ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、独自のアップサイクル技術で自治体や企業の廃棄物問題に挑戦する環境テック企業「株式会社JOYCLE(ジョイクル)」にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。
設立からわずか1年半で10件の導入実績を持ち、2026年には東南アジア展開も視野に入れる急成長スタートアップである同社。「GNO(義理・人情・恩)」を重んじる組織文化や、リモートワークを活用した柔軟な働き方も特徴です。
今回は、株式会社JOYCLEの組織文化と環境ビジネスの可能性について、代表取締役の小柳裕太郎さんにお話を聞かせていただきました。
自治体から大企業まで10件の導入実績!急成長するアップサイクル事業の全容
▲株式会社JOYCLEはごみを資源に変え、アップサイクルが日常になる社会を目指している
編集部
ごみをアップサイクルし、持続可能な未来を提供しているJOYCLEですが、事業の背景にある環境問題についてお聞かせいただけますでしょうか。
小柳さん
近年の人口減少に伴い、ごみの焼却炉を維持できない自治体が増加しています。税収減少により、遠方の焼却炉まで運搬する必要が生じ、コスト増大や運転手不足といった問題が発生。さらに、財政破綻により焼却炉を閉鎖し、廃棄物を埋め立てるしかない自治体も出てきています。
これらの課題を解決するため、当社は「ごみを運ばず燃やさず、資源化できるインフラをソフト面とハード面両方で提供する」をビジョンに掲げ、小型で環境に優しい電動式のアップサイクル装置を開発しました。当社の小型アップサイクルプラントサービスは、データの可視化機能も備えた、新しい資源化の仕組みとなっています。
社名のJOYCLEには「資源と喜びが循環する社会を作る」という意味が込められており、これは、私たちのミッションそのものを表しています。
編集部
御社ではどのような案件を手がけているのでしょうか。
小柳さん
現在、候補案件を含めて10件ほどの案件があります。自治体への補助金を活用した装置の導入、産業廃棄物業者への納品、サッカースタジアムへの設置、老人保健施設へのオムツ処理装置の導入、沖縄市役所への設置など、全国各地でさまざまな案件が進行中です。
サッカースタジアムのプロジェクトでは、スタジアムで出る芝生の廃棄物をセラミック化し、水質浄化剤として活用する計画を検討しています。具体的には、スタジアムの雨水を貯めるタンクに使用し、スタジアム内で出た廃棄物を使ってスタジアムで使う水をきれいにする循環型のシステムを構築していきます。
シートを建材にしたり、水質浄化剤、土壌改良材として利用したり、樹脂やコンクリートに混ぜてカーボンニュートラル剤として活用することも期待できます。
編集部
全国を対象とした地域展開はどのようにお考えですか?
小柳さん
国内の地域展開は、特に北海道と沖縄に注力していく予定です。ただし、案件を選んでいる余裕がない状況なので、結果として全国展開になっています。例えば、石垣の産業廃棄物業者さんと実証実験を行うなど、さまざまな地域で事業を展開しています。
「挑戦」「スピード」「GNO」を掲げる組織文化
編集部
御社が大切にしているバリューについてお聞かせください。
小柳さん
バリューには「挑戦」「スピード」「GNO(義理・人情・恩)」を掲げています。特にGNOについては、スタートアップの成功には運も必要という考えから、人とのつながりを大切にしようという思いを込めています。
受けた恩に対して細やかな気遣いで返していくことを心がける当社は、GNOの具体例として、現メンバーは全員が起業経験があり、多くは前職のつながりや紹介を通じてジョインしています。
その1人である山地は、以前別のスタートアップで社長を務めていましたが、私が以前勤めていた広告代理店で投資担当として彼と接点を持った際に、互いの信頼関係が生まれ、それが縁となって当社にジョインしてくれました。このように、信頼できるメンバーが集まっている当社には義理・人情・恩を大切にする文化が根付いています。
少数精鋭の組織体制。企画・管理・事業開発・技術開発の4部門に分かれる
編集部
正社員メンバーは何名いらっしゃいますか?
小柳さん
正社員は現在、私1人です。他のメンバーについても徐々に正社員化していく予定ですが、お互いにとってのメリットを考慮しながら進めていきたいと考えています。現状では、必ずしも正社員化を急ぐ必要性を感じていないメンバーも多いですね。
進行中の案件を確実に進めていく必要がありますが、現状では私1人でのマネジメントでは対応が難しいのが実情です。しかし、投資企業の社長からご紹介いただいた産業廃棄物処理を手掛ける企業様など、「この会社を育ててやろう」という温かい目で見てくださる方々からのご紹介で、人脈が広がっています。
編集部
社内の役割はどのように分担していますか?
小柳さん
大きく分けて企画、管理、事業開発、技術開発の4つの部門があります。企画部門では財務戦略を、管理部門では人事総務経理を担当しています。事業開発部門では案件の獲得とデリバリーを行い、技術開発部門ではソフトとハードの両面の開発を行っています。また、大学との連携を通じてデータの可視化を行うなど、学術機関との連携も進めています。
編集部
営業職やプロジェクトマネージャーはどのような業務を担っているのでしょうか?
小柳さん
主に自治体、大企業、産業廃棄物業者を巻き込んでプロジェクトを立ち上げ、実行していくことが中心です。多くの場合、フィールドとなる自治体、装置を実際に使用する企業や産業廃棄物業者など、3者の関係性が生まれます。それぞれのステークホルダーにメリットが出るようにマネジメントしながら、案件を獲得し、育てていき、収益化していくことが主な仕事になります。
透明性重視!社員全員で作るスピーディーな組織
▲上下関係が全くなく、フラットな組織を目指すJOYCLEは、メンバーの交流も盛ん
編集部
採用ページを拝見すると、コミュニケーションを重視されているようですが、具体的にはどのような取り組みをされているのでしょうか。
小柳さん
コミュニケーションコストを下げるため、プライバシーに関わる内容以外はDMを禁止し、全員が会話を見ることができる環境を整えています。また、遠回しな表現を避け、ダイレクトなコミュニケーションを心がけています。
「これがよくない」「これはいつまでにやるのか」など、5W1Hを意識したシンプルで分かりやすい会話が飛び交っているのが当社の特徴です。仕事の実力以外の要素で評価が左右されることはないので、真摯に仕事に取り組みたい方には最適な環境だと考えています。上下関係は全くなく、フラットな組織を目指しています。
3拠点展開×フルリモート可!柔軟な働き方制度
編集部
ワークスタイルについても柔軟な運用をされていると伺っております。勤務形態はどのようになっているのでしょうか。
小柳さん
メンバーの居住地は茨城、山梨、宮崎などさまざまで、基本的にオンラインベースで業務を行っています。東京、愛知、沖縄にオフィススペースがあり、東京では虎ノ門や渋谷など複数の拠点を利用できます。
フルタイム勤務の場合は、可能な限り出社してもらえると望ましいと考えています。オンラインワークは必須ではありませんが、対面でのコミュニケーションの方が効率的だと感じています。そのため、できれば関東圏、特に東京のオフィスに通勤可能な方が望ましいですね。
2026年に向けた東南アジア展開!グローバルな活躍機会を提供
▲JOYCLEは、2026年にかけて東南アジアへの進出を検討中。さらなる発展を目指している
編集部
グローバル展開について伺います。現在、社内に外国籍のメンバーはいらっしゃいますか?
小柳さん
現在ビザ申請中のモンゴル人のメンバーが1名在籍しています。群馬大学の研究室で廃棄物データの収集研究の実績があり、日本語も堪能です。
今後は、ベトナムやインドネシア、フィリピンなどへの展開を検討しており、すぐにグローバル展開というわけではありませんが、将来的にグローバルに活躍したい方にもさまざまなフィールドを提供できると思います。事業の進展に応じて、現地での採用も十分あり得ると考えています。
編集部
具体的なグローバル戦略や今後の展開計画についてお聞かせください。
小柳さん
具体的な進出国はまだ確定していませんが、2025年中に国内での実績を積み、2025年後半から2026年にかけて東南アジアへの進出を検討しています。将来的には売上の大半を海外から得られる状態での上場を目指しています。
編集部
日本国内の自治体における課題解決と、海外展開の両立についてはどのようにお考えですか?
小柳さん
日本の人口減少問題をきっかけに開発した分散型・小型・可搬型のインフラは、まだ海外のスタートアップでは珍しい取り組みです。このソリューションを活かし、フィリピンやインドネシアのような離島の多い国や、アフリカなどごみ処理のラストワンマイル問題を抱える地域への展開も視野に入れる方針です。
起業ノウハウが学べるインターンシップ制度
編集部
次に、インターンシップ制度について伺います。どのような方がインターン生としてジョインされているのでしょうか。
小柳さん
これまでに数名のインターン生の受け入れ実績がある当社は、現在、1名が在籍しています。過去のインターン生のなかには、英語のピッチコンテストで当社のプロジェクトを発表し、優勝した方がいます。その後、大手企業やメガベンチャーに入社しました。
また、起業を志望する東大生が休学期間中にインターンとして参加し、スタートアップの実態を学んでいた例もあります。最近では京都芸術大学から1名受け入れましたが、基本的なコミュニケーションスキルに課題があり、今月で終了予定です。
このように、当社のインターンシップは期限を決めた明確な業務指示を行い、起業家として必要なスキルを伝えていくのが特徴です。成果に応じて業務委託費を増額する一方で、適性が合わない場合は率直にフィードバックし、本人のためにも早めの見極めを行っています。
編集部
インターンから正社員への登用制度はありますか?
小柳さん
当社の仕事にフィットして、一緒に働きたいという方がいれば大歓迎です。ただし、業務をかなり任せるかたちになるので、自律的に働けない方には少し厳しい環境かもしれません。
編集部
具体的にはどのような業務を担当するのでしょうか。
小柳さん
アクセラレーションプログラムや補助金の申請、商談での説明、ピッチイベントでのプレゼンテーション、ビッグサイトなどの展示会での出展対応など、幅広い業務を任せています。単純なテレアポ営業だけでなく、自ら考えて動く力が必要な仕事が中心です。
そのため、基本的に起業志望の方のみを募集しています。将来的に起業家教育にも携わりたいと考えているので、起業に関心のある方との相乗効果を期待しています。
JOYCLEで活躍できる人材:明確な意志や目標がある人
編集部
スキルに加え、御社が求める人物像やフィットする人材についてもお聞かせいただけますでしょうか。
小柳さん
創業から1年半という若い会社ですが、さまざまなプロジェクトをスピーディーに展開しており、そのダイナミックな環境で働く経験を得られることが当社の強みです。
このような文化が根づく当社は、明確な目標や意思を持った人にとって非常に良い環境です。逆に言えば、そこが中途半端な方にとっては厳しい環境かもしれません。
編集部
現在、募集している営業職とプロジェクトマネージャーのポジションでは、どのような経験やスキルを活かせますか?
小柳さん
ハードウェアエンジニアについては、製品設計や溶接などのものづくりの実務経験がある方に、その経験を存分に活かしていただけます。
また、プロジェクトマネージャーや営業、事業開発職については、単純な営業経験よりも、自らプロジェクトを立ち上げた経験のある方が望ましいと考えています。特に、スタートアップと大企業の両方での経験をお持ちの方だと、なお良いですね。
社会課題解決に挑戦したい方へ!代表が語るメッセージ
▲株式会社JOYCLE代表取締役の小柳裕太郎さん
編集部
それでは最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。
小柳さん
当社のバリューである「スピード」を重視し、社会課題に果敢に挑戦したい方、そして「GNO(義理人情恩)」を大切にしながら、多くの運を引き寄せたいと考える方をお待ちしています。
当社は、定性的・定量的を問わず実績を出すことにこだわりを持っている方、自身の実績を客観的に言語化でき、今後達成したい目標を具体的に語れる方と一緒に働きたいと考えています。
編集部
今後のグローバル展開と多様な人材を迎え入れることを想定し、柔軟なワークスタイルを実現しているJOYCLEなら、自らのスキルを存分に発揮しながら環境問題の解決に貢献することができると感じました。
本日はありがとうございました。
編集後記
この記事のまとめ
ミッション・事業特徴 |
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組織体制・カルチャー |
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働き方の特徴 |
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キャリア開発機会 |
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求める人物像 |
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株式会社JOYCLEの基本情報
住所 | 愛知県名古屋市中村区平池町4-60-12 グローバルゲート |
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事業内容 | ・小型アップサイクルプラントに特化したコンサルティング・データプラットフォームサービスの提供 |
設立 | 2023年3月 |
働き方 | ハイブリッド勤務(出社+リモートワーク) |
公式ページ | https://joycle.net/ |
採用ページ | https://joycle.net/#recruit |
募集職種 | ・営業PM |