
湯浅と申します。私は、上場企業などで人事業務を約8年経験、採用活動を通じて多くの転職支援サービスを使用してきました。そんな私ですが、転職する側としてミイダスに登録してみたことがあります。そのときの体験をもとに、転職支援サービスの専門家としてミイダスについて徹底解説します。
「新しい転職サービス『ミイダス』って本当に使える?」「AIによるマッチングって信用できるの?」
本記事は、そんな疑問や不安を抱えている方にぴったりの内容となっています。
採用する側と転職する側、双方の視点からミイダスを検証することで、このサービスの真の価値が見えてきました。
私の体験だけではなく、他の利用者の方々からの悪い評判・良い評判も掲載していますので、ぜひ利用の参考にしてください。
30秒でわかるミイダスの特徴
私は、様々な転職サービスと関わってきましたが、近年特に注目を集めているのがミイダスです。
2019年にパーソルグループから誕生した比較的新しいサービスなのですが、私が人事の立場で使い始めた当初から、その成長ぶりには目を見張るものがありました。現在では企業側の利用が約43万社、転職希望者は120万人を超えているそうです。
▼利用企業例
私自身、転職を考えた際にミイダスに登録してみたのですが、他の転職サービスとは一線を画す特徴に気づきました。特に印象的だったのが「市場価値診断」という機能です。
従来の転職サイトでは、自分の市場価値を把握するには、求人票の提示年収を何件も見比べるか、転職エージェントに相談するしかありませんでした。しかし、ミイダスでは登録時の情報をもとにAIが分析を行い、似たようなキャリアや経験を持つ人々の年収データと照らし合わせながら、自分の現在の市場価値を具体的な数字で示してくれます。
この仕組みは求職者と企業双方にとって非常に意味のある進化だと感じています。
ミイダスを使うべきじゃない人
- ハイキャリア転職やキャリアアップを希望している人(→JACリクルートメント)
- 手厚いサポートや詳細な転職先情報を求める人(→doda)
人事として採用活動を行ってきた経験から、ミイダスの特徴的な立ち位置が見えてきました。直接応募型のプラットフォームという性質上、どうしても求人の幅に制限があるんですね。実際に私も転職時に登録してみましたが、年収600万円以上の管理職ポジションや専門性の高いポストとなると、正直なところ物足足りなさを感じました。
以前、人事部で採用戦略を立てる際、ハイクラス人材の獲得には主にJACリクルートメントを活用していました。非公開求人の豊富さや、経験豊富なコンサルタントによる細やかなサポートは、まさにハイキャリア層向けだと実感しています。
また、ミイダスはAIマッチングの精度は確かに優れているものの、転職活動における実践的なサポートは限定的です。私の経験上、転職成功の決め手となるのは、書類作成や面接対策、そして条件交渉といった重要な場面での的確なアドバイスなんです。エージェントを通じた転職では、企業の社風や職場の雰囲気、配属部署の詳細な状況まで、非公開情報を含めた生の情報を得られるメリットがあります。
私自身、採用面接官として数多くの候補者と接してきましたが、dodaを通じて応募してきた方々は総じて面接の準備が行き届いていました。これはdodaのキャリアアドバイザーによる手厚いサポートの賜物だと感じています。実際、人事の立場でdodaと協業していた際も、候補者の状況や希望を詳しく把握した上での推薦が多く、採用側としても助かった記憶があります。
サービス名 | 転職サービスの種類 | 公開求人数 |
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エージェント型 | 45,000件 | |
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エージェント型・検索型 | 218,039件 | |
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ミイダスを使うべき人
- 自分の市場価値に興味がある人
- 人ではなくAIのことを信頼できる人
人事として働いていた時、社員からよく「自分の市場価値って、今の給与が適正なのかな?」という相談を受けることがありました。実は私自身も転職を考えた際、同じような悩みを抱えていたんです。そんな時に出会ったのがミイダスでした。
実際に登録してみると、私の職歴やスキルをAIが分析し、現在の市場価値を具体的な数値で示してくれたんです。人事として様々な給与査定に関わってきた経験から見ても、その分析は妥当な範囲のものでした。
これまで転職エージェントと仕事をする中で感じていたのは、担当者によって求人の提案内容や年収の見立てにばらつきがあるということです。ある担当者は控えめな年収を提示し、別の担当者は強気の提案をしてくる。その点、ミイダスは大量の求人データとAIを活用することで、より客観的な市場価値を示してくれます。
私自身の転職活動でも、感情的なセールストークや営業的な押し付けがないのは心地よく感じました。純粋にデータに基づくマッチングなので、冷静に自分のキャリアを見つめ直すことができたんです。
ミイダスは悪質・しつこい・ひどいというのは本当?
Googleでミイダスと入力すると、検索ワード候補に「悪質」「しつこい」「ひどい」といった不穏なワードが並びます。
人事業務を8年経験した私だからこそわかりますが、このキーワード、ほとんどが「企業側」からの不満の声だと言えます。
実際、私が人事で働いていたとき、軽い情報収集の気持ちで資料請求をしたのですが、そのあとは電話の雨嵐。ほぼ毎日電話がかかってきました。採用に緊急性はなかったので、ミイダスを使う気持ちはなかったため、「必要であればこちらからかける」と電話受付の社員に伝えたにも関わらず、です。
あまりにしつこいので、一度電話に出てみると、「データベースを無料で閲覧できるので」と言われて電話の指示どおりに作業すると、あとでわかったのですが、いつの間にかこちらの企業情報が公開になっていました。
他にも、ネット上で様々な悪い口コミを調べると、企業側の口コミのなんと多いことか・・・。43万社が登録しているとは言っても、このような怪しい手段で登録させているので水増しされているような感覚で捉えておくといいでしょう。
ただ、企業側から「悪質」「しつこい」「怪しい」と言われていても、求職者にとっては関係ないと言えば関係ありません。本記事に載っている求職者側からの口コミや評判を参考にしていただき、自分自身が使うべきかどうか判断をしていただければと思います。
ミイダスの悪い評判口コミ
ミイダスで気になる口コミとして気になるのは、診断結果が曖昧であったり、結果が正確ではないといった意見でした。
例えば、判定をするたびに市場価値の金額が変わってしまったり、結果が安定しないといった意見も上がっているようです。
悪い評判① 適正年収診断の結果が疑わしい

広告で見かける「ミイダス」市場価値がわかるとのことでやってみたが、全く自身に合っていない。あまりに高く出過ぎる。

適正年収だけ教えてもらっても、なぜその年収になったのか、自分のどの経験が市場価値が高いのかを知りたかった。ちゃんとした算出ロジックがあるなら、そのあたりも教えてもらえないと腑に落ちない部分がある。
他には、アプリを開くたびに、市場価値が10〜20万円変わってしまうとの口コミがありました。確かに、金額が変動するのは不安です。もしかすると、アプリのエラーやOSアップデートとの兼ね合いでこのようなバグが出ている可能性も否めません。
このような結果を避けるには、アプリをこまめにアップデートしたり更新を試してみることです。実際にアップデートをすることで、(ご自身の)市場価値が安定する可能性は大きいです。それでもエラーが消えなかったり頻発する場合には、アプリに記載された問い合わせ先にエラー内容について問い合わせてみてください。
診断結果がイマイチで信用できないのであれば、他のエージェントに登録して自身のcりです。以下におすすめの転職エージェントをまとめました。
悪い評判② 診断結果よりも低い年収のオファーばかり

市場価値がわかるというのが面白いと思ってやってみました。それなりの額だったので、そのときは嬉しかったです。でも、実際にオファーが来るのはそれよりも低い年収ばかりでした。これが現実(=本当の市場価値)ですから、診断はあてにならないです。

冷静に考えると、適正年収がわかったからと言って何の意味もないです。実際にその金額でオファーがあればいいですが、そんなのは来ません。騙された気分です。
ミイダスの市場価値診断は、スキルや経験から算出される「理論値」と捉えるのが適切です。一方、実際のオファーには、企業の予算や地域性、業界の相場など、様々な現実的な要因が加味されます。
過度に診断結果に期待を持つのではなく、これを起点として、より現実的な条件での転職活動を進めることが賢明です。
悪い評判③ 思ったような求人がない

ミイダスで面白いのは年収診断だけだと思います。実際に転職活動には使えないかと思います。良い求人はないので、年収診断で出た結果を一つの目標として、それを目指して転職エージェントで頑張って活動するのがいいと思います。

表示される求人に、興味が持てるものが少なかった。自分には合ってないような求人が多く表示された。AIでマッチングするというのが、どうも精度が低いのかなと思いました。
自分の適性に合った職場を見つけたいが、なかなか希望に合った職場の提案がないという口コミも一部に上がっていました。思ったような求人がこないという場合には、得意分野や職務経験をより詳しく伝えられるようにアプリの情報をこまめにアップデートしてみてください。
自らの情報やデータが、自分という人物像やイメージに近いものになれば、得られる情報もより精度の高いものとなり、希望に合った職場が見つかりやすくなります。専門性の高い仕事や特殊なジャンルについては、思い通りの結果が得られないこともありますが、常に新しい情報を更新しておくことで、より理想に近い情報や企業からのオファーが得られるようになります。
ミイダスの良い評判口コミ
ミイダスの良い評判は、SNS(Twitter)や個人ブログでも数多く上がっています。実際にどのような評価がネット上に出ているのか、ミイダスの口コミの一部を紹介します。
良い評判① 診断結果の精度が高い

ミイダスで診断したら法人営業、バイヤー、事業部長が適職と出てきて、旦那がオススメしてきた職業通りの結果になりました..!

自分の年収が、相場より低いと思っていたのですが、「かなり」低いことがわかりました。職種だけではなく、年齢も考慮してくれるので、これだけの経験年数があるのにやっぱり現年収は低いんだなあと実感させられました。
ミイダスの良い口コミですが、Twitterでは自分の適職がかなり高い精度で判定されたので「驚いた」という声が上がっていました。
実際に、ミイダスの「可能性診断」は、自分の性格や特性を正確に判定してくれると評判が高いです。自分に何が向いているのか分からない方、適正について客観的かつ的確な意見が欲しい方にミイダスおすすめです。
良い評判② 診断機能が充実している

仕事に対して思うところが多々あるのでミイダス試した結果、今の仕事のコンピテンシーの職務適正一番低くてやっぱりな、という気持ちに(笑)

あたたかさの欠如、ビジネスライクな付き合い方を求められることが苦手だという分析結果が出ました。まさに!という結果です。転職においては、その職場の風土を良く見て選んでいかなければならないなと思いました。
ネット上では、ミイダスの各種診断についても良い評価が多く上がっています。
実はミイダスのコンピテンシー(行動特性)診断では、年収や自分にふさわしい企業の数だけでなく、どのような上司や部下と相性が良いかといったアドバイスも自動判定できる仕組みです。ビジネスを行う上で、知っておきたい行動特性の部分まで、深く掘り下げて診断できるのは便利ですね。
良い評判③ 転職活動の第一歩目として使える

いきなり転職エージェントに登録するのは面談もあるしハードルが高いですが、転職熱がそこまで高まっていない人であればミイダスみたいな診断ツールからとりあえず始めてみるのは良いかと思います。私も最初はミイダスでした。そこからいろいろ考え始めて、最終的には転職エージェントで転職しました。

気軽に使えるというのが使って良かったところだと思います。パソコンを開く必要もないですし、スマホで簡単に登録できて診断も全部スマホでできます。転職するつもりのない人にもおすすめしたりしていました。
最初の口コミにあるように、ミイダスでの経験を踏まえて転職エージェントの利用に進むなど、転職活動全体の「入り口」として機能しているケースも少なくありません。自分のキャリアや市場価値について、まずは気軽に確認してみたい方にとって、ミイダスは効果的な「きっかけづくり」のツールとして活用できます。
スマートフォンだけで完結する操作性の良さは、忙しい社会人にとって大きなメリットとなっています。「すきま時間」で自己分析や市場価値の確認ができる点は、特に現職との両立を考える方に適しています。。
【体験談】37歳男性(事業企画)がミイダスを使ってみた感想

ここでは、実際にミイダスを使って転職活動をしたKさん(37歳男性)に、実際に使ってみた体験談を語ってもらいます。使って感じた違和感についても教えてくれました。
自分の市場価値がすぐにわかるのが面白そうだった
はじめまして。Kと申します。私がミイダスを利用したのは、確か電車広告を見て、面白そう!と思ったことがきっかけです。自分の適正年収が知れるということで、その場でミイダスのアプリをダウンロードして使ってみました。
私の場合、すでに経験社数が4社もあったので、情報の入力が結構面倒なのかなあと思ったのですが、社名を聞かれるのは直近の会社1社のみで、あとは経験のある職種とその年数を答えれば良いという簡単なものでした。私の場合、直近は事業企画でしたが、過去には営業や人事、資金調達も経験していたので、それも考慮に入れてくれるのはありがたいなあと思いました。
結果、私の現年収はボーナス込みで約600万円だったのですが、市場価値としては685万円と算出されました。私はちょっとひねくれているので、「現年収を入力する欄もあったから、現年収にちょい上乗せの金額が出るようになっているのでは?転職を促せるように。」と思ってしまいましたが、現年収より多く出てくるのは少し嬉しい気持ちです。
あともう一つ気になったのは、「マイページ」に現在の市場価値が出るようになっているのですが、コロコロこの数字が変わるんですね。一度違うページに遷移してまたマイページに戻ると、数秒のうちに市場価値が変わってるんです。これはバグなのか・・・?ちょっとわからないですが、なんか適当に数字出してるんじゃないだろうな?と疑いを持ってしまいました。
コンピテンシー診断をやってみたら悩みが深まった
さて、この診断を経ることで、自動的にミイダスに登録されることになるわけです。私の場合、すぐに転職をしたいという熱がめちゃくちゃ高いわけではなかったので、とりあえず他の診断もやってみよう!と思いました。MBTIみたいな、こういう診断ものは私は好きなので、食いついちゃうんですよね。
私の「仕事をしていく上でのあなたの特徴」はこんな感じでした。
チームにうまく溶け込めるタイプのようです。人と摩擦を起こさずに物事を処理することができるでしょう。他人との接触やコミュニケーションが得意で、人を助ける気持ちを持っていると思われます。
ストレスやプレッシャーに対して敏感に反応し、うまく対処するのがあまり得意でないかもしれません。感受性が高く、人から批判されると傷ついてしまうことがある一方で、感情を表面に出しやすく、それが他人に親しみやすさを与えるでしょう。
「ストレスやプレッシャーに対して敏感に反応し、うまく対処するのがあまり得意でないかもしれません」というのは痛いところを突かれた感があります。自分自身目をそむけていたところではありますが、実際今までもストレスで夜眠れなくなることもあったり、プレッシャーがあると自分本来の力が発揮できなかったりということがありました。こういう良くないところにもしっかりと目を向けさせてくれるのは良い機会だと思います。
一方で、じゃあそれを転職にどう活かすかって難しいところだなと思いました。ストレスフリーな会社ってどう選ぶの?って感じですよね。
コンピテンシー診断では、自分のストレス要因についても分析してくれているのですが、「ぬるま湯体質」に対して私はストレスを感じやすいという結果が出ました。結局「ストレスはありすぎると嫌だけど、なさすぎても嫌」という超わがまま人材であるということに気付かされました。こんな私にぴったり合う会社なんてあるんだろうか・・・、ちょっと誰かに相談したくなりました。
(数字が大きい方がストレスが大きい)
こういうとき、転職エージェントなら相談できるキャリアアドバイザーの方がいるのでいいですが、ミイダスは自分で転職活動を進めていくスタイルなので、私はここで一度思考停止してしまいました。
企業数は思ったよりも少なくてびっくり
2週間後、心にもやもやを抱えながらも、ミイダスで企業探しもやってみようかという気になりました。
約43万社の企業がミイダスを利用しているということなので、求人数が多くて探すのが大変そうだなあと思っていたのですが、「さがす」ボタンを押してみるとまさかの全10件!少な!と思わず声が出そうになりました。
自分にマッチしている企業だけをピックアップしてくれてるのかな?とも思ったのですが、検索条件に入れているのは「東京都・神奈川県」「事業企画」「年収600万円以上」のみ、それ以外のこだわり要素は何も含まれていません。しかも、「営業部長募集」「WEBマーケター」を募集と書かれていたり、自分の希望とはズレてる求人が2件も。ちょっとこれは信用ならないな、と思ってそっと画面を閉じました。
診断結果と絡めて求人票が表示されるのは面白い
検索結果は少なかったですが、それでも求人票を開いてみると、「特に評価されるコンピテンシー」や「上司との相性」という欄もあったりするのは面白いと思ったポイントです。
ストレスやプレッシャーに弱い私は、「上司との相性」は必見かもしれませんね。ただ上司って入社してからずーっと同じ人とは限らないのであくまで参考程度にしかならないですが。
そして、「相性判定」は「あなたの経歴との一致度」はEで「入社後の活躍予想」がAとは、一体何が起きたらこうなるんだ?という結果のものも。どこまで参考にしていいものかはわかりません。
スカウトメールは2週間でゼロ通。スカウト機能ってあるの?
そういえばミイダスにはスカウト機能があるはず、と思いアプリを再び開き探したのですが、どうやらスカウトは1通も来てないようでした。私が何か設定をミスったのでしょうか?それとも私の経歴がそこまで魅力的ではなかったのでしょうか?もしくは本当にミイダスをちゃんと使っている企業は少ないのでしょうか?
自分で検索しても5件しか出てこず、スカウトもゼロ通となると、ミイダスで転職活動をするのは難しいように感じました。結果として私はパーソル(doda)やJACリクルートメントを使って転職活動をすることにしました。一応結果だけ言っておくと、私の場合、dodaでスカウトをもらってその会社に入社を決めることとなりました。

Kさんの体験談をもとにすると、診断テストはそれなりに自分の役に立ったものの、肝心の求人とのマッチングがうまくいかなかったようです。検索結果が5件と出てしまったのは、ミイダスの仕様で、ピンポイントで合っている求人だけを選出しているというのもあります。実際には「もっと見る」ボタンを押せば、自分に合った求人がもっと出てきますよ。また、スカウトが来なかったのはプロフィール情報が薄かったからではないでしょうか。Kさんは診断に必要な情報のみを入力しており、その後にプロフィール情報の充実を怠っていたかと思われます。
転職に役立つミイダスの3種類の診断とは?怪しいという噂も
ミイダスが提供する診断には3種類の診断(「市場価値診断」「コンピテンシー診断(可能性診断)」「バイアス診断ゲーム(可能性診断)」)があります。
これらの診断はいずれも10分程度で完了し、結果は詳細なレポートとして提供されます。ただし、診断結果の精度については怪しいという声を含めて賛否両論あり、絶対的な指標として捉えるのではなく、転職活動における一つの判断材料として活用することをお勧めします。
市場価値診断
市場価値診断は、ミイダスの特徴的なサービスの一つです。この診断では、ユーザーの経歴やスキルに基づいて、現在の労働市場における価値を算出します。
200万人の年収データと7万人の転職実績を基に診断が行われ、自分に興味を持っている企業の数や、類似したプロフィールを持つユーザーの年収実績まで知ることができます。
これらの情報は転職活動の参考になる可能性がありますが、市場価値診断の結果については、参考程度に捉えることが重要です。不正確な結果が表示されることもあり、現在の年収の2倍近い市場価値が表示されるケースも報告されています。
コンピテンシー診断
コンピテンシー診断は、ユーザーの適性や強みを評価する診断です。この診断を通じて、自分が特に適性の高い職種を把握できるほか、マネジメント資質などの潜在的な能力を発見することができます。
また、自己理解を深めることで、今後のキャリア選択の参考にもなります。診断で得られた結果は、転職先を検討する際の判断材料として、また面接での自己アピールに活用できる可能性があります。
バイアス診断ゲーム
バイアス診断ゲームは、ユーザーの無意識の偏見や意思決定の傾向を明らかにする診断です。この診断を通じて、自分では普段気づきにくい「意思決定の癖」を発見することができ、より客観的な自己分析が可能になります。
また、この診断結果は、キャリア選択の方向性を考える際のヒントになるだけでなく、職場での行動改善にも活用できる可能性があります。このように、バイアス診断は自己理解を深め、より効果的なキャリア戦略を立てる上で有用な情報を提供してくれます。
ミイダスを利用するときの注意点
私自身がミイダスを利用してみて、いくつか気になった点があります。人事として転職支援サービスを活用してきた経験も踏まえながら、主な注意点を共有させていただきます。
注意点① 市場価値の計算法は曖昧な点も多い
私も最初は「おっ、こんなに市場価値があるのか」と期待に胸を膨らませたのですが、実際の求人市場と照らし合わせてみると、少し違和感がありました。人事として給与査定に関わってきた経験から言うと、特に独自のスキルや専門性を持つ方の場合、AIによる自動診断では実態を正確に反映できていない場合もあるようです。
私の場合は、ミイダスの診断結果を参考程度に捉え、実際の求人情報や転職エージェントからの情報も併せて判断することにしました。それぞれのサービスが持つ強みを活かすことで、より現実的な市場価値が見えてきたんです。
注意点② オファー求人の数が少ない
採用担当として様々な求人サイトを使ってきましたが、ミイダスは比較的新しいサービスということもあり、求人の絶対数はまだ既存の大手サービスには及ばないと感じました。特に、専門性の高いポジションになるほどその傾向が強くなります。
実は私も転職する際、ミイダス以外のサービスもいくつか併用していました。転職市場の相場観を掴むためにも、複数のサービスを利用することをお勧めします。採用側の経験からも、優秀な方ほど複数のサービスを上手く使い分けている印象があります。
注意点③ 希望条件と関係のないスカウトも多い
AIによるマッチングとはいえ、時々「なぜこの求人?」と首をかしげるようなスカウトを受けることがあります。人事として求人を出していた時も、意図した層とは異なる方々にスカウトが届いてしまうことがありました。
ただ、これはAIマッチングの特性上、ある程度は仕方のないことかもしれません。むしろ、思わぬ職種からのスカウトが新たなキャリアの可能性を開くこともあります。とはいえ、より精度の高いマッチングを求めるなら、やはり複数のサービスを併用することをお勧めします。
ミイダスを上手に活用するポイント
私自身の転職経験とミイダス活用の経験から、効果的な使い方をお伝えしたいと思います。人事として数多くの転職者と接してきた経験も交えながら、具体的なポイントをご紹介します。
ポイント① 登録前に自分のスキルを棚卸しておく
まず最も重要なのが、登録前の準備です。私もミイダスに登録した時、最初は「どんなスキルを書けばいいんだろう」と戸惑ってしまいました。人事として面接を行ってきた経験から言うと、自分のスキルを客観的に整理できている方は、転職活動全般でも上手くいく傾向にあります。
実際、私は登録前に自分の職務経歴書を見直し、これまでの実績や身につけたスキルを細かく書き出してみました。例えば、「採用計画の立案」「面接官の経験」「人事制度の改定」といった具合です。この準備のおかげで、ミイダスの登録時にも迷うことなく、より正確なプロフィールを作成することができました。
ポイント② 判定結果だけでなく、自分でも情報収集を積極的に行う
ミイダスの診断は精度が高く、自分の適性に合った職場や年収のモデルケースを教えてくれますが、やはり自動で出た結果だけでは不十分なケースもあります。特に専門性の高い分野やユーザーのサンプル数が少ない職種については、自分自身でも積極的に情報収集を行い、求職活動をする姿勢が必要になります。
私の場合は、ミイダスマガジンを定期的にチェックしつつ、業界専門誌や転職情報サイトのコラムなども積極的に活用していました。人事時代によく目にしていた業界動向の情報も、求職者として読むと、また違った発見がありました。例えば、競合他社の動きや新規事業の展開など、面接時の質問や条件交渉の際にも役立つ情報が得られました。
ポイント③ 他の転職エージェントの手続きも同時並行で進めていく
最後に強調したいのが、複数のサービスの活用です。採用担当として様々な転職サービスを使ってきた経験から言うと、各サービスにはそれぞれ得意分野があるんです。例えば、ある転職エージェントはベンチャー企業に強く、別のエージェントは大手企業の求人を多く抱えている、といった具合です。
実際、私も転職活動では、ミイダスを軸としながら、得意分野の異なる転職エージェントを2社ほど併用していました。その方が、より多角的な視点で自分のキャリアを考えることができますし、選択肢も広がります。
ミイダスを利用する流れ
ミイダスを利用するまでの流れは、大きく5つのステップで完結します。
STEP① プロフィールを入力する
はじめに性別、生年月日、住んでいる場所などを入力します。
STEP② 現在の仕事について入力
現在、どのような仕事についているのか、現在の在職状況業界、職種、会社名、社員数、どのような立場で仕事をしているのかガイダンスに沿って入力します。
この分を入力していくにつれて、右側の年収実績やスカウトの件数が変動するので、合わせて確認してください。
STEP③ 実務経験を入力
次に、これまでどのようなプロジェクトに携わったのか、経験や保有しているスキルなども合わせて登録していきます(例:プログラマーであれば、使用できる言語など)。
入力が進むにつれて、ふたたび右上のスカウト年収実績も変動するのが分かります。
STEP④ 得意な言語や保有している資格を入力
得意な言語(英語、その他の外国語など)を選択します。最後にこれまでに取得した資格などがあれば、記入をしてください
スキルの登録が一通り終わると、年収実績や面接が確定したスカウトの数も最終的に変わっているのが分かります。言語については、英語がネイティブレベルであったり、ビジネス英語が得意な方は年収に大きく反映されていきます。
STEP⑤ 登録完了
最後に画面下の「登録する」ボタンをクリックすれば、ミイダスへの登録は完了です。ここまでの登録で、以下のような診断結果が出ました
どのような企業が選考条件に該当しているのか、来ているオファーも早速チェックしてみましょう。
ミイダスの運営会社(ミイダス株式会社)
転職サービス「ミイダス」の運営母体は、国内に469拠点、海外に160以上の拠点を持つパーソルホールディングス株式会社です。
パーソルはもともと、人材派遣やアウトソーシング、キャリア支援、コンサルティングで有名な企業ですが、グループ会社であるミイダス株式会社は、アセスメント(客観的評価・分析)リクルーティングプラットフォームの企画開発を行っており、2019年4月よりミイダスのサービスをスタートしました。
以下、ミイダス株式会社の概要です。
会社名 | ミイダス株式会社 |
---|---|
設立 | 2019年4月1日 |
代表者 | 代表取締役社長 後藤 喜悦 |
資本金 | 2019年4月1日 |
所在地 | 本社 〒107-0062 東京都港区南青山1-15-5 パーソル南青山ビル6F |
支店 | 渋谷オフィス 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-20-9 寿パークビル8F |
事業内容 | 転職支援・採用支援サービス「ミイダス」の企画、開発、および運営 |
免許 | 有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-311262 |
URL | ミイダス株式会社(公式サイト) |
ミイダス株式会社は、転職支援だけで無く企業に優秀な人材を紹介する目的でミイダスのサービスを提供しています。
ミイダスと合わせて併用したい転職サービス
ミイダスの注意点や活用するコツで紹介しましたが、転職を成功させるにはミイダスと合わせて、複数の転職サービスやエージェントを同時並行して申し込むことが重要です。
ミイダスと合わせて人気が高い転職サービスやエージェントに、以下の3社があります。
- リクルートエージェント(株式会社リクルート)
- パソナキャリア(パソナグループ)
- doda デューダ(パーソナルキャリア株式会社)
各社の概要を簡単に紹介します。
リクルートエージェント(株式会社リクルート)
リクルートエージェント(株式会社リクルート)は、転職業界で最多クラスの求人案件数を誇るサービスです。求人数は業界最大級の約30万件に及びます(2023年3月23日時点)。
また対応地域も国内だけで無く、海外の事業所にも対応しており、グローバル採用や海外での就職を希望する方にもおすすめできます。
パソナキャリア(パソナグループ)
パソナキャリア(パソナグループ)は、転職希望者の年収アップに貢献する転職エージェントとして人気があります。
パソナキャリアの公開求人数は約44,000件以上(2024年11月時点)あり、その他にも非公開案件が多く、パソナキャリアに登録すると、一般に出ていない優良な転職先や企業が紹介してもらえるとあって、利用者の評価も高いです。
doda デューダ(パーソナルキャリア株式会社)
doda(デューダ)は、面接対策のサポートが手厚いと人気の転職サービスです。応募書類の添削から、履歴書作成、キャリア相談が充実しており、初めて転職するという方にとっても心強い存在です。
また、企業から直接オファーが届くサービスも人気で、書類や履歴書無しにすぐ面接に繋げてもらえるの便利です。
ミイダスで良くある質問
最後に、ミイダスを利用する上で「良くある質問」を紹介します。
【質問1】ミイダスの料金は無料ですか?
ミイダスは無料で利用できます。市場価値も無料判定でき、市場価値に見合った企業からオファーが受け取れるので便利です。
【質問2】ミイダスを使うことで会社にバレることはありますか?
ミイダスでは自分の名前は非公開となります。また、特定の企業に対して自分の情報を見えなくするブロック設定があるため、会社にバレずに使うことができます。
【質問3】ミイダスの年収は高すぎるという口コミがありますが…?
ミイダスは実際の年収よりも、推定値が高く表示されることがあります。これは、データが常にアップデートされていることが大きな原因ですが、登録者数が増えてデータに変動があると年収の数値にも影響があります。
より正確な年収を測定したい方は、他の転職サービスやエージェントと並行し、客観的な数値や平均値を自分で割り出すことで、よりリアルな適正年収を知ることができます。
【質問4】ミイダスは質の悪い求人が多いと聞きましたが
インターネット上の口コミや評判の中には「質の悪いオファーがきた」「派遣社員のオファーが届いた」といったレビューも出ていますが、ミイダスは取り扱う案件数が多いため、まれに自分の希望とマッチしないオファーが入ることがあるようです。
このような事態を避けるには、最初の登録でより正確なプロフィールを登録することと、スキルなどの棚卸しをして、登録情報が自分を表すプロフィールになるよう、正確なデータに近づけることが重要です。
【質問5】ミイダスのオファーにある「面接確約」とは何ですか?
スカウトが直接届き、書類選考なしで面接が確約している状態を指しています。ミイダスの売りとして、
時間をかけずにすぐ面接に直接繋いでもらえるという仕組みがあります。
登録時に履歴書や職務経歴書の提出が必要無く、その場でガイダンスに沿って必要次項を入力するだけなので登録も簡単に完結するので便利です。
【質問6】ミイダスの退会方法を教えてください
ブラウザから解約する場合は、ログインした状態でこちら(https://miidas.jp/withdrawal)にアクセスしてください。ここから退会手続きを進めていくことができます。
アプリから解約する場合は、「マイページ」から「ミイダスについて」をタップ。続いて「退会する」を選ぶことで退会手続きを進めていくことができます。
まとめ
ミイダスは、一般的な転職サービスやエージェントとは異なり、独自のツール「ミイダスアプリ」を使った、市場価値診断が特徴のサービスです。
まとめ|ミイダスの口コミと評判 |
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☑ 市場価値がアプリで診断できるので便利 |
☑ 履歴書などは必要ナシ質問事項に答えるだけで、自分の市場価値が分かる。 |
☑ 優良企業約43万社がミイダスを利用している |
☑ データが正確で精度が高いという口コミや評判 |
☑ 推定年収が変動することもあるが、登録者が増えていることが原因 |
このように話題の転職サービス「ミイダス」を利用することで、自分の市場価値を客観的に知って、自分の価値を求めてくれる優良企業からオファーを受けることができます。
ミイダスと合わせて、別の転職サービスやエージェントと同時並行で登録を行い、常に優良で自分にあう案件を逃さないよう情報収集をしていきましょう。