女性が活躍できる環境を作り、独自のサービスを展開しながら成長を続けている企業をインタビューする本企画。
今回は、WEBマーケティング代行事業や不動産売買仲介事業などを展開している株式会社ユナイテッドリバーズにお話を伺いました。
株式会社ユナイテッドリバーズとは
株式会社ユナイテッドリバーズは、法人向けにWEBマーケティング代行事業、個人向けに不動産売買仲介事業や犬用歯磨きジェルの開発・販売を手掛けています。
設立当初は法人に対してのみサービスを展開していましたが、コロナ禍の影響によってサービスの提供範囲を個人に広げました。
会社名 | 株式会社ユナイテッドリバーズ |
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住所 | 東京都千代田区岩本町2-13-6 ミツボシ第三ビル |
事業内容 | ・不動産仲介業 ・犬用歯磨きジェルの企画・販売 ・有料職業紹介事業 ・完全成果報酬型Webマーケティング代行事業 ・受託型WEBマーケティング代行事業・ネット広告事業 ・WEBマーケティングに伴うWEBサイト制作・開発事業 ・コンテンツマーケティング・SEO事業 |
設立 | 2009年8月 |
公式ページ | https://united-rivers.com/ |
株式会社ユナイテッドリバーズの特徴は、スタッフ一人ひとりが自走できるだけのスキルを持っており、柔軟に顧客対応できる体制を構築できている点です。
積極的に受け入れているインターン生も、自走できるまでに育つ環境があります。
同社の働き方や環境について、代表取締役の沢辺敦志さんにお話を伺いました。
完全成果報酬型でWEBマーケティング代行事業を展開
▲個人向け・法人向けに幅広く事業を展開している(公式サイトより引用)
編集部
初めに、ユナイテッドリバーズさんの事業内容について伺わせてください。
沢辺さん
ユナイテッドリバーズでは法人向けにWEBマーケティング代行事業など、個人向けに不動産売買仲介事業と犬用歯磨きジェルの開発・販売事業などを展開しています。
ユナイテッドリバーズのWEBマーケティング代行事業の最大の特徴は、完全成果報酬型であるという点です。サイト・コンテンツ制作から広告運用など、WEBマーケティングに関する施策の代行を一括で請け負っていますが、施策の実行段階では費用はいただいておりません。施策の実行費については、ユナイテッドリバーズで負担しております。
報酬が発生するのは何かしらの成果が出た時点です。例えば、クライアントで人材紹介会社さんがいらっしゃるのですが、エントリー一件ごとにユナイテッドリバーズに報酬が発生するといった体系を採用しています。
編集部
WEBマーケティング代行事業を展開している企業は多くありますが、珍しいビジネスモデルだと感じました。なぜ完全成果報酬型を採用しているのでしょうか?
沢辺さん
ユナイテッドリバーズが完全報酬型を採用している理由は、WEBマーケティングの施策を素早く実行したいためです。
例えばWEBサイトを作る段階で報酬が発生してしまうと、大きなコストがかかっているため制作段階でクライアントが慎重になってしまい、サイトのローンチまで時間がかかってしまうケースがあります。
ただ時間が経過してしまうのはクライアントにとっても、そしてユナイテッドリバーズにとっても良いことではないので、2017年ごろから完全成果報酬型を採用しております。
編集部
クライアントとWin-Winの関係を築くためには完全成果報酬型が適していたということですね。
▲薬剤師の求人情報サイト「ファマリク」の運営もユナイテッドリバーズの事業のひとつ。
コロナ禍をきっかけに不動産仲介サイトや犬用歯磨きジェルをリリース
▲個人向けの不動産仲介サービス「イエフリ」は仲介手数料無料という点が強み
編集部
個人向けのサービスについてもお教えください。
沢辺さん
ユナイテッドリバーズの個人向け事業では、不動産仲介サイト「イエフリ」と犬用歯磨きジェル「ワンオーラ」の開発・販売などを手掛けています。
イエフリの特徴は、仲介手数料最大無料でサービスを展開できているという点です。イエフリはユナイテッドリバーズが運営しているため、不動産仲介のポータルサイトに広告を出稿せずに済みます。
また、実際に動いてもらっている営業担当や宅建士、受付担当は業界歴の長いプロフェッショナルの方ばかりです。全員業務委託で、少数精鋭制を採っているため人件費を削減できています。
オーナーが不動産会社の物件については交渉して、手数料を不動産オーナーからいただいていますので、利用者から仲介手数料をいただかなくてもサービスが成り立っているのです。
沢辺さん
次に、ワンオーラについてですが、自社で工場は持っていませんが企画開発はユナイテッドリバーズの女性スタッフが担当しております。
編集部
2つのサービスはWEBマーケティング事業とは異なった事業領域ですが、なぜ個人向けサービスを展開するに至ったのでしょうか?
沢辺さん
個人向けサービスを展開するきっかけは、コロナ禍で売り上げが厳しくなってしまったためです。
先ほどクライアントの例として人材紹介会社さんを取り上げましたが、コロナ禍で人材採用の動きが止まってしまったこともあり、人材紹介会社さんとの取引が6割ほど減ってしまったのです。
そこで、イエフリとワンオーラを展開することとなりました。
不動産仲介事業については、コロナ禍以前から不動産仲介会社の接客代行にも取り組んでいたためノウハウもありました。
ワンオーラについては、当時、人材紹介会社様への営業担当スタッフから提案をもらったことや、一緒に探して、良い工場・製品を見つけられたこともありサービスを始めました。
オフィスには社長1人のみ。スタッフ全員がフルリモートで勤務
編集部
ユナイテッドリバーズさんはリモートワークを採用されているそうですが、いつから現在の働き方になっているのでしょうか?
沢辺さん
ユナイテッドリバーズでは2018年から完全リモートワークを採用しています。
正社員が8名、業務委託のスタッフが30名弱いますが、オフィスには基本私しかいません。不動産仲介事業を展開しているため郵便物がたくさん届くこともあり、基本的に私はオフィスにいます。
編集部
不動産仲介事業については業務委託のスタッフに任せているとのことですが、全国にスタッフがいらっしゃるのでしょうか?
沢辺さん
不動産仲介事業のスタッフは鹿児島や兵庫、鳥取など全国で業務に当たっています。
大阪にもオフィスを作りましたし、全国でサービスを展開できているというのもユナイテッドリバーズの強みですね。
スタッフにメッセージを伝える際は録画を活用、それぞれの時間を尊重する
▲チャットツールで録画データのURLを共有しているようす。リモートでもさまざまな方法を使って効率よく仕事を進めている。
編集部
全国にスタッフがいらっしゃって、正社員の方も完全フルリモートということでコミュニケーションの取り方が難しいのではないかと感じましたが、その点はいかがでしょうか?
沢辺さん
リモートワーク中のコミュニケーションについては、必要があればすぐにZoomを繋いで話すという方法が定着していますが、特に能動的に何かをやっているということはないですね。
一体感を出すためにさまざまなコミュニケーションツールを試したこともあるのですが、自由に淡々とそれぞれの仕事を進めつつチャットでコミュニケーションを完結させるというスタイルが、ユナイテッドリバーズには合っていました。
編集部
それぞれが責任を持って仕事進められるスキルがあるからこそ、無理やりコミュニケーションを取る必要はないということですね。
沢辺さん
それぞれがやるべき仕事があるにもかかわらず、わざわざ時間を合わせてオンラインで集まる場を作るというのも私の中では少し違うかなと思っています。
こちらから伝えたいことがある場合は自分の話を動画にして、「見たい時に見て」というスタイルを取っていますね。一方向ではありますが、「チャットで伝えると少し強めに伝わってしまうかな」といった場合は録画を活用しています。
編集部
コミュニケーションに録画を活用するというのは珍しいケースですね。スタッフが自分のペースで仕事ができるよう配慮されていることが伝わります。
スタッフの半数は女性、カバーし合う体制で自由な働き方を実現
編集部
ユナイテッドリバーズさんの男性スタッフと女性スタッフの割合はどれぐらいでしょうか?
沢辺さん
ユナイテッドリバーズのスタッフは約半数が女性です。
編集部
約半数が女性ということで、女性が活躍できる環境を構築するために工夫されていることはございますでしょうか?
沢辺さん
ユナイテッドリバーズでは、正社員のスタッフにも中抜けや時間単位の有休取得について認めています。チャットに中抜けや時間休取得の旨記載いただければ、いつでも自由にしていただいて大丈夫です。
ユナイテッドリバーズは、私も含めですが「日常に仕事を溶け込ませる」という方針で働いています。やはり子育て中の方だと、長時間続けて仕事に当たるというのは難しいです。それぞれの生活スタイルに合わせて働いてもらっていますね。
編集部
働き方については基本的にそれぞれの裁量に任せているということですね。中抜けをしたスタッフがいた場合はそのフォローも必要だと思いますが、どのような体制で顧客に対応しているのでしょうか?
沢辺さん
ユナイテッドリバーズでは、一人のスタッフに業務が集中しないよう、それぞれに役割を分担して任せています。
例えば、不動産仲介事業は相談を受け付けた後に、各地で業務に当たっているスタッフがお客様のもとに伺うというスタイルを取っています。
担当スタッフがやらなければならない仕事は多岐にわたっているのですが、日程調整や契約書の作成などは担当者以外のスタッフが担っていて、それぞれが互いにカバーし合う体制が取れています。
この分業体制は、サービスにも良い影響を与えています。もし1人のスタッフがあらゆる業務をこなさなければならない場合は1人月3件ぐらいの案件が限界ですが、分業制にすることで1人月10件までは担当できます。
このような体制を構築することで、仲介手数料無料でサービスを提供できているのです。
編集部
分業制によって皆様の働き方に好影響が出ているだけでなく、サービスの品質向上にも結び付いているのですね。
「副業可能」「時短勤務の正社員」など多様な働き方を認める環境がある
編集部
ユナイテッドリバーズさんではどんな女性スタッフの方が活躍しているのでしょうか?
沢辺さん
ユナイテッドリバーズは副業を認めており、自分の好きなことを続けながら仕事をしているスタッフがいます。
例えば、かつてバンドを組んで音楽活動をしていた女性スタッフがいるのですが、現在はナレーションの仕事などもしています。
中抜けしてナレーションや音楽に関する仕事にも取り組んでいますね。近いうちにコーラスとして中国に行く予定もあるとのことです。
編集部
非常にユニークな活動をされているのですね。ユナイテッドリバーズさんには業務委託のスタッフも多いですし、多様で自由な働き方を認めているからこそユニークなスタッフがいらっしゃると感じました。
沢辺さん
多様な働き方という観点でいうと、時短勤務の正社員も在籍しています。この方はもともと個人事業主として活動されていた方でした。個人事業主として活動できるほどスキルを持っている方ですが、妊娠出産を考えた際に福利厚生の面で課題を感じていたそうです。
そこで約6年前に、ユナイテッドリバーズからオファーを出しました。「うちで社会保険料を払わせてください」というような形でお声がけさせていただきましたね。
編集部
自分に合った働き方が可能だからこそ、ユナイテッドリバーズさんでは多くの女性スタッフが活躍されているのですね。
未経験のインターン生が3年で優秀なエンジニアへ
編集部
ユナイテッドリバーズさんではインターン生を受け入れているとのことでしたが、インターン生はどのような業務に当たるのでしょうか?
沢辺さん
インターン生には基本的にWEBマーケティング代行事業の分野で、あらゆる業務に当たってもらっています。
インターンシップ開始3カ月は補助業務が中心ですが、サービス開発のディレクション、案件受注後の進捗管理、新規の営業と既存スタッフと同じような役割を担ってもらいます。もちろん、フルリモートでの勤務です。
WEBページ制作未経験の方も受け入れており、スキルアップのための各種研修を実施しております。過去には、ほぼ未経験でインターンシップに参加した方が、3年後にPM兼エンジニアとしてリクルートに入社した例もあります。
編集部
ほぼ未経験からそこまで成長するとはすごいですね。その方はどういった業務を担当されていたのでしょうか?
沢辺さん
リクルートに入社したインターン生は、当初WEBマーケティングアシスタントとしてユナイテッドリバーズのインターンシップに参加しました。
インターン2年目からプログラミング研修を実施し、実際にエンジニアとして業務に当たってもらっていました。
この方は、不動産業界の「囲い込み」(※)という問題になっている習慣を解決するシステムを作りました。不動産会社からの問い合わせを1個のフォームで一括で受け付け、自動で問い合わせと対応履歴を残し全ての問い合わせと対応履歴を売主が把握できるという仕組みを作ったのです。
(※)不動産の売主から専任媒介契約で売却依頼を受けた不動産会社が、その不動産を独占する習慣。
他の不動産会社から「その不動産を買いたい人がいるから案内させてほしい」と問い合わせがあった場合、「すでに売れた」などと虚偽の情報を伝えることで不動産を紹介しないという対応が取られていることもある。
その方は今もリクルートに所属していますが、業務委託という形でユナイテッドリバーズにも少し力を貸してもらっています。
編集部
優秀な人材を育て、現在もつながりがあるというのはインターンシップの最高の成果ですね。
今の環境に息苦しさを感じている人に応募してほしい
編集部
どういった経歴を持つ方にユナイテッドリバーズさんに入社してほしいとお考えでしょうか?
沢辺さん
ユナイテッドリバーズに入社する前に、インターンでも業務委託でも何でも良いので1社は経験しておいてほしいというのが正直なところです。例え3カ月、半年であっても、社会人経験を積んでいるという点は大きいと思います。
ただ、特に今の若い方はデジタル領域において吸収が早いと思いますので、経験の浅さという点は心配していません。
営業であれライティングの経験であれ、何かしら経験がある方と一緒に事業開発していきたいと考えています。
編集部
最後に、ユナイテッドリバーズさんに興味を持っている方に向けてメッセージをお願いいたします。
沢辺さん
現在の自分の環境について、「もっと素早く動けるのではないか」「管理しすぎではないか」と感じている方は、ユナイテッドリバーズの環境は魅力的に映ると思います。
私自身、細かいマネジメントをしているというよりは、一人ひとりの強みを発揮して責任を持って自由に働いてもらえる環境を作ることを考えています。
もし今の環境に息苦しさを感じていらっしゃるのであれば、ぜひ一度お話しさせていただけると嬉しいです。
編集部
決して縛り付けるのではなく、それぞれのスタッフに大きな裁量権を持たせて自由に働いてもらうという、ユナイテッドリバーズさんが大切にしているスタイルが伝わりました。本日はありがとうございました。
■取材協力
株式会社ユナイテッドリバーズ:https://united-rivers.com/
採用ページ:https://united-rivers.com/saiyo/