株式会社ファンくる:手厚い育児支援とリモートワークで実現する理想のワークライフバランス

新しい働き方を取り入れている企業の皆様にお話を伺っていくこの企画。今回は、国内大手のモニターリサーチサイト「ファンくる」を運営する株式会社ファンくるを取材させていただきました。同社は、消費者の声を企業に届けるサービスを提供しており、市場調査や商品開発に活用されています。

株式会社ファンくる:130万人のモニターを持つリサーチ企業

株式会社ファンくるは、消費者や店舗スタッフなどの声を集めてニーズを把握し、クライアントの課題を解決するためのプラットフォームを提供しています。代表的なサービスはモニターポータルサイト「ファンくる」で、会員数は国内最大級の130万人を超えています。

会社名 株式会社ファンくる(2023年4月1日付で「株式会社ROI」から社名変更)
住所 東京都千代田区岩本町1-10-5 TMMビル4F(東京本社)
大阪府大阪市西区新町1-3-12 四ツ橋セントラルビル701(大阪支社)
福岡県福岡市博多区博多駅前2丁目1-1 福岡朝日ビル1F(福岡支社)
事業内容 ・顧客満足度調査サービス「ファンくるクラウドCS」の運用・開発
・インターネットリサーチ
・集客/マーケティング支援
・従業員満足度調査サービス「ファンくるクラウドES」の運用・開発
・モニターポータルサイト「ファンくる」の運用・開発
設立 2017年5月15日(2004年8月26日創業)
公式ページ https://www.fancrew.co.jp/

 

株式会社ファンくるの特徴として、独自の福利厚生「ワッフルゥ制度」を通じて社員の家庭と仕事の両立を支援するなど、社外のユーザーだけでなく社内のメンバーの声も大切にしています。今回は、人事総務マネージャーである磯野さんに詳しいお話を伺いました。

本日お話を伺った方
株式会社ROI 人事総務マネージャー 磯野健人さん

株式会社ファンくる 人事総務マネージャー

磯野健人さん

国内最大級のモニターサイト「ファンくる」の強み

ROIさんが運営するモニターポータルサイト「ファンくる」のサイト画像
▲ROIさんが運営するモニターポータルサイト「ファンくる」。

編集部

まず、ファンくるさんの事業内容について伺えればと思います。

磯野さん

弊社の事業は、実際に来店・購入されたお客様の声を集め、その店舗や商品をリピートする要因を解明することで、クライアントがリピーターやファンを増やしていくための支援をしています。

その声を集める仕組みのひとつとして、130万人以上のモニター登録者数を抱えるモニターポータルサイト「ファンくる」を運営しています。登録者は自分で気に入った案件を見つけて調査を実施し、ご利用いただいている企業は累計3,000社を超えています。

これまでは飲食業のクライアントが多かったのですが、近年は美容・宿泊施設・メーカー・レジャー施設など、より幅広い業界の方々にご利用いただくケースが増えています。

編集部

自社店舗・商品の調査を依頼するクライアントにとっての、「ファンくる」の魅力は何になるのでしょうか。

磯野さん

実際にご利用いただいたお客様の声に基づく「納得感」、低コストだからこそ可能な「納品レポートの多さ」に加え、そのレポートの数を活かした「分析の精度と詳細さ」が挙げられます。

「ファンくる」は一般のモニターが実際に現地に赴いて体験した結果を詳細にレポートするため、消費者のダイレクトな意見をクライアントにお伝えできます。専門調査員ではなく一般モニターを活用することで、他社と比較して安価にサービスを提供でき、納品レポートの数も多くなります。

その結果、短期間に多くの調査ができてレポートのばらつきを減らせること、また統計分析も活用することで、より正確で詳細な示唆をお届けできるのです。

生活者の声を事業価値向上へ:組織のアップデート

編集部

事業を展開していく上での指針のようなものはありますか?

磯野さん

「すべての生活者の声を事業価値向上へ」というミッション、そして「ファンづくりを科学する最先端企業になる」というビジョンがそれにあたると思います。

私たちは、世間の流行やニーズは常に変化し続け、それに伴って店舗や商品にとっての最適解も変わっていくと考えています。例えば「ファンくる」は消費者のニーズをキャッチして顧客満足度を維持・向上させるためのプラットフォームなので、変化に迅速に対応していただくことができます。

そのためには、現場の課題を把握すること、お客様が本当に求めているものを知ること、それを分析し改善に優先順位をつけることが重要です。私たちはお客様の体験から得られた本当に意味のある声や示唆をお届けし、課題解決をサポートすることで、クライアントの事業の成長に寄り添っていきたいと考えています。

これらの目標を達成していくにあたって、開発およびマーケティング部門の拡大は不可欠です。現在、マーケティングや統計分析を専門とするエンジニアの方々に参加していただきながら、調査設計や分析領域、開発領域についても更新を進めているところです。

フルリモートで実現するライフスタイルに合わせた働き方

株式会社ROIのオフィス

編集部

次に、ファンくるさんの働き方についてお教えください。採用ページによると社員の約半分が営業職とのことですが、リモートではなく出社するケースが多いのではないかと思いました。

磯野さん

実は、そうではないんです。出社・リモートの判断は一律で定めておらず、それぞれのチームに任せています。比率でいうとリモート勤務のほうがかなり多く、フルリモートの社員も半分近くいると思います。

営業の各チームも大体週1〜2日程度の出社で、バックオフィス(※)は管理部を除くとほぼフルリモートです。営業が対面の打ち合わせのため大量に資料を印刷するときや、広報担当が取材に対応するときなど、業務に応じて出社を選択しています。
(※)経理・人事・総務など、直接顧客とやり取りをしない部署を指す。

編集部

リモートワークを導入されたのが2020年3月頃からということで、社会情勢の変化がきっかけだったと思います。勤務スタイルが変わって、社内に影響はありましたか?

磯野さん

対面で話す機会が少なくなったので、コミュニケーションの量は減ったと思います。ただ、リモートワークの導入によるメリットもありました。それは、社員が自分のライフスタイルに合わせた働き方ができるようになったということです。

たとえば家族との時間が増えた、子どもの送り迎えができるようになった、また通勤がなくなり自由な時間が増えたので副業を始めたなどの社員の声が届いています。

編集部

出社とリモートの選択に関しては、チームや社員の皆さんの自律性に任せている部分が大きいのですね。さらに、リモートワークによりライフスタイルに合わせて働けるケースも出てきたということで、ファンくるさんは社会情勢による働き方の変化をポジティブなものにしていったということがわかりました。

リモートワーク下でのコミュニケーション促進策

株式会社ROIの納会のようす
▲ファンくるが年末に開催した納会のようす。オンラインでもオフラインでもコミュニケーションを円滑にする工夫がある。

編集部

リモート環境において、社内でのやり取りはどのように行われていますか?

磯野さん

主にSlackを使用してチャットでやり取りをしています。また、Google MeetやZoomも活用しています。特に営業部門はZoomを頻繁に使用しています。日々の報告・連絡・相談はチャットで欠かさず行い、Zoomのウェビナー機能を利用して定期的に会議も開催しています。

編集部

半数以上の社員がリモートワークを行う環境下で、社員間のコミュニケーションを円滑に保つための工夫はありますか?

磯野さん

リモート中心のチームに関しては、基本的に朝礼を実施しています。朝礼では日々の業務情報を共有し、疑問点を解消するだけでなく、画面越しに顔を合わせて会話をすることで、お互いの状況も把握できています。

特に新入社員に対しては、リモートワークの影響が大きいと感じています。まだ互いのことがよくわからない状況では、質問がしづらい環境になりがちです。

そこで、月1回の全体共有会の冒頭で新メンバーを紹介しています。さらに、「ランダムランチ」というオンラインイベントを会社負担で開催しています。これは無作為に選ばれたメンバー同士でオンラインで昼食をとりながら交流する機会です。こうした取り組みを通じて、新入社員が会社に馴染みやすい環境づくりを心がけています。

新しく入社した社員や、普段の業務では接することが少ない社員ともそういった場で交流できるため、社内のコミュニケーションがより円滑になっていると感じています。

副業推奨:社員の多角的な成長を支援

編集部

ファンくるさんは副業を許可されていると伺いましたが、これはどういった理由からでしょうか?

磯野さん

代表の山口(代表取締役社長の山口敬人さん)もよく言っていますが、それぞれの社員に何らかの分野でプロフェッショナルになってほしいからです。社員が様々な経験を積むことで、より多角的な視点を持つことができると考えています。詳しい内容は山口のnoteに掲載していますので、ぜひご覧ください。

山口代表のnoteはこちら:https://note.com/fancrew/n/n6e23fd557a98

もちろん、プロとして働くのがファンくるであってもよいのですが、他にも自分の能力を活かせる場所があったり、違った環境でチャレンジしたいという意欲があるのであれば、会社としてそれを応援したいです。そして、ファンくるにその経験を持ち帰ってもらえればなおすばらしいと考えています。

実際に、弊社広報の高田はパラレルワーカーとして活躍しています。フルタイムで広報として働くほか、「アナウンサー」「話し方講師」「マーケティング支援」という異なる分野の仕事を両立させています。リモートワークやリフレッシュ休暇などの制度をうまく活用することで、この多様な働き方を実現しています。

高田さんのnoteはこちら:https://note.com/fancrew/n/n3f15278ea5c8

編集部

4つの仕事を両立されているのは素晴らしいですね。社員に自社だけへの貢献を求めるのではなく、外部でのチャレンジを推奨し、プロフェッショナルになることを支援するファンくるさんの姿勢は、多くの方にとって魅力的だと思います。

「ワッフルゥ制度」:子育て世帯を手厚く支援する福利厚生

株式会社ROIの福利厚生制度抜粋
▲妊娠・育児中をはじめとする社員を応援するファンくるさんの「ワッフルゥ制度」(公式サイトから引用)。

編集部

先ほど「リフレッシュ休暇」という制度名が出ましたが、福利厚生についてもお話を伺ってよろしいでしょうか。

磯野さん

ファンくるの福利厚生制度で一番特徴的なのは、「ワッフルゥ制度」という、社員が家庭と仕事を両立できるよう支援する制度です。これは、ファティリティ休暇(不妊治療のための休暇)・チャイルドケア休暇・病児保育補助金・妊娠休暇などを合わせたもので、妊活、妊娠期から子どもがある程度成長するまでの期間を幅広くサポートする制度です。

特に中途入社の社員は、制度上どうしても最初は有給休暇が少ないのが現状です。そんなときにお子さんが体調を崩したりすると、あっという間に休みがなくなってしまいます。弊社ではチャイルドケア休暇として年10日の特別休暇を支給していますので、小学生の子どもがいる社員などから「非常に助かっています」という声をいただいています。

また、30代〜40代の社員も増えてきているため、これからは両親の介護や看護も視野に入れていく必要があります。弊社では「少し実家に戻ってリモートで勤務したい」という申請があれば許可していますし、時間単位で有給を取得することも可能です。このように、社員の事情やライフスタイルに合わせて柔軟に制度を設計しています。

その他にも社内表彰制度や周年祝い金の支給、引っ越し費用などの各種補助金といった多くの制度があり、社員がそれぞれ活用しています。その中でも「リフレッシュ休暇」は、1年に5日間自由に利用できる休暇です。入社時期によって日数は変わりますが、新入社員にも支給しているので、まだ有給休暇が付与されていないときも利用できる点が好評です。

編集部

そのような制度設計にされたきっかけはあるのでしょうか。

磯野さん

社員には長くファンくるで働いて幸せになってほしいという思いと、そのために働きやすい環境を整えていこうという考えがありました。

先ほどのワッフルゥ制度については、ある女性社員から「こんな制度があったらいいのに」という提案があり、私もとても良いアイデアだと思ったので一緒に制度設計をし、本人から役員陣にプレゼンテーションをしてもらいました。その結果、すぐに承認され、導入が決定しました。

やはり、子育てと仕事を両立させて頑張っている社員が一番実情を理解しており、制度設計にも思いが込められます。また、人事評価の項目に「チャレンジ精神」も含まれているので、こういった制度の改善などにおいても社員の意見を積極的に取り入れるようにしています。

編集部

支援制度を必要としている本人がそのままプレゼンし、会社としてすぐに導入していくというのはすばらしいですね。ファンくるさんのカルチャーとして、チャレンジの推奨とそれを受け入れる土壌があるわけなんですね。

採用基準:コミュニケーション力と即戦力となるスキル

株式会社ROI・人事総務マネージャーの磯野さん

編集部

最後に、採用についてお話を伺えればと思います。応募者のどこを重視するかというポイントがあれば教えていただけますか?

磯野さん

当然ながら会社としていろいろな評価軸をもとに面談などを行っていますが、特に重視しているのは「コミュニケーション力」です。リモートワークが多いため、その環境でも積極的にやり取りができるか、そして論理的に意図を伝えられるかというところを見ています。

コミュニケーション力を判断するためには、書類選考だけでは不十分です。弊社では選考の途中までオンラインで行いますが、最終面接では必ず会社に来ていただくようにしています。対面で会話することで、オンラインよりもその人の人柄や能力がよく分かるからです。

編集部

勤務においてはフルリモートも可能ですが、最終面接では実際に会って話すことを重視されているんですね。応募者の能力面ではいかがでしょうか。

磯野さん

ファンくるはまだ100人に満たない会社なので、少数精鋭で運営しているという意識を持っています。そのため、弊社が求めるスキルとその人の能力が合致しているか、つまり即戦力であるかどうかという点をしっかりチェックしています。

ファンくるが求める人材像:チャレンジ精神あふれる方へ

編集部

記事を読んでファンくるさんに興味を持った、また応募を検討している読者の方へのメッセージをお願いいたします。

磯野さん

皆さんに率直に伝えたいのは、「ファンくるは良い人、周りの人のために頑張れる人、その道のプロが多い」ということです。当社はまだ成長段階にあるため、入社後に高いパフォーマンスを求める場面もありますが、周りのメンバーが積極的にフォローし、充実した福利厚生制度などの支援も用意しています。そのため、安心して当社に飛び込んでほしいと思っています。

弊社では、自ら考えて行動できる人、新しいことにチャレンジしていく人を大歓迎しています。そういった挑戦を受け入れ、支援する環境が整っていますので、興味を持っていただけたならぜひ応募をお願いいたします。

編集部

本日はありがとうございました!

■取材協力
株式会社ファンくる:https://www.fancrew.co.jp/
新卒採用ページ:https://www.fancrew.co.jp/recruit/new-graduate
中途採用ページ:https://www.fancrew.co.jp/recruit/mid-career