ITに特化したプロが集うIPTech弁理士法人。そのビジョンと働き方を聞く

ITに特化したプロが集うIPTech弁理士法人。そのビジョンと働き方を聞く(求職者向け)

独自の専門性を生かしたビジネスを展開し、成長を続けている企業にインタビューする本企画。今回は、IT分野に特化した知的財産サービスを展開しているIPTech弁理士法人にお話を伺いました。

ITに特化した知的財産サービスを展開するIPTech弁理士法人

弁理士は、特許や商標などの知的財産を守るため活動する専門家です。特許事務所は全国に数多く存在しますが、そのなかでもIPTech弁理士法人はITの分野に特化したサービスを展開しています。

主な顧客としては、規模的にまだ知財部の機能を持てずにいるスタートアップ企業も多く、大手テック企業で働いていた経験を持つようなプロの弁理士がサポートすることで、会社全体のスピード感をより高めています。

法人名 IPTech弁理士法人
住所 東京都港区虎ノ門1丁目17-1 虎ノ門ヒルズビジネスタワー15F
事業内容 IT分野特化の知的財産サービス
設立 2018年
公式ページ https://iptech.jp/

IPTech弁理士法人の特徴は、IT系のスペシャリストが数多く在籍していることです。裁量権を持って業務を進めていける人材が、リモートワークの環境のなか自立して働いています。

今回は、同法人の成長した要因や働き方について、代表弁理士の安高史朗さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
IPTech弁理士法人の代表弁理士・公認会計士である安高史朗さん

IPTech弁理士法人
代表弁理士・公認会計士

安高 史朗さん

知財関連の環境が未整備のスタートアップをサポート

IPTech弁理士法人の特徴・強みの解説
▲ITの分野に特化しているのがIPTech弁理士法人のストロングポイント

編集部

初めに、IPTech弁理士法人さんの事業内容について伺わせてください。

安高さん

IPTech弁理士法人は、企業の事業に関連した知的財産を守るためのサービスを展開しています。企業の開発チームが発明した新製品や新サービスに関するアイデアについて、特許出願の際の支援業務を手掛けるのが弁理士法人、あるいは特許事務所の主な仕事です。

また、私たちは特許出願支援業務だけでなく、新サービスの開発段階から関わっていくこともあります。

開発テーマの選定や、競争戦略の策定、商品のデザインやネーミングといった部分から、どのようにサービスを権利化していくかというところまで、つまりサービス開発の入口から出口まで携わることもあるのです。

編集部

弁理士さんと聞いてイメージするのは、最初におっしゃった特許出願に関する業務でしたが、企業の成長に関する根幹部分から携わっているのですね。IPTech弁理士法人さんの特色として挙げられることは何でしょうか?

安高さん

当事務所の特徴は、IT分野に特化して知的財産サービスを提供している点です。特に、スタートアップに注力してサービスを展開しています。

一般的な弁理士法人はオールラウンドな技術分野に知的財産サービスを展開していますが、IT分野に集中し、スタートアップを主な顧客としてサービスを展開している例は少ないのではないかと思います。

編集部

やはりスタートアップですと、知的財産周辺に関して未整備であることが多いのでしょうか?

安高さん

知財専属の社員の採用は、上場前のスタートアップではなかなかされませんので、知財の対応は不十分であることが多いです。

ただ、本来であれば知的財産はプロダクト開発の初期フェーズからケアしていくべきものです。スタートアップは新しいビジネスモデルを主力にして事業を展開していくケースが多いので、特許と非常に相性が良いといえるでしょう。

スタートアップが大企業と戦っていく場合、資金力勝負となったら、やはり勝つことは難しい。事業を独占して参入障壁を作るアプローチとして、特許取得は有効です。

そういった背景もあり、IPTech弁理士法人は知財人材がいないスタートアップを支援するという独自の立場でサービスを展開できています。

編集部

スタートアップが生き残っていくために必要なサービスを展開できているのですね。

成長要因はIT業界の知財に関するノウハウを持っていること

IPTech弁理士法人の経営陣
▲左から所長の安高さん、副所長兼COOの湯浅さん、副所長兼CSOの佐竹さん。いずれも大手IT企業での経験を持っている

編集部

IT分野に特化して、スタートアップ向けにサービスを展開しようと考えた背景は何でしょうか?

安高さん

私はもともとヤフーに所属しておりました。もともと広くIT領域が好きでしたし、この業界に携わるなかで今後一番伸びていく産業だと感じたのが、IT分野に特化した弁理士法人を作ろうとしたきっかけの一つですね。

また私自身、独立前は大企業向けの仕事を手掛けていました。ただ、独立する少し前からスタートアップという存在が世間に認知されていくなかで、当時はスタートアップの知財分野で支援を手掛けている専門家が少なかったのです。

自分が好きな分野なので気合を入れて働けると感じましたし、市場的にチャンスもあるだろうと思ったのが、現在の事業につながっています。

幸いなことに、読み通りIT業界は成長を続けていますので、それに伴って私たちも成長できています。

編集部

成長している業界でサービスを展開できていることは一つの要因として挙げられると思いますが、それ以外でIPTech弁理士法人さんが成長できている理由として挙げられるものは何でしょうか?

安高さん

IPTech弁理士法人の成長要因は、やはり人にあると思います。コアメンバーについてお話しすると、私が独立して2年経ったころに、副所長の湯浅(竜さん)がジョインしてくれてIPTech弁理士法人を開業しました。

その後、もう一人の副所長である佐竹(星爾さん)が加わってくれましたが、私も含めコアメンバー3人は、全員IT系企業の知財部出身なのです。当事務所には実際に企業知財部を経験して得たノウハウがあるため、知財についてどうすれば良いかわからないスタートアップに、こちらから提案できます。

一般的に弁理士法人はクライアントの依頼通りに業務を行うことが求められるなかで、提案力があるというのが私たちの強みとして挙げられるでしょう。

コアメンバー、そしてクライアントにも恵まれているため、弁理士法人や特許事務所の業界内では比較的早いスピードで成長できていますね。

編集部

コアメンバー以外の人材もITに強みを持っているのでしょうか?

安高さん

IPTech弁理士法人には現在30名ほどのメンバーが在籍していますが、いずれもIT系・情報系の専門技術や知識を持っている人材ばかりです。副業で情報系の会社を経営しているメンバーもいるなど、ユニークな人材が多く在籍しています。

編集部

実際に業界で実務経験を持っているというのは、クライアントと伴走していく上で非常に大きいですね。

知財業界全体の啓蒙活動を進める、今後は海外展開も

編集部

今後事業をさらに成長させていくためには、スタートアップに知的財産について啓蒙を進めていくことが重要だと思いますが、その点IPTech弁理士法人さんではどのようにお考えでしょうか?

安高さん

おっしゃるとおり、当事務所はスタートアップ業界に対し知的財産の重要性を啓蒙する活動にも取り組んでいます。ただ、私たちとしては知財業界全体がもっとスタートアップの支援に関わっていくべきだと考えています。

IPTech弁理士法人が立ち上がったころ、知財業界全体としても「スタートアップ支援が重要なのではないか」という機運が生まれつつありました。社会的にも特許庁や政府を中心とし、スタートアップ支援を進めていこうという流れができていたのです。

そのタイミングで、私たちは特許庁のスタートアップ支援班と協力して、メンターの立場を務めさせていただきました。また、弁理士が集まる弁理士会でスタートアップ支援委員会の部会長を任せていただいたこともあります。

「知財業界全体が盛り上がれば良いな」という想いで、さまざまな取り組みを進めさせていただいております。

編集部

業界全体の成長を考えて活動されているのですね。業界の今後の展開についてお話しいただきましたが、IPTech弁理士法人としての今後の展望についてもお教えください。

安高さん

今後、メンバーを50名程度まで増やしていきたいと考えています。私たちのクライアントにはスタートアップだけでなく大企業もいらっしゃるのですが、大企業向けに満足していただけるサービスを展開するためには、それくらいの規模が欲しいですね。

スタートアップは、成長して大企業になっていきます。既存クライアントの変化に対応する意味でも、体制拡大に力を入れていきたいです。

また、既存クライアントが海外展開することもあるでしょう。私たちとしても、海外で事業を展開するための環境を作っていかなければならないと感じています。

私たちのビジョンは「IT分野における世界最高レベルの知財専門家チーム」です。世界最高レベルで質の高いサービスを提供できる専門家集団を作っていくことが中長期的な目標ですね。

編集部

今後もスタートアップと足並みを揃えながら成長していくということですね。

個人の裁量に任せたフルリモート、地方や海外在住のメンバーも

IPTech弁理士法人が拠点とする「CIC Tokyo」の共用エリア
▲拠点としている「CIC Tokyo」のフリースペース。東京だけでなく大阪・新神戸・沖縄のシェアオフィスも利用可

編集部

IPTech弁理士法人さんはリモートワークを採用しているとのことですが、現在の運用状況についてお聞かせください。

安高さん

当事務所ではフルリモートワークを採用しています。特に出社のルールは設けておらず、基本的には個人の裁量に任せていますね。オフィスはありますので、対面でのミーティングをクライアントが希望した場合や気分転換で出社するという形を取っています。

なお、現在の拠点はシェアオフィスで、CIC Tokyoという日本最大級のスタートアップ集積拠点となっているところです。

編集部

働く場所を問わないということで、地方で仕事をされているメンバーもいらっしゃるのでしょうか?

安高さん

IPTech弁理士法人には地方在住メンバーも在籍しています。東京にいたメンバーが地方に引っ越すケースもありますし、地方在住の方が応募されることもあります。名古屋や大阪、京都といった国内だけでなく、海外在住のメンバーもいますね。

朝礼や月に一度の定例会などメンバー間コミュニケーションを促す取り組み

IPTech弁理士法人のメンバー集合写真
▲フルリモートではあるが、ときには全国からメンバーが集まって交流を深めることも

編集部

フルリモートを採用されている組織が抱えがちな課題として、メンバー間のコミュニケーション不足が挙げられますが、IPTech弁理士法人さんではどのような対策を取られているでしょうか?

安高さん

基本的にオンラインで毎朝朝礼を行い、月に一度全体での定例会も開催しています。その時は、できるだけカメラをオンにしてメンバー同士で顔を合わせてもらうようにしていますね。

ビジネスチャットの運用では、やり取りを個人のダイレクトメールで行うのではなく、全員が見れるオープンスペースで行ってもらうようにしています。まだまだ課題はありますが、いろいろと試行錯誤しながら、円滑なコミュニケーションを取れるよう施策を進めていますね。

編集部

コミュニケーションの工夫があり、そんな環境でメンバーが自立して働けているのですね。フルリモートというのは採用においてもアピールポイントとなっているでしょうか?

安高さん

IPTech弁理士法人に応募する方は、フルリモートであるというのが応募の大きな動機であるというケースが多いです。

ほかの特許事務所さんもリモートワークを採用しているところはありますが、何かしらの制限があるケースが多いでしょう。地方に住みながら働きたいという方にとっては、当事務所は魅力的に映るのではないかなと思います。

成長や業務効率化への思いに応える「研究予算費用支給」

IPTech弁理士法人の「研究予算費用支給」の補助で整えた自宅PC環境
▲「研究予算費用支給」のサポートを受け、オフィスと同様の環境を自宅に整えるケースもある

編集部

IPTech弁理士法人さんにはどんな方がジョインされるのでしょうか?

安高さん

特許事務所のなかでIPTech弁理士法人は比較的新しい事務所ですし、変わった形でサービスを展開しています。当事務所に転職すること自体が一番の挑戦で、決して無難な選択ではないと思います。

なので、新しい組織でIT系のツールやシステムを使いながら、より合理的な環境で成長したいというマインドを持った方が応募されるイメージです。

編集部

素人目からすると法律に関連する事務所というのはルーティーンワークのイメージが強いのですが、IPTech弁理士法人さんはそんな環境ではないということですね?

安高さん

はい。一般的な法律関連の事務所とは雰囲気が違うと思います。この業界はまだ合理性がない部分も残っていると思いますが、そういった環境に課題を感じて入所する方もいらっしゃいますね。

その中で「もっとよくできる」という提案はメンバーから受けていますし、その提案を受け入れて日々改良を進めています。「旧態依然のものを変えたい」というのはIPTech弁理士法人に所属するメンバーが共通して持っている思いなのではないでしょうか。

編集部

大きな意欲を持って参画するメンバーが多いと思いますが、その成長を促すような施策は何かございますでしょうか?

安高さん

成長をサポートする制度として、「研究予算費用支給」という制度を設けています。これは上限10万円としたうえで、業務効率化やスキル向上に結び付くものを買った際の費用を補助するという制度です。

ディスプレイやキーボード、椅子、成長に結び付く資格の取得費など、成長や効率化に結び付くものならば何でも構いません。メンバーの業務効率化意欲や成長意欲に応えたいという想いから導入した制度になります。

編集部

メンバーの「新しいことにチャレンジしたい」というモチベーションに応えたいという、強い気持ちを感じました。

活躍するために必要なのは価値観やミッションへの共感

IPTech弁理士法人のミッション・ビジョン・バリュー
▲IPTech弁理士法人のMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)

編集部

最後に、IPTech弁理士法人さんに興味を持っている方に向けてメッセージをお願いいたします。

安高さん

IPTech弁理士法人で活躍するために一番大切なことは、私たちのカルチャーとフィットすることです。これまでの経歴や現状のスキルも大切なのですが、私たちの価値観やミッションに共感できるかどうかが重要になります。

私たちが掲げているバリューは「自分事で捉えること」「成長を続けること」「合理的であること」「多様性を大事にすること」「楽しむこと」の5つです。これらに共感する方はIPTech弁理士法人で楽しく働けますので、ぜひジョインいただければと思います。

編集部

世の中から不合理をなくしていくこと、自立心を持って成長していくことに楽しさを感じる方にとって魅力的な職場だと感じました。本日はありがとうございました。

■取材協力
IPTech弁理士法人:https://iptech.jp/
採用ページ:https://iptech.jp/recruitment