多様なバックグラウンドを持つ社員が活躍し、成長を続けている企業にインタビューする本企画。今回は、社内コミュニケーションを促進し、新規事業やイノベーション創出を支援するプラットフォームサービス「Beatrust」を展開しているBeatrust株式会社にお話を伺いました。
Beatrust株式会社が提供しているのは、社内コミュニケーションを活性化し、新規事業やイノベーション創出を支援するプラットフォーム「Beatrust」です。社員が自ら入力したプロフィールを一覧で閲覧できるほか、特定のスキルや経験を持つ人材を自由に検索したり、社内専用のQ&Aサイト機能を利用したりできるなど、「Beatrust」には社員間のコミュニケーションを促進する様々な仕組みが備わっています。
会社名 | Beatrust株式会社 |
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住所 | 東京都千代田区鍛冶町 2-7-15 AD 神田駅東口ビル 3F |
事業内容 | タレントコラボレーションプラットフォーム「Beatrust」の開発・提供 |
設立 | 2020年3月 |
公式ページ | https://corp.beatrust.com/ |
Beatrust株式会社の特徴は、多様なバックグラウンドを持つ社員が活躍している点です。創業から4年で「Beatrust」のユーザー数は3万人を超え、2022年度の売上は前年度比200%で成長しています。
同社の成長の背景や働き方について、Chief Vision Officer/HR Managerの渡部雄大さん、PRの八木さくらさんにお話を伺いました。
Beatrustが目指す日本企業のイノベーション:自社開発プラットフォームの可能性
▲「Beatrust」には社員間のコミュニケーションを促進する機能が備わっている
編集部
初めに、Beatrustさんが展開されているタレントコラボレーションプラットフォーム「Beatrust」の概要について伺わせてください。
八木さん
タレントコラボレーションプラットフォーム「Beatrust」は、一言でいうと社内コミュニケーションを促し、新規事業やイノベーション創出を後押しするプラットフォームです。
導入いただいた企業様の社員さんそれぞれが自己開示をして、互いを検索し合って、実際にコンタクトが取れる機能を備えています。コンセプトは「経験やスキルの可視化」「人と人とのマッチング」です。
現時点では「Beatrust People」「Beatrust Ask」「Beatrust Share」の3つを主な機能としてご提供しています。
「Beatrust People」は社員それぞれのスキルやパーソナリティーを自ら記載するプロフィールページです。社員のスキルが可視化されることで、必要なスキルを持つ社員を素早く見つけ出し、専門性が求められる業務の際にすぐに連絡を取ることができます。
「Beatrust Ask」は社内専用のQ&Aサイトです。業務で疑問が生じた際に、その分野に詳しい社員とマッチングし、専門知識を得ることができます。「Beatrust Share」は趣味や関心事項を投稿できる機能で、業務外でも共通の興味を通じてカジュアルな繋がりを生み出すことができます。
「Beatrust」はTeamsやSlackと連携可能で、社員のスキルや人となりを把握した上でストレスなくコミュニケーションが取れるよう設計しています。
編集部
「Beatrust」が生まれた背景についてもお教えください。
八木さん
弊社は、CEOの原(邦雄さん)と共同創業者の久米(雅人さん)によって2020年3月に立ち上げられました。2人ともさまざまな日本企業、外資系企業に勤務した経験を持ち、いずれもGoogleの出身です。
原は様々な方との対話から、イノベーションを起こすためには「オープンでフラットなカルチャー」「それを支えるデジタルプラットフォーム」この2つが必要だと考えるに至りました。
汎用性のあるデジタルプラットフォームを提供することで、日本企業のイノベーション創出やカルチャーの改革を後押しできるのではないかという考えが「Beatrust」の根幹になっております。
急成長の理由:ユーザー3万人突破の背景にある顧客視点のアプローチ
編集部
「Beatrust」は現在ユーザーが3万人を突破されているということですが、サービス提供からわずか4年でここまでユーザーを獲得できている理由は何でしょうか?
八木さん
「Beatrust」がユーザーを獲得できている要因としては、導入企業様の「社内のコミュニケーションを活性化させたい」「コミュニケーション活性化を新規事業に結び付けていきたい」という大きな目的に応えられている点が挙げられます。
「Beatrust」を導入される企業は、最終的には人材の成長と業績向上を目標としています。ただし、各企業の出発点は異なり、「社内コミュニケーションがうまく取れていないので、まずはコミュニケーションを活性化させたい」というニーズを持つユーザーもいます。
弊社としては、ユーザーの現在の状況に合わせて伴走していくことを心掛けています。
編集部
プロダクトの機能ももちろん支持されている理由の一つだと思いますが、ユーザーと目線を合わせていくというBeatrustさんの姿勢も強みとなっているのですね。
八木さん
はい、その通りです。「Beatrust」はコミュニケーション活性化を新規事業に結び付けていきたいという思いを持った企業様に導入いただいています。しかし、決して経営層に特化したツールというわけではありません。
実際に「Beatrust」を活用いただくのは現場で働く社員さんです。新規事業やイノベーションの源泉は現場にいる社員さんにあるため、社員さん一人では解決できないような業務課題を解決していきたいという現場目線でソリューションを提供しています。
編集部
社員さんがその企業のカルチャーを作るからこそ、社員さんの目線を大切にされているのですね。
Beatrustの200%成長を支える多様性:グローバル人材の活躍と英語コミュニケーション
編集部
多くのユーザーに支持されているBeatrustさんの成長状況と、その要因について教えていただけますか。
渡部さん
Beatrustの2022年度の売上は、前年度と比べて200%アップしました。成長の主な要因は人材にあると考えています。
弊社の社員構成は多様性に富んでおり、3分の1が外国籍です。また、若手だけでなく経験豊富なシニアクラスのメンバーも在籍しています。国籍や経験の異なる多様なメンバーが揃っており、真のダイバーシティを実現しています。
多様な価値観を持つ人材が活躍することで、この成長を実現できたのです。
編集部
外国籍の社員さんも多いとのことですが、社内で使用されている主な言語は何でしょうか?
渡部さん
Beatrustは2023年から、社内でのコミュニケーションについて基本的に英語を使用しています。創業期からグローバルで通用するスタートアップを目指していたため、この方針に基づいて英語に切り替えました。
全社会議は英語で行い、社内チャットでも英語と日本語を併記してやり取りしています。特にエンジニアチームでは3分の2以上が外国籍の社員のため、コミュニケーションはすべて英語で行っています。
編集部
英語への切り替えに対する社員さんの反応はいかがでしたか?
渡部さん
社員には事前に、将来的に社内のコミュニケーションを英語に切り替える方針を伝えていました。
Beatrustが取り組む課題はグローバル共通であり、グローバル展開を目指すという方針も社員は理解していました。実際に外国籍のメンバーが増えていくタイミングと合わせて、スムーズに切り替えることができたと思います。
編集部
英語が不得意な方へのサポート体制はどのようになっていますか?
渡部さん
Beatrustには、英語が不得意なメンバーも確かに在籍しています。実は、私もその一人です(笑)。そのため、私が中心となって短期集中型の英会話習得プログラムを実施したこともあります。
英語への切り替え当初は、苦手な方が無理に英語で話そうとして意思疎通が難しかったり、ネイティブ話者の発言が理解できなかったりと、コミュニケーションに苦労する場面がありました。
最近は英語を基本としつつも、伝えるのが難しい場合は日本語を使用したり、英語が得意なメンバーがサポートしたりしています。以前よりも柔軟に対応できるようになり、社員の心理的負担も軽減されてきたと感じています。
編集部
英語でのコミュニケーションを原則としながらも、状況に応じて日本語も交えて柔軟にコミュニケーションを取られているのですね。
Beatrustの柔軟な働き方:ハイブリッド勤務と自由なカルチャーが生み出す価値
編集部
Beatrustさんはどんな勤務形態を採用されていらっしゃるのでしょうか?
渡部さん
Beatrustは出社とリモートワークを合わせたハイブリッド勤務制を採用しています。社員は関東を中心に居住していますが、神戸や大阪など関西に住んでいる者もいます。
基本的にはリモートワークで勤務していますが、スタートアップならではの変化の激しい環境に対応するため、対面でのコミュニケーションも重視しています。
毎週金曜日を出社推奨日としていますが、強制ではなく「来られる人はオフィスに来てね」という方針です。金曜日には全社会議やランチ、夜には意見交流会(TGIF)を開催しています。
(※)TGIF:「Thanks God It's Friday」の略語で、金曜日に感謝する欧米のカルチャー
弊社には30代後半で子育てと両立しながら働いているメンバーが多く、私自身も幼い子供を2人持つ父親です。また、趣味を楽しんでいる社員もいるため、ワークライフバランスの取れた環境だと言えるでしょう。
編集部
何かしらで強制されるということはない文化なのですね。八木さんは実際にどのような働き方をされていらっしゃいますでしょうか?
八木さん
私は都内に住んでいるためオフィスに出社しやすい環境にありますが、自宅で集中して作業を行いたい日はリモートワークで、金曜日を中心に対面コミュニケーションを重視したい時は出社するなど、状況に応じてバランスを取りながら働いています。
フラットな組織文化:インターン生の活躍と社員との協働がもたらす相乗効果
編集部
Beatrustさんではインターン生も受け入れられているということですが、どういった学生さんがインターンシップに参加されていて、どのような業務を担われているのでしょうか?
八木さん
Beatrustのインターンシップには主に大学2~3年生の学生さんが参加してくれています。ただ学年に縛りを設けておらず、フランクに募集していますね。
現在のインターン生には主にインサイドセールスを担当していただいています。具体的には、営業の最初の接点づくりを行ってもらっています。過去には広報や商品開発を担当するインターン生もいましたので、本人の得意なことやチャレンジしたいことに合わせて仕事をお任せしています。
編集部
インターン生を受け入れることでBeatrustさんが得られているメリットとしては何が挙げられるでしょうか?
八木さん
Beatrustはスタートアップですので、求めるポジションが日々変化します。そのような環境下でフットワーク軽く活躍してくれる学生さんがいるというのはありがたいですね。
一緒に働くなかで戦力になってくれる学生さんが多いですし、学生さんにとっても弊社が成長の場となれば良いなという思いがあります。
学生さんにとってもスタートアップというチャレンジあふれる環境で働けるというのは利点も多いのではないでしょうか。例えば、様々な業務を経験できることや、自分のアイデアを積極的に提案できる機会が多いことなどが挙げられます。
Beatrustはインターン生もメンバーの一人として接しています。意見をインターン生に求めることもありますし、社員とインターン生で垣根なくフラットなコミュニケーションが取れていると思います。例えば、インターン生も社内会議に参加し、自由に意見を述べることができます。
Beatrustが求める人材像:ビジョンへの共感とリスペクト精神を持つ仲間
▲「積極的にコミュニケーションをとるよう心がけている」と話す八木さん
編集部
最後に、Beatrustさんに興味を持っている方に向けてメッセージをお願いいたします。
渡部さん
Beatrustのビジョンは「誰もが最高の自分を実現できる世界をつくる。」、ミッションは「全ての出会いを最適化する。」です。このビジョンとミッションに共感する方と一緒に働きたいですね。一定の経験を持ちながらも他者をリスペクトし、尊重できる方の入社を歓迎します。
八木さん
渡部の言葉に加えて、若手目線でお話しさせていただきます。私はBeatrustの中でも若手ですが、他のメンバーから意見を求められることも多いです。一方で、様々な方にアドバイスを求めることもあります。そのため、積極的にコミュニケーションをとることを心がけています。このような姿勢を持つ方と一緒に働けることを楽しみにしています。
編集部
多様なバックグラウンドを持つ方が活躍しているBeatrustさんだからこそ、メンバー同士がリスペクトし合い、それぞれの強みを生かして活躍されているのだと感じました。本日はありがとうございました。
■取材協力
Beatrust株式会社:https://corp.beatrust.com/
採用ページ:https://corp.beatrust.com/careers