新しい働き方を実践する企業にインタビューするこの企画。今回は採用のアウトソーシング事業などを手がける株式会社アールナインを取材しました。同社は、企業の採用活動を効率化し、最適な人材確保をサポートしています。
株式会社アールナインの企業概要:採用アウトソーシングのプロフェッショナル
株式会社アールナインは、採用に関するアウトソーシングやコンサルティング事業を行っている会社です。キャリアコンサルタントなど人材領域のプロフェッショナルが1,100名以上在籍しており、年間30,000件を超える採用代行実績があります。
会社名 | 株式会社アールナイン(R09) |
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住所 | (東京本社)東京都港区虎ノ門1-17-1 虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー5階 |
事業内容 | ・採用コンサルティング ・採用実務アウトソーシング ・社外面談代行 ・教育研修 ・国際キャリアコンサルティング協会運営 |
設立 | 2009年7月10日 |
公式ページ | https://r09.jp/ |
働き方 | フレックスタイム制 リモート(ハイブリッド勤務含む) |
アールナインでは「人が介在することで活き生きと働ける世界を」というミッションのもと、社員の福利厚生やワークライフバランスの充実に力を入れています。
そこで今回は人事部(新卒採用・育成/研修チーム)兼経営管理部(総務チーム)マネージャーの荻原真侑さんに、株式会社アールナインの特徴的な福利厚生や社員のワークライフバランスを重視した働き方などについてお話を伺いました。
アールナインの強み:人材と傾聴のプロによる高付加価値な採用支援
編集部
まずはじめにアールナインさんの事業内容を教えてください。
荻原さん
アールナインはRPO(採用代行サービス)と言われる、採用のアウトソーシングを行っている会社です。弊社には企業人事経験者やキャリアコンサルタント有資格者など、人材領域のプロが1,100名以上在籍しており、年間30,000件を超える採用代行の実績があります。
人材領域のプロ集団としてこれまで蓄積したノウハウを活用し、企業規模や業界を問わず、採用代行だけでなく企業様が抱える人材に関するあらゆる悩みに対応しています。
▲アールナインさんは、豊富な人材と経験で、業界を問わず、様々な企業の採用活動をサポートしている
編集部
採用代行というのは、具体的にどのようなことを行っているのでしょうか。
荻原さん
採用代行は企業様の採用に関する負担を減らすために行うもので、イメージしやすいものでいうと、企業様に代わって説明会や面接等の採用業務を行うことが挙げられます。
このサービスを始めた理由は2つあります。その1つめは、面接の選考結果には面接官の主観が入り込みやすいという事実。人材のプロである弊社が第3者として面接を行うことで、求職者にとって公平な選考が行えることが挙げられます。
2つめは、これも面接に関わることなのですが、どうしたら「選ばれる企業」になれるのか悩んでいる企業様が多いということ。求職者のスキルを確認することのみで面接が終わってしまい、魅力づけができていないケースが見受けられます。
弊社にご依頼いただくことにより、持っているスキルをどう仕事の結果に反映させるのかという、求職者の思考と行動までを堀り下げてヒアリングすることが可能です。プロが面接することにより、企業様にとって、より有益な人材の採用可能性を高めることができます。
数年前は「採用はコア業務なのだから自社でやるべき」という声をいただくことがありましたが、今では「採用を本気で考えているからこそ、プロの力を借りたい」と言っていただける機会が増えました。
編集部
アールナインさんの採用代行は単に企業に代わって採用業務を行うだけでなく、人材のプロ集団としてプラスαの価値を提供しているのですね。さきほどおっしゃっていた、企業が抱える人材に関するあらゆる悩みを解決するというのも、そういったプラスαのサービスになるのでしょうか。
荻原さん
そうですね。企業様の人材に関する悩みを解決するというのは、アールナインが行っている採用コンサルティングの業務にあたります。
先ほどお伝えした採用代行は、企業様が企画した説明会などを代わりに行うことですが、企業様によってはそもそもそうした採用のイベントが企画できなかったり、採用計画が立てられないといった悩みを抱えていらっしゃるところもあります。
そうしたお悩みを抱えている企業様に代わって、採用計画を立てたり、採用イベントを企画するところから行うのが採用コンサルティング業務です。
他にも採用後のフォローとして教育研修などの社内研修サービスも提供しています。
内定辞退者の本音を引き出す:アールナインの独自サービス
▲アールナインでは、企業がなかなか聞き出せない内定辞退者の本音を聞き出すサービスも提供している
編集部
他にアールナインの提供するサービスで特徴的なものがあれば紹介してください。
荻原さん
アールナインの特徴的なサービスとして「内定辞退者調査サービス」があります。これは内定辞退者に辞退理由をヒアリングし、企業へフィードバックするサービスです。
編集部
内定辞退者に着目したサービスは珍しいですね。内定辞退者の本音は、企業もなかなか聞き出せないところだと思います。
荻原さん
なぜ内定を辞退したのか、内定辞退者の本音を知ることは企業が今後、採用活動を続けていく上で非常に重要な情報です。しかし実際には、企業が内定辞退者からその本音を聞ける機会はほとんどありません。
そこで、第三者であるアールナインが代わりに内定辞退者にヒアリングを行い、企業にフィードバックを行っています。長年、多くの企業の採用活動に携わってきた弊社は人材のプロであると同時に、求職者の声を丁寧に聞く「傾聴のプロ」でもあります。このスキルを活かし、内定辞退者の本音を引き出し、企業の採用活動の改善に役立てています。
充実の福利厚生:リゾートホテルでのワーケーションで広がる働き方の選択肢
▲アールナインでは福利厚生としてリゾートワークスのサービスを導入している。画像は「ハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄」の風景
編集部
アールナインさんでは福利厚生にも力を入れているようですが、どのような制度やサービスを設けているのでしょうか。
荻原さん
アールナインでは、リゾートホテルでのワーケーション体験などを提供するリゾートワークスのサービスを福利厚生として導入しています。
リゾートワークスのサービスを導入した背景には、社内のオンボーディング(※)と広報という2つの観点があります。
(※)オンボーディング…新入社員を育成し、会社に定着させるための施策
まず、社内のオンボーディング的な観点からいうと、弊社はフレックスタイム制やリモートワークを導入しており、比較的働きやすい環境ではあるのですが、そこにワーケーションという選択肢を加えることで、さらに柔軟な働き方を実現したいという思いがありました。
また、広報という観点でいうと、今は他社でも福利厚生や柔軟な働き方に力を入れていると思いますが、そうした中で、一流ホテルなどで非日常の体験ができるリゾートワークスのサービスを導入することで、他社と差別化を図り、弊社ならではのアピールポイントにしたいという思いもありました。
■リゾートワークスの公式サイトはこちらから!
https://resortworx.jp/
家族時間の確保がモチベーション向上に:非日常体験の効果
▲家族が遊びに行っているあいだ、集中して仕事に打ち込める環境
編集部
リゾートワークスさんのサービスを社員の方はどのように利用されているのでしょうか。
荻原さん
リゾートワークスさんが提供するホテルは、2親等の親族まで割安で利用できるので、家族でゆっくり過ごす社員もいます。
リモートワークの導入や、アールナインで月2回設けている15時退社可能なコアタイムデーにより、以前は仕事で家族との都合が合わなかった社員も、家族と一緒にリフレッシュできるようになりました。
福利厚生として、非日常の体験を味わえることが、社員の仕事へのモチベーションになり、生活にメリハリを与えているように感じます。
▲家族での利用以外にも、ワーケーションでリゾートワークスさんが提供するホテルを利用する社員も多い
編集部
まさに、アールナインさんのミッションである「活き生きと働ける世界」を、社員の方が体現しているわけですね。荻原さんもリゾートワークスさんのホテルを利用したことがあるのですか?
荻原さん
タイミングが合わず、私はまだ利用できていませんが、ぜひ一度利用したいと思っています。
リゾートワークスさんのホームページに掲載されているホテルの写真を見ているだけでワクワクします。特に、沖縄のハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄は楽園のようです。
編集部
沖縄のハイアットさんのホテルはとても素敵ですよね。実際にどのくらいの社員がリゾートワークスさんのサービスを利用しているのでしょうか。
荻原さん
全部署の社員が利用していると思いますが、社員のプライベートなことでもあるので、具体的な人数までは把握していません。ただ、多くの社員が利用しているはずです。私の周りだけでも、5人ほど利用した方がいます。
▲食事の準備などに気を取られることなく滞在を楽しめる
「同期会」で築く社内ネットワーク:中途入社者も安心の人間関係構築
編集部
アールナインさんには、リゾートワークスさんのサービス以外にどのような福利厚生がありますか?
荻原さん
スキルアップ支援として、業務に必要な書籍代を会社が支給する書籍購入制度や、資格取得支援の制度があります。
また、社員同士の親睦を深める福利厚生として、社員同士のランチ代を支給するランチインタビュー制度や、同期会、部活動などがあります。部活動では、ディズニーランドなどのテーマパークに行く部や、競馬場に行く部など、社員発信で結成された部活もあります。
編集部
同期会というのも珍しいですね。同期会では、どのようなことを行っているのでしょうか。
荻原さん
同期で親睦を深めてもらうための飲み会を会社の福利厚生として行っています。アールナインの同期会における「同期」とは、入社時期ではなく、同年代の社員を指します。
▲同年代の社員で集まる同期会。新入社員も、同年代の先輩社員に仕事の相談などがしやすい
編集部
なるほど。入社時期に関係なく、同年代の社員同士で仲良くなってほしいということですね。
荻原さん
はい。現在、アールナインの社員の平均年齢は28歳くらいです。社歴が浅い社員や第2新卒と言われる世代の中途採用者も多くいます。こうした若手社員がスムーズに会社に馴染めるように、既存の社員を含めた同年代の社員を同期と捉え、交流の場を設けています。
編集部
同年代の社員が交流できる同期会があることで、中途入社の方もスムーズに会社に馴染め、早く活躍できるようになりそうですね。
多様な働き方の実現:副業と子育ての両立を支援するアールナインの制度
編集部
アールナインさんでは社員のワークライフバランスにも力を入れているようですが、具体的にどのような制度があるのでしょうか。
荻原さん
ワークライフバランスに関する制度として、フレックスタイム制とリモートワークを導入しております。
フレックスタイム制では、コアタイムが11時から15時となっており、その前後の時間は働く時間を自由に調整できます。例えば、9時から18時まで働く社員もいれば、11時から20時まで働く社員もいます。
リモートワークについては、会社全体では、出社とリモートが半々くらいのハイブリッド勤務をしている社員が多いです。ただし、中途採用者の受け入れ時期などは、常に出社しているメンバーもいます。
編集部
なるほど。アールナインさんではそうしたフレックスタイム制やリモートワークを利用し、子育てをしながら働いている方などもいらっしゃるのでしょうか。
荻原さん
はい。子育てをしながらマネージャーとして働いている女性社員がおります。その方は子育てと仕事を両立するために、リモートワークとフレックスタイム制を利用しており、お子さんの送り迎えの時間は中抜けすることも認めています。
他にも、社員のワークライフバランスを考えた制度として、早上がりができるコアタイムデーの設定、副業の許可、フリーアドレスオフィスの導入などがあります。
編集部
アールナインさんでは副業もOKなのですね。皆さん、どのような副業をされているのでしょうか。
荻原さん
副業については、週の労働時間制限や競合となる職種の禁止など、一定の社内規定はありますが、それに触れない限りは認めています。
現在、副業をしている社員はそれほど多くありませんが、過去には塾の講師、ジムのトレーナー、分譲マンションのモデルルームの受付、映像制作会社のディレクターなどの例がありました。
編集部
副業で映像制作会社のディレクターは素晴らしいですね。
今の副業の話も、子育てをしながらマネージャーとして活躍している女性社員の話もそうですが、アールナインさんの福利厚生や働き方には一貫して、「社員がどうしたら自分らしく人生を楽しみながら仕事でも能力を発揮できるか」という軸があるように感じます。
コアタイムデーで実現する柔軟な働き方:15時退社で広がるプライベートの充実
編集部
先ほどから話題に上がっているコアタイムデーという制度について、詳しく教えていただけますでしょうか。
荻原さん
はい。コアタイムデーは、アールナイン独自の制度で、勤務時間が11時から15時までの日を、各社員が月に2日設けることができる制度です。
この制度を導入した背景には、弊社が採用しているフレックスタイム制をより社員に定着させたいという思いがありました。先ほどお伝えしたように、弊社のフレックスタイム制のコアタイムは11時から15時で、コアタイムデーの勤務時間と同じになっています。
荻原さん
例えば、月末は忙しくて残業が多いけれど、月初は比較的余裕がある方は、月初にコアタイムデーを取得することで、プライベートの予定を入れやすくなります。
ただし、コアタイムデーの使用は各自の判断に任せています。日頃あまり残業しない方の場合、コアタイムデーを使うことで月の所定労働時間に対して稼働時間が不足し、他の日に残業が必要になる可能性があるためです。
会社としては、コアタイムデーという変則的な勤務時間を提示することで、社員の中に少しでも「柔軟な働き方」という意識が浸透することを期待しています。
編集部
忙しい時期は仕事に追われ、休日も十分に休めなかったり、私用の時間が取れないことがありますよね。コアタイムデーは社員にとって貴重な制度だと感じました。
また、普段仕事をしている時間に外出することで、新しい気づきも得られそうです。社員の方々も、この制度を通じて「柔軟な働き方」を実感できるのではないでしょうか。
公平性を重視した人事評価:結果とプロセスの両面を評価する制度
編集部
アールナインさんでは、副業を認めたり、社員の柔軟な働き方を支援していますが、こうした多様な働き方を支える人事評価制度はどのように設計されているのでしょうか。
荻原さん
アールナインの人事評価は2つの軸で構成され、それらを組み合わせて最終的な評価を行っています。
1つめの軸は、四半期ごとに設定する各自の目標の達成度に対する自己評価と他己評価(周囲からの評価)です。これらを総合的に判断して評価します。
2つめの軸は、当社のバリューである「顧客の期待を捉える」「ともに連携・協力し合う」「不断に学び続ける」をどれだけ体現できたかです。この行動面を数値化して評価します。
▲アールナインさんではバリューに沿った行動がどれだけとれたかも人事評価の対象になる
編集部
四半期ごとの目標はどのように決定するのでしょうか。
荻原さん
四半期ごとの目標は上司との1on1で決めます。アールナインでは1on1を頻繁に行っており、入社から3ヶ月くらいは、毎日30分程度行っている部署もあります。その後、徐々に頻度を減らしていきますが、週1回や隔週1回程度は継続して実施しています。
編集部
仕事は正しい努力をしていてもすぐに結果が出るものではありません。そのため、目標達成度という結果だけでなく、バリューに基づく行動といった結果を生み出すためのプロセスもしっかり評価される点は、公平で安心できる評価制度だと感じました。
アールナインが求める人材像:拡大期を牽引する意欲的な人材
編集部
最後に採用について伺いたいのですが、アールナインさんが求める人物像を教えていただけますか?
荻原さん
アールナインは現在、拡大期にあり、中途入社の社員も毎月増えています。そうした中で変化を楽しみながら、スピード感を持って、「自分がアールナインを大きくするんだ」という強い意志で働いてくれる方を求めています。
当社では、新卒3年目でマネージャーになった社員もいますし、子育て中の母親がマネージャーを務めている例もあります。つまり、勤続年数や性別に関係なく、若いうちから裁量を持って積極的に働きたい人に適した環境があると言えます。
また、社員数は約80名ですが、業務委託のパートナーとして1,100名以上の方々が関わっています。このような多様な環境の中で、自分の能力を最大限に発揮したい方にも適していると考えています。
編集部
本日は、アールナインさんの福利厚生や働き方について、具体的な制度や、その背景にある社員への想いを伺いました。御社には、これから入社する方が自分らしく全力で働ける環境が整っていると感じました。
お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
■取材協力
株式会社アールナイン:https://r09.jp/
採用ページ:https://r09.jp/recruit/