啓明学園中学校高等学校の校舎

教員への転職なら私立「啓明学園中学校高等学校」!民間経験を活かせる充実の待遇制度

ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、啓明学園中学校高等学校にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同校で働く魅力をご紹介します。

帰国子女や海外生が多く在籍するグローバル校として知られる啓明学園中学校高等学校では、日本人教員の約3割が海外経験を持っています。また、専任教員の28%が教職以外のキャリアを持つなど、民間企業経験者の採用に積極的な学校としても知られています。

特に2023年、花王株式会社で海外のマーケティングや経営に関わってきた夏坂真澄氏が理事長に就任してからは、週5日制授業への移行、キャリアや実務負担を踏まえた新しい給与体系の導入など、教職員の働き方改革が進められています。

今回は、そんな夏坂理事長と英語科教諭の五十嵐先生に、同校で働く魅力や働き方改革の現状について伺いました。

本日お話を伺った方
学校法人啓明学園理事長の夏坂真澄さん

学校法人啓明学園
理事長

夏坂真澄 さん

啓明学園中学校高等学校英語科教諭の五十嵐多門先生

啓明学園中学校高等学校
英語科教諭

五十嵐多門 先生

民間企業出身のトップが進める「啓明学園中学校高等学校」の働き方改革

啓明学園の夏坂理事長と五十嵐先生
▲取材に対応いただいた夏坂理事長(左)と五十嵐先生(右)

編集部

夏坂理事長は民間企業でのご経験を活かし、様々な改革に着手されていると伺っています。特に教職員の働き方改革について、具体的な取り組みを教えていただけますか。

夏坂理事長

啓明学園中学校高等学校の最も大きな改革として、2025年度に週6日制から週5日制への移行を行うことが挙げられます。

これは生徒が学ぶ時間数をなるべく減らさずに、教職員の働き方を見直す重要な転換点となります。例えば週6日制では日曜祝日以外の教員の休日が異なるため、全員が集まる会議を遅い時間に始めるしかなく、会議が夜遅くまで及ぶなどの課題がありました。また生徒の学び方という点でも、週末をもっと自由に、そして有効に使うことができます。

さらに、スクールTOMASと連携した放課後・土曜日学習センターの導入など、外部リソースの活用も進めています。定型的な学習指導は外部の力を借りることで、教員はより創造的な探究学習や個別指導に注力できると考えています。

この改革を決定する際には、全教員との面談を実施しました。約8割の教員が、特に中学生の土曜授業に関して負担を感じているという意見がありました。また、生徒の塾通いの負担軽減も視野に入れており、学校内で学習を完結させ、帰宅してからは生徒が自分の興味関心に時間を充てられるような環境作りを目指しています。

編集部

給与体系などの改革も考えておられるのでしょうか。

夏坂理事長

従来の教員経験だけを重視した給与体系から、2025年4月より、民間企業での経験や専門性を適切に評価する新しい給与体系へと移行します。例えば、マネジメント経験や専門資格なども給与に反映され、前職でのキャリアを活かしながら、教育者として新たなステージで活躍できる仕組みを整えています。

例えば法人全体で見ると、担任手当については、特に拘束時間の長い小学校の担任の上げ幅を大きくするなど、仕事のボリュームに応じた適切な待遇を実現していく予定です。

コミュニケーションが良好で新任教師も働きやすい職場環境

啓明学園中学校高等学校の中高英語科の教員

編集部

働き方改革が進む中での、職場の雰囲気や教職員間のコミュニケーションについてお聞かせください。

夏坂理事長

最近実施したストレスチェックでは、「話しやすさ・自然体」の項目で偏差値65.4という高評価を得ました。これは、日常的に教科の枠を超えた情報共有が活発で、新任教師の提案も積極的に取り入れられる職場であることを示しています。働き方改革を進める中でも、この風通しの良さは変わらず、むしろ強化されていると感じています。

五十嵐先生

私は2018年に入職しましたが、以前勤務していた学校と比較しても、教員間の交流が活発な職場だと感じています。例えば教科準備室では、英語科の教員同士で気軽に会話を交わしたり、冗談を言い合ったりする雰囲気があり、非常に働きやすい環境です。

教職未経験者を歓迎!現職の約3割が未経験から転職

啓明学園中学校高等学校のエントランス

編集部

御校では民間企業経験者の採用に積極的と伺いましたが、実際にどのくらいの方が在籍されているのでしょうか。

夏坂理事長

現在、本校の日本人専任教員54名のうち15名(28%)が教職以外の職歴を持っています。これは公立学校の採用状況(※:小学校3%、中学校3.5%、高校6.3%)と比べてかなり高い比率です。
※参考:文部科学省「令和5年度(令和4年度実施)公立学校教員採用選考試験の実施状況について」

前職は実に様々で、IT企業での通販サイト運営、NHK、都庁、海外での音楽講師など、特定の業界に偏ることなく多様な経験を持つ人が在籍しています。

民間企業経験者の強み:チームワークと保護者対応

編集部

御校の教育現場で活かせる、民間企業での経験についてお聞かせください。

夏坂理事長

民間経験者の強みは主に二つあると考えています。一つ目は「チームで仕事をする習慣」です。教員の仕事は授業など個人で完結する部分が多いのですが、学校行事の運営や私立学校特有の広報活動などではチームワークが重要になります。民間企業の経験者は、そういった協働の場面で力を発揮してくれています。

二つ目は「保護者対応」です。子供への対応は、基本的には教員を続ける中で磨かれていくものですが、実は保護者対応が苦手な教員は少なくありません。私見ですが、民間経験者は大人への対応に慣れている分、保護者対応も比較的上手いと感じています。

新任教師へのサポートあり。私立校は意思決定のスピード感も魅力

啓明学園中学校高等学校の初等職員室

編集部

新任教師が直面する課題について、お聞かせいただけますか?

五十嵐先生

実は私もサラリーマンを経て、教師へ転職しました。これは転職者に限りませんが、大学での教職課程は主に授業に関する内容が中心で、保護者対応や事務作業といった実務については、実際に教員になってから学びます。こうした点が、新任教員にとっては特に大変な点だと感じます。

私の場合、英語科の主任の先生が、入職当初から悩みを丁寧に聞いてくださり、授業準備や指導方法についても細かくアドバイスをくださいました。このように相談しやすい環境が整っていることは、新任教員にとって大きな支えとなっています。

夏坂理事長

よく教職は「ブラック職場」と言われたりしますが、実際に経験してみて、そのイメージは違うと感じています。特に私立学校の場合、学校内で決定できますので、意思決定が比較的迅速で、かつ教員の意見を反映することもできます。

採用では自ら学ぶ意欲を重視!自己研鑽が授業の質の向上につながる

啓明学園中学校高等学校の五十嵐先生の授業風景

編集部

御校が教職員を採用されるうえで、重視される点についてお聞かせください。

夏坂理事長

最も重要なのは「自ら学ぶ意欲」です。企業では新入社員研修や先輩社員によるケアなど、手厚いサポート体制がありますが、教員はとにかく授業を一人で担当する個人事業主的な側面があります。そのため、自己研鑽に対する強い意志がなければ務まらない職種だと考えています。

五十嵐先生

私も同感です。企業では上司や先輩、同期との協働が基本ですが、教員は授業において一人で完結する部分が大きい仕事です。経験年数に関係なく「先生」として生徒の前に立つ以上、継続的な自己研鑽と強い責任感が欠かせません。

ただ、その分やりがいも大きいです。例えば私の場合、英語の授業準備のために調べ物をする中で自身の語学力も向上しています。このように、教員という仕事は自己研鑽が直接的に授業の質向上につながるという面白さがあります。

また、教員は多様な経験を活かせる場でもあります。私の場合、カナダ留学中に動物保護のボランティアをしたり、週末にDJとして活動したりした経験も、生徒たちとの関係づくりに活きています。

啓明学園中学校高等学校のグローバルな教育環境

啓明学園中学校高等学校の英語の授業風景

編集部

御校における教職員・生徒の国際性について、現状をお聞かせください。

夏坂理事長

本校では現在、専任教諭3名、講師8名の外国籍教員が在籍しています。また生徒の3~4割が帰国子女や国際的なバックグラウンドを持っているのですが、特筆すべきは日本人教員の約3割が帰国生または留学等、海外での経験があるということです。

例えば大坪校長はシンガポールでの勤務経験があり、私自身もアメリカへの留学経験とドイツでの勤務経験があります。パラグアイで青年海外協力隊として活動していた教員など、多様なバックグラウンドを持つ教員が在籍していることは、グローバルな視点での教育を実現する上で大きな強みとなっています。

このように本校は生徒も教員もグローバルな環境なのですが、本校では国際生と一般生が一緒に学ぶ「混入方式」と呼ばれるクラス編成にしています。もちろん、生徒の語学レベルはさまざまですので、例えば帰国生には帰国生向けの国語の授業JSL(Japanese as a Second language)、英語教育では習熟度別のクラス編成など、柔軟に対応しています。

編集部

このような多様な語学レベルの生徒に対応するために、教員にはどのようなスキルや心構えが求められますか?

五十嵐先生

教員達は、高い英語力を持つ生徒たちに対応するため、常に自己研鑽を重ねています。生徒の中には私も感心するほど高度な英語力を持つ者もおり、そういった生徒たちに対して適切な指導ができるよう、授業準備には特に力を入れています。その中で自身も常に成長できる環境があり、大きなやりがいにつながっています。

啓明学園中学校高等学校から転職希望者へのメッセージ

啓明学園の夏坂理事長と五十嵐先生

編集部

最後に、特に民間企業から御校への転職を考えている方々へ、メッセージをお願いいたします。

夏坂理事長

教員の最大の魅力は、自分の働きかけに対する反応や感謝を直接感じられることです。私は以前メーカーで働いていましたが、お客様からの感謝の手紙は年に数回程度でした。一方、教員は生徒や保護者から日々感謝される機会があり、また卒業生が訪ねてきてくれることもあります。生徒の成長を間近で見られることは、非常に大きなやりがいです。

民間企業での経験は、どのような経験でも教育現場で活かすことができます。それを正しく給与に反映するために、前職でのキャリアを適切に評価する仕組みも整えているところです。

また、教職の特徴的な点として、65歳以降も非常勤講師として活躍できる可能性が高いことが挙げられます。一般企業では定年後の仕事を見つけるのが難しい場合もありますが、教育現場では経験豊富な方々の需要が常にあると感じています。

五十嵐先生

教職にも確かに大変な面はありますが、それはどの職業にも共通することだと思います。特筆すべきは、「与えることの喜び」を日常的に感じられる職業だということです。

例えば、先ほど生徒から「大学に合格した」と電話があり、生徒、保護者、私の三者で喜びを分かち合いました。通常、仕事の喜びは「受け取ること」に対して感じることが多いと思いますが、教員は「与えること」に対して喜びを感じられる、とても素敵な職業だと実感しています。

新しい環境に飛び込むには、確かに勇気が必要です。そこで私はいつも生徒に「チャレンジしなさい」と伝えています。転職を迷っておられる方も、少しでも興味をお持ちであれば、ぜひ一歩を踏み出してみてください。

編集部

本日は御校で働くことの魅力や、働き方改革が進む職場のリアルな様子をお聞かせくださり、ありがとうございました。

編集後記

夏坂理事長、五十嵐先生ともに多様な経歴を持っておられ、特に五十嵐先生が海外で趣味のDJをされていたことには驚きました。同校は2025年度に「学び方改革」を予定しており、教職員の働き方も大きく変わるとのこと。「民間企業に勤めている方もぜひ応募してほしい」と熱く語ってくださいました。

この記事のまとめ

働き方改革の特徴
  • 週6日制から週5日制へ移行し、ワークライフバランスを改善
  • アフタースクール導入など外部リソースを活用し、教員の業務負担を軽減
  • 民間企業での経験や専門性を評価する新給与体系へ移行
  • マネジメント経験、専門資格、語学力なども給与に反映
職場環境・社風
  • ストレスチェックで「話しやすさ・自然体」の項目が偏差値65.4と高評価
  • 教科の枠を超えた情報共有が活発で、新任教師の提案も積極的に採用
キャリアバックグラウンド
  • 専任教員の28%が教職以外の職歴を持つ(公立学校平均の約5倍)
  • 日本人教員の約3割が海外経験を持つ
新任教師へのサポート体制
  • 新任教師への丁寧な指導体制あり
  • 授業準備や指導方法について細かいアドバイスを提供
  • 教科主任による個別サポート体制が充実
求める人物像
  • 自己研鑽に対する強い意欲を持つ人材を重視

啓明学園中学校高等学校の基本情報

住所 東京都昭島市拝島町5丁目11番15号
創立 1940年
公式ページ https://www.keimei.ac.jp/jsh/
採用ページ https://www.keimei.ac.jp/recruit/
募集職種 専任講師:社会科、数学科
※非常勤講師も募集中