モビリティ業界を変革する株式会社スマートドライブの描くビジョンとエンジニアの活躍

ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、株式会社スマートドライブにインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。

株式会社スマートドライブは「移動の進化を後押しする」をビジョンに掲げ、GPSデータや加速度センサーデータ等のモビリティデータを活用した事業を展開しています。交通事故の削減や環境問題といった明確な社会貢献性のある事業に惹かれ、自動車業界未経験から多くの社員がジョインしています。

今回は同社の執行役員・人事責任者の永井さんに、エンジニアを中心とした働き方や企業文化についてお話を伺いました。

本日お話を伺った方
株式会社スマートドライブ執行役員・人事責任者の永井さん

株式会社スマートドライブ
執行役員・人事責任者

永井雄一郎 さん

データ活用により「移動の“負”を解消する」という理念を掲げる

株式会社スマートドライブ執行役員・人事責任者の永井さん
▲取材にご対応いただいた永井さん

編集部

まずは御社のミッションやビジョン、そこに込められた思いを教えてください。

永井さん

当社は「移動の進化を後押しする」というビジョン、「グローバルで最も利用されるモビリティデータプラットフォームになる」というミッションを掲げています。

人類の歴史は、古くは狩猟採集の時代から常に移動とともにありました。しかし現代社会においても移動には依然として多くの課題が存在しています。例えば、世界では年間100万人以上の方が交通事故で亡くなっており、渋滞による経済損失も百兆円を超える規模にのぼると指摘されています。

さらにはCO2排出による環境問題など、移動に関するさまざまな「負」があるのです。人類が生きていく上で発生する移動に伴うマイナスを我々の事業で解消していきたいというのが、当社の目標です。

編集部

そうした課題に対して、御社ではどのようなアプローチで取り組まれているのでしょうか。

永井さん

我々の思い描く「人類の移動のマイナスを解消するサービス」というのは壮大な目標であり、一足飛びにはたどり着けません。そのため、走行データを活用した運転傾向の分析と事故リスクの予測という当社の強みを活かし、まずは車の走行データを活用した法人向けの価値提供からはじめています。

具体的には営業や運送配送などの車両から得られるデータを総合的に分析し、営業効率の向上や事故削減、業務のデジタルトランスフォーメーション(デジタル化・自動化)など、企業の具体的な課題解決に寄与しています。

また、当社の思い描く目標実現に向けては、業界の各プレイヤーとの連携協力も欠かせません。例えば当社では事故リスクを推定するアルゴリズムの特許も保有しているため、保険会社などと協力して事故削減につながるようなサービスの開発なども行ったりしていますし、今後自動車メーカーに弊社の技術やデータ分析等を提供していくようなことも視野に入れています。

現在の事業スキームでノウハウを積み上げていきつつ、自動車メーカーやデベロッパーなどと連携し、将来のスマートシティへの取り組みやモビリティエコシステムの実現にも貢献していけたらと考えています。

10年間で組織も事業も着実に成長。市場ポテンシャルからさらなる飛躍も見据える

株式会社スマートドライブの会社外観
▲会社の成長に伴い、2021年に日比谷三井タワーにオフィスを移転。画像は窓から見える皇居周辺の景色

編集部

永井さんは3人目の社員として2015年にスマートドライブにジョインされたとのことですが、この約10年間の会社の成長をどのようにご覧になっていますか?

永井さん

この10年で会社としてもさまざまなフェーズを迎え、現在は社員が100名を超える組織体制となりました。会社としても挑戦を続けている一方で、スタートアップならではの急成長を遂げたというよりは、1歩ずつ着実に成長を重ねてきたという印象です。

その背景には、自動車業界ならではの特性があります。車はスマートフォンなどの他の商材に比べて、買い替えのサイクルも長くなっています。また自動運転の実現のような技術革新の一般普及には法整備も絡んでくることや、消費者や法人が実際にそれを購入して普段から利用するという状態に持っていくまでにかなりの期間を要するため、技術革新が日常要するために受け入れられて普及していくまでにも時間がかかるため、技術革新が日常市場にすぐに反映されるわけではありません。そのため業界全体で見ると急激な変化が起こりにくいのが実情です。

ただし、一度普及フェーズに入ってくると大きなインパクトが期待できる業界でもあります。社会インフラ自体が変わっていく大きな転換期において、当社の事業の成長の伸びしろも非常に大きいと感じています。

編集部

今後の会社の展望についてもお聞かせください。

永井さん

2028年までにグロース市場からプライム市場への市場変更を目指しており、そのベンチマークとして売上100億円、利益20億円以上を設定しています。その際には社員数も250名から300名程度、今の2.5倍から3倍の規模になる見込みです。

実際、当社と似た事業モデルを持つアメリカのSamsara(サムサラ)という企業は我々より1年早く上場を果たし、時価総額も日本円換算で1兆円を超えるなど、この業界や事業発展性のポテンシャルを示してくれています。我々も彼らとグローバルで勝負できる企業を目指して成長を続けていきたいと考えています。

当社では信託型ストックオプション制度も導入しており、会社の成長を社員に還元していくことができます。そういう意味で社員にとっても、会社の成長にやりがいを感じていただける環境が整っているといえるでしょう。

メンバーの多くはIT業界出身。社会貢献性の高いサービスに惹かれてジョイン

編集部

御社で働く人材についてもお聞きしたいのですが、中途でジョインしてくる方は自動車業界出身の方が多いのでしょうか?

永井さん

実はほとんどがIT業界からの転職者で、自動車メーカー出身者は一人もいないんです。社員の大半がモビリティの知識がない状態からスタートしていますが、業界経験がない中でも活躍してくれています。

編集部

業界経験がなくても多くの社員が活躍できているのはなぜなのでしょうか。

永井さん

当社の社員の多くが、年齢を問わず素直にアンラーン(※)する姿勢を持っているのが大きいです。社会人経験が長く前職で成果をあげている方であっても、新たに学び直す姿勢を持って他の人からのフィードバックを素直に真摯に受け止め、自身の成長の糧にしています。採用段階でも、そういう資質を持っているかどうかは重要視しているポイントです。
※アンラーン…自身の知識や思考の癖を捨てて新たに学び、インプットを充実させること

編集部

御社にジョインする理由として多いものは何ですか?

永井さん

家族や子どもを持つタイミングで「次世代の社会を良くしていくような社会貢献性の高い仕事をしたい」と考え、当社のビジョンや事業の意義に惹かれて入社する方が多くなっています。そのため当社の平均年齢は36歳程度と、スタートアップとしては比較的高めです。

編集部

御社で働く上での魅力というのも、まさにそういった社会貢献性の部分にあるのでしょうか。

永井さん

その通りです。当社が取り組むのは、交通事故死や渋滞、CO2の削減などの環境問題といった社会問題を改善するという絶対的な社会貢献性を持つ領域です。サービス自体に疑う余地のない社会的意義や価値があることは、当社で働く上での大きな魅力だと考えています。

多国籍チームで開発を進めるスマートドライブのエンジニアチーム

株式会社スマートドライブのコールミーティングでの集合写真
▲エンジニア全員が集まるコールミーティングの様子

編集部

組織の中で、エンジニアチームに関する特徴を教えてください。

永井さん

社内のエンジニアが約30名、外部の業務委託の方が10名弱で、合計約40名となっています。30代を中心に、最近では20代のエンジニアも増えてきつつあります。

国籍が非常に多様なのが特徴で、アメリカ、スペイン、フィンランド、インドネシア、フランス、台湾などがあり、人数比率として全体の約10%が外国籍のメンバーです。そのほとんどが日本語での流暢なやり取りが可能なため、基本的なコミュニケーションは日本語で行っています。

編集部

エンジニアの働き方について、特徴的な点を教えていただけますか。

永井さん

会社全体で出社、リモートをある程度任意に選択可能なのですが、特にエンジニアはリモートを志向する社員が多いために普段は実質的にフルリモートとなっています。フルリモート下のコミュニケーション円滑化のため、バーチャルオフィスを活用して気軽に話しかけられる環境をつくったりもしています。

さらにエンジニアチームではデイリーミーティングを必ず実施し、日常的に密なコミュニケーションを取っているのが特徴です。他にも、3か月に1回エンジニア全員が場所を借りて物理的に集まって行う「コールミーティング(Call Meeting)」や、年2回の全社懇親会など、要所要所でエンジニア同士、他部署社員との交流機会を設けています。

編集部

エンジニア同士のチームコミュニケーションにはどのような雰囲気がありますか?

永井さん

当社ではエンジニア採用において、技術力だけでなくチーム開発における協調性を重視しています。そのためパーソナリティとして穏やかなメンバーが多く、気持ち良く一緒に開発ができるという声をエンジニアからも良く聞きます。

上流段階から開発に携わる。「世界初」のモビリティサービスを生み出す可能性も

株式会社スマートドライブ執行役員・人事責任者の永井さん

編集部

スマートドライブならではのエンジニアとしての仕事のやりがいはどういった点にあると思われますか?

永井さん

当社ではGPSデータや加速度、ジャイロセンサーデータなどのモビリティデータを取り扱っています。当社のエンジニアはIT業界でwebサービスの開発を行ってきたバックグラウンドを持つ者が多いのですが、webだけで完結しないデータを活用してIoTの実践的な知見を得られるのは、他にはなかなかない当社ならではの開発環境の魅力といえるでしょう。

またデータを収集するだけでなく、そのデータを実際の価値に変換していく過程に関われることも、大きな魅力の一つです。例えば今後、冷蔵・冷凍食品や医薬品など温度管理を必要とする輸送車両の温度センサーと連携したり、トラックのタイヤの空気圧計のデータと連携したりなど、マーケットやお客様のニーズを勘案しながら、エンジニア自身がデータを活用した新たなアイディアを考えることも可能です。

他にも、将来的にはドローンや電動キックボードなどの新しいモビリティのデータを扱ったり、自動車メーカーとの協業でこれまでにない新しいモビリティサービスの開発に携わったりする可能性も秘めています。世界にまだない価値を生み出すことができる可能性があるため、エンジニアとしてわくわくできるのではないでしょうか。

編集部

御社ではビジネスサイドのメンバーだけでなく、エンジニアも新たなアイディアを考えられる環境があるということでしょうか。

永井さん

はい。ポジションや肩書に関係なく、現場から出るアイディアを尊重してプロジェクト開発を行っています。経営陣から発せられたものをそのまま開発するというのではなく、企画のアイディア出しや要件定義といった設計の部分にも現場のエンジニアが肩書きや年齢に関わらず携わることができるため、エンジニアとして大きなやりがいを感じられると思います。

チーム全体の成長につながるスキルアップサポート制度

編集部

エンジニアの方々のスキルアップサポート制度はありますか?

永井さん

学習支援制度として、月額3万円までの書籍購入補助があります。他のエンジニアも学べる技術書など、チーム全体の成長につながる選書を推奨しています。

加えて勉強会やセミナーへの参加費として年間5万円までの補助制度もあり、これは新しい言語の学習プログラムなども対象です。ただし当社では法人向けサービスという特性上、最先端の技術よりも、本番環境で確実に運用できる技術を選択しているため、その点を踏まえて会社への貢献が期待できるスキル習得を条件としています。

柔軟な働き方と良好なコミュニケーションがスマートドライブの魅力

編集部

御社のカルチャーや働き方の特徴についても伺います。エンジニアには穏やかな方が多いとのことですが、全体的な社内の雰囲気はいかがでしょうか?

永井さん

会社全体でも、穏やかに交流できる環境を大切にしています。例えば半年に1回の懇親会では手品やバンド演奏など社員の特技を披露することもあり、とても和やかな雰囲気があるんですよ。

エンジニアを中心にリモートワークも進んでいますが、やはり定期的に顔を合わせてコミュニケーションを取る機会があることで、社員間の信頼関係や会社への愛着の形成につながっていることを実感しています。

編集部

リモートワーク以外に働き方の特徴はありますか?

永井さん

当社ではコアタイムなしのフレックス制を導入しています。1日8時間の労働時間を月単位で管理しており、月の所定労働時間を満たせばOKという形で運用しているため、子どもの送迎や通院など、生活上の都合に合わせて柔軟に働ける環境が実現しています。

社会貢献性の高いモビリティ事業に全力でコミットできる人を歓迎

株式会社スマートドライブ執行役員・人事責任者の永井さん

編集部

最後に、転職を検討されている方々へメッセージをお願いします。

永井さん

当社の実現したいビジョンは簡単なものではありません。しかし世界共通の交通・環境問題やエネルギー問題と密接に関連するモビリティ産業という領域だからこそ、そこで知見を積むことは必ずキャリアにとってプラスになると思っています。

また絶対的な社会貢献性を持つ領域で邁進していけることは、会社の目指す方向性や意義を疑うことなく自分の成長に注力できるという点でも、想像以上の価値を持ちます。

当社の代表は新規事業を次々と立ち上げるシリアルアントレプレナーではなく、一生をかけてこの事業に取り組む覚悟で立ち上げました。そのため10年、20年と腰を据えて社会貢献に取り組みたい方にとって、非常にやりがいのある環境だと思います。

こうしたお話の中で少しでもピンと来た方は、ぜひホームページや会社説明会をご覧いただき、お話しさせていただければ嬉しいです。

編集部

永井さん、本日はお忙しい中貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました!

この記事のまとめ

株式会社スマートドライブのビジョンと事業
  • ビジョンは「移動の進化を後押しする」
  • GPSデータや加速度センサーデータなどのモビリティデータを活用したサービスを提供
現在のメンバー構成
  • 平均年齢36歳。大半が自動車業界未経験のIT業界出身者
  • エンジニアは約40名(社員30名、業務委託10名)
  • 全社の約10%が外国籍メンバー(アメリカ、スペイン、フィンランドなど)
働き方・福利厚生
  • フレックスタイム制(コアタイムなし)
  • リモートワークと出社を選択可能(エンジニアは主にフルリモート)
  • バーチャルオフィスやデイリーミーティングでコミュニケーションを活性化
  • 書籍購入補助(月3万円まで)や研修費支援(年5万円まで)あり
採用方針
  • 社会貢献性の高い事業に共感できる人
  • アンラーン(学び直し)の姿勢を持つ人
  • 長期的にコミットできる人
  • チーム開発における協調性がある人(エンジニア)

株式会社スマートドライブの基本情報

住所 東京都千代田区有楽町1-1-2日比谷三井タワー12階(東京ミッドタウン日比谷)
事業内容 ハードウェアやアプリケーション、テレマティクスサービス等の開発・提供、およびデータ収集・解析
設立 2013年10月
働き方
  • ハイブリッド勤務(出社+リモートワーク)
  • フレックスタイム制度(コアタイムなし)
公式ページ https://smartdrive.co.jp/
採用ページ https://smartdrive.co.jp/career/
募集職種 採用ページ参照