株式会社クリエアナブキが考える「地方で働く魅力」と「女性の働きやすさ」とは

株式会社クリエアナブキが考える「地方で働く魅力」と「女性の働きやすさ」とは

地方で働ける環境を作り、女性の活躍を促しながら成長を続けている企業にインタビューする本企画。今回は、人材関連サービスを展開している株式会社クリエアナブキにお話を伺いました。

人材関連サービスを展開する株式会社クリエアナブキ

株式会社クリエアナブキのスローガン「ひとに翼を。」とイメージ図
▲「ひとに翼を。」をスローガンに人材関連サービスを展開している(公式ページより)

株式会社クリエアナブキが手掛けているのは、人材派遣や転職支援、海外人材事業などの人材関連サービスです。

そのほか、受付業務やコールセンターなどの業務を一括で請け負うBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)も展開しているなど、人材不足に悩む企業に支援の手を差し伸べています。

会社名 株式会社クリエアナブキ
住所 香川県高松市磨屋町2番地8 あなぶきセントラルビル3F
事業内容 人材派遣、人材紹介、BPO、海外人材事業、障がい者雇用支援などの人材関連サービス
設立 1986年4月11日
公式ページ https://www.crie.co.jp/

香川県に本社を置く株式会社クリエアナブキは、2018年に託児機能付きオフィス「クリエ×ママスクエア高松」をオープンしました。その後、愛媛にもクリエ×ママスクエアを展開するなど、地方で女性が働ける場を作り続けています。

同社での女性の活躍ぶりや地方で働く上で大切になるポイントについて、代表取締役社長の楠戸三則さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
株式会社クリエアナブキの代表取締役社長 楠戸さん

株式会社クリエアナブキ
代表取締役社長

楠戸 三則さん

災害の多発化によって生まれたBPOへの需要

株式会社クリエアナブキが展開している事業の紹介画像
▲人材派遣からBPOまで幅広いサービスを展開している

編集部

初めに、クリエアナブキさんの事業内容について伺わせてください。

楠戸さん

クリエアナブキは1986年の創業以来、人材関連サービスを展開しています。創業時から続けているのは人材派遣や人材紹介などのマッチング事業ですが、今力を入れているのは企業の業務を一括で請け負うBPOです。

これまで人材不足に悩む企業様には人材をマッチングさせるという方法で支援させていただいておりましたが、生産労働人口が少なくなっている中でそれも難しくなりつつあります。

そこで、各企業様の業務で切り出せる部分については切り出していただいて、弊社で請け負わせていただくというビジネスモデルを展開しています。

編集部

クリエアナブキさんは本社が香川にありますが、基本的にお客様は中国・四国エリアのお客様になるのでしょうか?

楠戸さん

弊社のお客様は中国・四国エリアのみにとどまりません。首都圏の企業様からBPOをご依頼いただくこともあります。首都圏の仕事を私たちのような地方企業が請け負うことで、地方の活性化にもつながります。

依頼企業様からすれば人件費の削減にもつながりますし、首都圏が災害に見舞われた場合でも地方の機能は生きていますので、事業継続性の観点からBPOはリスクヘッジにも貢献しているのです。

編集部

災害が増えてきた現代では、一部機能を地方に置きたいと考える企業様も多いのですね。地方の人材関連会社というとその地域に特化してサービスを展開しているイメージがあるのですが、クリエアナブキさんはサービスの輪を広げているのですね。

楠戸さん

コロナ禍によって、私たちのフィールドである人材業界も環境が変わりました。以前は、UIターンを検討している求職者の転職相談は東京や大阪のオフィスにお越しいただき、キャリアコンサルタントと対面で行っていましたが、今は場所を問わずオンラインで求職者の対応ができます。

海外人材事業も展開していますし、この変化は弊社にとって追い風でしたね。

編集部

人材業界の変化の波にうまく乗れたということですね。

女性活躍のため託児機能付きオフィス「クリエ×ママスクエア」を展開

株式会社クリエアナブキが展開するママスクエアの様子
▲ガラス越しでワークスペースからキッズルームが見える託児機能付きオフィス「クリエ×ママスクエア高松」

編集部

クリエアナブキさんの社員さんの男女比についてお教えください。

楠戸さん

社員のうち、6割ほどが女性社員です。また、管理職の3割が女性という状況です。弊社では男性だから、女性だからということで優遇はしません。非常にフラットな環境にあります。

弊社としては働く女性を応援したいという思いを強く持っていますし、活躍している女性社員が実際にいることで、また別の女性社員の励みになると考えています。

編集部

働く女性を応援するためにどのような施策を実行されているでしょうか?

楠戸さん

2018年に託児機能付きオフィス「クリエ×ママスクエア高松」をオープンしました。ママスクエアはワーキングスペースからガラス越しでキッズルームが見えるオフィスです。多くの応募をいただいており、今では愛媛県松山市にも展開しています。

ママスクエアには、小さなお子さんを持つ方が多く、週3日程度の時短勤務からスタートします。お子さんの成長とともに時間や日数を増やし、小学生になればママスクエアを卒業して、フルタイムの仕事などまた違うステージで働いてもらっています。

ゆくゆくは正社員としての転職につなげるなど、ライフステージの変化とともに節目節目で雇用形態を変えるなどしながら、弊社としても成長を見守っていきたいと考えています

編集部

子育て中の女性からすると非常にありがたい環境にあると思いますが、楠戸さん自身、女性の働く環境というものに課題を感じられているのでしょうか?

楠戸さん

弊社は女性が働きやすい環境を作るために日々改善を積み重ねていますが、「働きたい」という思いを持っていても、やはり本人に一部負担が積み重なっているという状況は社会の現実としてあると思っています。

そんな状況をなくすために弊社として何を見直していくのか。女性社員も多く在籍していますので、いろいろな目線から見ていかなければならないと考えています。

男女問わず多くの社員がチャレンジを楽しむカルチャーがある

オンラインミーティング中の株式会社クリエアナブキの社員

編集部

どんな女性社員がクリエアナブキさんで活躍されているのでしょうか?

楠戸さん

ある女性社員の例ですが、この社員は何度か異動を経験しています。以前は岡山支店でコーディネーターをしていたものの、今は香川に来てもらって全く別の業務を担っていますね。

彼女については、実は私が岡山まで出向いて、香川への異動を打診したのです。嫌がることもなく、とりあえず何事もやってみようという姿勢でいてくれました。そんな挑戦心あふれる社員が、クリエアナブキには多く在籍しています。

編集部

挑戦を楽しむ社員が男女問わず多くいらっしゃるということですね。

楠戸さん

クリエアナブキの社員は、多くがチャレンジを楽しめる人材です。とにかくチャレンジをしてみようという姿勢にあふれています。とても頼りになる社員ばかりです。

編集部

「チャレンジに前向き」というのがクリエアナブキさんのカルチャーだといえそうですね。

社員の裁量に任せたリモートワーク勤務、柔軟に休みを取れる制度も充実

面談中の株式会社クリエアナブキの女性社員

編集部

女性社員が働き続けるためには柔軟に働ける環境を整えることが欠かせないと思いますが、その点クリエアナブキさんはどのような取り組みをされているのでしょうか?

楠戸さん

クリエアナブキでは、コアタイム無しのフレックスタイム勤務制や時短勤務制、半日有休制度などを導入しています。これは社員の声を受けるなどして導入してきた制度です。通院や子供の学校行事への参加、家族のイベントなどで休みを取りたいというケースは当然あると思いますので、その点は柔軟に運用しています。

編集部

リモートワークも導入されているとのことですが、何か運用に当たってルールはあるのでしょうか?

楠戸さん

リモートワークについては、それぞれの社員の裁量に任せています。リモートワークをする際に申請も必要ありません。

編集部

リモートワークではリアルで顔を合わせる機会も少なくなりますので、新入社員のフォローに苦労するというケースもありますが、その点はどのような対策を取られているでしょうか?

楠戸さん

やはり新入社員の場合は、出社をして学びたいという声も多いです。そのため、クリエアナブキでは新入社員1人に教育担当の社員をつけるとともに、チーム全体で手厚く支えていく体制を取っています。

また、バーチャルオフィスも導入していますので、気軽に悩みについてディスカッションできる環境を整えています。新入社員については押さえつけてもいけないですし、自由にやらせてあげるのが基本です。ただ、何かシグナルがあればすぐに巻き取るというのは大切にしていますね。

編集部

社員間でコミュニケーションを密に取れるような工夫をされているのですね。それはリアルの場でも同様でしょうか?

楠戸さん

弊社は2022年夏に本社オフィスのレイアウトを大きく変え、フリーアドレスを採用しました。カフェのような雰囲気も作り、社員はもちろんお客様からも好評を得ています。

出社したくなるようなオフィスにしたこともあってか、リモートから出社に変わるケースもありました。若手社員がいろいろな社員とコミュニケーションを取れるという意味では、とても良いことだと思います。

編集部

オンライン、オフライン両面で社員同士の交流が活発なのですね。

株式会社クリエアナブキのオフィスの様子
▲2022年夏に本社オフィスのレイアウトを一新し、フリーアドレスを導入した

UIターンを考える時に重要な「変化への理解」

打ち合わせ中の株式会社クリエアナブキの社員たち

編集部

クリエアナブキさんは香川に本社があるということでUIターンの社員さんもいらっしゃると思いますが、地方での採用を活発化させるために取り組んでいることはございますでしょうか?

楠戸さん

弊社は「せとうちWORK&LIFE」というメディアを運営しています。このメディアでは、中国・四国エリアの生活情報やUIターン相談会の情報の発信、求人情報の掲載などを行っています。

編集部

UIターンの現状を実際に見ていらっしゃるクリエアナブキさんだからこそ感じるUIターンの魅力や課題などはございますでしょうか?

楠戸さん

中国・四国エリアに限らず、地方に住むことで、海や山の景色がきれい、ゴルフやキャンプなどのアウトドアが楽しめる、といった一般的なメリットを感じることはあるでしょう。

ただ、UIターンを検討している方に理解してもらいたいのは「生活環境が大きく変わる」ということです。UIターンは旅行ではなく、住み続けて生活していくことです。

なので、本当に仕事が自分に合っているか、環境が合っているか、というのを考えて、変化を理解した上で移住してもらいたいなと考えています。

編集部

クリエアナブキさんにUIターンで入社される方には、その点をしっかり説明されているのでしょうか?

楠戸さん

Uターンの方はこれから移住する場所の環境がしっかりわかっていると思いますので、特にIターンの方には生活の変化というものをしっかり理解してもらうようにしていますね。やはり環境へのアジャストが重要になってきます。

編集部

生活のこともしっかり考えたうえでUIターンしてほしいということですね。

地域を活性化させていくことに面白味を感じてほしい

株式会社クリエアナブキのキックオフで集合する社員たち

編集部

地方に本社を構えるクリエアナブキさんだからこそ感じられる、働く魅力とは何でしょうか?

楠戸さん

多方面にサービスを展開しているクリエアナブキですが、原点にあるのは地域密着です。何千、何万社と向き合うのではなく、地域に根差してがんばっている企業様の課題を解決するのが私たちの仕事なのです。

企業様にじっくり向き合っていると、やはり信頼関係が築けてきます。永続的なお付き合いとなって、一緒に成長していくことができるのです。地方はどんどん衰退しているといわれていますが、そんななかで地域を活性化させていくことにおもしろさを感じてほしいと思います。

編集部

クリエアナブキさんは35年以上に渡って地域に根差したサービスを展開されています。やはり地域に貢献しているという自負もございますでしょうか?

楠戸さん

弊社は、多くの中国・四国地方の企業様とお付き合いを続けてきました。また企業だけでなく、自治体様とも人材に関する分野でともに歩んでいます。

「クリエアナブキでこんなことはできないか」というありがたい言葉を頂けていますので、多くの企業様・自治体様と連携して地域を盛り上げてきたという思いはあります。そして、そこがやはりおもしろいポイントでもありますね。

編集部

地域に貢献したいという思いを持った方にとっては魅力的な環境だといえそうですね。

挑戦への思いが強く、人の成長を喜びながら成長できる人材を求む

株式会社クリエアナブキの代表取締役社長 楠戸さん

編集部

クリエアナブキさんの採用プロセスはどのようになっているでしょうか?

楠戸さん

以前は1次、2次、3次面接と対面での面接を行っていたのですが、今は採用プロセスを減らしオンラインも活用しています。求職者の負担を減らすことが理由の一つですが、1回1回を大切にして、しっかりと求職者に向き合っていきたいという思いがあります。

また、ご希望いただければ応募前に社内見学をすることも可能です。イメージをふくらませて応募するという方もいますので、お気軽にお問い合わせいただければと思います。

編集部

最後に、クリエアナブキさんに興味を持っている方に向けてメッセージをお願いいたします。

楠戸さん

クリエアナブキでは、「チャレンジを楽しめる人」「人の輝きに喜びを感じる人」「成長意欲・学習意欲が高い人」というのを人事ポリシーとして掲げています。この人事ポリシーは数年前に何度も議論を重ねて定めたものです。

今は先行きが不透明な時代です。私たちが所属しているあなぶきグループでは「日々是前進」という社是をかかげています。チャレンジする気持ちを持ってほしいという思いが込められているのです。

私たちは人材ビジネスを展開しています。だからこそ、人の成長を喜べる方に入社いただきたいと思います。人の成長を促すとともに、自分自身を成長させる意欲も高い。それが私たちが求める人材像です。

編集部

地方に貢献しながら自分も成長できる。そんな魅力あふれる会社だと感じました。本日はありがとうございました。

■取材協力
株式会社クリエアナブキ:https://www.crie.co.jp/
採用ページ:https://www.crie.co.jp/recruit/