成長中企業や新しい働き方を取り入れている企業を紹介するこの企画。今回は、OOH広告領域で新たな価値を付加したデジタルOOH事業の普及・拡大を目指す、株式会社 LIVE BOARD(ライブボード)をご紹介します。
株式会社 LIVE BOARDとは?
株式会社 LIVE BOARDは、デジタルOOH広告のプランニングから広告枠の販売、広告配信プラットフォームを運営する企業です。
OOHとは、Out Of Home(アウト・オブ・ホーム)の頭文字をとった略語で、屋外のビル壁面等に設置された大型ビジョンや駅構内・車両内に掲出される交通広告、商業施設内など、家庭以外の場所で接触する広告媒体を指す言葉です。さらに、屋外や施設などに設置されているデジタルサイネージ(※)を「DOOH(Digital Out Of Home)」と呼びます。
※デジタルサイネージとは、ディスプレイなどの電子的な表示機器のこと
株式会社 LIVE BOARDの設立は2019年2月。NTTドコモと電通グループが出資したジョイントベンチャーで、日本初のインプレッション(視認者数)に基づくプログラマティックOOH(Programmatic Digital Out Of Home)(※)アドネットワークを確立するなど、広告の新しい形を世に広めていこうとしています。
※リアルタイムな外部データに基づいてDOOHの広告クリエイティブを配信することができるサービスであるダイナミックDOOHの仕組みに加え、デジタルOOHがネットワーク化されたことによる、売買の自動化(「データ(人の属性・エリア環境など)ベースの配信」「配信枠の一元管理」「メジャメント指標基準」を統合すること)で、効率的かつ効果的に広告配信を出し分けることができるサービス
会社名 | 株式会社 LIVE BOARD |
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住所 | 東京都渋谷区神宮前3-1-30 Daiwa青山ビル7階 |
事業内容 | ・デジタルOOH広告配信プラットフォームの運営 ・デジタルOOH広告媒体の開拓 ・デジタルOOH広告枠の販売 |
設立 | 2019年2月1日 |
公式ページ | https://corp.liveboard.co.jp/ |
働き方 | フルフレックス テレワークがメイン(部署ごとに運用) |
LIVE BOARDは創業5年目にして社員数が急速に増え、自社採用社員が出資元からの出向社員の数を上回ったといいます。これからさらにLIVE BOARD事業をスケールしていくための仲間募集に向けて、事業の独自性や目指すこと、社員の働く環境などについて、ストラテジー部の中村さんに伺いました。
従来難しかったOOH広告の効果を「見える化」
編集部
はじめに、LIVE BOARDさんの事業や特長についてご紹介いただけますか。
中村さん
ホームページには「デジタルOOHのインプレッションに基づく配信を実現」「データドリブンにターゲティング」と記載しておりますが、簡単に申し上げると、OOH広告の効果可視化、またデータをもとにしたフレキシブルな広告配信を行っております。
これまでOOHといえば街にあるポスター(静止画)やデジタルサイネージ(動画を含む)看板といった形で行っていたため、見てもらうユーザーを絞ったり、広告効果を測定したりということはできませんでしたが、弊社はNTTドコモの「モバイル空間統計®(※)」やその他位置情報データなどとLIVE BOARD Networkを組み合わせたり、購買データなどを紐づけたりすることで、効果の見える化を可能にしました。
それを広告主にご提示することで、従来は難しかったOOH広告の効果を実感していただいています。
(※)「モバイル空間統計」は株式会社NTTドコモの登録商標です。日本全国の1時間ごとの人口分布を24時間365日把握し、「いつ」「どんな人が」「ドコから」「ドコに」動いたかを推計することができます。これは他社には追随できない技術です。
編集部
従来難しかったOOH領域での「効果の見える化」がLIVE BOARDさんで実現できたのは、なぜでしょうか?
中村さん
NTTドコモと電通グループが出資してできた会社という、LIVE BOARDの成り立ちに関係します。
NTTドコモはいわゆる携帯キャリアの会社というイメージが強いかなと思いますが、最近では「dポイント」などの「d●●」と言った名称でサービスを展開し、さまざまなデータが蓄積されております。しかし、それらをどのように活用するかには課題がありました。
一方、電通グループは広告会社として有名ですが、Webなどのデジタル広告が出てきてからはOOH広告の「効果が見えにくい」点が課題になっていました。そこで、お互いの知見を活かし、お互いの課題を解決しようとできたのが、LIVE BOARDです。
「枠」基点から「人」基点の広告配信へ変革
▲LIVE BOARDさんのホームページではサービスをわかりやすく紹介した動画も公開中
編集部
NTTドコモさんの持つビッグデータを活用することで、効果検証が可能になったのですね。
中村さん
はい。NTTドコモが持つ位置データなどの膨大なマーケティングデータをもとに、OOHの測定や評価が可能になりました。さらに電通グループの広告業界での知見や経験を活かし、日本で初めてインプレッション(視認者数)に基づくOOH広告ネットワークを作りました。
従来のOOH広告は、広告を掲載する場所を一定期間買い切ったり、再生回数を保証して販売したりする、いわゆる「枠」基点でした。そこを、当社はインプレッション(視認者数)をベースにした「人」基点の販売方法も可能にしたのです。
編集部
「人」基点のOOH広告配信とは、どのようなものなのでしょうか?
中村さん
例えば、渋谷と巣鴨ではそこを行き交人々の「属性」が違います。また、日中と夜間など時間帯によっても変化しますし、人流の多さも変化します。LIVE BOARDのOOH広告配信では、そういった場所や時間によって異なる状態をデータによって可視化し、広告主が本当に届けたい生活者に向けて広告を届けることができます。
また、現在は「人」といっても、例えば「20代女性」だけではなく、「20代女性で、テーマパークへ行くのが好きそうな人」といった趣味嗜好の部分までセグメントを細かくした生活者へターゲティングすることができます。これらに加えて、天気や気温と連動し、モーメントを捉えた広告配信も可能です。
編集部
属性だけではなく、嗜好も含めたターゲティングができるのですね。ホームページで拝見した「狙い撃ちビジョン」「偶然の出会いを演出するメディア」という表現がよく分かりました。
街中で話題を呼び、ACC広告賞も受賞
編集部
LIVE BOARDさんが取り扱い、話題になったOOH広告事例は何かありますか?
中村さん
最近ですと「ACC広告賞シルバー賞」や「Adweek's 2022 Experiential Awards」等を受賞しました。
一例として、二次元バーコードを日本全国のデジタルOOHに掲出したハンバーガーチェーンの広告が話題となりました。街でOOHを見かけた方がスマホをかざして二次元バーコードを読み込むとおすすめメニューがランダムに表示され、そのまま注文もできるという仕組みでした。
編集部
二次元バーコードを読み込むタイミングにより、くじ引きのように表示されるメニューが変わるんですね!OOHの効果としてはいかがでしたか?
中村さん
天気やエリア、時間帯などに応じてメニューがランダムに表示され、街の人たちの会話を広げるきっかけや新たなメニューに出会うきっかけを作りました。
編集部
街中にあるOOHは出会いのインパクトが大きくSNSでも話題になりますが、さらに状況に応じて広告が変化するユニークなOOHだったのですね。
■引用:LIVE BOARDの取り組みや2023年の挑戦が紹介された記事
LIVE BOARDでは売上も社員規模も拡大中
▲LIVE BOARDさんでは2022年度にはプロパー社員が出向社員を上回った
編集部
続いて、事業成長についてお伺いします。売上の伸びなどについて、教えていただけますか?
中村さん
弊社は2019年の設立ですが、売上では2020年度が11億円、2021年度が23.6億円となっています。2021年度はオリンピック需要があり、前年比では倍以上の成長となりましたが、2022年度もオリンピック特需を除いた21年度の売上に対して約180%増の結果となり、着実に成長を図っています。
編集部
成長の要因はどこにあるとお考えですか?
中村さん
成長要因の1つは、LIVE BOARDがOOHの印象を少し変えていけたことではないかと思います。というのも、これまでは「OOHはデジタル広告と違って、効果検証ができない」というイメージが強く、広告主にとってそもそもOOHは出稿の検討がなされないということがありました。
しかし、LIVE BOARDの配信するOOHでは効果検証ができることを丁寧に説明し、そのようなイメージを少しずつ払拭していった結果、「OOHは進化しているんだね」といった声をいただけるようになりました。
現在、LIVE BOARDで配信できるデジタルサイネージの面数は26,400ほどあります(2023年4月現在)。私たちは自社が保有している面だけではなく、他社のデジタルサイネージもネットワーク化し、一括購入できるようにしているのですが、扱う媒体の数が非常に多くなったことが背景にあります。また、取り扱う広告会社が増加したことも、事業伸長に寄与しています。
編集部
進化したOOHの認知、デジタルOOHのネットワークの拡大など、さまざまな変化が背景にあることがわかりました。売上拡大に伴い、従業員数も増えていったのでしょうか?
中村さん
はい。2019年度はいわゆるプロパー社員はゼロからスタートしましたが、現在は25名に増えました。2021年度がもっとも急激に社員数が伸びたタイミングでして、この時は15名入社しており、毎月中途入社の方がいるような状況でした。
そして、2022年度には出資元からの出向社員よりプロパー社員の方が多くなり、安定的に活躍できる人材がそろったところです。今後、さらに社員数を増やしていく予定です。
編集部
これからの事業成長に向けて、組織を拡大していかれるのですね。
「リアル世界の価値を再定義」をビジョンに掲げ、社会貢献活動も行う
▲LIVE BOARDさんのHP。「リアル世界の価値を再定義」を企業ビジョンに掲げている
編集部
今後の成長に向けて、どんな目標やミッションを描いていらっしゃいますか?
中村さん
具体的な数字では申し上げられないのですが、一言で言うと、アグレッシブな成長戦略を描いています。
また、私たちは「Figure The Real World」という言葉を掲げ、リアル世界の価値を再定義することを打ち出しております。OOHの良さは、現実世界にあり、街を歩いていると目に留まるところです。このリアル世界の価値を再度、実感できるものにしていきたいと思っています。
編集部
新しいOOH広告への挑戦は始まったばかりで、まだまだ成長の余地が大きいのですね。広告の中でも、リアルな街の中にあるOOHならではの取り組みもあるのでしょうか。
中村さん
私たちのビジネスは街にデジタルサイネージを置かせていただくことで初めて成り立ちますので、地域の皆様に愛され、支えあうことができるメディアでありたいと思っています。
そこで、少し前にはなりますが、2021年には社会情勢により大きな影響を受けた飲食店を応援しようと、街で長く愛されるお店を弊社のデジタルサイネージで無償で紹介する「LIVE BOARD 店舗応援キャンペーン」を行いました。
また、OOHは街を歩いていると自然に目に入ることから、とても公共性が強く、強制視認性の高いメディアといえます。この特性を活かし、社会貢献活動にも取り組んでいます。2022年3月には、ウクライナ人道危機に対するUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の緊急支援活動をより多くの方に知ってもらえるよう、LIVE BOARDのデジタルサイネージで放映させていただきました。
編集部
地域と共に、社会と共に、事業を推進される企業姿勢が感じられました。
コアタイムなしのフレックス制。パフォーマンスを重視した働き方
▲LIVE BOARDさんではテレワークとオフィス出社を併用している
編集部
ここからは、LIVE BOARD社員の皆さんの働き方について伺います。オフィス出社とテレワークの頻度などは決めていらっしゃいますか?
中村さん
現在はテレワークを基本とし、部署ごとでミーティングをする日などに応じてオフィス出社日を決めています。全社で一斉に出社する日というのは特に決めていませんので、そのあたりはフレキシブルな働き方だと思います。
編集部
ホームページでオフィス写真を拝見しましたが、コーポレートカラーのブルーをアクセントにしたスタイリッシュなオフィスですね。
中村さん
はい。オフィスはフリーアドレスで、さまざまな打ち合わせスペースがあり、オフィスに出社したときには、結構みんな活発に話しています!
▲LIVE BOARDさんのオフィスはフリーアドレスでオープンな環境
編集部
現在はテレワークが中心ということですが、テレワーク環境を整えるための支援などはありますか?
中村さん
テレワーク手当の支給をはじめ、ノートパソコン、スマートフォンなど、テレワークに必要な備品を貸与しています。
営業のメンバーは細かいデータを見ることも多いため、自宅用に大きめのディスプレイを配置するなど、有効に利用してくれています。また、さまざまな業務ツールを使い、パフォーマンスを上げる環境をつくっています。
編集部
自宅でパフォーマンスの高い働き方ができるよう、支援されているのですね。働く時間については、いかがでしょうか?
中村さん
弊社はフレックスタイム制を導入しています。標準労働時間は7.5時間ですが、必ず出勤しなければならない「コアタイム」を設けていませんので、社員は午前5時から午後10時までの間であれば、自主的に始業時刻・終業時刻を選択することができます。
編集部
テレワーク中心かつフレックスタイム制というとても柔軟な働き方だと思いますが、この制度を導入された背景や意図を教えてください。
中村さん
1つは広告会社さんから依頼いただく時間帯に波があったりすること、もう1つはワークライフバランスのためです。お子さんのいる社員の場合、夕方のお迎え時間帯に退勤することもできますし、一時中抜けをして戻ってからまた仕事をすることもできます。
テレワークだからこそ、柔軟に働いてもらいたいと考えております。
編集部
テレワーク下での社内コミュニケーションで工夫されていることはありますか?
中村さん
週1回、全社のミーティングがあり、全員で情報を共有します。普段のコミュニケーションはSlack(ビジネスチャット)を使っていますが、文字でのやりとりでは伝わりにくいなと感じたときは、気軽に「ちょっとオンラインミーティングしましょう」と声をかけやすい環境です。
編集部
LIVE BOARDさんではそれぞれが柔軟な働き方をしながらも、一丸となって事業を進めていらっしゃることがわかりました。
年齢に関わらず敬語で話す、フラットな組織
▲メンバー同士のフラットな関係性が魅力
編集部
LIVE BOARDさんでは自社採用メンバーが半数を超え、LIVE BOARDさんらしいカルチャ―が醸成されているのではと思います。社内やメンバーの雰囲気について教えてください。
中村さん
「自分の仕事はこれ」と枠組みにとらわれるのではなく、「新しいことにどんどんチャレンジしていこう」という思いを持った人が多いです。
NTTドコモと電通グループからの出向者も在籍しており、平均年齢は37.3歳です。ただ、年齢は本当に関係なく、自分も会社も成長させたいという気概を持ったメンバーが多いので、とてもいい雰囲気だと感じます。
社内では年次や年齢による上下関係はなく、年上のメンバーにも年下のメンバーにも敬語で話しています。敬語だからといって決して仲が悪いわけではなく、お互いにフラットな関係でいられる環境です。メンバー同士のこの関係性はすごくいいなと感じています。
編集部
自由でフラットな職場から、新しいOOH広告市場を切り開くエネルギーが生まれているのですね。
未来のOOHのスタンダードを創る仲間を募集
編集部
採用についてお聞きします。LIVE BOARDさんはこれから仲間をさらに増やしていくフェーズだと思いますが、御社にフィットするのはどんな人でしょうか?
中村さん
変化を「怖い」ではなく、むしろ「楽しい」と思えるような方がフィットすると思っています。弊社ではチャレンジはどんどんできますので、変化を楽しめる方はやりがいを持って働いていただくことができると思います。
編集部
市場としても、組織としても、これから作り上げる面白さがあるLIVE BOARDさんでは、変化を楽しめる人が合いそうですね。
■LIVE BOARDさんの採用情報はこちら
https://corp.liveboard.co.jp/recruit/
「変化を楽しめる人」「成長したい人」には最適な環境
▲「道を切り開く楽しさがあります」と語るLIVE BOARDの中村さん
編集部
最後に、LIVE BOARDさんに興味を持った読者の方に、メッセージをいただけますか?
中村さん
私たちがやっていることは、従来はなかったけれども、これからのスタンダードになると信じていることです。そのため、自分たちが道を切り開いていく楽しさが感じられる仕事と言えます。「変化を楽しめる人」、そして「リアルな世界をサイエンスしていきたい人」には、とても面白い環境だと思います。
成長フェーズにあるLIVE BOARDでは1年前と現在やっていることは全く違いますし、また1年後にやっていることも全く違うものになっていると思います。
例えば、セールス部門では1年で売り方やプロダクトが全く変わってきますし、人事部門では20人規模と50人規模の会社ではやるべきことが変わってきます。こんなふうに、今年と来年では全く違うことを経験できますので、「いろんな経験をして成長していきたい!」という方にはまさにぴったりな環境です。
また、弊社はビジネスのトレンドを常に意識しており、最新のデータサイエンスを活用し、リアルな世界をデータで再定義したり、マーケティング活動をサイエンスしたりという、日本のテクノロジー業界のビッグプレイヤーが行っていることに挑戦できます。
編集部
中村さん、本日はありがとうございました!
ベンチャーとしての面白さと、大企業が持つダイナミズムの両方を感じられるLIVE BOARDさんに興味を持った方は、ぜひホームページを見てみてください。同社の革新的なサービスや、OOHのこれからの可能性にワクワクするような情報に触れられます。採用ページでは社員さんが紹介されたメディアの記事なども読むことができます。
■取材協力
株式会社 LIVE BOARD:https://corp.liveboard.co.jp/
採用ページ:https://corp.liveboard.co.jp/recruit/