。
編集部
本日は、中村さんの貴重なキャリアのお話をはじめ、宗像市役所の未来へ向けた取り組みの数々をお聞かせくださり、ありがとうございました。
編集後記
この記事のまとめ
採用・未経験者育成 |
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ワークライフバランス |
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職場の雰囲気 |
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キャリア形成 |
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宗像市役所の基本情報
住所 | 福岡県宗像市東郷一丁目1番1号 |
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公式ページ | https://www.city.munakata.lg.jp |
採用ページ | https://public-connect.jp/employer/22026 |
募集職種 | 一般行政職 |