成長企業や新しい働き方を取り入れている企業を紹介していく企画。今回は、経営管理プラットフォームの開発・運営を行う「DIGGLE(ディグル)株式会社」をご紹介します。
DIGGLE株式会社とは?
DIGGLE株式会社は、組織の距離を縮め、企業の未来の質を上げる経営管理プラットフォーム「DIGGLE」を開発・運営する会社です。
企業においては昨今、契約や経費精算、帳票、給与・決済などの分野でSaaS(※1)ツールを導入するなどのデジタル改革が進んできました。しかし、「予実管理(※2)」は経営管理の肝であるにもかかわらず、他の業務に比べ、デジタル改革が遅れている現状があります。実際に同社の調査によると、予実管理において約9割の企業で、いまだに表計算ソフトや表計算アプリが使われていることがわかりました。
(※1)SaaS:事業者が提供するソフトウエアをインターネット経由で利用できるサービスのこと
(※2)予実管理:企業の予算と実績を管理すること
表計算ソフトを使った予実管理の場合、表計算ファイルが担当者から事業部責任者へ、さらに経営陣へとバケツリレーのようにわたる過程で情報が欠落したり、意思決定が遅くなったりすることで、経営判断に支障が出てしまうという課題があります。
その点、経営データの一元管理と社内コラボレーションをワンプラットフォーム上で可能にする「DIGGLE」を利用すると、各種情報をリアルタイムで共有でき、スピーディーで質の高い経営判断が可能となります。
会社名 | DIGGLE株式会社 |
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住所 | 東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟22階 SPROUND |
事業内容 | 予実管理クラウド”DIGGLE”の提供 |
設立 | 2016年6月9日 |
公式ページ | https://diggle.jp |
働き方 | リモート勤務可能 フレックスタイム制 |
DIGGLE株式会社は2016年の創業で、メンバーは現在41人(2023年5月時点)。プライベートと両立しやすい働き方をしながら、事業成長を実現しています。今回は、バックオフィス担当の冨田さん、カスタマーサクセスの荒瀬さん、採用担当の下村さんにお話を伺いました。
経営データを一元化する「DIGGLE」を提供
▲経営管理プラットフォーム「DIGGLE」は現場の社員も使いやすいUIが特徴
編集部
まずは事業概要や「DIGGLE」というサービスの特徴について教えていただけますか?
冨田さん
私たちは「DIGGLE」というSaaSプロダクトを開発・提供している会社です。プロダクトビジョンとして「組織の距離を縮め、企業の未来の質を上げる。」という言葉を掲げております。
「DIGGLE」の目的は、経営管理者にとっての単なる効率化ツールを提供することではなく、事業部も巻き込んだ経営管理体制を築くことで流通する情報の量、速さ、質を向上させ、経営の意思決定に貢献することです。
例えば施策単位で予算を管理できるため、事業部の方にとっては予算の立案や変更の報告がしやすく、管理者にとっては予算と実績の差異要因を瞬時に把握しやすいなど、社内のコラボレーションを促進する機能を実装しています。
編集部
各部署の担当者も、経営陣も同じプラットフォームを使うことで、経営情報の管理を一元化するのですね?
冨田さん
はい。例えば予算を策定するとき、表計算ファイルを各部署に配り、予算案や予算変更の予定などの情報を回収・集計することで全社のPL(損益計算書)を作成している会社が多いと思います。これらが、「DIGGLE」一本で管理可能になるという形です。
こうすると、現場の社員も入れやすいですし、集計を担当する経営企画などの部署の人にとっても、集計工数が不要になります。工数削減で生まれた時間を、予実差異の原因特定と分析など、より時間を割くべき仕事に使うことができます。
編集部
データの入力や集計を省力化することで、本来やるべき業務に集中できるということですね。
▲DIGGLEさんのプロダクトビジョン(同社採用ページより)
事業成長を支えるのは、CSによる顧客接点の強化
▲DIGGLEメンバーの仕事風景
編集部
御社の採用ページにある「DIGGLE紹介資料」内では、ユーザーである企業の一例や声が紹介されていました。「DIGGLE」を導入されるのは、どのような規模やフェーズの企業が多いのでしょうか?
冨田さん
フェーズとしては、予実管理を厳密に行う必要のある上場企業やその子会社、または上場を目指す企業に多数使ってもらっています。
規模や業態はさまざまですが、例えば、店舗別で収益管理を行う小売業・飲食業や物件単位での管理を行う不動産業、損益管理の単位が複数になりがちなコンテンツビジネス、複数の事業を展開されている会社などで、活用していただいています。
編集部
上場中または上場を控えている企業に幅広く使われているのですね。売上成長の要因はどこにあると分析されていますか?
冨田さん
カスタマーサクセス(CS)に力を入れていることです。弊社のカスタマーサクセスチームは、元経営企画担当者や監査法人出身者などをはじめ数値管理経験・専門知識のあるメンバーで構成されており、導入時から永年でお客様ごとにハイタッチ(※)な支援を行っています。
(※)ハイタッチ:カスタマーに対して専任担当者が1対1でフォローする手厚いサポートを指す。
2019年はカスタマーサクセス専任者は1名でしたが、現時点では10名を超える規模になっています。ここ数年のかなり大きな変化ですし、他社と比べても充実した体制だと思っています。
この背景には、2019年末にわれわれの顧客価値を改めて見直したタイミングで、「社員全員でカスタマーサクセスに取り組もう」と決めたことがあります。創業者であるCEO山本は営業出身、共同創業者のCTO水上は開発出身ですが、当時はそれぞれの得意分野をストップしてでも顧客に向き合うことを優先しました。
その結果、DIGGLEをより価値のあるプロダクトにすることができ、売上としても組織としても成長できたと考えています。
編集部
成長の起点になったのが、カスタマーサクセスの強化だったんですね。顧客に向き合うことで、どのような変化があったのでしょうか?
荒瀬さん
カスタマーサクセスのメンバーを増やしたことで、一人ひとりが担当するお客様に対して「やりたいことは何か?」「どのように使われているのか?」「課題に感じていることは何か?」としっかりと踏み込んでヒアリングできるようになりました。
その結果、開発にもより具体的なフィードバックができるようになりました。この積み重ねでプロダクトが成長できたと思っています。
社員数は直近2年間で2倍に。さらなる組織成長を目指す
▲DIGGLEさんでは社員数が直近2年間で2倍以上にに増えた(同社採用ページより)
編集部
DIGGLEさんではカスタマーサクセスを強化され、社員数も増えていかれたのではと思います。現在はどのような組織体制になっていますか?
冨田さん
社員数は2021年からの2年間で2倍以上に増え、現在41人となっています(2023年5月時点)。カスタマーサクセス(CS)が12名ともっとも多く、続いてセールス(営業)が8名、エンジニアが7名などとなっています。
編集部
事業拡大にあたり、これから様々なポジションが増えてくると思います。社内でキャリアチェンジも可能なのでしょうか?
冨田さん
はい。私は現在採用やバックオフィスを担当していますが、以前はカスタマーサクセスを担当していました。本人の希望と特性によって、新しいチャレンジをする機会もあります。
編集部
そうなのですね!組織体制や事業について、今後の展望を教えてください。
冨田さん
エンジニア、ビジネス、コーポレートの各部門でこれからの組織や事業を一緒に作るメンバーを増やし、2023年末までに約60名規模と、さらなる成長を目指します。
「DIGGLE」については、市場が伸びているフェーズですし、現在表計算ソフトを利用している企業を開拓することで拡大のポテンシャルも大きいです。引き続き「組織の距離を縮め、企業の未来の質を上げる。」というプロダクトビジョンの実現を目指して、事業もさらなる成長を目指していきます。
編集部
市場のポテンシャルも大きいということで、DIGGLEさんのこれからの拡大フェーズが想像できます。
▲DIGGLEさんの入居するシェアオフィス。事業拡大に向け、社員数を増やしていく
新メンバーは全員で歓迎し、惜しみなく助け合う
▲経営企画からカスタマーサクセスにキャリアチェンジした荒瀬杏奈さん
編集部
ここからは、DIGGLEさんでの働き方や若手の活躍についてお聞きしたいと思います。荒瀬さんは2021年の入社以来カスタマーサクセス職として活躍され、現在はリーダーとして後輩の育成も務めていらっしゃいます。ご自身の成長実感としてはいかがですか?
荒瀬さん
入社してからの2年間は、自分の社会人経験上、もっとも成長した期間だったなと感じています。
成長のきっかけの1つは、職種の変化です。私は前職では企業の経営企画として働いていましたので、いわば「DIGGLE」のエンドユーザー側でした。入社してからは逆に、「DIGGLE」のフロントとしてお客様対応をするようになりました。
初めての顧客対応は自分が想像していたよりも難しく、よく周りの人に相談し、たくさん助けてもらいました。日々試行錯誤し、考えながら行動することで、成長できたと思っています。
もう1つは、入社してすぐに大きな裁量を持って仕事ができたことです。まだ少人数チームだったこともあり、顧客をサクセスに導くためのプロセスを全員で試行錯誤しながら築いてきました。この経験があるからこそ、社内でナレッジを貯めることができました。
おかげで、現状、新しいメンバーが入ったときには、蓄積してきたナレッジをすぐに共有できています。
編集部
周囲の方に助けられて成長した荒瀬さんが、今、後輩の育成も務めていらっしゃるのですね。新メンバーの方に対してはどのようにサポートされていますか?
荒瀬さん
カスタマーサクセスチームでは新メンバーが入ってくると、チーム全員でウェルカムするようなオリエンテーションを行っています。新メンバーが誰か1人に付いていろいろ学ぶというスタイルではなく、1つ目のオリエンテーションはこの人から、2つ目のオリエンテーションはこの人からという感じで、全員とコミュニケーションを取りながら学ぶスタイルです。
編集部
チーム全員でオンボーディングをされるのですね。若手の方が活躍できる背景には、DIGGLEさんの社内に皆で育てよう、助けようという意識があるのでしょうか?
荒瀬さん
そうですね。DIGGLEには誰かが困っていたら惜しみなくヘルプする文化があると思います。Slack(ビジネスチャット)で「ちょっと困っている」と投稿すると、誰かが見て電話やチャットでサポートしてくれます。
また、社員に共通していると感じるのが、会社のバリューの1つにもなっている「自学成長」という姿勢です。みんな学ぶ意欲が高いので、個人や組織で成長できるのかなと思います。
編集部
互いに助け合い、自ら学ぶ姿勢があるのですね。そして、バリューにある「高速考動」を繰り返すことで、スピード成長されるのだと感じました。
▲DIGGLEさんが定める4つのバリュー。メンバーの行動・価値基準を示している(同社採用ページより)
個人の裁量に任せる働き方。休みも取りやすい
編集部
先ほど、荒瀬さんは入社当初から仕事に裁量を持てたと伺いました。働き方についても同様でしょうか?
荒瀬さん
はい。リモートワークができ、フレックスタイム制度も導入しており、働き方は個人個人の裁量に任されています。入社日に5日間の有給付与、モニターやキーボードなどPC備品の貸与といった福利厚生制度もあります。
編集部
荒瀬さんご自身も働きやすさを実感されていますか?
荒瀬さん
はい。実は私は入社前、まだ少人数のスタートアップだったこともあり、ワークライフバランスの面を不安に感じていましたが、入社してみると、その不安は本当に不要だったと思うくらいです。
カスタマーサクセスはお客様1社に対してメイン担当とサブ担当の2名体制を敷いており、カバー体制がしっかりしているので、急に体調不良でお休みすることになったり、プライベートの予定で有給をとりたかったりしても、お客様にご迷惑をおかけせずお休みもとりやすいです。
個人の予定と仕事の予定をうまく調整できる環境という意味で、本当に自由で、働きやすいです。
▲DIGGLEさんでは出社とリモートワークを併用している
CTOの育休取得に続き、男性育休2例目も
▲DIGGLEさんでは男女とも子育てと両立しやすい環境がある
編集部
社内には、子育てとの両立をされている方もいらっしゃいますか?
荒瀬さん
はい。弊社は「家族との時間も大事にしてもらいたい」と考えています。CTOの水上は2022年、1ヵ月間の育休を取得したんですよ。日本では育休を取ることに対して後ろめたい空気感が出がちだというニュースをよく見ますが、水上は社員にそういう空気を感じてほしくないと思ったそうです。
編集部
当時の社内の反応はいかがでしたか?
荒瀬さん
CTOが育休を取ることに対して、まったくネガティブなコメントはありませんでした。「ゆっくりはできないと思うけれど、家族の時間を大事にしてください」と、みんなポジティブに送り出していました。
また、開発チームのメンバーたちは、CTOが戻ってきたときに安心して不在の間の進捗を把握できるように、自分たちで考えて報告体制を作っていたそうです。水上自身が復職したときに、すごく感動したと聞きました。
編集部
メンバーの方が、水上さんのことを考えて行動されたのですね。経営陣が率先してワークライフバランスに向き合う姿勢を見せることで、社内に続きやすい雰囲気も生まれたのでしょうか?
荒瀬さん
そう思います。従業員のワークライフバランスにちゃんと向き合う会社だなということは、私自身、すごく感じます。男性育休でいうと、もう1名、来月から育休に入る20代後半の社員がいます。
編集部
続く例も生まれたのですね。メンバーご本人にとっても会社にとっても良い影響を与えてくれそうですね。
「短距離走」より「長距離走」を好むメンバーが集まっている
▲社内の雰囲気や働き方の魅力について語る下村さん
編集部
最後に採用についてお聞きします。DIGGLEさんにフィットするのはどのような方でしょうか?
下村さん
当社にフィットする方は、タイプとして大きく2つに分けられると思います。1つ目は、大手などの成熟したフェーズの企業で重要な役割を担ってこられた方です。
2つ目は、ベンチャー2周目にチャレンジしたいと思われている方です。年齢が上がるにつれ、ベンチャー企業やスタートアップで働くとなると、好みの組織文化が不思議と変わってくる傾向にあるのかなと思います。「行動量でカバーする」「昼夜問わず事業成長にコミットする」などといった考えから、少しずつ変化が出てくる人もいるのではないでしょうか。
しかし、当社はいい意味で成熟した人材が集まっており、落ち着いた人が多いことが特徴です。また、先ほど荒瀬が申し上げたように、仕事とそれ以外のバランスもとることができます。カルチャーを1つ言葉で表現すると、「短距離よりも長距離走を好むメンバーが集まっている」という考えではないでしょうか。
このような「スタートアップながら成熟した組織づくりができる」という点は、当社の魅力だなと思っています。
編集部
スタートアップならではの裁量やスピード感もありつつ、成熟した組織であるところが、DIGGLEさんの魅力なのですね。
落ち着いたメンバーが生み出す居心地の良さが魅力
▲DIGGLEメンバーの雰囲気について語る冨田さん
編集部
冨田さんからも、DIGGLEさんに興味を持った方にメッセージをいただけますか?
冨田さん
DIGGLEはメンバーが生み出す居心地の良さや、前向きなカルチャーが魅力です。メンバーは、経営企画や経理出身者が多いこともあり、かなり落ち着いた雰囲気です。そして、他者への敬意をしっかり持った人が集まってきていると感じます。
また、強化しているとお話しましたカスタマーサクセス職は、会計領域での専門性を磨きつつ、ビジネスサイドにピボットできるのが大きな魅力です。興味がある方は、ぜひ話を聞きに来ていただきたいと思います。
編集部
冨田さん、荒瀬さん、下村さん、本日はありがとうございました!
荒瀬さんのお話にあったCTO水上さんが育休を取得したお話は、下記記事から詳しく読むことができます。また、採用ページにはDIGGLEメンバーの一覧があり、さまざまなバックグラウンドを持ったメンバーの入社動機や人柄の一面を知ることができます。DIGGLEさんに興味を持った方は、ぜひご覧ください!
■関連ページはこちらから
CTO自ら育休取得の理由とは?(公式note)
DIGGLEメンバー紹介(採用ページ)
■取材協力
DIGGLE株式会社:https://diggle.jp/
採用ページ:https://diggle.jp/company/career/