ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、小松空港や北陸新幹線、高速道路など交通アクセスに優れる石川県小松市の市民を支える「小松市役所」にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同市役所で働く魅力をご紹介します。
小松市役所は、全職員1,104人のうち女性が578人と過半数を占め、管理職の約3割が女性という、女性の活躍が際立つ職場です。特に、広報秘書部門や子育て部門など、女性の視点が重要な部署でリーダーシップを発揮中。また、6パターンの時差出勤制度や小学6年生までの子の看護休暇制度など、子育て中の職員を支援する制度も充実しています。
今回は、小松市役所の女性活躍推進や職員の働き方について、総合政策部人事育成課の中村さんにお話を聞かせていただきました。
小松市役所の女性活躍:管理職の約3割を占める女性の活躍事例
編集部
最初に、小松市役所の女性職員の活躍について伺います。男女比率や女性管理職の割合をご紹介いただけますか?
中村さん
当市役所には、病院職員や消防職員を含めて全体で1,104人の職員(令和6年4月時点)がおり、その内訳は男性が526人、女性が578人で、女性職員の方が多い職場です。また、管理職における女性の比率は29.1%(令和6年4月時点)で、特に部長職には3名の女性が就任しています。
令和7年度までに女性管理職比率を35%以上にするという目標を掲げており、その意識の積み重ねが状況の変化につながっていると思います。現在、残念ながら35%までは到達していませんが、管理職を務める女性職員は着実に増加し、活躍しています。
編集部
女性管理職の皆さんは、どのような部署にいらっしゃるのでしょうか。
中村さん
部長職の女性職員は、広報秘書部門、子育て部門、健康福祉部門と、女性の視点や意見が特に求められる部署で力を発揮しています。
▲(左)こども家庭部長(右)健康福祉部長
小松市は子育て支援に特に力を入れており、例えば子育て部門では、保健師などの女性職員も多く在籍します。そういった意見をまとめ、政策立案に取り入れていく取り組みに、女性のリーダーは大きな役割を果たしています。
▲能登半島地震の被災地である珠洲市には、女性の保健師が派遣された
中村さん
また、令和2年10月から人事育成課長にも女性が就任しました。そのことによって女性職員からは「女性特有の悩みなども相談しやすく、働きやすい職場になった」などの声が届いています。
育児中の職員を支える各種制度:6パターンの時差出勤も可能
編集部
育児と仕事を両立している女性職員も多いかと思いますが、支援する制度や取り組みはありますか?
中村さん
育児休業制度はもちろんのこと、育休終了後には、未就学児をもつ職員が1日2時間まで取得できる「部分休業制度」も整備しており、多くの職員が活用しています。
子どもの体調不良時等に使える「看護休暇制度」もあります。以前は未就学児までが対象でしたが、職員からの「小学生でも体調不良での欠席は少なくないから、拡充してほしい」という要望なども受け、小学6年生まで拡大されました。
そのほか、「時差出勤制度」を導入しており、子育て中の職員向けに6パターンの勤務時間を設定しています。最も早い勤務は7時スタートで15時45分、最も遅い勤務は9時45分スタートで18時30分までとなっており、幅広い選択肢があります。
病院や消防など交代制勤務の部署では利用が難しいのが実情ですが、一般行政職であれば、窓口業務がある部署でも、部内で当番を調整しながら柔軟に対応しています。
編集部
休暇制度に関してはいかがでしょうか。
中村さん
夏季休暇を年間で5日間取得することができますが、従来は6月から9月末までの取得期間だったものが、2024年度より10月末までに拡大されました。半日単位での取得も可能であり、職員が一人ひとりの希望や業務状況にあわせて、より休暇を取得しやすい環境を整えています。
また、町内会活動やPTA・保育所保護者会活動等の地域における社会貢献活動を行う場合には、年間5日を限度として、ボランティア休暇を取得することもできます。
小松市役所のワークライフバランス:業務効率化で残業時間減少
▲中村さんが所属する「人事育成課」の職場風景
編集部
職員のワークライフバランス向上のため、実施されている取り組みはありますか?
中村さん
作業効率化のため、RPA(※1)を積極的に活用しています。市役所ではさまざまな申請が紙ベースで行われていますが、それらをOCR(※2)で読み取ってデータ化する作業まで、全て自動化しています。
(※1)RPA:コンピューター上で行う定型業務を自動化する技術
(※2)OCR:画像データから文字情報を読み取り、テキストデータに変換する技術
また、AI議事録作成システムも導入しており、録音データから自動で文字起こしを行えるようになりました。これは議会に限らず、職員間の会議でも活用しています。
こういった取り組みによって、職員は企画立案など人でなければできない業務に、より多くの時間を割けるようになり、残業時間の短縮にもつながっています。
編集部
時間外労働時間の変化について、具体的な数字を教えていただけますか?
中村さん
令和5年度の実績として、時間外労働時間は月平均9.1時間でした。年次有給休暇の取得日数は着実に増加しており、平成29年度は6.9日、令和2年度は7.7日でしたが、令和5年度では11.3日まで伸びています。
小松市役所の組織風土:市長を筆頭にチャレンジに積極的な文化
▲フリーアドレス化の進む、市役所内のワークスぺース
編集部
小松市役所のカルチャーや雰囲気について、お聞かせいただけますか。
中村さん
当市役所の特徴として、職員間の活発なコミュニケーションと、従来型の業務遂行だけでなく、新しいことへのチャレンジを推奨する組織文化があります。現職の市長は45歳(令和6年12月現在)と若く、「あたらしい小松をつくる」というビジョンを掲げ、職員のアイデアなどの採用にも積極的です。
特に、新規事業の提案時や相談が必要な際には、担当者が直接市長に説明する機会もあり、職員にとって自分の考えを伝えられる環境が、働きがいにつながっています。
また、現在進めているのが、フリーアドレス化です。令和6年12月時点で庁舎全体の約5割の部署で導入していますが、将来的には全庁展開し、部署を超えた連携を促進することを目指しています。
▲市役所にはweb会議ブースも設けられている
編集部
そのようなチャレンジングな風土の中で、実際に行われている新規事業などはありますか?
中村さん
一例として、ライドシェア事業が挙げられます。日常的に移動に不便を感じている住民の方や、観光で小松市を訪れる方の利便性向上を目指し、令和6年2月から運用を開始しました。
また、小松空港~小松駅間では自動運転バスの運行も行っています。国の未来技術社会実装事業の選定を受けるなど、全国的にも先進的な取組となっており、国や県、民間企業等との連携のもとプロジェクトが進められています。車内の機材導入や路線バスとしての運行など、様々な面で職員のアイデアが採用される等、安全・安心・安定を高めていくため、利用者の視点に立った様々なチャレンジが行われています。
こういった先進的な取り組みを通し、市民の皆様の暮らしやすさを追求しています。
小松市役所からのメッセージ:「選ばれる市」をつくる仲間を募集
▲取材にご対応いただいた中村さん
編集部
最後に、小松市役所から転職希望者へのメッセージをお聞かせいただけますか?
中村さん
現代は、理想の住環境を求めて移住するなど、「人が住む場所を選ぶ時代」となっています。そのため、他の地域よりも「いいまち」になるよう行政サービスを展開し、「選ばれる市」を目指すことを重要なテーマとしています。新しいチャレンジに積極的な文化があるので、企画力や新しい発想を持った方を特に歓迎します。
編集部
若手職員の方が新規事業に関わるチャンスはありますか?
中村さん
大いにあります。例えば、先ほどお話しした公共ライドシェアや自動運転バスの事業には、入庁1年目の職員も参画しています。柔軟な発想をお持ちの方と一緒に、面白い施策を展開していければと思います。
編集部
インタビューを通して、小松市役所の女性活躍を後押しする取り組みや、オープンでチャレンジ精神旺盛な雰囲気などが、よく伝わってきました。
本日はありがとうございました。
編集後記
この記事のまとめ
女性活躍の特徴 |
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子育て支援制度 |
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柔軟な働き方 |
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業務効率化 |
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組織文化 |
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求める人材像 |
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小松市役所の基本情報
▲面積の7割が山地という自然豊かな環境が特徴。北陸新幹線を含む交通網や「お旅まつり」などのイベントも魅力
市役所名 | 石川県 小松市役所 |
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住所 | 石川県小松市小馬出町91番地 |
働き方 | 時差出勤 |
公式ページ | https://www.city.komatsu.lg.jp/ index.html |
採用ページ | https://www.city.komatsu.lg.jp/ soshiki/1004/shokuinsaiyou_jinji/ 1519.html |
募集職種 | 技術職(建築士、電気技師) |