大府市役所の働き方改革|週休3日制導入・若手の声が活きる職場づくり

ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、愛知県の大府市役所(おおぶしやくしょ)にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同市役所で働く魅力をご紹介します。

人口増加が続く大府市では「健康都市づくり」を重点施策として掲げており、コロナ禍にいち早く給付金を支給するなど、スピード感のある行政運営を実現しています。こうしたなか「変革と創造」へチャレンジする風土があり、若手発のアイデアが実現したケースもあると言います。

また、週休3日制や在宅勤務制度など先進的な働き方の導入を進めており、働きがいとともにワークライフバランスも実現しやすい職場です。

今回は、大府市役所の働き方改革や職場環境の魅力について、秘書人事課の新海さんと行政管理課の市橋さんにお話をうかがいました。

本日お話を伺った方
愛知県大府市の秘書人事課主査を務める新海俊人さん

愛知県大府市
秘書人事課 主査

新海俊人さん

愛知県大府市で行政管理課主事を務める市橋さん

愛知県大府市
行政管理課 主事

市橋丘行さん

大府市役所の働き方改革:在宅・週休3日で働きやすい職場へ

愛知県大府市の秘書人事課主査を務める新海俊人さん
▲秘書人事課主査として、働き方の改善を進める新海さん

編集部

まずは大府市役所の職員さんの働きやすさについて、人事担当課として特に力を入れているポイントを教えてください。

新海さん

ワークライフバランスの実現に向けて様々な取り組みを行っています。例えば、週2日まで利用可能な在宅勤務制度を導入しており、実際に月に3日程度利用している職員もいます。

さらに週休3日制の本格導入に向けて準備を進めています。2024年の夏から秋に試行期間を設けて課題を洗い出し、2025年1月から本格運用を予定しています。特に子育てや介護など、家族との時間を大切にしたい方々からの関心が高いですね。働き方の選択肢を増やすことが目的なので、希望する方が利用しやすい制度として整備を進めています。

編集部

その他の柔軟な働き方に関する制度についてもご紹介ください。

新海さん

ずらし勤務を導入しています。例えば保育園の送り迎えのために1時間遅く出勤して1時間遅く帰宅するなど、個々の事情に応じて勤務時間を調整できます。また、土日に業務が発生する場合などには、平日と土日を入れ替えた勤務も可能です。

このほか、残業時間の抑制と職員の健康管理のため、午後8時になるとパソコン画面を操作できないようにする仕組みを導入しています。その結果、残業時間は月平均11〜12時間程度に抑えられています。ただし、選挙や災害対応などの特殊な業務は除いた数字となります。

若手の成長環境:自分の意見を活かせる仕事のやりがい

愛知県大府市で行政管理課主事を務める市橋さん
▲行政管理課主事として、市役所内の各種管理を担当する市橋さん

編集部

市橋さんのご経歴と、入庁を決めたきっかけについてご紹介いただけますか?

市橋さん

私は新卒で入庁し、現在5年目で27歳です。入庁のきっかけは、成人式の実行委員を務めたことでした。市の職員の方と一緒に成人式を企画・運営する中で、市民の方々と関わりながらイベントを作り上げていく仕事に魅力を感じ、私も職員として働いてみたいと考えました。

編集部

現在はどのような業務を担当されているのでしょうか?

市橋さん

私の所属する行政管理課では、市役所の建物や公用車の管理を担当しています。また、選挙管理委員会の業務も担当しており、先日の衆議院議員選挙などの選挙対応を行うほか、契約関係の業務で工事完了後の検査なども行っています。

編集部

現在の業務のやりがいについて教えてください。

市橋さん

主に職員向けのサービスを担当するなか、例えば最近では食堂の業者更新を行いました。新しい業者への移行がスムーズに進み、職員の方々から良い評価をいただけたときは、特にやりがいを感じました。副市長からも直接労いの言葉をいただき、モチベーションにもつながりました。

職員の成長支援:研修とメンターで確実なスキルアップ

大府市役所のオンライン研修の様子
▲オンライン研修の様子

編集部

若手職員が自立して業務を遂行できるようになるまでの研修制度について教えてください。

新海さん

研修は入庁前から体系的に整備されています。入庁後は前期研修、後期研修などを実施しているほか、メンター制度も導入しています。メンターは基本的に年次の近い先輩職員が担当します。日常業務のサポートや指導に加えて、困りごとの相談など精神的な支えとしての役割も担っています。

編集部

具体的な研修内容について教えてください。

新海さん

社会人基礎力養成研修という特徴的な研修があります。これは組織の中で働く上で必要な規律や協調性を身につけるためのもので、消防署に行って、消防職員から号令の掛け方や集合方法などの集団行動を学びます。一緒に汗を流すことで連帯感が生まれ、研修を通じて横のつながりも強くなります。

市橋さん

私は体を動かすことが好きなので、とても楽しかったです。ロープを使って壁を登るなど、新鮮な体験ができました。

社会人基礎力養成研修でロープ登坂をしている様子
▲消防署で行われる社会人基礎力養成研修では、ロープ登坂にも取り組む

働きやすい職場環境:チームで支え合う組織文化

大府市役所のオフィス風景
▲一部の部署ではフリーアドレス制が導入されている

編集部

実際の職場環境や雰囲気についてお聞かせください。

新海さん

平均年齢は41歳程度で、職員同士が仲良く協力し合える環境だと感じています。仕事ですから当然厳しい場面もありますが、お互いにフォローし合ったり、声を掛け合ったりと良好な人間関係が築けていると思います。

市橋さん

私の部署の上司は、「自分で考えて動いてみて」と自由にやらせてくれます。もし間違いがあっても、「ここを気をつけてね」とアドバイスをくれますし、最後はしっかりとサポートしてくれます。自分の考えを持ちながら仕事ができる環境で、とても働きやすいです。

また、自分が入庁したての頃は初対面の方に対して緊張していた経験があるので、後輩には優しい口調で接するように心がけています。業務の指示をする際も、理由を丁寧に説明するようにしています。

キャリアアップの仕組み:職員の希望を重視した人事制度

市民への説明会に臨む大府市の市橋さん
▲市民への説明会を行う市橋さん

編集部

キャリア形成について伺います。まずは人事評価や異動の仕組みについてお聞かせください。

新海さん

半期に一度、必ず上司との面談があります。その際に目標設定や達成度の確認、個人的な相談などもできます。人事評価は目標管理と勤務態度の2本立てで行っています。

また、異動希望については年1回、人事部門に直接希望を申告できる仕組みがあります。このほか、特に新卒の方は明確な希望を持って入庁される方が多いため、新入職員の配属については本人の希望を可能な限り考慮するようにしています。

挑戦する人材募集:実現する若手発の新しいアイデア

大府市役所内に掲げられている「改善改革」の文字
▲各部署に掲げられている「改善改革」の文字

編集部

どのような人材が大府市役所に向いていると思われますか?

新海さん

まず現状としては、市民のために貢献したい、役に立ちたいという思いを持った方が多く応募してくださいますね。さらに、私たちが特に重視しているのは変革や創造にチャレンジできる人材です。公務員は前例踏襲というイメージがあるかもしれませんが、当市役所では新しい取り組みに積極的にチャレンジできる方を求めています。

編集部

職員が新しいアイデアを提案する機会について教えてください。

新海さん

各部署で改善活動を意識的に行っており、年1回の事務改善提案の機会を設けています。各部署には「改善改革」の文字が掲示されており、特に若手職員が自分の担当業務について、効率化の提案などができる雰囲気を積極的に作っています。

最近の取組事例としては、今年11月から実施された服装ルールの見直しがあります。これは各部から選出された若手職員だけで構成された検討会にて調査や議論を重ねたもので、従来のネクタイ着用からノーネクタイやスニーカー、チノパンなども認める柔軟な服装へと変更されました。私も担当として入らせていただきましたが、若手職員が取りまとめた案をベースとした見直しを進めることができました。このように、若手の意見を積極的に取り入れ、実行に移す取り組みも行っています。

大府市の若手職員のランチ風景
▲若手職員のランチ風景。若手の意見を積極的に取り入れる仕組みや雰囲気が根付いている

転職者へ:スピード感ある変革を共に目指す仲間を募集

JR大府駅前のイルミネーション風景
▲JR大府駅前には「健康都市」の文字が掲げられている

編集部

最後に、記事を読んで大府市役所で働くことに興味を持たれた方へメッセージをお願いいたします。

市橋さん

職場の雰囲気は非常に良好です。部署を超えた交流も活発で、ゴルフなどの趣味を通じて繋がりができることもあります。そういった関係性が、業務上のコミュニケーションもスムーズにしています。上司も非常に温かく接してくれるので、気兼ねなく相談できる雰囲気があります。

新海さん

先ほどもお伝えした通り、私たちは変革と創造にチャレンジできる職員を求めています。さらに、市長の方針としてスピード感のある行政運営を心がけており、例えばコロナ禍での給付金支給では他の自治体に先駆けて市民の方々にお届けするなど、迅速な対応を実現してきました。

また、大府市は人口が増え続けているまだまだ成長中の自治体です。特に健康都市づくりを重点施策として掲げていますので、この取り組みに一緒に参画していただける方をお待ちしています。

編集部

本日はスピード感を持って市民の皆さんへ良質なサービスを提供しながらも、非常に温かみのある職場の雰囲気について聞かせていただきました。貴重なお話をありがとうございました。

編集後記

若手職員として取材にご対応いただいた市橋さんからは、大府市を良くしていこうという熱意とやりがいが伝わってきました。また新海さんは、若手職員の意見から新たな施策を打ち出すプロジェクトに関わっておられるそうで、これからも若手目線の新しい風が大府市に反映されていく未来を感じることができました。

この記事のまとめ

働き方改革
  • 2025年1月から週休3日制を本格導入予定
  • 在宅勤務は週2日まで利用可能
  • フレックスタイム制度導入により、勤務時間の調整が可能
  • 残業抑制のため、毎日20時にPCの自動シャットダウンを実施
若手育成制度
  • 年次の近い先輩職員によるメンター制度を導入し、業務・精神面でサポート
  • 入庁前から体系的な研修制度を整備
  • 若手だけの検討会を設置し、服装規定の見直しなどの制度改革を実現
職場環境・文化
  • 上司は部下の自主性を重視し、失敗してもフォローする体制
  • 部署を超えた交流が活発で、趣味等を通じた人間関係構築が可能
  • 半期に1回の上司との面談で、目標設定や個人的な相談が可能
  • 年1回、人事部門へ異動希望を直接申請できる制度あり
組織の特徴
  • 人口増加が続く成長自治体で、健康都市づくりを重点施策として推進
  • スピード感のある行政運営を重視
  • 職員の平均年齢は41歳程度
求める人物像
  • 市民への貢献意欲が高く、変革や創造にチャレンジできる人材
  • 具体的な業務改善を積極的に提案できる人材
  • コミュニケーションを円滑に行える人材

大府市役所の基本情報

自治体名 大府市役所
住所 愛知県大府市中央町五丁目70番地
働き方
  • 在宅勤務(週2日以内)
  • 週休3日制(2025年1月から)
  • ずらし勤務
など、部署や業務内容によって柔軟に利用可能
公式ページ https://www.city.obu.aichi.jp/
採用ページ https://www.city.obu.aichi.jp/shisei/jinji_saiyo/index.html
募集職種
  • 行政事務
  • 技術職(土木、建築)
  • 保育職
  • 消防職
など
取材・編集
皆口晴香のプロフィール写真

ミライのお仕事編集部

皆口 晴香

株式会社ネクストレベル・メディア事業部広報チームのマネージャー、編集歴は16年。企業の働き方特集の企画立ち上げ、運営まで担う。総記事数:約1,500記事。自身も2度の転職を経験。前職は人材派遣企業で約10年勤務。