ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、田中学園立命館慶祥小学校にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同校で働く魅力をご紹介します。
2022年に開校した札幌市内唯一の私立小学校「田中学園立命館慶祥小学校」は、「学ぶを、しあわせに。」という建学の精神を掲げ、世界を見据えた児童のチャレンジを導くような新しい教育の可能性に挑戦し続けています。
同校は20代・30代の若手教員が中心となり、イマージョン教育やアートフェスティバルなど、独自の教育プログラムを展開。「まずはやってみよう」という挑戦を歓迎する文化と、効率的な働き方を重視する環境で、教員一人ひとりが自身の経験や個性を存分に活かしています。
そんな田中学園立命館慶祥小学校の校長である吉田先生と、特別提携校(立命館慶祥中学校・高等学校)の卒業生でもあり、エネルギッシュに活躍している中村先生に、職場環境の魅力やさまざまな取り組みについてのお話を伺いました。
田中学園立命館慶祥小学校の「先生の挑戦を推奨する」文化
▲取材にご対応いただいた吉田校長(左)と中村先生(右)
編集部
最初のテーマとして、田中学園立命館慶祥小学校の若手の先生方の活躍についてお聞きしたいと思います。現在の教職員の人数と年齢層について教えていただけますでしょうか。
吉田校長
現在の教職員数は30名ほどで、年齢層は20代〜30代が中心です。管理職を除くと50代が2名、40代が6名、あとは20代と30代の先生が占めています。やはり2022年に新設された学校ですので、比較的若い先生が多い状況ですね。
編集部
そんな組織の特徴はどんなところでしょうか。
吉田校長
若手教員が主体的に活躍できる環境があること、新しい学校ならではの「挑戦を推奨する風土」があることでしょうか。
会議では若い先生からいろんな企画書が上がってくるのですが、私や副校長、教頭先生などマネジメントサイドの姿勢は「自分がやってみたいように挑戦していい」で統一されています。だから、会議の時間はすごく短いです(笑)。そもそも、理事長(田中賢介さん:元北海道日本ハムファイターズの選手)が「学校が傾かない限りは、先生方に挑戦をさせてください」というスタンスですから。
周囲のサポートもあり、若手教員が行事などで積極的にチャレンジ
▲アートフェスティバルの練習で 自分のB面である日本舞踊を児童に教える先生
編集部
若手教員のお一人である中村先生は、これまでどんなチャレンジをしてきましたか?
中村先生
いろいろとありますが、現在取り組んでいるのは学校の3大行事のひとつ「Art Festival(アートフェスティバル)」ですね。これは単なる芸術鑑賞や学芸会ではなく、児童が主体的に参加しながら自分らしさを表現していくという取り組みです。
2024年度に私がチャレンジしているのは、同じチームの音楽の先生と協力しながら「真のアートとは何か」を突き詰めていくことです。現時点では、空間アートを楽しむ「まぼろしの森」や、落語や日本舞踊といった伝統文化に触れるプログラムなどを予定しています。
この行事は開校以来続けているものですが、それでも現時点ではわずか3年目です。自然と新しいものを創り上げていくことになりますし、それは今までの自分になかった経験だったので、すごく成長に繋がっていると感じています。
▲アートフェスティバルの本格的なプログラム。児童の挑戦を引き出している
吉田校長
他の先生の例でいうと、例えば「休日に児童を連れて海の清掃ボランティアに行きたい」「仮想通貨について教えたい」というような提案も続々と上がってくるので、基本的に「やってみましょう」と伝えています。
もちろん、必要に応じて私たちもサポートしています。先生方の「やってみたい」を実現させることを最優先しながら、管理職としては、出勤の在り方や保護者の方々へのご協力を仰いだりと、アドバイスや調整を行います。
意識しているのは、「後押しをして批判はしない」ことですね。企画段階で少し難があると感じたとしても、中止にするのではなく助言はした上で実施してもらう。そして思ったような結果にならなかったとしても、「だからこう伝えたでしょう」ということは絶対に言わない方針を貫いています。
「先生の教員以外の側面=B面」を活かした企画で魅力的な教育を展開
▲児童募集イベントでコスプレをする先生方。個性を活かす方針がこんな場面でもわかる
編集部
その他に、若手教員の皆様がモチベーション高く働けている要因はあるでしょうか。
吉田校長
「教員の個性を活かす」というのは採用時から取り組んでいることで、画一的な教育だけではないからこそ、楽しみながら専門性を発揮して働いてくれているのだと思います。
具体的には、田中学園では採用時に自由形式の「B面履歴書」を提出してもらっています。ここでいう「B面」は、本業であるプロの教師以外の個人的な側面を指しているんです。自分の人生を楽しんでいる魅力的な大人だからこそ、子どもたちにも魅力的な教育ができるというのがその理由です。
そこに書いたような趣味・専門性などを活かして、月に1回の頻度で休み時間を使って子どもたちにおもしろい遊びを提供するという企画を実施してもらっています。名称は「B面をつかって0円で遊具を作るproject」で、通称B0(ビーゼロ)と呼んでいます。
例えばカエルが好きな先生が、カエルの種類を覚えてもらうような企画を作ったり、ネイティブの先生が、自分の育った国の遊びを子どもの楽しめる遊びに作りかえて企画したりなどです。
編集部
中村先生は、その企画でどんな遊びを提供されているんでしょうか?
中村先生
私はものすごい特技があるというわけではないのですが、映画が好きなんです。特にハリー・ポッターシリーズが好きなので、B0の企画とは別なのですが、そのB面を普段から子どもたちと一緒に楽しんでいます。
学校ランチではなくお弁当の日に、ハリーポッターに出てくるホグワーツ城の大広間の画像を教室に映し出し、映画の音楽をかけ、魔法学校の生徒たちが座っているようなレイアウトで食事をするなどの演出をしました。自分も子どもたちも、いつもと違う時間を楽しむ時などは、こういったB面が活躍します。
女性が半数以上。育児中でも工夫して働き続けられる学校
編集部
次に、女性の先生方の活躍について伺いたいと思います。田中学園立命館慶祥小学校の教職員の中で、女性の割合はどのくらいでしょうか。
吉田校長
約半数から6割程度が女性です。英語のイマージョン教育(※)に力を入れている学校なので、外国語学部や語学系の学部で学んできた女性に多く応募いただいているという背景もあります。
(※)外国語を使って通常の教科を学ぶ教育。同校ではカリキュラムの約40%を英語で教えている
編集部
中村先生は女性教員として、働かれている中で特に感じていることはありますか。
中村先生
実際の働き方において、男女の差を感じることはほとんどありません。新設校なので育休などの事例はまだ少ないのですが、育児中の先生方も時間の使い方を工夫して働かれていますし、急な対応が必要な際もサポート体制が整っています。
また、チームティーチングを取り入れているので教員2人体制での授業が比較的多く、その面でも融通が利きやすいというのもあると思います。
会議は17時まで「ノー・ミーティング・ゾーン制度」など、ワークライフバランスを向上させる取り組みを実施
編集部
働きやすい環境づくりについて、具体的にどのような取り組みをされているのでしょうか。
吉田校長
もちろん男女共通ですが、就業規則や育休・産休制度、時短勤務などは、公立学校と同等の制度を整備しています。特に勤務時間の管理は徹底しており、17時以降には基本的に会議を入れないようにしています。17時~退勤時間の17時半は、ノーミーティングゾーンとして設定し、一日の最後の30分を仕事まとめの時間として各個人個人で上手に使うようにしてもらっています。
教員のワークライフバランスは本当に重要で、プライベートの充実が翌日の仕事のパフォーマンスにも良い影響を与えると考えています。また、とても細かいですが、担任の先生方の“10分”を捻出するために、帰りのSHRの後、4年生以上の児童はすぐに特別教室に移動し、そこでバスやお迎えを待たせるようにしました。こうすることで、担任の先生は、空になった教室で一日の振り返りや明日の準備にすぐに取り掛かることができます。
中村先生
私も入職してすぐのときは業務に慣れるまで時間がかかりましたが、今では効率的に仕事を進めていけるようになりました。実際に早く帰ることができているので、すごくありがたいです。
学校の特色:教員・保護者が同じ目標を共有している
▲校内のフリースペース。開放的で児童・教員・保護者などの距離が縮まるデザインが特徴的
編集部
ここまで伺ってきたのと異なる視点から、田中学園立命館慶祥小学校の特徴をお教えいただければありがたいです。
吉田校長
第一希望でコミュニティーを作っていることだと思います。本校は公教育が主流の札幌市において、唯一の私立小学校です。児童も、保護者様も、特色ある本校で学びたいとの気持ちで入学をしてきてくれます。また、教職員も同じで、本校で働きたい、本校が第一希望であるという方々を採用しています。
本校の特徴は、建学の精神のもとに同じビジョンを共有しながら児童・保護者・教職員が集っていること。だからこそ、6年間をともに過ごし、教育を展開していけると考えています。
グローバルな経験を持つ教員が集まり、互いに尊重し合う風土
▲ギターが趣味の仲間が集って子どもたちの歌を盛り上げる様子。年齢・経歴問わず尊重し合う文化がある
編集部
中村先生は別の学校で働いていた経験もあるかと思いますが、御校の特徴はどんなところだと感じていますか?
中村先生
多様性があり、それを認め合う環境ですね。先ほどの「B面」の話とも関連するのですが、それぞれ違った個性や専門性を持つ先生が集まっていて、それがすごく面白いんです。
それは教員として経験豊富だったり、民間企業で活躍されていたりという経歴も当てはまりますが、それ以外でもバラエティに富んでいます。例えば国際性という点でも海外経験のある先生のほうが多いくらいで、シンガポール・メキシコ・ヨルダン・香港などに住んでいた人がいます。
あと、英語に限らずスペイン語が話せたり、アラビア文字が書けたりといろんな言語や文化に精通している教員がいるので、すごく刺激的な環境ですよ。「World Day」という行事では留学生が学校を訪れ、その際に教員の体験を共有する機会もあります。
本当に面白い人生経験をされている方が多いので、「みんな違って当たり前」という考え方が浸透しています。だからこそ、若手もベテランも男性も女性も関係なく、いろいろな教職員が気持ちよく働けるのかなと思います。
札幌、そして北海道の教育を良くしていきたい人を歓迎!
編集部
教職員の採用において、特に重視されている点について教えていただけますか。
吉田校長
札幌は自然と都会が融合していて街として、とても魅力的ですし、いつも「住みたい街ランキング」ではトップにくるような土地です。また、小学校でイマージョン教育を実施しているという点で比較的希少であることから、特に英語を教えたい日本人・ネイティブの方から履歴書は多く集まります。ただ、そういったモチベーションだけで本校を目指していただくのは難しいと感じています。
重視しているのは、志望動機です。田中学園は札幌、そして北海道に貢献するために設立された学校で、道内の自治体に教員を派遣するなど、さまざまな取り組みを行っています。こういった「挑戦」「貢献」「協働」という理念に共感していただき、良い社会をつくっていく上で教育の価値を信じているという方に来てほしいですね。
編集部
最後に、転職を考えている教員の方や新卒の方へ向けて、メッセージをお願いいたします。
吉田校長
本校は開校から間もない新しい学校です。そのため、「0から1を創ることに楽しみや価値を見出せる方」を特に歓迎しています。
10年、20年、そして30年と長期的に札幌の教育を引っ張っていく学校として発展していく過程に参加したい、そこにコミットして貢献したいという方。また本校だけでなく、札幌や北海道の教育全体にインパクトを与えていきたいという大きなスケール感を持った方との出会いを期待しています。
中村先生
私は特別提携校であり、共通の理念を持つ立命館慶祥中学校・高等学校の出身で、そのときから「子どもの可能性を広げ、限界を決めずに挑戦できる教育環境」に魅力を感じていました。私がこの学校に移ったのも、そのときの経験から、目指していた教員像に近づける機会だと思ったというのが大きいです。
だからこそ、働く学校をこれから選ぶという皆さんに、胸を張って本校をお勧めしたいですね。教員の個性や経験を活かせる環境があり、バックグラウンドに関係なく新しいアイデアや提案を実現できますので、チームとして協力しながら新しい教育の形を作り上げていける方との出会いを楽しみにしています。
編集部
本日はありがとうございました!
この記事のまとめ
田中学園立命館慶祥小学校の概要 |
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組織風土 |
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ワークライフバランス |
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求める人物像 |
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田中学園立命館慶祥小学校の基本情報
住所 | 北海道札幌市豊平区西岡1条7丁目2-1 |
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設立 | 2022年4月 |
公式ページ | https://tanakagakuen.ed.jp/ |
採用ページ | https://tanakagakuen.ed.jp/recruit |
募集職種 | イマージョン/英語科専科教員、英語ネイティブ教員 |