働く人たちのワークライフバランスを大切にし、女性・若手が活躍できる職場づくりを進めている企業や自治体にインタビューする本企画。今回は、全国に漢方専門店を展開する薬日本堂(くすりにほんどう)株式会社にお話を伺いました。
漢方のあるライフスタイルをより身近にする薬日本堂株式会社
薬日本堂株式会社は、丁寧なカウンセリングが人気の漢方の専門ブランド「ニホンドウ漢方ブティック」、「カガエ カンポウ ブティック」などを運営する企業です。薬剤師や登録販売者の資格を持った専門の相談員によるカウンセリングにより体質に合う漢方を提案し、自分自身が持っている治癒力を高めることで、体質改善や健康維持をサポートしています。
また、漢方ブティック・レストラン・スクール・ギャラリーの複合業態である「ニホンドウ漢方ミュージアム」など、漢方を身近に感じてもらうための事業を多数展開しています。
会社名 | 薬日本堂株式会社 |
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住所 | 東京都品川区北品川4丁目7番35号御殿山トラストタワー11階 |
事業内容 | ・漢方専門店舗事業 ・スクール事業 ・監修事業 ・商品流通事業 ・商品開発事業 |
設立 | 1969年4月 |
公式ページ | https://www.nihondo.co.jp/ |
今回は、薬日本堂株式会社の店舗の中から「ニホンドウ漢方ブティック 千葉そごう店」にご協力いただき、店長の河本さんと上級相談員の町田さんに、同社で働く魅力やいろいろな制度についてお話を伺いました。
漢方専門店を中心に、ミュージアムやスクールなど多彩な事業を展開
▲ニホンドウ漢方ブティック 千葉そごう店の店内の様子
編集部
薬日本堂さんは、漢方に関する幅広い事業を全国で展開されています。まずは主な事業内容をご紹介いただけますか。
広報担当の村上さん(同席)
薬日本堂株式会社は、全国に16の漢方専門店を運営しています(2024年4月現在)。店舗としては、漢方をライフスタイルに手軽に取り入れる提案が特徴の「ニホンドウ漢方ブティック」や、香りと漢方を融合させたトータルビューティーの専門ブランド「カガエ カンポウ ブティック」などがあります。
オンラインショップでの商品販売や、ご自宅から手軽にカウンセリングが受けられる「オンライン漢方相談」をご提供しており、ご好評いただいています。
編集部
店舗でもオンラインでも専門家に漢方の相談ができるのですね。他の漢方専門店などと異なる、特徴的な事業などはありますか。
広報担当の村上さん(同席)
特徴的な事業としては、漢方を五感で楽しめる青山の「ニホンドウ漢方ミュージアム」の運営です。また、青山・大阪の「薬日本堂漢方スクール」では、漢方の知識を身につけ、暮らしを健やかに楽しむための漢方講座も好評です。
いずれも、「世界中の人々が健康で美しく輝けるように」という理念のもと、漢方をより気軽にライフスタイルに取り入れていただきたいという想いで展開している事業です。
編集部
御社にはオリジナルの漢方商品やコラボ商品もありますよね。特に人気の商品は何でしょうか。
河本さん
薬日本堂の代表的な商品といえば、やはりコカ・コーラさまとのコラボ商品『からだ巡茶』ですね。自動販売機でも販売されています。
それから、カウンセリングを受けてくださっているお客様向けにご紹介させていただいているオリジナル商品で、『源生寿(げんせいじゅ)』という商品もございます。こちらは『霊芝(れいし)』というキノコが濃縮された和漢ドリンクです。飲んでいる方からは「体力に自信が持てるようになった」という声も届いていますね。
すべての商品に関して言えることですが、お客様の状態をしっかりお伺いして、ニーズに合うものを幅広くご提案させていただいております。
薬日本堂株式会社では若手が管理職・専門職として活躍している
編集部
薬日本堂さんでは、今回インタビューにお答えいただいている河本さん、町田さんのように、若手社員が早いうちからキャリアアップして活躍されているとうかがいました。まずはお二人のご入社の経緯をうかがってもよろしいですか?
河本さん
私は2018年に中途入社しました。以前はドラッグストアに勤めていました。最初から漢方に興味があったわけではないのですが、お客様一人ひとりのお困りごとや、その方の生活に合わせて商品提案をするスタイルに魅力を感じて、入社しました。
町田さん
私は2014年の入社で、河本と同じくドラッグストアからの転職です。周りを見ても、ドラッグストア出身の社員は多いですね。
私は元々、健康や医薬品、健康食品に興味があってドラッグストアで働いていました。ただドラッグストアは幅広い商品を販売している代わりに、お一人おひとりに寄り添った接客があまりできなかったんです。もっとカウンセリングに力を入れたいという想いが、転職のきっかけとなりました。
実績を認められて、30歳のときに飛び級で店長職に就任
編集部
河本さんは、現在「ニホンドウ漢方ブティック 千葉そごう店」の店長を務めていらっしゃいますね。入社からこれまでのキャリアについて教えていただけますか。
河本さん
私は入社5年目、30歳のときに主任から店長職に就任しました。本来は、主任、副店長、店長というステップで昇進をするところ、前任の店長の強い推薦もあり、副店長を飛ばして店長職に就くことになりました。
編集部
しっかりと実績を積まれていれば、年齢や年次、制度に縛られずに昇格できる環境なのですね。これまでお仕事をされてきた中で、特にやりがいを感じるのはどんなときですか。
河本さん
私が働いていて「良かったな」と感じる場面は、大きく分けて2つです。
一番のやりがいは、やはりお客様から直接感謝のお言葉をいただくことですね。毎月ご来店されるお客様から、「この漢方薬を続けてきたことで、この症状がすごく良くなりました」などというお言葉をいただく度に、お客様が健康な毎日を送るお手伝いをできてよかったなと実感します。
▲薬日本堂株式会社の店舗は、丁寧な個別カウンセリングが好評
河本さん
2つ目は、個人の売上目標を達成していくやりがいです。目標といっても会社としてノルマを課しているわけではなく、個人単位で目標を設定しているのですが、自分の成果が積み重なって売上目標を超えられたときに達成感があります。
これはどちらかというと3年目以降の社員に当てはまるもので、ある程度経験を積んでから感じるものだと思います。
編集部
個人としての目標を達成して店長に就任された今、またチームとしての達成感も得られそうですね。
河本さん
はい。店長職になる前までは個人単位の目標でしたが、今は店舗単位での数字を考えていく必要があります。メンバー一人ひとりのレベルアップがチームの目標達成につながるので、「この人にはどんなスキルを磨いてもらうと良いか」という全体的な視点を今は意識していますね。
編集部
マネジメント職へのキャリアアップが、新しい目標ややりがいにつながっているのですね。
カウンセリングのスペシャリスト「上級相談員」も目指せる
編集部
町田さんは同じく「ニホンドウ漢方ブティック 千葉そごう店」で上級相談員として活躍されていますね。
町田さん
はい。上級相談員は、お客様の相談業務に特化したスペシャリストです。
薬日本堂のキャリアステップは、先ほど河本からも話があった店長就任を目指すマネジメント職ルートのほか、「相談員、主任、副店長、上級相談員」と昇進する専門職のルートがあります。私はお客様のカウンセリングに注力したいという想いが強かったため、上級相談員の道を選びました。
編集部
個人の志向に合わせて、マネジメントとスペシャリストの両方の道からキャリア選択できるのは魅力的ですね。町田さんが上級相談員として活躍されている中で、どのような働きがいを感じますか。
町田さん
やはり、お客様とコミュニケーションを取っていくことでその身体や健康を支えていけることにとてもやりがいを感じます。
店舗相談では月に1回のご来店ペースで約30~1時間ほどお話をさせていただくのですが、長い方だと5年、10年という長期のお付き合いをしているんです。お客様の人生に携わることができていると実感していますし、本当に嬉しいことだと改めて思います。
▲店舗内にはお悩みに合わせた多種多様な生薬がズラリ
編集部
具体的に、お客様からはどのような声が聞かれますか。
町田さん
例えば、身体の不調で悩まれていた方が漢方薬を飲み始め、3年目くらいに「このお店で漢方を提案されてからは調子が良くなって、人生が変わったような気分です」と言っていただいたことがあります。
また、お客様には長期にわたる不妊治療でお悩みの方もいます。辛い状況に寄り添っていく中で、どんどん前向きになって、結果的に妊娠・出産された方もいました。しかも、そこでお付き合いが終わるのではなく、産後のお手伝いもさせていただき、お子様の成長まで見守ることができるんです。
このようなケースを経験すると、「漢方を通して人生に寄り添えている」というやりがいを感じますね。
編集部
とても素敵なお話ですね。体質改善を促す漢方は、治療目的の西洋医学の薬と比べ、生活習慣の一部として長期間飲み続けるケースが多いと思います。だからこそお客様とより長くコミュニケーションをとって、人生の一部として長く付き合える魅力があるのですね。
スクール運営のノウハウを生かした手厚い研修制度
編集部
お二人とも中途入社ということで、最初から漢方の知識があったわけではないと思うのですが、薬日本堂さんには成長をサポートしてくれる制度があるのでしょうか。
町田さん
はい。まず、入社して1ヶ月ほどは本社で研修を受けます。漢方の基礎知識を学んでから、店舗に配属されるという流れです。入社後3~6ヶ月くらいで相談員として活躍し始めるのですが、店舗でも何か気になることがあればすぐに先輩の相談員に話を聞ける環境があります。
3年目までが基礎教育の期間とされており、配属後も本社での手厚い研修があります。月に2〜3日は必ず本社に行って、カウンセリングと漢方の学術の両方を勉強するシステムがあるんです。
その後は、主任、副店長、上級相談員、店長などの役職ごとの教育が本社で行われており、とても育成に手厚い環境だと感じます。
河本さん
私も、本社のOFF-JT(通常業務から離れた教育)がとても手厚いと感じます。
私は漢方の知識がまったくない状態で入社したので、本社で学術的な学びを続けていけるシステムには助けられました。しっかりとした漢方の基礎学習ができたからこそ、その後の自己学習につながり、自己研鑽を経てどんどん応用知識やスキルを増やしていけたと思います。
▲豊富な漢方の知識を研修でしっかり学べる
編集部
薬日本堂さんは漢方のスクールも運営されていらっしゃるので、プロの講師や学ぶための教材など、充実した教育体制が整っているのですね。
町田さん
そうですね。後から入社した社員たちからも、会社の教育が手厚いという話はよく聞きます。新人1人に対して先輩の相談員が複数人でサポートするので、「たくさんの先輩に相談できるので安心」と言われることもあります。
編集部
入社後にいきなり店舗に配属されてそのまま放置されたり、一人で悩み事を抱えたりすることがない環境は魅力的ですね。
女性スタッフが半数以上。悩み事に寄り添い活躍できる職場環境
▲きれいに整えられた店舗は清潔感がいっぱい
編集部
薬日本堂さんの店舗では、女性のスタッフの方が多数働いていらっしゃると感じたのですが、いかがでしょうか。
広報担当の村上さん(同席)
そうですね。現在は全国で16店舗ありますが、男性より女性スタッフの方が多いです。相談に訪れる方は女性が多いことから、やはりお客様と密にコミュニケーションを取っていくカウンセリングという業務の特性上、女性が活躍しやすい分野だと思います。
河本さん
「ニホンドウ漢方ブティック 千葉そごう店」では8~9割が女性のお客様ですので、女性社員によるカウンセリングはやはり重要です。一方で、性別にこだわりのないお客様もいらっしゃいますし、店舗運営をしていくうえで男性相談員が活躍するシーンもあります。全体で良い店舗を築けていると感じますね。
編集部
町田様からは妊活中のお客様のお話がありましたが、他にも女性のお客様にはどのようなお悩みが多いのでしょうか。
町田さん
生理関係でお悩みのお客様は多いですね。他にも、冷え性、ストレスによる不眠、精神的な不安定さ、イライラなどでお困りの女性もいらっしゃいます。最近ですとダイエットのニーズも高いですし、花粉症などの季節ごとのお悩みもよくご相談いただきます。
編集部
女性ならではの不調を感じられている方がたくさんいるのですね。体調の悩みについて、自分で調べるのではなく専門家にしっかり相談できるので、安心できますね。
町田さん
そう思います。漢方薬は医薬品ですので、必ず効能や効果が記載されてはいます。ただ使い方を誤れば、副作用が出たり、症状が悪化する恐れもあるんです。ですから、やはりご本人の体質などに合った漢方薬を服用することが大切です。
薬日本堂に来店いただければ、しっかりと専門家がカウンセリングさせていただき、体質に合うものを提案しますので、女性ならではの体調不良にお悩みの方にもメリットを感じていただけていると思います。
管理職の58%が女性。ライフステージに応じた柔軟性の高い働き方ができる
編集部
薬日本堂さんでは、本社勤務や管理職のメンバーにも女性が多いのでしょうか。
広報担当の村上さん(同席)
本社でも、やはり女性社員が多く活躍しています。管理職でいうと、全体の58%が女性ですね。(2024年4月取材時点)
また、新卒社員も女性が多いです。そこから長く勤務して、主任や副店長、店長や上級相談員へとステップアップして、管理職として活躍している社員もたくさんいます。
編集部
なるほど。確かに御社の採用サイトを拝見すると、女性がライフステージに合わせて働き方を変えながら、長く働ける会社という印象を受けました。
町田さん
はい、実際にそのように感じます。産休・育休を取得し、復帰される方がすごく多いです。
パート相談員として復帰する方もいれば、時短社員として復帰する方もいます。子育てが落ち着いてから店長職に就いたり、本社で働くという方もいますね。出産や育児などの事情に合わせて、働き方を自分で選べる良さがあります。
広報担当の村上さん(同席)
私自身も産休・育休を経て復帰して、現在は時短勤務中です。全国に複数の店舗がありますから、相談員の復帰後の勤務地を柔軟に変更するなど、仕事と家庭を両立できる勤務体制を本社としてサポートしています。
編集部
薬日本堂さんは北海道から関西まで店舗を展開されているので、勤務地選びの面でも柔軟性があるのですね。働く時間も含めた自由度の高い働き方が、女性が長く勤められる秘訣といえそうです。
健康に対する意識が高く、チームで活躍できる人を歓迎
編集部
薬日本堂さんで実際に働くみなさんの特徴や雰囲気を教えていただけますか。
河本さん
職場の雰囲気は店舗ごとに異なる点がありますが、働く社員についてはやはり漢方や自然由来のものが好きな人、もしくは薬日本堂の商品が好きな人が多い印象です。もともと薬日本堂漢方スクールに通っていて、その後に入社するパターンも多いんですよ。
好きなものを仕事にできているからこそ、全体的にすごく良い雰囲気で働けていると感じます。お客様にも、「本当に漢方が好きな社員が揃っている」という空気感が伝わっているように思いますね。
編集部
確かに、働く人の雰囲気はお客様に伝わるものですよね。最後に、薬日本堂に興味を持ったという読者に向けて、どんな人が向いているかを教えていただけるでしょうか。
町田さん
ぜひ私たちと一緒に働いていただきたいのは、漢方の理念に基づき「より自然に近いもので体を整える」という考え方が好きな方ですね。やはり、健康志向が高い方のほうが馴染みやすいと感じます。
また、お客様と対話をしてカウンセリングするという仕事上、「人の悩みを聞いて力になりたい」という気持ちを持っていることも大切です。
さらに言うと、漢方はとても奥が深いものですから、勉強を続けることを苦にしない方がいいですね。単に頭が良いという意味ではなく、物事を掘り下げていきたい方に向いていると思います。私も、まだまだ新しい発見ばかりで日々楽しんでいます。
河本さん
私もそう思います。薬日本堂の店舗では、漢方相談から日常の運営業務まで幅広い仕事があります。どの店舗でも若手の頃からどんどん仕事を任せられる環境ですから、向上心や向学心のある方がいいですね。
また、やはり店舗運営はチームワークが大切です。他のメンバーをサポートしたい、チームで協力して仕事を進めたいと考えられる方は、薬日本堂で活躍していただけるのではないかと思います。
私たちの店舗は内装などにも力を入れているため、その中で働けるといったキラキラしたイメージを持っている方もいらっしゃいます。実際にその通りではあるのですが、裏側ではチームでサポートし合って運営していく地道な面もあるんです。チームワークを発揮して活躍いただける方は、評価されてさらに上のキャリアを目指していけると感じていますね。
編集部
漢方や健康への意識と、お客様をサポートしたい気持ち、そしてチームワークの精神が、御社で活躍する方の特徴なのですね。
今回の取材では、若手社員が早期に活躍できるための全社的な教育体制、ライフステージに合わせた柔軟な勤務体制など、薬日本堂株式会社で社員が長く活躍できる理由を知ることができました。本日はありがとうございました。
■取材協力
薬日本堂株式会社:https://www.nihondo.co.jp/
採用ページ:https://www.nihondo.co.jp/recruit/