魅力的な事業やワークライフバランスについて、企業にインタビューする本企画。今回は「睡眠に関する悩みを解決したい」という思いから生まれた寝返りのしやすい「NELLマットレス」をはじめとする寝具ブランド「NELL」を企画・販売する「株式会社Morght(モート)」を取材しました。
人の暮らしに寄り添う新しいものづくりや、これまでになかった価値の創造を手掛けるMorghtが開発した「NELLマットレス」は、寝返りと寝心地に特化したマットレスで、公式サイトを通じた個人への販売だけでなく、宿泊施設への導入が進むなど販路を広げ、販売数を伸ばしています。
■「NELL」公式サイト
https://nell.life/
すでに「NELL」はアジア地域での展開をスタートしていますが、株式会社Morghtには「世界中の人々の1日をより良いものに」という思いがあります。同社は、世界の市場への進出を目指し、寝具だけにとどまらない、新たな商品企画やマーケティングにも取り組んでいます。
今回は、成長している事業の特徴やワークライフバランスをテーマに、執行役員CSOでいらっしゃる山口さん、HRを担当する太田さんにお話を聞かせていただきました。
1日1億円を売り上げた実績も。「NELL」の快進撃とともに会社も成長
編集部
最初に、急速に成長を続けるMorghtさんのこれまでの実績についてお聞かせください。
山口さん
2020年から販売を開始した主力製品の「NELLマットレス」は現在までに累計10万台を販売しました(2024年8月現在)。1日の売上が1億円を超える日もありました。
最近のトピックでいうと、2024年6月に販売を開始した「NELL」専用のボックスシーツは、おかげさまで販売初日に完売するサイズが続出するほど好評でした。
また、それに伴って組織として拡大しており、私が入社した2023年に9名だった社員は25名に増えていますね。
編集部
「NELL」が順調に売れている理由については、どのようにお考えでしょうか。
山口さん
一般のお客様が「NELL」をご購入くださるのは「120日間のトライアル」ができるということも大きいと思います。オンラインのみで販売しているため、購入の前に実物に寝転んでみることはできませんが、ご自宅で寝心地を確認いただけるんですよ。たっぷり120日間試していただいて、もしお客様に合わなければ返品してくださって構いません。
また、耐久性の面でも自信があるので、10年間の保証を付けています。
このような長い返品可能期間を設けていても、気に入ってお使いいただけることが多いので、しっかり売上を伸ばせています。ご購入くださった方が返品されないというのは、120日の間によく眠れるようになったり、体の不調が解消されたりという変化を実感していただいているのだと思います。
編集部
簡単に購入・返品できるのは素晴らしいと思うのですが、マットレスはかさばるのでそこは不便ではないでしょうか?
山口さん
その点もご安心ください。「NELLマットレス」は圧縮してコンパクトに丸めてお届けするので、開梱や設置がすごく簡単なんです。大きなマットレスだと業者の手助けが必要になるようなケースもあると思いますが、NELLに関しては取り扱いの点でも評価いただいていますね。
日本人にあった寝心地を実現することで高い評価を得る
編集部
購入者は、自宅で心置きなく寝心地を試せるわけですね。開発時には、いったいどのような寝心地を目指したのでしょうか。
山口さん
「NELL」は「ポケットコイル」を使うタイプのマットレスなのですが、他社製品と異なる点として、小さなコイルを1,000個以上使用していることが挙げられます。日本人の体格に合うように、硬すぎず柔らかすぎず、それでいて体圧分散もしっかりされる製品です。また、初期の頃には何パターンかの硬さで販売検証し、一番好まれる水準への調整も行いました。
寝具販売店の店頭に並ぶベッドに、試しに寝転んでみることがあると思います。そのときは「柔らかく包み込まれる感じがして良い」という意見が大半です。しかし、長時間使用していると「体が沈み込まないマットレスの方が、肩や腰が痛くなりづらい」という声が多く出てくるんですよ。
もちろん個人差はあるものの、長い目で見たときにご満足いただけるような製品になっているのではないかと思いますね。
編集部
愛用している方からの、声や評価は届いていますか。
山口さん
たくさん届いています。1,000件以上の口コミをいただいていて、その多くが満点の評価なんです。比較的安価な価格設定ながら、「高価な有名メーカーのマットレスよりよかった」と言っていただくことも多いですね。
実は、私も入社前から1人のユーザーだったんです。そのときからすごく気に入っていたので、偶然縁があってジョインすることになったときは驚きましたね。
太田さん
私も長年愛用していて、もはや「NELL」は自分の身体を支えてくれる当たり前の存在になっています。旅行等でホテルに2、3日宿泊すると、「NELLマットレス」が恋しくなったりします(笑)
インフルエンサーと密にコミュニケーション。ユーザーに寄り添ったPR活動を実施
編集部
「NELL」のマーケティングについてお聞かせいただけますか。
山口さん
SNSを使ったPRが、「NELL」の認知や売上を大きく伸ばしました。日本では主にインスタグラムを活用しています。幅広いインフルエンサーの方々と提携し、細やかにコミュニケーションを取りながらPR活動を行っています。
Morghtがが提携しているインフルエンサーのフォロワーの数は、合計で数千万人にものぼります。インフルエンサーの方々を介して効率的に情報を提供することで、短期間で多くの消費者に「NELL」を知っていただくことができました。
編集部
SNSのほかにもPRの手段はあるのでしょうか。
山口さん
一例として、ホテルで「NELL」を導入いただく前には、そのスタッフの方が寝泊まりする社員寮で試していただいていたりします。「寝心地がよかったら、導入してみてください」というアプローチです。実際に使用したスタッフの方々から、よい評価を得られて、ホテル客室への導入につながっています。
あわせてテレビCMの放映やイベントの開催、私たちが運営する睡眠メディア「WENELL」での情報発信も、PRに繋がっていると思います。
マットレスの市場はまだまだ開拓可能。世界を見据えて展開
編集部
Morghtさんは、今後どのように事業を展開されるのでしょうか。
山口さん
まずここから3年から5年で、既存事業をさらに伸ばしていきたいです。国内、海外で売上を拡大し、新商品の開発にも力を入れていきます。
実は、日本のマットレス市場は、世界の中ではたった5%ほどなんです。世界のマットレス市場は、半分がアメリカで、約20%が中国、そしてイギリス・日本・ドイツが5%程度です。そのため、国内だけを見るのではなく、世界を見据えてビジネスをしていきたいですね。
編集部
長期的な目標についてもお伺いできますか。
山口さん
やはりモノを売るだけでは、限界があるだろうと想像しています。最終的には、世界中の人々の健康寿命を延ばしていけるような、新しいアプローチをしていきたいと思っています。
睡眠の質を高められる「NELLマットレス」の販売も、人々の暮らしをよりよくするためのサービスのひとつですが、さらに広い視野で、人々のQOLを向上させるための商品開発や研究に、投資していきたいですね。
編集部
オンラインでの注文で、コンパクトなマットレスが配送され、設置も簡単にできるということですから「NELL」のマットレスは、世界中で使用可能ですね。アジアだけでない、様々な国々で使用される日が近そうですね。
Morghtの働き方と充実の福利厚生。100万円の出産祝金も!
▲社員に好評な制度や福利厚生を詳しく教えてくれた太田さん
編集部
Morghtさんのワークスタイルに関して、制度面などをお教えくださいますか。
太田さん
私たちは出社とリモートのハイブリッド勤務、フレックスタイム制を導入しています。柔軟性は非常に高いと思いますね。
弊社で活躍するメンバーは、様々な業種・業界で活躍してきた中途入社の人材が多いんですよ。それぞれのメンバーが、任された領域で意思決定ができるため、会社としても個人に裁量権を持たせています。
Morghtは、経験・知識が豊富な、各分野のプロが集まった少数精鋭の組織だと考えています。ですので、そのようなメンバーたちが最もパフォーマンスを出せる働き方をしてもらうために、自由に時間をコントロールできる方法を採用しています。
編集部
フレキシブルな働き方ができるのですね。ほかにも魅力的な制度はございますか。
太田さん
「短時間正社員」の制度を導入しています。これは2024年の5月に始まったもので、弊社にジョインした社員の中から「子育てしながら働きたい」という声があったため新設しました。
これはいわゆる時短勤務の制度とは異なり、週20時間から40時間のあいだで期間を限定せず働けるというものです。「週3日の設定で集中して勤務し、残り2日は子育てに専念する」ということもできて、とても仕事がやりやすいという声も聞いています。
「こういうふうに制度を変えた方がよいのではないか」と意見があれば、メンバー同士で議論し、翌月から新制度がスタートするようなこともあります。「よい」と意見が一致すれば、どんどん組織内の決まりも新しくしていけるのは、弊社ならではだと思います。
編集部
社員の声から生まれた制度によって、働きやすさがアップしているのですね。育児に関するサポートも手厚いのでしょうか。
太田さん
そうですね。産休や育休はもちろんですが、育児時短の利用時に給与を保証する制度があったり、出産時には祝金の100万円を支給していることからも、弊社の姿勢がおわかりいただけると思います。
また、ファミリーフレンドリー休暇というものもあります。子どもの行事に参加したり、家族を看護・介護したりするための休暇を、有給で取得できます。ちなみにMorghtでは、婚姻関係だけではなく、同性パートナーや内縁関係もファミリーの対象にしています。養子縁組、里親の子どもも含まれます。
制度設定や報酬面で社員に還元するからこそ、一緒に「ものづくり」を進めていける
編集部
働き方に関して、そのように充実した制度を整えているのはどんな理由があるのでしょうか。
太田さん
私たちの手がける「ものづくり」のサービスやプロダクトは、すごく長い戦いだと考えているんです。
SaaSなどの開発であれば比較的短期間でリリースし、アジャイルにサービスの改修を繰り返してビジネスを推進していると思いますが、ものづくりにおいては、企画・開発からマーケティング、販売、カスタマーサポートに至るまで、お客様の手に届いて価値を感じてもらうまで非常に長い時間を要します。
その長い道のりを一緒に歩んでいくためには、安心して勤務できる会社でなければいけない。だからこそ、家族との大事な時間を確保することなど、ワークライフバランスの向上を含め、社員の人生に寄り添う制度・福利厚生を整えているんです。
編集部
社員の生活を考えるという姿勢は、給与面にも反映されているのでしょうか。
太田さん
はい。Morghtでは業界平均よりかなり高い報酬制度を目指しており、実際に平均給与は1,000万円以上となっています。これが達成できているのも、まず業績が伸びていることに加え、少数精鋭の組織だからだと思います。
「出る杭を求む」Morght。アイデアや意見をバンバン出せる人材を歓迎!
▲NELLがヒットした理由や、欲しい人材について語ってくれた山口さん
編集部
Morghtさんが採用で重視しているのは、どのようなポイントでしょうか。
山口さん
先ほど話にも出ましたが、弊社は少数精鋭で一人ひとりのパワーが大きいので、どんどん前に出てきてくれる「出る杭」のような人材を採用したいと思っています。
相手が社長でも役員でも、言い負かすくらいに意見を発して、新しいことにチャレンジしてほしいです。
編集部
メンバーの皆様は、経営陣や上司ともフラットな関係なのですね。太田さんは採用ご担当として、どのような点を意識されていますか。
太田さん
少数精鋭だからこそ、チームワークを大切にできる方がいいなと思っています。新しく入ったメンバーが、社内で楽しく活躍してくれると、そこに関わる既存メンバーたちに相乗効果が生まれるんですよね。
編集部
ものづくりに関する経験がなくても、Morghtさんで活躍できるのでしょうか。
太田さん
現メンバーの中で、ものづくりの経験を持って中途入社したのは1名だけです。それ以外のメンバーは、広告代理店やコンサルティングファーム、ITベンチャー出身者などがいます。それぞれがプロとして培ってきた経験や視点を活かして「Morghtにしかできないものづくり」を実現しようとしています。
編集部
そうだったのですね。ものづくりの起点にもなる、社会を変えるアイデアやプロダクトへの思いを持った方々が、活躍されているのですね。これからMorghtさんが、どんな新しいサービスやプロダクトを手掛けていかれるのか、とてもワクワクします。本日はありがとうございました。
株式会社Morghtの基本情報
住所 | 東京都港区南青山3-1-34 3rd MINAMI AOYAMA 6F |
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事業内容 | D2C寝具ブランド「NELL」の企画・販売 |
設立 | 2018年5月23日 |
働き方 | ハイブリッド勤務(出社+リモートワーク) フレックスタイム制度(コアタイム12:00-16:00) |
公式ページ | https://morght.com/ |
採用ページ | https://herp.careers/v1/morght |