先進的な働き方や多様な福利厚生を実践している企業を取材し、その魅力を深く掘り下げていくこの企画。今回は「知見と、挑戦をつなぐ」をミッションに掲げ、あらゆる業界や職種の有識者に素早くコンタクトができる世界規模のナレッジプラットフォームを展開している株式会社ビザスクさんにお話を聞きました。
株式会社ビザスク:グローバルなナレッジプラットフォームの運営企業
▲株式会社ビザスクのミッション・ビジョン(公式サイトから引用)
株式会社ビザスクは、190か国54万人以上の専門家の知見をマッチングする、グローバルなナレッジプラットフォームを運営している会社です。
ビザスクは、この膨大なデータベースを活用し、インターネットや文献では得られない一次情報へ簡単にアクセスできる様々なスポットコンサルサービスを提供しています。市場・業界調査、ベストプラクティス研究など、多様な調査場面で必要となる情報・知見を持つ有識者(アドバイザー)と、インタビュー、オンラインアンケート、中長期的な伴走支援などの形でマッチングを行っています。
ビザスクのマッチング実績は年間約6万件(※)を超え、国内のアドバイザーは16万人以上、海外のアドバイザーは38万人以上が登録しており、世界中のあらゆる地域や業界をカバーするプラットフォームを運営しています。組織・世代・地域などの壁を越えて、様々なミッションと世界中の知見を効果的につなぐ、グローバル規模のプラットフォーム創りを推進しています。
※2022年1月-12月のインタビューマッチング実績より
会社名 | 株式会社ビザスク |
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住所 | 東京都目黒区青葉台4-7-7住友不動産青葉台ヒルズ9F・10F |
事業内容 | ビジネス分野に特化したナレッジプラットフォームの運営、新規事業創出/組織開発支援 |
設立 | 2012年3月 |
公式ページ | https://corp.visasq.co.jp/ |
今回は、執行役員 日本共同代表の七倉壮さん、CEO室 PRの志村茉由さんにインタビューを実施しました。若手社員が活躍できる社内環境や働き方、独自の福利厚生など、詳しいお話を聞かせていただきました。
ビザスクのビジネスモデル:知見と挑戦をつなぐナレッジプラットフォーム
編集部
まず最初に、株式会社ビザスクさんの事業内容についてお聞かせいただけますでしょうか。
七倉さん
弊社ではビジネス領域特化のナレッジプラットフォーム(※)である「ビザスク」を運営しています。具体的には1時間単位のインタビューやオンラインサーベイ、24時間以内の有識者からのテキスト回答サービスなど、さまざまなニーズに対するマッチングを提供しています。
(※)ビジネス上の経験や知見、それに基づく意見の総称をナレッジと定義し、それらのナレッジを登録・管理・配信するプラットフォームのこと。
たとえば、新規事業の立ち上げや、組織課題の解決や改革など、企業が新たなチャレンジをする際には、どうしても新たな知見が必要になりますよね。そのようなときにフルサポート形式のインタビューサービス「ビザスクinterview」を利用すれば、ビザスクがデータベースの中からピンポイントに適した専門家を探し、その方に1時間からインタビューできます。企業側は手間をかけることなく、スピーディーに最適な意見やアドバイスを受けることができるというわけです。
編集部
課題を抱える企業と知識を持っている専門家を、ビザスクを通じてマッチングさせるということですね。
七倉さん
そうですね。また、セルフマッチング形式のインタビューサービス「ビザスクlite」もあります。こちらは依頼者自身がアドバイザーを検索し1時間からそのアドバイザーにインタビューができるものです。法人、個人を問わず気軽に相談できるため、特に中小ベンチャー企業や起業家の方に多く活用いただいています。
その他にも、調査のプロフェッショナルが代行して調査・レポート作成を提供する「ビザスクreport」、BtoB領域に特化したWEBアンケート調査「ビザスクexpert survey」、有識者5名以上から原則24時間以内に回答が届く「ビザスクnow」、企業課題に合わせてアドバイザーが中長期的に実働型で伴走支援する「ビザスクpartner」など、多くのスポットコンサルサービスを展開中です。
編集部
本当にさまざまなサービスがあるのですね!ビザスクさんのミッションである「知見と、挑戦をつなぐ」がそのまま体現されたような事業を展開されているんですね。
▲セルフマッチング型のインタビューサービス「ビザスクlite」
ビザスクの組織構成:20代が40%を占める若手主体の職場環境
編集部
ビザスクさんの社員の方々の年齢層について、若手の割合が多いと聞きましたが、具体的な比率を教えていただけますか?
七倉さん
20代から30代前半が大多数を占め、そのうち約40%が20代です。日本共同代表の私自身も35歳です。ただし、当社は元々中途入社のメンバーが中心でした。前職での経験や得意分野を活かして活躍することも重要だと考えているため、根本的に年齢の垣根はないと思っています。
編集部
近年、新卒採用も始められたそうですね。
七倉さん
はい。2019年卒から新卒採用を開始し、年々新卒入社のメンバーが増えています。新卒メンバーは職務経験がない状態で入社するため、しっかりとした育成方針を立て、そのために十分な時間を割くことを重視しています。
また、彼らに多様な新しい経験を積んでもらうことが、組織内で良い仕事をするためにも重要だと考えています。私たちがサポート体制を整えますので、ぜひ積極的にチャレンジしてほしいですね。
綿密なメンター・メンティー制度による若手サポート
編集部
ビザスクさんの新入社員の育成方法を具体的に教えてもらえますか?
七倉さん
新入社員研修は、前年入社の若手社員が中心となって改善を加えながら作成しています。配属後も、メンター(※)をしっかりと付けています。メンターとは別に、業務を直接指導するOJT担当者も配置しています。役割を分けることで、新入社員の様々な悩みや困りごとにきめ細かく対応できる体制を整えています。
(※)メンターとは、自身の経験を活かして仕事やキャリアに関する助言や指導を行い、社員の成長を支援する役割を担う人のことです。
現在、日本オフィスには約200人の社員がおり、今年の新卒入社は12人です。この比率であれば、新入社員一人一人に十分な注意を払える環境を提供できると考えています。
編集部
メンターは、ずっと同じ人がついてくれるのですか?
志村さん
私は入社4年目ですが、これまで3人のメンターにサポートしてもらいました。部署異動や役職変更に伴い、メンターが交代することはありますが、新卒・中途に関わらず、常に気軽に相談できるメンターがいる環境が整っています。
若手社員の活躍を称える社内表彰制度
▲株式会社ビザスクさんには大切にしている7つのバリューがある(公式サイトから引用)
編集部
これまでに若手社員が高く評価された実績はありますか?
七倉さん
ビザスクでは「VisasQ Award(ビザスクアワード)」というMVP賞のような表彰制度があるのですが、最近は新卒一年目の社員や、二年目三年目のメンバーがどんどん獲得しているんです。約200人の社員の中で、数人しか表彰されない稀少な賞なので、若手がしっかり食い込んでくるというのは素晴らしいことだと思います。
編集部
確かに素晴らしいですね。ビザスクアワードを受賞した若手社員の方は、具体的にどのような活躍をされたのですか?
七倉さん
入社3年目の男性社員の例をお話しします。彼は当社の人事評価基準であるグレード制度について、「職種ごとにより具体化して、社員全員がキャリアステップをイメージしやすいようにするべきだ」という課題意識を持っていました。
チームリーダーや事業部長のサポートを受けて、グレードを補足する具体事例とその詳細を記したドキュメントを作成・提案し、社内の承認を得て実行にまで至りました。
通常、このような人事制度に関する業務は人事部や経営陣が行うものですが、入社3年目でこれを実現したのは非常に珍しいことです。全社的な視点で課題を見つけ、挑戦する姿勢が、ビザスクのバリューを最も体現していると社内から高く評価され、ノミネートされたのだと考えています。
志村さん
もう一つ例を挙げますと、6年前に入社した現在30歳の女性社員がいます。彼女は入社約1年でチームリーダーに抜擢され、現在はアメリカ拠点で買収先企業との統合における中心的な役割を担っています。
若手のうちから躊躇せずに意見を述べる積極性が評価されてリーダーになり、さらにグローバルな舞台で活躍しているのは、彼女の意志とビザスクが求める能力とのマッチングが適った結果だと思います。ビザスクには20代の若手でも、豊富な挑戦の機会がある環境が整っているのです。
若手のチャレンジを促す失敗を恐れない風土
編集部
若手社員の方々は、経験が浅いため失敗やつまずきがあると思います。そういった際に、周囲からのサポートはどのように得られるのでしょうか?
七倉さん
基本的に若手にチャレンジしてもらうことは、失敗とワンセットです。ただし、その上でお客様や関係者にとっての価値をしっかり提供しなければなりません。
失敗を想定したうえで若手社員に仕事を任せるなら、適切なサポート体制が必要です。リカバリーが可能なリソースをしっかり確保しながら進めていくことが重要なのです。
志村さん
若手の私からすると、失敗する前の段階からのサポートがあることもありがたいです。不安になったり困ったときに相談できるメンターがいたり、気軽に話せる役員がいたりするので、とても安心感があり、頑張ろうという気持ちになれます。
七倉さん
そのため、様々な場面でメンターをつけることは大切ですし、コーチとして相談に乗れる人も必要だと考えています。
編集部
挑戦を促す風土の中で、見守りながらアドバイスをしてくれる存在が周りにいるというのは、若手社員の育成において理想的な環境ですね。
ビザスクの福利厚生:高い取得率を誇る特徴的な制度
編集部
ビザスクさんには特徴的な福利厚生があるそうですが、どういったものか教えていただけますか?
志村さん
「スポーツジム、マッサージ、家事代行、ベビーシッター、学習」の5つのジャンルについて、月1万円の補助が出ます。この5つの中であれば、1万円の使い道を自由に組み合わせることができます。
もともとビザスクには、家事代行に月1万円の補助が出る福利厚生がありました。しかし、社会情勢の変化により利用率は25%程度にとどまっていました。そこでリーダー陣が社内アンケートを実施し、従業員の声を反映させた結果、現在の5つの選択肢に拡大しました。その結果、現在の利用率は80%を超えています。
編集部
「学習」で補助金を使う場合、どういった使い道が多いのでしょうか?
志村さん
最も多いのは英会話です。ビザスクは以前から海外展開していましたが、2021年11月に米国の会社を買収したことで英語を使う機会が大幅に増えました。リモートワークの増加もあり、隙間時間を活用した英会話レッスンが社内で広く浸透しています。
この1万円補助以外にも、学びを促進する福利厚生が充実しています。業務関連であれば、書籍購入費やイベント参加費も会社が負担します。購入した書籍は会社の本棚に置いて他の従業員も閲覧でき、社内のSlackで感想をシェアすることで学びを共有できます。個人的にも、これらはとても有意義な福利厚生だと感じています。
休暇制度:自己啓発休暇で実現する長期リフレッシュ
編集部
休暇の制度について、独自の試みはありますか?
志村さん
ビザスクでは自己啓発休暇という、年に一回平日5連休を好きなときに取ることができる制度があります。お盆や年末年始といった決まった時期ではなく、個人が自分のタイミングで取れる休暇です。5日連続で取ることが条件なので、思いっきりリフレッシュできます。
編集部
この制度の利用率はどれくらいになりますか?
志村さん
利用率はほぼ100%近くではないかと思います。前後に土日祝日をくっつけると9連休以上になるので、集中的に資格の勉強をしたり、旅行へ行ったりする社員が多いです。例えば、お子さんの休みに合わせて家族でキャンピングカーに乗って北海道を一周してきた社員もいました。
編集部
それだけ長期の休暇であれば、海外旅行にも行けますね。好きな時に取得できるというのは、とても魅力的な制度だと感じました。
ビザスクが求める人材像:「万物から学ぶ」姿勢を持つ挑戦者
編集部
では最後に、ビザスクさんが一緒に働きたいと考える人物像を教えてください。
七倉さん
ビザスクの7つのバリューの中に「プライドはクソだ」という言葉があります。これは「自分がよりスキルを高めたり、良い仕事をするためには万物から学んでいく必要がある。その学びの邪魔をする変なプライドはクソだ」という考え方です。そのため、学ぶことが自然にできる人、そうなりたいと思っている人とは、ぜひ一緒に働きたいですね。
ビザスクは1年前にコールマンを買収し、世界7拠点のグローバルな体制になりました。社員は500人を超えています。自分の力を試してみたい方、グローバルな仕事にチャレンジしてみたい方を大歓迎します。
一方で、ビザスクは日本で始めた会社として、多くの日本企業やビジネスパーソンと向き合って仕事をしています。国内で企業の課題に貢献したい、働き方の多様化に貢献したいという方もお待ちしています。
志村さん
現在のビザスクは規模が拡大したフェーズのベンチャー企業です。そのため、成長できるポイントがたくさんあります。私も新卒入社4年目の若手ですが、いろんなことに挑戦してみたい、チャレンジングな環境で働きたいという同世代の人にもオススメしたい企業だと思います。
自分の事業部や仕事だけではなく、社内全体を見て積極的に意見を言うメンバーがもっと増えれば、ディスカッションがより楽しくなるでしょう。新入社員であっても萎縮することなく、積極的にいろんなメンバーとコミュニケーションを取り、事業を大きくしていきたいと考える人に入社してほしいですね。
編集部
本日はありがとうございました!
■取材協力
株式会社ビザスク:https://corp.visasq.co.jp/
採用ページ:https://corp.visasq.co.jp/recruit/jp