ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、株式会社Spider Labs(スパイダーラボズ)にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。
株式会社Spider Labsは、デジタル広告業界の健全化に貢献するサイバーセキュリティ企業です。AIを活用した「アドフラウド(広告不正)対策」の分野で急速に成長を続けており、南青山のオフィスは社員の約3割が外国籍と国際色豊か。勤務時間中に週1回英会話レッスンがあるなど、英語を学びながら仕事で活用できる環境です。
また、ポルトガルに開発・営業拠点があり、海外出張のチャンスにも恵まれています。さらに、3児の母である代表が率いる同社では、女性も活躍しやすい環境が整っています。
今回は、株式会社Spider Labsのグローバルな職場環境や働き方の特徴、女性の活躍について、代表取締役の大月さんにお話を伺いました。
Spider Labsのグローバル環境:日本拠点は外国籍社員が3割

編集部
まず、御社の働く環境について伺います。非常に国際的な職場だと伺いましたが、具体的にどのような環境なのでしょうか?
大月さん
日本オフィスでは約3割が外国籍のメンバーで構成されており、エンジニアに限ると約8割が外国籍(2025年11月現在)です。国籍はマレーシア、フィリピン、ウクライナ、フランスなど様々で、多様性に富んだ環境となっています。

▲全社会議中の大月さん
また、ポルトガルにエンジニアや海外営業、CSの拠点があり、毎月誰かが出張していますね。出張するメンバーの選出にあたっては実績が考慮されますが、手を挙げれば誰にでもチャンスはあります。

▲Spider Labsの海外拠点を訪れた大月さん
編集部
そういったグローバルな環境では、英語を使用する機会はたくさんありそうですね。
大月さん
そうですね。例えば私が全体会議でプレゼンをする際は、基本的に日本語と英語の両方で行っています。社員同士ですと職種にもよりますが、例えばCSがプロダクトの仕様を外国籍のエンジニアに確認する時などに英語を使用しますね。
ただ、SlackにAIの翻訳機能を入れているので、英語に不安がある場合でも業務上の支障はほとんどないと思います。

▲笑顔で仕事をするSpider LabsのCSメンバー
編集部
グローバルな環境ならではのメリットを教えていただけますか?
大月さん
英語力が伸びることはもちろんですが、視野が広がることも大きなメリットだと感じます。
例えば、以前自社サイトで「月平均残業時間10時間以下」とアピールしていたのですが、海外のメンバーから「それを打ち出している時点で、かえってブラックなにおいがする」と指摘されたことがありました。日本の常識がそのまま海外で通用するわけではない、と気づかされましたね。
もちろん、多様な文化へのアジャストは簡単ではありません。例えば、全社ディナーではヴィーガンやハラールに対応したレストランを探す必要がありますし、ハラスメントに関する感覚の違いもあります。それでも、そうした違いに向き合うこと自体が貴重な学びになっています。
英会話レッスンやTOEICの費用補助で社員の英語力向上をサポート
編集部
英語を使う機会が多いとのことですが、入社時にはどの程度の英語力が必要ですか?
大月さん
入社時の英語力はあまり重要ではなく、TOEICの取得スコアも特に設定していません。入社してから学ぶ機会がたくさんありますし、学ぶ意欲さえ高ければ日常業務で積極的に英語を使用して、ぐんぐん成長していけると思います。
編集部
英語学習のサポート体制についても教えていただけますか?
大月さん
当社では、会社の費用負担で業務時間中にビジネス英会話のレッスンを受けられます。基本的には週1回のグループレッスンですが、ポジションが上がって英語でのコミュニケーションが必須になるメンバーには週2〜3回のマンツーマンレッスンも提供しています。
また、年に1回TOEICの受験費用も会社が負担しています。
編集部
実際に入社後、英語力が伸びた方の例はありますか?
大月さん
1年でTOEICの点数が200点伸びたメンバーもいます。レッスンも役立っていると思いますが、自分の上司が外国籍だったり、外国籍のメンバーをマネジメントする立場になったりと、環境要因で伸びるケースも多いですね。
Spider Labsの働きがい:デジタル広告詐欺を防ぐ社会的意義
編集部
改めてですが、御社の事業内容について教えてください。
大月さん
当社の事業は、AIを活用したアドフラウド(広告不正)対策ツール「Spider AF」の開発・提供を主軸としたサイバーセキュリティ事業です。2025年からは不正転売・ブランド毀損・外部タグ改ざんなど、マーケティングセキュリティの領域でも事業を展開しています。
編集部
社員の方々は、どのようなところに「やりがい」を感じているのでしょうか?
大月さん
デジタル広告業界には、広告費を不正に搾取する「アドフラウド」という問題があり、その実態は不透明になりがちです。私たちはその不正を検知・防止する側、つまり業界をクリーンにする仕事をしているため、「子どもにも胸を張って仕事の話ができる」といった満足感や、社会的意義を感じているメンバーは多いですね。
また、私個人としては「外貨を稼ぐ」ことにもやりがいを感じています。弊社は海外にもお客様がおり、外貨を稼ぐスタートアップです。こうした会社が成功モデルとなって上場すれば、日本のマーケットにも良い影響を与えられると信じています。
また、「結果重視」の文化もメンバーの働きがいにつながっていると感じます。人事評価は「定量評価」と「定性評価」の2つの側面から行っていて、基本的には実績が給与に直結します。最近だと、「AIをどれだけ活用して生産性を上げているか」も評価対象となっています。
ミッションは「AIで安全で幸せな未来を築く」。AI活用も積極的

編集部
御社はどのようなミッションを掲げていらっしゃいますか?
大月さん
当社のミッションは「Building a Safer & Happier Future with AI(AIで安全で幸せな未来を築く)」です。このミッションにもある通り、私たちは自分たちの世代だけでなく、子どもたちの世代もハッピーな世界を築くために、AI技術が不可欠だと考えています。
そのため、「AIにかけるお金は天井をつけない」と決めているんです。プロダクトや会社もAIなしでは立ち行かなくなる時代を見据え、会社を挙げてAI活用を推進しています。
編集部
具体的には、どのようにAIを活用されているのでしょうか。
大月さん
全メンバーがChatGPTやGeminiなどの有料版にアクセスでき、ミーティングのノートテイカーや分析、レポート作成、営業担当者によるデータ分析など、様々な業務で活用が進んでいます。
これからは、営業、CS、人事、経理、エンジニアといった職種の境界があいまいになっていくと考えています。例えば、以前は専門知識が必要だったデータ分析も、今は誰でもできるようになりました。コーディングも同様で、AIがコードを書いてくれますし、エラーが出てもスクリーンショットを撮ってAIに見せれば修正してくれます。つまり、社員一人ひとりの守備範囲が格段に広がっているんですよね。
当社では、この変化をチャンスと捉えています。AIを最大限活用することで、少ない人数でも大きな成果を出せる組織を目指していて、そうすれば社内で話している「みんなで平均年収1,200万円を目指そう」という目標にも近づけるのではないかと思います。
編集部
AIスキルを学ぶためにどのような環境を整備されていますか?
大月さん
Udemy(オンライン学習プラットフォーム)は全メンバーが利用可能で、AIはもちろん、データ分析やコーディングの基礎なども自ら学べる環境を整えています。また、AIの最新情報について学ぶ勉強会なども企画しており、今後さらに充実させていく予定です。

▲社内勉強会に臨むSpider Labsのメンバー
女性活躍と働きやすさ:女性社員は3割。女性管理職も在籍

編集部
社内の女性の活躍状況はいかがですか。
大月さん
現在(2025年11月)の女性比率は約3割で、CSチームに女性が多いです。CSや総務には女性のマネージャー(管理職)もいますよ。
成果主義の当社では性別に関係なく評価される環境が整っているので、今後は女性メンバーがたくさん増え、活躍してくれることを願っています。

▲フォンブースで仕事をするSpider Labsの女性メンバー
編集部
大月さんご自身も3人のお子さんを育てていらっしゃると伺いました。
大月さん
そうですね。そのせいか、ありがたいことにインターンの女子大生などから「憧れています」と言われることもあります。女性活躍のロールモデルのように見ていただいている面はあるかもしれません。
編集部
子育てと仕事を両立するための制度はありますか?
大月さん
会社が提携しているベビーシッターを利用できる制度があり、これは女性に限らず男性も利用可能です。この制度を利用すれば、子どもが急に発熱した時などに、子どもを会社に連れて出社することもできますよ。
Spider Labsの採用:異業種からの転職者も活躍中

編集部
御社には、どのような経歴の方が勤務されていますか?
大月さん
経歴は本当にバラバラです。アドテク(広告配信技術)関連や広告代理店の経験者もいますが、前職が携帯販売だったメンバーなど、全くの異業種から転職して活躍している人もいます。
編集部
異業種からでも活躍するためには、どのような姿勢が必要でしょうか。
大月さん
自ら情報を取りに行く姿勢があることですね。また、AI時代においては、業務を俯瞰して全体の流れを設計できるスキルが非常に大事だと考えています。AIが細かい作業をサポートしてくれる分、全体を見渡して筋道を立てられる力が重要になってきているんです。
編集部
採用において、必須の経験やスキルはありますか?
大月さん
先ほど申し上げたように、特定の業界経験は必須としていません。それよりも、何か一つ強みや専門性を持った上で、スタートアップならではの幅広い業務にも対応できる柔軟性があれば理想的ですね。
編集部
選考において、どのような点を重視されていますか?
大月さん
当社には結果重視の文化があることもあり、まずは前職で担っていたポジションでどれだけ具体的な成果を出してきたかを見ています。また、AIを活用してどれだけ生産性を高められるかも重要な評価ポイントです。
Spider Labsから転職希望者へのメッセージ
編集部
最後に、転職を希望されている方々へメッセージをお願いします。
大月さん
男女関係なく、ぜひ積極的にご応募いただきたいです。当社では性別や年齢に関係なく成果で評価をしますし、子育てサポートも充実しています。「仕事もキャリアも、家庭も子育ても、どちらも諦めたくない」という方には最適な環境だと思います。
そして、AIをフル活用しながら、グローバルな環境で結果を出すことに挑戦したい方、ご自身の可能性を存分に広げたいという方のご応募を、心よりお待ちしています。
編集部
本日はありがとうございました!
編集後記
株式会社Spider Labsの働き方のまとめ
| グローバル環境 |
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|---|---|
| 事業の特徴 |
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| 働き方 |
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| 女性活躍 |
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| 採用 |
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株式会社Spider Labsの基本情報
| 企業名 | 株式会社Spider Labs |
|---|---|
| 住所 | 東京都港区南青山7-10-3 南青山Stビル4階 |
| 事業内容 | アドフラウド対策ツール「Spider AF」の開発・提供 マーケティングセキュリティ事業 |
| 設立 | 2011年 |
| 公式ページ | https://jp.spideraf.com/about-us |
| 採用ページ | https://jp.spideraf.com/careers |
| 募集職種 (※2025年11月現在) |
コーポレート、カスタマーサクセス、マーケティング |


