先進的な事業に取り組み、独自の企業文化を持つ会社にインタビューするこの企画。今回は、暗号資産を活用して世界最大規模のショッピングプラットフォーム構築を目指し、同時に世界の経済格差是正も視野に入れるSocialGood株式会社に取材しました。
SocialGood株式会社の概要:暗号資産活用型ショッピングプラットフォーム
SocialGood株式会社は、運営する「SocialGood App」(ダウンロード数240万以上)を通して、世界中で提携している2万以上のECサイト(ウォルマートやディズニーなど)で買い物をするだけで、無料で暗号資産「SocialGood(SG)」が得られるサービスを(中国と日本を除く)世界200か国で運営しています。
社名には「世界を良くする」という信念を込めており、世界中の誰もが買物をするだけで資産を貯められる世界を創ることを目指しています。
会社名 | SocialGood株式会社 |
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住所 | 東京都千代田区丸の内1-8-2 鉄鋼ビルディング10F |
事業内容 | 暗号資産ポイント還元プラットフォームの運営 |
設立 | 2018年 |
公式ページ | https://socialgood.inc/company_jp/ |
今回は、SocialGood株式会社代表の高岡壮一郎さんにお話を伺いました。
SocialGood Appの仕組み:買い物で自動的に暗号資産が貯まる革新的サービス
編集部
まず最初に、SocialGoodさんの事業内容についてお聞かせいただけますか?
高岡さん
SocialGoodは、日本や中国を除く世界200カ国で「SocialGood App」というアプリを展開しています。このアプリを通じて大手のECサイトで買い物をすると、当社が発行している暗号資産SocialGood(SG)が無料で獲得できます。現在、アプリの累計ダウンロード数はグローバルで240万を超えています。
暗号資産SGは世界各国の取引所に上場しており、当社の売上に応じて市場からSGを購入しています。これは自社株買いに似たシステムで、事業の成長に比例して暗号資産SGの価値上昇が期待できます。
ユーザーは手元資金がなくても、日々の消費活動を通じて自動的に資産を蓄積できるサービスとなっています。現在、日本を拠点に約40名のメンバーで全世界での運営を行っています。
編集部
SocialGoodさんとしては、どのように利益を得ているのでしょうか?
高岡さん
WalmartやeBay、インドのFlipkartなど、世界各国の2万社以上のECサイトと提携しています。ユーザーがSocialGood Appを経由して買物をした際に、提携サイトから送客手数料をいただいています。また、アプリ内で提供している様々なサービスからの個人課金も収益源の一つです。
編集部
SocialGood Appを日本でリリースしていないのは何故ですか?
高岡さん
世界の暗号資産利用者約3億人のうち、日本在住者は1%程度に過ぎません。一方、英語圏の居住者が約6割を占めています。今後、暗号資産投資家の数は更に増加すると予測されています。
この市場環境を考慮し、まずは英語版からリリースしました。現在、米国や欧州のユーザーが多く、次いで東南アジアのユーザーが多い状況です。日本語版についても、将来的にリリースする予定です。
急成長するSocialGood:売上6倍増と社会的インパクトの追求
編集部
SocialGoodさんはどのような思いの下で、事業を展開しているのでしょうか?
高岡さん
SocialGoodは、世界中の誰もが資産を持てるグローバルなエコシステムの構築を目指しています。
従来は、消費者が企業にお金を払い、そのお金が企業の株主に回るという一方通行のお金の流れでした。資産を持っている人は、金融経済の長期的な成長の恩恵を受けて益々富むようになる一方で、世の中の大半の人が資産を全く持っていません。
その結果、資産を持つ人と持たない人の経済格差がどんどん開いていってしまうという課題が資本主義メカニズムには内包されていました。これは社会的な課題であるとダボス会議でも指摘されています。
私は、これまで全く資産を持てていなかった人が、日常的に生活するだけで、資産を持てるようにすること、いわば資産の民主化を目指しています。そのため、買物をするだけで資産が貯まるSocialGoodなエコシステムをグローバルに広げたいと考えています。言わば、テクノロジーを活用して、資本主義をアップデートするイメージです。
SocialGoodという名前には、「社会を良くしたい」という信念を込めています。将来的には暗号資産キャッシュバックの一部を自動的に社会貢献団体に寄付できるようにしたいと考えています。
自分が好きな商品を買えば買うほど、資産が貯まり、同時に世界中の社会貢献団体に寄付がいきわたるような、グローバルなエコシステムを創ることで、社会にインパクトを与えて、社会をより良くしたいと考えています。
編集部
社会問題の解決も視野に入れた事業なのですね。SocialGoodさんの事業は、足元ではどのような状況でしょうか?
高岡さん
暗号資産SocialGoodはアメリカやヨーロッパ、アジアなど世界中の暗号資産取引所に上場していて、2022年は629億円が取引されました。
またSocialGood Appの売上は2021年から2022年にかけて6倍に増加しています。この時期は、ビットコイン相場や暗号資産市場全体が低迷していたのですが、その状況にも左右されませんでした。
編集部
市場が低迷しながらも成長を遂げられたのには、どのような要因があったのですか?
高岡さん
暗号資産でキャッシュバックをするビジネスモデルが、世界各国で特許を取得できていることが大きな要因だと考えています。国際特許があることで、類似サービスに比べてユーザーからの信頼が高く、結果として当該領域でシェアは世界一になることができました。
世界7億人市場へのアプローチ:独自特許で構築する参入障壁
編集部
SocialGoodさんがビジネスモデルを考案するにあたって、参考にした事例はありますか?
高岡さん
1999年に、Amazonのジェフ・ベゾスがEC領域でワンクリック決済の特許を取得し、それによってインターネット時代で世界一の企業になれたと言われています。
同じように我々も、ブロックチェーン時代の到来を予測し、必要な特許を取得することで参入障壁を築き、世界的なプラットフォーム事業者になろうと考えました。
編集部
仮想通貨が流行し始めた頃から、現在のビジネスモデルを予見していたのでしょうか?
高岡さん
当初は、買物をするだけで資産が貯まるエコシステムを創れば、世界に大きな影響を与えられると考え、暗号資産キャッシュバック特許を世界各国で取得しました。
特許取得後、このアイデアをビジネス化した場合の市場規模を調査しました。
調査の結果、世界の消費者の55%が買い物時にキャッシュバック等のリワードを求めていることがわかりました。既存サービスのリワード率が低いことが消費者のペインポイントで、より高いリワードが求められていました。
そこで、高いリワード率を提供し、さらに将来的な価値上昇が期待できる暗号資産でリワードを提供することを考えました。
また、世界の暗号資産投資家の75%が長期投資家であり、資産の値下がりによる損失が彼らの懸念事項でした。この問題に対し、買物をするだけで無料で暗号資産が得られるシステムを提供すれば、投資額がゼロなので損失のリスクがありません。
つまり、買い物時にリワードを求める人と、損失を避けたい暗号資産投資家がSocialGoodAppのターゲットとなり、世界に約7億人の潜在顧客がいることが判明しました。
1人から年間2,000円の収入を得れば、年間1.4兆円のビジネスになると試算し、実際の売上実績でもユーザー1人あたり2,000円以上の収入が得られることが証明されました。
編集部
非常に大規模なビジネスですね。その後の展開はいかがでしたか?
高岡さん
この規模感に魅力を感じ、優秀な仲間が集まりました。一緒に暗号資産SGを創造し、海外取引所への上場を実現しました。さらに、Walmartを含む世界中の大手EC 2万社以上と提携し、iOS・Androidアプリをローンチしました。
買物で無料で暗号資産SGが得られ、それを世界中で換金できるサービスは、多くの人にとって魅力的です。
世界7億人のターゲットに向けてサービスを拡大すれば、売上1兆円企業になる可能性があります。この事業計画が評価され、Web3スタートアップとして国内最大級の14.2億円の資金調達に成功しました。
当社のアプリは「消費の入口」として機能し、ユーザーの消費関連ビッグデータを蓄積しています。
将来的には実店舗との連携も視野に入れており、世界中の購買ビッグデータをAIで活用するグローバルプラットフォーマーを目指しています。
多様性豊かな職場環境:9割が外国人社員の国際的オフィス
編集部
SocialGoodさんで働いている方の出身国は、多岐にわたるそうですね。
高岡さん
そうですね。SocialGoodのメンバーの9割が米国、欧州、アジアなどが出身の外国人です。日本語、英語、母国語を話せるトリリンガルも多いのですが、社内の公用語は日本語としています。
編集部
社員構成が多国籍である中で、意思疎通の難しさや価値観の違いを感じることはありますか?
高岡さん
それは特にありません。SocialGoodには「世界最大のグローバル・プラットフォームを創り、すべての人々を経済的に自由にする」というミッションと、「利用者数世界一の暗号資産とショッピングプラットフォームを創る」というビジョンがあります。
このシンプルな目標に共感し、貢献したいという人が集まっているので、それぞれが同じ方向を向きつつ自発的に動く組織になっています。多様な背景を持つメンバーが、共通の目的のもとで協力し合っているのです。
グローバル規模の事業展開:社員の成長機会と会社の発展
編集部
SocialGoodさんに中途で入社した方は、どのような経歴を持っていますか?また、社員はどのくらいの年齢の方が多いのでしょうか?
高岡さん
SocialGoodには、ECや暗号資産、フィンテックの業界経験者が多く入社していますが、未経験者でも活躍しています。年齢層としては、現場の社員は20代後半から30代前半が中心です。
業務委託を含めたメンバー構成は、エンジニアが8割、ビジネス職が2割です。また、全体の約9割が外国籍の社員となっています。
編集部
主にどのような理由で入社されるのでしょうか?
高岡さん
社外役員として、アマゾンジャパンで実績のある星健一氏や元ビットフライヤー社長の三根公博氏を迎えています。多くの方が、社会貢献という理念と、世界一の企業・アプリ・サービスを作るという大きな目標に共感して入社してくれています。
また、グローバルな事業規模と、会社とともに自己成長できる環境も魅力の一つだと考えています。
私たちは世界一を真剣に目指していますが、現時点では小規模な企業です。まだ事業の初期段階にあると言えるでしょう。
従って、現在地と世界No.1というゴールの間には凄まじいギャップがあります。これは日々の課題が非常に大きいことを意味しています。
解決すべき課題が大きければ大きいほど、これに関わる人にとっては大きな成長機会になります。そういう意味で、仕事を通じて自らを成長させることに喜びを感じる人が当社には向いていると思います。
自主性と協調のバランス:自己解決を基本とする問題解決アプローチ
編集部
SocialGoodさんでは、仕事でつまずいたり、悩んだりしている社員の方にどのようなフォローをしているのでしょうか?
高岡さん
社内にはさまざまなナレッジマネジメントの方法があります。上司に相談しながら悩みを解決していくこともできますが、SocialGoodには世界一の水準で仕事をしようというバリューがあるので、基本的には自分で世界のベストプラクティスを調べて問題を解決する社員が多いと感じています。
編集部
支援体制は整えながらも、社内には極力、自己解決を図っていこうとする雰囲気があるのですね。社員同士の連携はどのように取っているのでしょうか?
高岡さん
会社の中央に円卓があるので、そこに毎日社員が集まり、情報を共有しています。スタートアップ企業でもありますので、エンジニアやマーケティングといった組織の垣根を超えて、ワンチームで動いています。
SocialGoodが求める人材像:世界一を目指す高い志と実行力
編集部
SocialGoodさんの現場で活躍されている若い社員の方は、どのような業務に携わっているのでしょうか?
高岡さん
おおまかには、マーケティングのビジネス系とエンジニア系の2つに分かれます。各社員がそれぞれの職務領域で世界ナンバーワンになれるよう、日々自己研鑽に励んでいます。
編集部
最後に、SocialGoodさんが求める人材像についてお聞かせいただけますか?
高岡さん
自分の仕事の領域で世界一の結果を出すことで、会社と世の中に大きく貢献したいという意欲のある人を求めています。
編集部
SocialGoodさんには、常に世界レベルの仕事を意識し、努力を続ける方々が集まっているのですね。向上心が強く、グローバルな視点を持つビジネスパーソンには、理想的な職場環境だと感じました。本日はお忙しいところ、ありがとうございました。
■取材協力
SocialGood株式会社:https://socialgood.inc/company_jp/