企業の取り組みや働く魅力を伝える、このインタビュー企画。今回は、リモートワークやワーケーションを積極的に取り入れている「株式会社ジョイゾー」を取材しました。採用や求人の際に重視している点も伺いながら、これからの時代の新しい働き方とは何か、そしてジョイゾーで働く魅力に迫ります。
株式会社ジョイゾーとは
2010年創業の株式会社ジョイゾーは、企業理念として「ENJOY YOUR WORLD」を掲げるIT企業です。kintoneを活用した、定額制の開発サービス『システム39』をはじめとし、多くの企業の課題解決にエンジニアリングでサポートする同社の魅力は、情報をオープンにしたコミュニケーションや、リモートワークなど多様な働き方を認める柔軟な企業カルチャーです。
会社名 | 株式会社ジョイゾー |
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住所 | 東京都江東区東陽4-10-4 東陽町SHビル 7階 |
事業内容 | ・サイボウズ製品のコンサルティング、システム開発 ・kintoneプラグインの開発、販売 ・kintone連携サービスの提供 ・伴走支援型教育サービス「J Camp」の提供 |
設立 | 2010年12月 |
公式ページ | https://www.joyzo.co.jp/ |
働き方や働く場所の多様化が進むなか、いち早くリモートワークやワーケーションに取り組み、社内に定着させてきた株式会社ジョイゾー。今回は、ジョイゾーの働き方に対する考え方や取り組みについて、広報担当の小渡さんと山本さんにお話を伺いました。
お客様も社員も“楽しみながら”企業の課題を解決する仕事
編集部
ジョイゾーさんのHPを拝見すると、「ENJOY YOUR WORLD」というビジョンを掲げていらっしゃいます。サイトの構成やデザインからもとても楽しそうな雰囲気が伝わってきますが、どのような事業を展開しているのでしょうか?
小渡さん
当社はkintone専業のSIerとして、システム開発をメインの事業として展開しています。一般的なシステム開発と少し違うのが、kintoneというクラウドサービスを使ったシステム開発をしている点です。
定額でシステム開発を行う『システム39』は、1回あたり2時間のお打ち合わせを3回するなかで、お客様から直接話を伺いながら、その場でシステムを作り、お渡しする対面型の開発が特色です。また、kintoneの機能を拡張するプラグイン開発をしたり、クラウド型のビジネスチャットサービスであるLINE WORKSとkintoneを連携させるチャットボット作成サービス『Joboco』を提供しています。
他にも、システム開発以外に、私たちのノウハウを活かした中小企業のDXを推進する教育サービス『J Camp』の提供も行っています。
システム開発は難しいというイメージを持たれがちで、そこがお客様のハードルになることが多いです。私たちがいることでそういった先入観をなくし、システム開発や業務改善が面白いものだとお客様に知っていただくことで、エンジニアリングを通して社会に新しい波を広げたいと考えています。
編集部
多くの企業様が活用されているkintoneを活用するシステム開発をメインとしていることもさることながら、対面型開発サービスというスタイルも新鮮です。誰もが知る大企業をはじめ、多くの企業が御社のサービスを活用されていることからも、御社の事業が時代のニーズに合っているのだと思いました。
バーチャルオフィスを導入。柔軟な働き方が可能
▲テレワークをするメンバーと、オフィス出社メンバーが集まり、打ち合わせ。オフィスに出社しなくてもコミュニケーションをこまめに取れる体制が整っている。
編集部
現在、バーチャルオフィスを導入されていると伺いました。導入に至った経緯を教えていただけますか?
小渡さん
当社は、テレワークという言葉が一般的になる前からコミュニケーションツールの一つとして、バーチャルオフィスを活用しています。テレワークを開始したのは2016年ごろのことで、先ほどもお話しした札幌に家庭があるエンジニアのために「遠方からも働けるようにしたいよね」という発想からバーチャルオフィスを導入しました。
『SpatialChat』や『Sococo』など、現在使っているバーチャルオフィス以外のサービスを使ったこともありました。会社の規模や用途に合わせて色々検証し、現段階では『oVice』が当社の使い方に合っているなということで、使わせていただいています。
バーチャルオフィスは基本的に全社員が活用できる環境を整備しています。仕事のちょっとした会話やミーティング、それ以外にも遠隔地で仕事をするメンバーと距離関係なく交流が図れるよう、雑談部屋も用意しています。
編集部
東京都の第3回「TOKYOテレワークアワード」で先進的なモデル事例として推進賞を受賞されるなど、働き方改革にも積極的に取り組んでいらっしゃいますね。出社スタイルも多様だと伺っていますが、実際はどのように働かれているのでしょうか?
小渡さん
出社形態としては、一人ひとりが自由に働きやすいスタイルを選べるようになっています。フルリモートで働く人もいれば、江東区東陽町のオフィスに出社する人もいますし、自分の都合に合わせて1週間のうち任意の日数だけオフィスに出社しているメンバーもいます。
フルリモートで働いているメンバーは、現在3名いますね。北海道札幌市在住のエンジニアの他、新潟県小千谷市、大分県大分市の3地域から勤務をしています。
編集部
ジョイゾーさんの採用サイトやnoteを拝見すると、「ワークライフバランス」という言葉がたくさん使われていました。時間や場所にこだわらないという御社の姿勢は、どのような考え方から生まれているのでしょうか?
小渡さん
先ほども少し話題にしましたが、ジョイゾーでは「ENJOY YOUR WORLD」を企業理念として掲げています。この言葉には、社員一人ひとりが人生を楽しんで欲しい、お客様とともに楽しさを追求していきたいという願いが込められています。
柔軟な働き方を可能にして、社員のワークとライフに“楽しい”エッセンスを取り入れることで、個々のパフォーマンスを最大化させたいというのは、すごく意識して取り組んでいます。
オンライン・オフラインを織り交ぜた情報共有
▲オフィスではオフラインのコミュニティイベント「スナックジョイゾー」を開催。過去にはバーチャルオフィスやビデオ会議ツールを用いたオンライン開催も実施していました。
編集部
リモートで勤務される方がいる環境において、普段はどのようにコミュニケーションを取っているのでしょうか?
小渡さん
基本的に会議に関しては、全てオンライン上でできるようにしています。全社員が集まり、毎月1回方針や近況を報告しあう全体会議ももちろんそうです。チームごとの定例ミーティングなどはZoomで行う場合もありますし、簡単な内容であればバーチャルオフィスのオープンスペースに集まって話をすることもあります。
また、オンラインで働く社員とオフィスに出社する社員の間で情報格差が起きないように、密にコミュニケーションが取れるよう気を配っています。
編集部
「バーチャルオフィスを使う」という目的が先で始まったことではなく、社員の方の働き方を考えた結果が現在の形というところに、ジョイゾーさんの現場ファーストな社風を感じます。
旅をしながら仕事ができる「ワーケーション拠点」を開設
▲ジョイゾーさんのメンバーのワーケーション風景
編集部
ジョイゾーさんの公式noteでは、北海道釧路市と新潟県長岡市にワーケーション拠点としてサテライトオフィスを設置されたと書かれています。ワーケーションは、どういった背景から導入されたのでしょうか?
小渡さん
ジョイゾーでは、2019年くらいからワーケーションに取り組みはじめています。元々は「仕事が忙しい時期でも、海外旅行ができたらいいな」という発想からのスタートでした。時差のある海外で、日中は自由に観光し、夜は日本のお客様とウェブ会議することもワーケーションなら可能ですよね。実際に、ハワイでワーケーションをするメンバーもいました。
ワーケーションをすることで、普段とは違った新鮮な環境で働いたり、その土地でしか得られない刺激を受けられます。家や職場では得られない、インスピレーションやアイデアが生まれるきっかけになれば、きっと仕事にも役立つはずだと思っています。
編集部
素晴らしい取り組みですね。会社としても北海道釧路市と新潟県長岡市の2拠点にサテライトオフィスを開設しています。なぜこの2拠点に設定されたのでしょうか?
小渡さん
きっかけは「もっと気軽にワーケーションができる環境を作りたい」という思いからでした。みんながワーケーションをより気軽にできるように、ということでサテライトオフィスの開設に至りました。
場所の選定に関しては、現在の2拠点は「社員に関係がある場所」という理由です。
北海道釧路市は、弊社の取締役が釧路出身で、社員含めて釧路市に行くことが多いことと、地域のイベントなどを開催する際の拠点としても使えるという狙いがありました。また、新潟県長岡市のサテライトオフィスは、同じ新潟県の長岡市と小千谷市で働く社員が自宅以外のオフィススペースとして使えるようにというきっかけです。
自宅でテレワークをしようとすると、家族がいてなかなか集中できないということもありますよね。そんなときに活用できる場所として、サテライトオフィスが機能してほしいと思っています。
■ワーケーションについて書かれたジョイゾーさんのnote記事はこちら!
https://note.com/joyzojp/n/n128cf9326c21
ワーケーション手当も支給。積極的に利用を促している
編集部
新潟県長岡市のサテライトオフィスは、例えば他の地域に暮らす社員の方も活用しているのでしょうか?
小渡さん
はい。研修の場所として使うこともありますし、ワーケーションで活用するメンバーもいます。長岡市は花火大会が全国的にも有名です。夏には、社員の有志メンバーが「長岡の花火を見に行こう」と集まりワーケーションをした例もあります。
編集部
ジョイゾーさんでは福利厚生の一環として、「ワーケーション手当」という制度も作られていることに驚きました。一体どんな手当なのか教えていただけますか?
小渡さん
ジョイゾーのワーケーション手当は、ワーケーションの際にお客様に関わることをすれば一律2万円を支給するという福利厚生手当です。適用ルールもあえてゆるく設定していて、「建設業を営むお客様が作った橋を渡るだけでもOK」というように、気軽に利用できるようになっています。
この手当があることで、社員が「それならワーケーションに行こうかな」というように背中を押すという意味合いが強いかもしれません。
編集部
ただ制度を設けるだけでなく、より活用しやすくするための工夫をしていらっしゃるんですね。
課題解決型のワーケーションも実施。地域との交流も
編集部
ワーケーションに関して、その他に工夫されている点はありますか?
小渡さん
グループでワーケーションをする際には、あえて業務チームとは関係ないメンバーで行くこともあるんです。普段仕事で一緒にならないメンバーとひとつの空間で過ごすことで気づきがあったり、同じ体験を共有することでチームワークが生まれたりすることもあります。
即物的にはワーケーションがすぐに何か仕事に生かされるということはないかもしれません。けれど、ワーケーションでメンバーが得た気づきや経験が、チームビルディングにも生かされていると感じています。
編集部
ただ「いろいろなところで働けますよ」ということだけでなく、研修やチームビルディングの意味合いも兼ねているというのは新鮮な視点です。社員の方からはどんな声が挙がっていますか?
山本さん
私は家族がいるため、ワーケーションに出かけるのには、なかなか家庭での理解を得るのが難しいなと感じていました。
研修型のワーケーションになれば、家族にも「仕事だから」といって出かけやすい。言い方は正しくないかもしれませんが、研修という名目がつくことでワーケーションのハードルがグッと下がると個人的に感じています。研修型のワーケーションに参加したことがきっかけで、昨年は宮崎県日向市と長岡市、釧路市と3回ほどワーケーションに行くことができました。
編集部
宮崎県日向市にはサテライトオフィスがないかと思うのですが、どんなきっかけで実施されたのでしょうか?
山本さん
ワーケーション協会の方から「こんな場所があるよ」とご紹介いただき、社内で募集をかけてワーケーションを実施しました。自治体発信のワーケーションは、地元の方との交流もありますし、地域問題やいろいろな考え方に触れられるという点で新たな発見がありました。
小渡さん
山本のように1年に2〜3回ワーケーションに行く社員もいますね。私も昨年は高知県津野町や新潟県長岡市に行きました。高知県津野町では、自治体の方がモニターツアーとして地元のお茶農家さんを案内してくださって、農場視察の後にビジネスモデルに対して参加者がそれぞれの知見を使ってフィードバックやディスカッションする機会がありました。
課題解決型のワーケーションは、新たな形だと思っています。ただ観光をするだけのワーケーションから、新しい価値を生み出せるような形に変わってきているなと感じています。
編集部
ワーケーションを社員研修の一環として取り入れることで、社員の皆さんが知見を広げたり、刺激を受ける機会となるのはとても良いですね!
採用のポイントは「自分の頭で考えて、自分の価値を持つことができるかどうか」
編集部
とても魅力的な環境が用意されているジョイゾーさんですが、「ぜひ働いてみたい!」と興味を持った人のためにお聞かせください。採用において、御社が求める人物像は何になるでしょうか?
小渡さん
まずはジョイゾーの「ENJOY YOUR WORLD」というビジョンに共感してもらえるかどうかという点を重視しています。テクノロジーやエンジニアリングについての面白さをどんどん広げていきたいと思える人は、きっと楽しく働けると思います。
編集部
お話を伺っていると、ジョイゾーさんの社風を大いに楽しめる人が向いているのかもしれないと感じてきました。
小渡さん
会社としては、仕事に取り組む姿勢以外に関しては、あまりこだわっていません。採用時には、「未経験だから入れません」「年齢が高いから入れません」といったような、足切り要件みたいなものはあまりないです。
それよりも、自分の頭で考えられて、自分なりの価値観をしっかり持てているかどうかということを重視しています。誰かにマネジメントされるのではなく、個人が自律することで、主体的に、自分ごととして仕事にコミットしていくというのをすごく意識しています。そういったことに抵抗がなかったり、前向きに取り組める方であれば、きっとジョイゾーでも楽しく仕事ができるのではないでしょうか。
求職者へのメッセージ
編集部
最後に、ジョイゾーさんに興味を持ってくださった方にメッセージをお願いします。
小渡さん
経営陣もよく話すことなのですが、ジョイゾーが目指しているのは「ジョイゾーで働かなくても、どこでも食べていける人を作る」ことです。
ここで働くことで、3年後、4年後に会社を辞めてしまったとしても、市場価値のある人材になれるというのは、「この会社で働いてよかった」ということにもつながると思っています。その上で、自分のスキルや市場価値のある方が「それでもジョイゾーで働きたい」と思ってくれる会社を作っていきたいですね。
編集部
ちなみに、お二人がジョイゾーで一番気に入っている社風やカルチャーなどがあれば教えてください。
小渡さん
チャンスがすごく多い点は、ジョイゾーの面白いところですね。例えば、社内だけでなく社外の方も参加できるイベントやコミュニティを作ろうとなったとき、「まずはやってみよう」と軽やかに走り出してしまうんです。
もちろん、運営に関しては社員に任されるわけですが、きちんとフィードバックもあり、学びや気づきの場も生まれています。また、ただ自由なだけでなく、何かを始める際には「なぜそれをするべきなのか」「目的は何か」とすごく質問されます。
費用対効果や、「そのことが会社の経営にどんな影響を及ぼすのか」といった高い視点から物事を捉えられて、やったことには責任を持って最後まで取り組ませてもらえる、そんな環境が用意されているのは面白いところですね。
山本さん
チャンスは仕事の内容にも及びます。私はもともとバックオフィスとして働いていましたが、色々なこと経験して、新しい事に挑戦したい!という思いを伝え”広報”という仕事についています。
今やっている仕事だけではなく、自分の考えや思いを伝える事で新しいことへのチャレンジ・チャンスをくれるのもジョイゾーらしさの象徴だと思います。
▲コミュニティイベント「スナックジョイゾー」など、社内の新しい取り組みにも、社員一人ひとりが積極的に関われるのがジョイゾーさんの魅力。
編集部
何かをチャレンジする機会だけでなく、その次に進むステップもあるという点はまさに理想的な環境ですね。
小渡さん
ジョイゾーはエンジニアがメインの会社になってくるので、新卒入社組は全員エンジニアとして入社します。とはいえ、一人一人能力にばらつきがあったり、得意な分野が異なるため、社内ではそれぞれの特性やバリューを見極めています。必要があれば、新しい部署を作ることもあるんですよ。
私が所属している広報も、1年くらい前にできたばかりの部署です。もともと会社的にも「広報チームがあったほうがいいよね」という企業の成長フェーズではあったのですが、全く新しいことを入社して数年足らずの社員に任せてもらえるというのはありがたいことだなと思います。
山本さん
もう一つ、コミュニケーションがオープンな点もジョイゾーの魅力です。まだ人数が少ない会社ですが、業務ごとにチームや部署が分かれていて、チャットなどテキストベースでコミュニケーションを取ることも多いのですが、個人間のやり取りから所属していないチームのやり取りまで全てオープンスペースで見られるようになっています。
風通しが良いだけでなく、「隣の人がどんな仕事をしているのか」「キャパシティはどのくらいありそうか」などが手に取るようにわかるからこそ、メンバーがお互いを理解し合いながら働ける環境があると感じています。
編集部
まさに、仕事も人生も楽しい世界を実現しようとしているジョイゾーさんの理念が、会社のカルチャーとして根付いているんですね!今回はお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
■取材協力
株式会社ジョイゾー:https://www.joyzo.co.jp/
採用ページ:https://www.joyzo.co.jp/recruit/