完全フルリモート組織を実現した株式会社プラスカラー。代表もヨーロッパ在住中で柔軟な働き方に注目

フルリモートなどの新しい働き方で、メンバーが生き生き働ける環境を実現している企業を紹介する本企画。今回は、広報・PRのサービスを通して女性が活躍できる社会を目指す、株式会社プラスカラーにインタビューしました。

プロの広報力で企業を支える株式会社プラスカラー 

株式会社プラスカラーは、広報・PRを軸とし、企業のブランディング・採用・営業活動を支援する会社です。企業が抱える広報に関するさまざまな課題に対して、プロの広報力でソリューションを提供しています。

会社名 株式会社プラスカラー
住所 東京都渋谷区恵比寿2丁目28-10 Shu BLDG 2978
事業内容 広報力を活かしたコンサルティング事業
・広報サポート(広報戦略設計、メディア紹介、広報人材育成)
・採用サポート(採用戦略設計、採用集客支援、人材紹介(13-ュ-307944)
・営業サポート(営業戦略設計、アポイント獲得支援)
設立 2013年3月15日
公式ページ https://pluscolor.co.jp/
働き方 フルリモート

株式会社プラスカラーでは、自分のライフスタイルに合わせて仕事をしたいというメンバーが多く活躍しています。今回は多様な人材が活躍できる柔軟な働き方にスポットをあてて、代表取締役の佐久間映里さんにお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
株式会社プラスカラー代表取締役の佐久間映里さん

株式会社プラスカラー
代表取締役

佐久間 映里さん

「多様性のある社会」を目指してプラスカラーを設立

株式会社プラスカラーのコーポレートスローガン
▲「女性が変われば、社会が変わる。」をスローガンに、女性が活躍できる社会の実現を目指している(Wantedlyより引用)

まずはプラスカラーさんの事業内容について教えてください。

佐久間さん

弊社は企業の広報活動を支援する会社です。ひと言に広報といっても、サービス広報・採用広報・コーポレート広報など幅広くカバーしていて、法人のお客様から広報にまつわる相談事があれば、それに対して課題解決につながるサービスを提供しています。

プロの広報アドバイザーによる広報支援が当社にご依頼いただく一番需要の多いサービスです。

編集部

ホームページを拝見しましたが、企業向けだけでなく個人向けのサービスも提供されているんですよね。

佐久間さん

はい。最近ですと広報の仕事に興味を持ってくださる方やオンラインのみで仕事をしていきたいという方々も増えているため、広報・PRの実務プログラムを1日完結型で参加できる「アドレカレッジ(ADOREcollege)」の受講者も増えています。

また、生き方や働き方の多様化が進み始めた日本で、ロールモデルとなる女性の働くストーリーを通じて企業やサービス認知を促進するためのサイト「NOZOKIMI-ノゾキミ-」も展開しています。

株式会社プラスカラーが運営するWebメディア「NOZOKIMI」
▲Webメディア「NOZOKIMI-ノゾキミ-」では、企業で働く女性の生の声を、キャリアに悩む女性たちに届けている(公式サイトより引用)

佐久間さん

さまざまなサービスがありますが、私たちはこれらのサービスを通じて、女性を中心に労働力を社会で最大化することを目指しています。

編集部

コーポレートスローガンでも、「女性が変われば、社会が変わる。」というメッセージを掲げていらっしゃいますよね。「女性の活躍」には強い想いを持たれているのでしょうか?

佐久間さん

そうですね。私が起業したとき、もし今後出産したとしても子育てと両立しながら仕事で成果を出し続けるのは難しいと感じていました。日本ではまだまだ子育てと仕事をフルスロットで両立させる仕組みや制度が整っていなかったからです。

だから女性が何かを諦めることなく、自分らしい働き方を見つけて輝ける世の中を実現したい、という想いからこの会社を立ち上げたんです。

ただ、いま現在は起業した時ほど”女性だけ”にはフォーカスしていません。女性という括りではなく、「自分のライフスタイルにあう働き方」を目指して組織づくりをしています。

業務委託という自由度の高い働き方で、子育て中のママも活躍

育児をしながら働く株式会社プラスカラーの社員
▲育児中のメンバーも活躍している(Wantedlyより引用)

編集部

元々、女性が活躍できる社会づくりを目指していたプラスカラーさんですが、現在でも多くの女性が活躍されているとお聞きしました。どのくらいの割合なのでしょうか?

佐久間さん

30名くらいいるメンバーのうち、8割くらいが女性で、2割くらいが男性というイメージです(2023年9月現在)。現在は女性のみに限定して採用しているわけではないのですが、弊社のミッションに共感するのは女性が多いというのが背景にあるのだと思います。

編集部

子育てしながら働かれている方も多いのでしょうか?

佐久間さん

たくさんいらっしゃいます。私自身も教育移住を目的に海外で子育てをしながら仕事をしていますし、ほとんどのメンバーが子育て世代です。

なぜ多くの子育て世代が集まるのかというと、弊社で働くメンバーとの労働契約は業務委託型だからだと思います。雇用関係にあるわけではないので、働く時間や場所などに制約はなく、自分の裁量で働き方を決められるんです。

例えば、ライターの業務を行うメンバーであれば、月間で担当する記事の本数で単価が決まっています。1本2万円の仕事であれば、10本書けば20万円になりますよね。納期を守っていただければ、それをどこでどの時間でやっていただいても問題ありません。

女性だけでなく男性の方でも、「積極的に子育てに参加したい」という理由でこのような働き方を希望し、弊社でお仕事していただいている方も複数いらっしゃいますよ。

編集部

担当する自分のタスクを、自分の使える時間でこなせばよいということですね。

佐久間さん

はい。先ほどもお話ししたとおり、私が会社を設立した目的として、「どんな人でも働きたい人が働ける社会作りがしたい」というのがありました。弊社で働くメンバーについても、どうすればそれが実現できるかと考えたときに、業務委託という形での労働契約はお互いが求める働き方を実現する方法だと確信し、2018年に雇用制度を撤廃しています。

どこか1社に所属するというよりも、「自分のスキルを活かしたい」とか「理想の生活スタイルを実現したい」と考えていらっしゃる方が、弊社を見つけて応募してくださっている感じです。そのため他社での仕事をしながら複業として働いている方も多く在籍しています。

代表はヨーロッパ在住。全員がオンラインでつながる働き方

株式会社プラスカラーのメンバーがリモートで打ち合わせを行っている様子
▲メンバーは全員フルリモートで働いている

編集部

プラスカラーさんでは、メンバーの皆さんはリモートで働かれているのでしょうか?

佐久間さん

はい。全員が完全にオンラインで繋がっています。私は2021年の夏にヨーロッパに拠点を移しています。移住後に採用した方とはリアルの場で、一度も会ったことがありません。

編集部

完全テレワークだと、拠点もないということでしょうか?

佐久間さん

はい。拠点はインターネット上のオンラインオフィスのみです。コロナ前に出社とリモートのハイブリット勤務の試行を始めたのですが、コロナの流行によりリモートワークの頻度が増え、気づけば誰もオフィスに来てない状態になっていたんです。その結果、完全にオフィスを撤廃しました。

チーム内でメンバーの稼働時間を見える化し、好きな時間に働く

株式会社プラスカラーで使用しているオンライン名刺
▲株式会社プラスカラーで使用しているオンライン名刺。クライアントさんとの打ち合わせもリモートで実施している

編集部

フルリモートで、さらにそれぞれが好きな時間に仕事をするとなると、コミュニケーション面での課題も出てきそうですが、どのような工夫をされているのでしょうか?

佐久間さん

プロジェクトごとにチームが作られて動いていくので、まずはチーム内で各自のスケジュールを共有することとしています。「子供がいるから朝方と夜は難しい」「何時から何時までは稼働できる」など、それぞれが働く時間を自由に決めて、宣言しています。

編集部

お互いの稼働時間が把握できていると、仕事が進めやすそうですね。

佐久間さん

はい。そのうえで、Slackというビジネスチャットを使ってやり取りを行っています。

24時間以内に返信することを原則として、もし24時間以内に返信がなかったら見落としている可能性があるためもう一度連絡をするなど、オンライン上でスムーズに仕事をするための共通のルールを設けています。こうした工夫により、スムーズなコミュニケーションが実現できていますよ。

編集部

プラスカラーさんではクライアントさんとの打ち合わせや取材の機会もあるかと思いますが、それもすべてオンラインで行っているのでしょうか?

佐久間さん

基本的にはオンラインで行っていますが、写真撮影の必要がある場合やクライアントさんから要望があった場合は、担当者が出向いて対応します。もし担当者が難しければクライアントさんとの合意のもと、他のメンバーをアサインして対応することもあります。
主担当だけですべてを行っているわけでなく、サブ担当としてサポートしてくれるメンバーがさまざまなところにいるので、コミュニケーションを取りながら柔軟に対応できていますよ。

引き受ける仕事も自分の自由。経験の浅い仕事への挑戦も

編集部

プロジェクトチームで業務を進めていくとのことですが、具体的に、どのようなプロジェクトを何人くらいのメンバーで担当しているのでしょうか?

佐久間さん

例えば、「NOZOKIMI-ノゾキミ-」という働く女性にインタビューするサービスでは、クライアントさんからの発注後、プロジェクトオーナーがディレクター・ライター・カメラマンをアサインし、3人程度のメンバーでプロジェクトが組まれます。ディレクターがクライアントさんとの窓口となって、全体のスケジュールを調整しながら納品まで完了させます。ひとつのプロジェクトにかかる期間はおおよそ3か月程度ですね。

広報コンサルの仕事に関しては、クライアントさんとの契約期間をもとに、プロジェクトオーナーが広報アドバイザーをアサインしてそのプロジェクトが終わるまで担当してもらっているというイメージです。

編集部

支払われる報酬は、それぞれのタスクによって決まっているのでしょうか?

佐久間さん

そうですね。実務内容や責任レベルなどによって単価が決まっています。

その仕事を受けるか受けないかはメンバーの自由です。割に合わないからやめるというケースもありますし、逆に、経験を積むために報酬はそれほど高くなくてもやってみるというケースもあります。実務経験がない場合は、まず自社のプロジェクトに参加しその後クラアイントプロジェクトにアサインという流れなので、経験がなくても意欲さえあれば管理者のサポートのもとで業務を行っていただくことができます。

編集部

自分の裁量で引き受ける仕事を選択できるというのは、理想の働き方やキャリアビジョンがある方にとってはとても魅力的ですよね。

記事作成から採用まで、多様な体験ができるインターン

編集部

続いて、インターンについてお伺いします。プラスカラーさんには、どのようなインターンプログラムがあるのでしょうか?

佐久間さん

「実践インターン」と「長期インターン」という2種類のプログラムがあります。

実戦インターンは、何をやりたいかまだ決まってない段階の方向けの8日間のプログラムです。8日間の中で、弊社内のさまざまな仕事を体験します。

その中でやりたい仕事を見つけた方は、長期インターンに参加していただきます。長期インターンでは、自分でやりたい仕事を選択し、数値的な目標を設定しながら実際に業務を行います。3か月単位のプログラムですが、そのまま卒業まで在籍されている方も多いです。

編集部

長期インターンでは、具体的にどのようなお仕事をされている方がいますか?

佐久間さん

例えば、プレスリリースの作成や、議事録作成などの事務業務、コンサルのアシスタント業務、採用関係の仕事など、さまざまです。最近はInstagramなどのSNS運用などをお願いすることもあります。

業務委託メンバーの見習い期間というイメージでプロジェクトにアサインされて、サポートを受けながら仕事を進めてもらっていますよ。

編集部

かなり多様なことが体験できるのですね。

佐久間さん

そうですね。中でもコンテンツ作成関連の業務は若い世代には得意な方が多く、フィットしやすいですね。動画作成などのテクニカルな知識も豊富ですし、作成するスピードもとても速いです。

ですが、それが趣味の延長になってしまわないように、仕事を進めるうえで確認が必要なポイントやクライアントさんとのコミュニケーションの取り方などに重点をおいて教えるようにしています。社会に出た時にしっかりとコミュニケーションを取りながら業務を行うスキルを身につけていただければと思っています。

編集部

インターン生が、卒業後プラスカラーさんでお仕事されているというケースもあるのでしょうか?

佐久間さん

はい。インターンから業務委託契約で今もお仕事をお願いしている方もたくさんいます。他の会社に就職して、副業として弊社の仕事をやっていらっしゃる方もいますよ。

理想の生き方や働き方を持っている、自立した人を歓迎

株式会社プラスカラーのメンバーが打ち合わせをしている様子

編集部

最後に、採用についてお伺いします。業務委託の契約でお仕事を依頼されているとのことですが、どのような方と一緒にお仕事がしたいと考えていますか?

佐久間さん

まず前提として、私たちが人を選ぶというよりは、私たちのワークスタイルに共感する方に弊社を利用していただければいいと思っています。

採用するといっても雇用関係はないので、弊社が賃金や生活を保証するわけではありません。自立した大人が、「自分はこういう生き方をしたい、こういう働き方がしたい」と思ったときに、弊社の考え方とフィットすれば、ぜひご応募ください。

自分の理想を持った、自立した方に弊社を見つけてもらえたら嬉しいですね。

編集部

業務委託契約という自由な働き方で、プラスカラーさんとお仕事する方がWin-Winな関係になれることを目指しているということですね。

佐久間さん

はい。また、「経験はあまりないけれど、今後のキャリアを見据えていろいろなことに挑戦してみたい」という方にとっても、とてもいい環境なのではないかと思います。

未経験のうちはキャリアを積める場所が見つかりにくいですよね。ですが、弊社では経験が浅い方でも、管理者のサポートのもと経験を積んでいくことが可能です。

最初のうちはそんなに大きな収入を得られるわけではありませんし、それだけで生計を立てていくのは難しいかもしれませんが、経験値が上がってくるとその分収入も増えますし、今後に役立つ経験ができると思います。

編集部

プライベートと両立して働き続けながら、経験も積んでキャリアを描きたいという方にとっては、とても魅力的な環境ですね。

インタビューを通して、プラスカラーさんの多様な人材の活躍を応援したいという理念を強く感じることができました。本日は貴重なお話をたくさんお聞かせいただき、ありがとうございました。

■取材協力
株式会社プラスカラー:https://https://pluscolor.co.jp/
採用ページ:https://pluscolor.co.jp/recruit/