日光市役所で働く魅力:専門研修やメンター制度など民間からの転職でも成長できる環境

ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、観光地ならではの特色あるまちづくりや市民サービスの向上を目指す栃木県日光市役所にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同市役所で働く魅力をご紹介します。

日光市役所では、民間企業からの転職者を積極的に受け入れており、充実した研修制度やメンター制度を通じて、新しい職場環境でもスムーズに活躍できる体制を整えています。観光地ならではのまちづくりができることや、若手職員から積極的にアイデアを出せる雰囲気など、専門性を活かせる環境が用意されているのも特徴です。

今回は、日光市役所の安心して働ける制度面や職員の働きがいについて、建設部都市計画課の八木澤さん、企画総務部秘書広報課の麻生さん、日光市消防本部藤原消防署の徳光さんにお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
日光市役所の八木澤さん

八木澤 弘敏さん

日光市役所の建設部都市計画課で主査を務める。入庁8年目。観光地ならではのまちづくりや中心市街地の活性化などの業務に携わる。

日光市役所の麻生さん

麻生 結香さん

日光市役所の企画総務部秘書広報課で主査を務める。入庁5年目。シティプロモーション係で主に広報紙「広報にっこう」の年間計画や紙面構成・編集や広報を担当し、ホームページやSNSの情報発信の管理等にも携わる。

日光市消防本部の徳光さん

徳光 建弥さん

日光市消防本部藤原消防署で主任を務める。入庁9年目。日光消防署での勤務を経て藤原消防署に配属された。

民間からの転職者のサポート:充実の研修やメンター制度あり

日光市役所の八木澤さん・麻生さん・徳光さんのインタビュー風景

編集部

日光市役所では、社会人経験者を意欲的に採用しているとお聞きしました。実際に八木澤さん・麻生さんも民間から入庁されていますが、どんなサポートがあったのか教えていただけますか。

八木澤さん

当市役所には、新規採用職員研修や階層別研修に加え、外部の講座を受講して業務に必要な専門知識を習得できる専門研修制度があり、様々な研修を積極的に受講できる体制が整っています。

私は農学部出身で、民間では水道の維持管理業に従事していました。採用は土木職で専門分野が少し異なる環境での入庁だったんですが、研修があったので安心して業務に取り組むことができました。

また最近では、技術職員の集会が定期的にあり、課題や悩みを共有し、相談できる環境が整っています。このように技術職員が一丸となってサポートし合える体制が整備されているのは、日光市役所ならではの大きな特徴だと感じますね。

麻生さん

私が心強かったのは、同じ課の近い年次の先輩が1年間マンツーマンでサポートしてくれるメンター制度です。民間で9年間勤めてから入庁したこともあり、職務内容や働き方が大きく変わることへの不安があったのですが、メンターの方のおかげで安心して仕事を始められました。

八木澤が言っていたように、入庁時の研修が充実していたのも印象に残っています。特に役立ったのは接遇研修で、民間でも経験はありましたが、電話対応やお客様対応について基礎から丁寧に教えていただくことでスムーズに業務を始めることができました。

編集部

徳光さんは消防職なので内容は少し異なるかと思うのですが、入庁後のサポートについてお聞かせいただけますか。

徳光さん

手厚い支援があるという点では、消防職も同じですね。手を挙げれば資格取得のチャンスをいただけますし、潜水士の資格取得や救助課程の専科など研修機会にも恵まれています。

消防は業務の性質上、基本的に未経験の方がほとんどで、入庁後、すぐに全員が消防学校での研修を受けるためスタートラインは皆同じです。その中で資格を持つことで、上席者からも助言を求められ、チームへの貢献度も高まるため、成長できる環境が整っていることを非常にありがたく感じています。

日光市役所の温かく助け合う風土の中で安心して働ける

日光市役所の多目的スペース
▲日光市役所の多目的スペース

編集部

市役所職員として成長していくためには、制度面のみならず周囲の手助けも必要になると思いますが、印象に残っていることはありますか?

八木澤さん

自分の場合、フォローしてくれる先輩の存在が大きかったですね。入庁1年目の時はわからないことだらけで、ミスをしてしまうことも多々あったのですが、当時の係長から「新採(新規採用職員)のミスは自分のせいだけじゃないから」と優しく声をかけられ、一緒に解決方法を考えてくれました。

別のエピソードとしては、以前、災害対応など業務量の多い維持管理課に在籍していたのですが、その時にスケジュール管理が上手で、残業の少ない先輩がいたんです。その方の働き方を目標に業務と向き合ったところ、子育てをしながらでも残業を減らし、効率的な業務遂行ができるようになりました。

麻生さん

日光市役所には、職員がみんな温かく、助け合う風土が根付いていると感じます。実際、私の場合は両親がほぼ同時に入院したり、自分自身が体調不良で休んだりしてしまうことがあったのですが、チームのみなさんが広報紙の編集や校正をフォローしてくれて本当に助かりました。

徳光さん

私は、第一子が生まれた際、上司が勤務調整などで手厚くフォローしてくださって非常に助かったのが思い出に残っていますね。仕事面に加え、一個人としても気にかけてくれたのがすごくありがたかったです。

職員に聞く働きがい:観光地を整備してより魅力的なまちに

日光市役所の八木澤さんのインタビュー風景
▲インタビューに応じてくださった建設部都市計画課の八木澤さん

編集部

ここから、実際にそれぞれの部署で働いている皆さんの働きがいを感じる点やエピソードについて伺っていきます。八木澤さんはいかがでしょうか?

八木澤さん

私が所属する都市計画課では、日光東照宮に向かう日光街道周辺の景観の形成や、観光客の導線となる道路の高質化整備を進めるなど、観光客を考慮した事業を行っているのですが、整備後に「道を歩くのが楽しい」「写真映えします」といったお声をいただいたときに大きなやりがいを感じますね。

都市計画課の業務だけではなく、維持管理課に在籍していた時も観光客に配慮したさまざまな取り組みを行っていました。例えば奥日光の竜頭の滝という観光名所では、以前は景観台となっている橋が歩車共存の道路になっており、観光客の方から「ゆっくり滝を見たいのに車通りが多くて危ない」といったご要望をいただいたんです。そこで、観光課とも連携しながら、その橋の修繕工事の機会に試験的な取り組みとして歩行者専用への調整を行い、最終的に歩行者専用スペースとして整備することができました。

実際に私も観光客として訪れてみると、ゆったりと名勝を楽しめる場所に生まれ変わったと感じ、達成感に包まれました。

日光市内のお祭りの様子(左)、華厳の滝の風景(右)
▲都市計画課では旧日光市役所を記念公園として整備するなど、日光の歴史や自然を活かしたまちづくりを推進

広報紙制作において、大きな裁量を持ってアイデアを実現できる

日光市役所の麻生さんのインタビュー風景
▲インタビューに応じてくださった企画総務部秘書広報課の麻生さん

編集部

麻生さんにも、働きがいを感じた出来事について伺ってよいでしょうか。

麻生さん

私は、シティプロモーション係で月1回発行の広報紙「広報にっこう」の編集業務を主に担当しています。その中でアイデアを上長に提案すると「やってみたら?」と言ってくださることが多く、大きな裁量を持って業務に携われることに働きがいを感じます。

広報紙の編集は、取材や撮影から紙面データの作成まで、すべての工程を職員4名で担当しているのですが、私は入庁4年目から編集長として編集業務に携わっています。たくさんの市民の方に手に取っていただける広報紙を目指して、今も試行錯誤を続けています。

私が編集長を任せていただいてから、それまで縦書きで文字が多かった情報欄のスタイルを横書きに変更して読みやすくリニューアルしました。また、以前は「ハイチーズ」という市内のお子さんの写真を掲載する市民投稿コーナーがあったのですが、多様化する時代に合わせて、お子さんに限らず、ペットや趣味など市民の皆さんが届けたい様々なニュースを掲載できる「うちのほっとNEWS」へと変更したんです。

広報にっこうの表紙と中身
▲麻生さんが編集長を務める「広報にっこう」。文字のレイアウトを変更するなど、親しみやすい広報紙づくりに注力している

麻生さん

広報紙と市のホームページやSNSを効果的に連携させていくことにも力を入れていきます。これからも親しみを持っていただけるよう工夫を重ね、より多くの市民の方に有意義な情報をお届けできるよう頑張っていきたいです。

救急救命士の資格を取得して職務の幅を広げる。感謝の声もやりがいに

日光市消防本部の徳光さんのインタビュー風景
▲インタビューに応じてくださった消防本部藤原消防署の徳光さん

編集部

徳光さんは、消防職員として働く中でどんなところにやりがいを感じていますか?

徳光さん

私の場合、現場活動における9割以上は救急車での出動となっているのですが、病院に着いてご家族などから感謝の言葉をいただいたときに「この仕事をしていてよかったな」と感じます。

一般的に救急隊員は救急車専任のケースが多いのですが、当消防署では救急・救助・火災といったあらゆる現場活動を兼務で行っていることが大きな特徴です。私は2024年に救急救命士の資格を取得したことで、職務の幅が広がったと感じています。

基本的に、入庁後は半年間の消防学校での基礎研修を受講し、2ヶ月間の救急課程を経て救急車への乗務が可能になるのですが、心肺停止時のアドレナリン投与や点滴などの特定行為を行うためには救急救命士の資格が必要なのです。そこで、救急救命東京研修所に半年間通い、獨協医科大学での病院実習などを経て資格を取得し、2024年7月から特定行為の手技を行えるようになりました。

高齢化に伴い心肺停止の出場件数も増えている中で、救命士の資格があることによって現場でより高度な処置ができるようになり、大きなやりがいを感じています。

日光市消防本部の徳光さんの仕事風景
▲救急救命士の資格取得により、仕事の幅が広がったことを実感されている徳光さん

徳光さん

また、特に私が勤務している鬼怒川温泉街周辺では観光客の救急対応が多くなっています。観光客の方は土地勘がなく、病院の位置関係も分からない場合が多いほか、車で来ていない方や、これからチェックインする予定の方など状況も様々です。

そのため、病気の症状だけでなく、その方の置かれている状況も含めて「何がベストな対応なのか」を考える必要があり、一人一人に最適な対応ができるよう心がけています。

日光市役所から転職検討者へのメッセージ

日光市役所の外観
▲庁舎外観

編集部

最後に、転職を検討されている方へメッセージをお願いします。

八木澤さん

日光市は何といっても観光のまちであり、事務職・専門職として、観光地ならではのまちづくりやインフラ整備に携われることが大きな魅力です。訪れる観光客の方々が過ごしやすい環境を作る仕事には、とてもやりがいを感じています。

特に、この地域への愛着が強い方や、まちづくりに興味がある方にぜひおすすめしたい自治体です。

麻生さん

民間企業からの転職だと不安を覚える方も多いと思いますが、私自身の経験から、民間での経験は市役所でも大きな強みになると感じています。

また、異動が市内に限られるため、長期的なライフプランが立てやすい環境であることもおすすめポイントです。私も前職では全国転勤があり、結婚や親の介護を考慮して転職を決意しました。

ワークライフバランスを大切にしながら、自身の経験を市民に還元したいと考える方は、ぜひ求人への応募を検討してみてください。

徳光さん

消防の仕事は、助けを求める人のところへ駆けつけ、寄り添う気持ちを持って活動することが基本です。時に厳しい現場で心が折れそうになることもありますが、相手の立場に立って考え、寄り添う気持ちがあれば、必ず乗り越えられます。

そういった気持ちを持った方に、ぜひ応募していただけたら嬉しいです。

編集部

本日はありがとうございました!

編集後記

世界的観光地である日光東照宮を抱える自治体として、その誘客やPR、安心・安全に関わる仕事は大きなやりがいを感じられるのではないかと感じました。また、先輩職員が「新採のミスは新採のせいだけではない」と新規採用職員を励ます風土があることからも、庁内の温かい雰囲気が伝わってきました。

この記事のまとめ

業務内容の特徴
  • 観光地ならではの独自のまちづくりや整備を実施
  • 職員4名で広報紙を手作りで制作
  • 観光客の特性を考慮した消防・救急活動を展開
研修・キャリア開発
  • 消防学校での半年間の基礎研修と救急課程研修を実施
  • 技術職向けの月1回の勉強会を開催
  • 救命士など、専門資格取得のサポート体制あり
民間企業からの転職支援
  • 充実した入庁時研修で基礎から丁寧に指導
  • 1年間のメンター制度でマンツーマンサポート
  • 民間での経験を市役所業務に活かせる環境
職場環境・社風
  • 新人のミスに対して寛容で、解決策を一緒に考える文化
  • 介護休暇や不妊治療休暇など、各種制度が充実
  • 制度を実際に活用できる職場の雰囲気あり
働く魅力
  • 観光地ならではの特色あるまちづくりに携われる
  • 異動が市内に限定され、長期的なライフプランが立てやすい
  • 市民や観光客への直接的な貢献を実感できる

日光市役所の基本情報

日光市役所の秘書広報課窓口

市役所名 栃木県 日光市役所
住所 栃木県日光市今市本町1番地
事業内容 日光市の行政業務全般
公式ページ https://www.city.nikko.lg.jp/
採用ページ https://www.city.nikko.lg.jp/soshiki/1/1004/3/index.html
募集職種 一般事務、各専門職(年度によって募集職種は異なります)
取材・編集
紫竹淳志のプロフィール写真

ミライのお仕事編集部

紫竹 淳志

元新聞記者として約10年間、地方行政や選挙、プロ・アマチュアスポーツなど幅広い分野の取材経験あり。ミライのお仕事では、ソフトバンク株式会社や東京商工会議所、株式会社オープンハウスグループなど、数多くの著名企業や教育機関への取材を担当。