若手や女性の活躍を支援する企業の取り組みを紹介するこの企画。今回は世界に挑戦するアスリートの語学習得サポートや、幼児・小学生を対象とした英語×スポーツスクールを運営する一般社団法人グローバルアスリートプロジェクトを取材しました。
英語×スポーツスクールのパイオニア一般社団法人グローバルアスリートプロジェクト
一般社団法人グローバルアスリートプロジェクトは、世界に挑戦する日本人アスリートを語学面から応援することを目的に、2011年に発足、2014年に一般社団法人として設立されました。
ヨーロッパで活躍しているプロサッカー選手・川島永嗣氏らがアンバサダーに名を連ねるグローバルアスリートプロジェクトは、"多くの日本人がスポーツを通じて外国語のコミュニケーションスキルを身につけ、世界を舞台に活躍し続けることを応援すること。” を理念に掲げ、46競技200人以上のアスリートの語学をサポート。また、英語サッカースクールや英語キッズチアスクールなど、スポーツを通じた教育事業も展開しています。
会社名 | 一般社団法人Global Athlete Project(グローバルアスリートプロジェクト) |
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住所 | 東京都渋谷区千駄ヶ谷2-9-6 Barbizon3 #301 |
事業内容 | 世界に挑戦するアスリートの語学習得サポート・子ども達が対象の英語×スポーツスクールの運営 |
設立 | 2011年6月13日(発足日) 2014年3月14日(法人設立日) |
公式ページ | https://globalathlete.jp/ |
子どもが夢中になれるスポーツに語学を加えることで、自然と英語が身につく「スポーツ×語学」というコンセプトのスクールには、語学力やスポーツ経験を活かしたスタッフが講師として指導にあたっています。
スタッフの大半が20代という一般社団法人グローバルアスリートプロジェクトには、どのようなスキルやマインドを持った方が活躍されているのでしょう。
子育て世代も活躍する同法人の働き方と共に、創業以来実施しているインターンシップ制度などについて、代表理事の田中隆祐さんと、スクール講師の宮野真緒さん、田中あみさんにお話を伺いました。
20代が活躍するグローバルアスリートプロジェクト
編集部
子ども達を対象に英語×スポーツスクールを運営しているグローバルアスリートプロジェクトさんでは、20代を中心とした若手スタッフが活躍しているとのことですが、その割合や業務内容についてお聞かせください。
田中隆祐さん
業務委託やアルバイト、外国人の先生を含め、半数以上が20代、30代が半数以下、40代後半が1名というメンバーで運営しています。業務内容としては大半が英語サッカースクールや英語キッズチアスクールのコーチを担っています。
ジョインのきっかけは英語×スポーツの相乗効果
▲練習中のコーチの指示は全て英語で行われる
編集部
子供たちにスポーツと英語の指導にあたっているグローバルアスリートプロジェクトさんのスタッフは、どのような理由で貴社にジョインされたのでしょう。
宮野さん
愛知県の英会話教室で働いていた私の場合は、高校2年生の時にニュージランドに1年間留学したことと、ダンスやチアをやってきた経験を活かせる仕事がしたいと漠然と考えていました。
そんな時、Instagramでグローバルアスリートプロジェクトを知り、「私がやりたいのはこれだ!」と思い、応募したことが入社のきっかけです。現在はグローバルアスリート英語キッズチアスクールの講師を努めています。
田中あみさん
プレイヤーとしてサッカーに長く携わってきた私ですが、サッカーに関する仕事に就けるとは正直思っていませんでした。そんな時、父がグローバルアスリートプロジェクトを見つけ、インターンシップに参加、現在はグローバルアスリート英語サッカースクールで講師を担当しています。
大学生の時に1年間のカナダ留学を経験したことで、将来は英語を使う仕事がしたいと考えていた私は、アスリートを語学面でサポートする事業や、スポーツを通じて語学を学ぶコンセプトに感銘し、インターンからスタッフとしてジョインしました。
▲サッカーを通して体を動かしながら楽しく自然に英語を学ぶスクールでは、ネイティブとバイリンガルの先生がサッカーと英語の両方を楽しく指導している
編集部
田中あみさんはインターンとしてグローバルアスリートプロジェクトさんに携わった時、どのようなことを感じたのでしょう。
田中あみさん
まず、サッカーを通して英語を学ぶことに面白さと楽しさを感じました。スクールに参加している子供たちの生き生きとした表情や、レッスン中、自信を持ってアイデアを発言する様子、外国人の先生とフラットな関係で接している様子など、全てが魅力的でした。
編集部
宮野さんも田中あみさんも、スポーツを通して英語を学ぶグローバルアスリートプロジェクトさんの取り組みに共感され、入社をされたのですね。
宮野さん
おっしゃる通りです。入社前に見学をした際にスクールで楽しそうにチアや英語を学ぶ子供たちを実際に見ることで、私にも何かできることがあるかもしれないと強く思ったことを今でも覚えています。
田中あみさん
インターン生としてプロジェクトにジョインした際に感じたのは、机に座って長時間勉強するよりも、好きなサッカーやチアをやりながら自然に英語を学ぶ方が身に付くということです。
新卒入社のスタッフ全員がインターン経験者
編集部
田中あみさんのように、グローバルアスリートプロジェクトさんのインターン生から正社員になった方はどれくらいいるのでしょう。
田中隆祐さん
基本的には創業時からインターン生を受け入れており、田中あみのように新卒で入社する全てのスタッフは、インターン経験者です。これまで約7名がインターンから正社員として入社しています。期間はまちまちですが、就活と並行して行うため1ヶ月程度とする方が最も多く、創業時は3年と長期にわたる方もいました。
また、幼稚園から小学校まで当スクールに通っていた生徒さんが、小学校卒業後もグローバルアスリートプロジェクトに携わりたいことを理由に、中学生インターンのようなかたちで先生のアシスタントを務めたこともあります。その生徒さんは留学を機に、インターンを卒業しました。
編集部
新卒採用者が全てインターン経験者ということは、グローバルアスリートプロジェクトさんがいかに魅力的な組織であるかを如実に物語っていると感じます。
インターン生から社員へ。入社前に業務を経験したことが役立っている
編集部
田中あみさんにお聞きします。グローバルアスリートプロジェクトさんのインターンシップでは、どのようなことを体験されたのでしょうか。
田中あみさん
2021年11月に、1ヶ月のインターンシップに参加した時は、スクールの中の3人目のアシスタントの先生という立場でレッスンに参加しました。日本人や外国人の先生がどのように教えているかを学ぶ他、インターンの後半には1〜2時間程度のレッスンを任せてもらい、実際に指導する経験を積むことができました。
インターンシップ終了後の11月後半に内定をいただいた私は、12月のキャンプやイベントにもインターン生として参加しました。大学生の時に入社後の仕事内容や働き方を知ることができた、貴重な体験でした。
編集部
インターン生として具体的に働くことで、入社後のイメージを具体化できるのですね。
「スポーツ×語学」に興味関心がある学生を歓迎
編集部
インターンシップには、どのような学生に参加いただきたいとお考えですか?
田中隆祐さん
当社が展開する「スポーツ×語学」に関するさまざまな活動に興味関心があり、共感できる方はぜひ、インターシップに参加いただきたいと考えます。学ぶ意欲がある学生は基本的には受け入れるスタンスです。インターン生を経験した結果、入社につながれば幸いです。
オフィスは東京・千駄ヶ谷ですが、スクールは東京、埼玉、神奈川、千葉で行っているので、大学や自宅から通いやすい場所を選んでいただきます。
子供たちが自然に英語を発する瞬間がかけがえのない喜び
▲グローバルアスリート英語キッズチアスクールではチアで使用する英語の他、日常的に使う英語をチアの練習を通して学ぶことができる
編集部
宮野さん、田中あみさんにお聞きします。グローバルアスリートプロジェクトさんの仕事で、やりがいに感じていることをお聞かせください。
宮野さん
例えば、3歳になったばかりの女の子に、最初は「Are you ready?」と尋ねても、Yes or Noではなく、「Are you ready?」とそのまま返ってくることがほとんどです。
レッスンの回数を重ねることで「How many points did you get?」といった、長めの質問にもしっかり受け答えができるようにまで成長した姿を見れることにやりがいを感じます。また、「マオ先生がいるからスクールに来るのが楽しい」と、生徒さんや親御さんからおっしゃっていただけることも、喜びややりがいにつながっています。
田中あみさん
私たちは同じフレーズを自然に繰り返してレッスンを行っています。入会当初は、英語が全くわからないお子さんがほとんどですが、レッスンを重ねていくごとに英語を聞く力が育ち、「I know」といった言葉が自然に出る瞬間は、本当に嬉しいです。
また、グローバルアスリートプロジェクトに入ってからお子さんが明るくなり、自らの意思で発言する機会が増えたと、親御さんから言っていただけることにやりがいを感じます。
編集部
グローバルアスリートプロジェクトさんでの経験は、英語の習得だけではなく、積極性やコミュニケーション能力なども養われるのですね。
1日のルーティンは午前中はデスクワーク、午後からスクール
編集部
英語キッズチアスクール、英語サッカースクールのそれぞれで講師を務められている宮野さんと田中あみさんですが、1日のスケジュールはどのようになっているのでしょう。
宮野さん
午前中はオフィスでの作業になります。定例のミーティングではイベント、合宿の打ち合わせ、単発のワークショップの計画などを話し合います。それ以外では保護者の方に連絡を取るなど、さまざま事務作業を行います。午後からはそれぞれが担当するスクールのレッスンにあたるというのが、1日のスケジュールです。
田中あみさん
スクールの会場は日によって異なるので、午前中の事務作業を終えた後、各所に移動、スクール終了後に帰宅といった流れになっています。
1年目からスクール運営。プレッシャーは先輩がしっかりサポート
編集部
グローバルアスリートプロジェクトさんのスタッフは大半が20代とのことですが、若手の活躍を象徴するようなエピソードがあればぜひ、お聞かせください。
田中あみさん
入社1年目から複数のスクールを任せてもらい、現在は4つのスクールを担当しています。1年目からスクールを持つことは裁量を持ってスクール運営を任されることでもあるため、やりがいと同時にプレッシャーを感じることもあります。
例えば、集客においては自分で営業計画や、体験会の企画を考案するのですが、経験のない仕事ということもあり、壁にぶつかることもあります。
そんな時は先輩たちに相談することで乗り越えてきました。営業先のマッピング作業や、レッスンでは子供たちが楽しめるメニューの工夫など、知識と経験豊かな先輩たちのアドバイスにとても助けられています。
編集部
意見やアドバイスはどのようなかたちで受けることが多いのでしょう。
田中あみさん
スタッフは年齢に関係なく、フラットに接してくれるので、レッスンで行き詰まっていることを日報に書くと、すぐにシェアをし、みんなで解決に導いてくれます。
また、基本的に午前中はオフィスでデスクワークをしているので、普段の会話の中でも気軽に相談することができます。
編集部
大きな裁量を与えるだけではなく、フォロー体制もしっかりされているのですね。
イレギュラーな休みは仲間がフォロー。子育て世代も働きやすい環境
編集部
宮野さんは小学生の娘さんがいらっしゃるとのことですが、家庭と仕事の両立を支援するグローバルアスリートプロジェクトさんの制度や、宮野さん自身が働きやすさを感じることなどをお聞かせください。
宮野さん
子供が体調を崩したり、メンタル面の不調から学校を休むとなると、どうしても仕事に影響がでます。そのような時は「遅めの出社で大丈夫だよ」と言ってもらえたり、業務によっては在宅勤務ができたりなど、家庭の状況に合わせて柔軟に対応できるのがグローバルアスリートプロジェクトの特徴です。子育て世代にとって本当にありがたい文化だと感じます。
このような文化は現在、育休産休中のメンバーが復職する際の不安を和らげることにもつながると思います。
編集部
宮野さんのようにお子さんがいるメンバーは正社員の他、どのような業務形態で働かれているのでしょう。
宮野さん
アルバイトや業務委託などさまざまです。英語やチアをやっていたけれど、出産を機に現場を離れ、子育てがひと段落した際に業務委託で復職した者もいます。
子供や自分の体調がすぐれない時などイレギュラーなことで休む場合は、他のメンバーがレッスンをフォローします。難しい場合はレッスンを振り替えることも可能です。
もちろん、体調管理は大切ですが、スケジュール通りに必ずスクールを開催しなければならないというプレッシャーはなく、無理のない範囲で家庭と仕事を両立できる環境です。
編集部
なるほど。宮野さんはご自身のワークライフバランスを考える時、どなたに相談されるのでしょう。
宮野さん
私の場合は休みが必要になった場合は都度、代表の田中に相談しています。一般的に組織のトップに相談をしたり意見を述べたりするのは躊躇してしまいがちですが、当社は代表とスタッフが近い距離で仕事をしているので、誰でも気軽に相談することができます。
延長保育費用を会社が負担。働くママを支えるカルチャー
▲子供好きなスタッフがジョイン。子育て世代へのフォローも手厚い
編集部
代表の田中さんは、スタッフと近い距離で業務にあたっているとのことですが、ライフステージの変化に合わせた働き方の支援や、スタッフとのコミュニケーションなど、グローバルアスリートプロジェクトさんを運営するうえで心がけていることはありますか?
田中隆祐さん
もともと英語のサッカースクールから始まった当社は、設立当初は男性スタッフのみの工業高校のような雰囲気でした。そこにチアスクールが加わったことで女性スタッフが増え、現在はサッカースクールも含め、7割が女性という組織になっています。
当社の場合は女性スタッフに優秀なメンバーが多く、パワーがあります。そのような中、女性スタッフが働きやすい環境を整えることは必然と考えます。
宮野の娘さんが保育園に通っていた時は延長保育費用を、土日に行われるキャンプの時は、宿泊を伴う託児施設の費用を会社側が負担することを申し出ました。
また、子供の体調不良などで定時出社が難しい場合は、LINEで一言、「今日は遅れます」でOKとし、負担をなるべく軽減するようにしています。
編集部
制度を設けてその範囲内でサポートするのではなく、助け合う文化が根づいているのですね。
田中隆祐さん
当社ではスタッフの子どもが遊びに来ることがよくあります。スクールでは普段から子供に触れているスタッフばかりなので、お母さんが仕事中の時は他のスタッフが子供の面倒をみたり、遊んだりしています。
普段レッスンで子供に接してるので、お母さんのスタッフも安心して任せることができるのだと思われます。
編集部
そのような環境は、育休から復職するスタッフにとっても心強いですね。
田中隆祐さん
育休からの復帰を目指してるスタッフがいるのですが、現在は在宅で当社のInstagramやブログの更新作業を担っています。復職後のサポートはもちろん、在宅でもできる仕事を模索しているところです。
例えば、現在は各レッスンを担当する先生が事務作業も兼任していますが、分業にし、事務作業を育休明けのスタッフが担当することで、それぞれの負担を軽減することを検討しています。
編集部
優秀なスタッフがグローバルアスリートプロジェクトの事業に貢献しているからこそ、会社としても働きやすい職場づくりに取り組んでいるのですね。
採用ポリシーは子供たちにスポーツと英語の楽しさを教えられる方
編集部
幼児・小学生を対象とした英語×スポーツのスクール運営などの事業、スタッフの働きやすい環境に取り組むグローバルアスリートプロジェクトさんに興味を持った読者は多いと思われます。最後に転職を検討する方に向け、貴社が求める人物像など、採用に関するメッセージをお願いします。
田中隆祐さん
サッカーやチア、ダンスを通し、子供たちに英語を学んでほしいという思いを抱いている方を歓迎します。また、子供が好きということも、当社にフィットする条件かと思われます。外国人の先生も含め、ポジティブなスタッフが多いので、支え合いながらプロジェクトに取り組める方にジョインいただければ幸いです。
英語のスキルとしては、子供に対して使う英語はそれほど難しいものではないので、ビジネスシーンで通用するほどの高いスキルは求めません。ただし、レッスンは外国人の先生とペアを組んでオールイングリッシュで行うので、コミュニケーションや意思疎通を図る英語力は必要です。日々、英語に触れることで自然とブラッシュアップされていくことでしょう。
編集部
スポーツを通して英語を学ぶスクールのパイオニアであるグローバルアスリートプロジェクトさんで働くことは、子供たちはもちろん、スタッフのスキルアップにもつながると感じました。また、お互いを支え合いながら働きやすい環境づくりに取り組む貴社の企業姿勢に感銘した読者も多いことでしょう。
本日はありがとうございました。
■取材協力
一般社団法人グローバルアスリートプロジェクト:https://globalathlete.jp/
採用ページ:https://globalathlete.jp/recruit/