若手社員の活躍する企業の特徴や、エンジニアの働き方などを紹介するこの企画。今回は、株式会社Tixplus（ティックスプラス）を取材しました。同社は、電子チケットや主催者公認のチケット二次流通サービス、さらにプロスポーツチーム・リーグ向けのデジタルトレーディングカードサービスの開発・運営を手がけています。
株式会社Tixplusの事業概要：安心・安全な電子チケットサービスの提供
株式会社Tixplusは、電子チケットサービス「チケプラ」、発券・入場管理を行う「チケプラアプリ」、主催者公認のチケット二次流通サービス「チケプラトレード」、さらにプロスポーツチームや各種プロスポーツリーグ向けのデジタルトレーディングカードサービスの開発・運営を行う企業です。
「チケプラアプリ」は、多くのアーティストの全国ツアーやライブで採用されているほか、プロスポーツ、レジャー、文化施設、ゲームイベント、展示会など、幅広い分野で実績を上げています。
また、社会問題となっているチケットの高額転売防止にいち早く取り組み、購入したチケットを定価で取引できる独自サービス「チケプラトレード」を提供。このサービスはイベント主催者やユーザーから高い評価を受け、採用実績が急増しています。
| 会社名 | 株式会社Tixplus（ティックスプラス） |
|---|---|
| 住所 | 東京都渋谷区渋谷3-12-18 渋谷南東急ビル 5階 |
| 事業内容 |
|
| 設立 | 2018年12月 |
| 公式ページ | https://tixplus.co.jp/ |
| 働き方 | ハイブリッド勤務（出社＋リモートワーク） |
安心・安全なライブエンターテインメントを提供する同社には、どのような企業文化が根付き、どのようなスキルを持ったエンジニアが活躍しているのでしょうか。
今回は、若手スタッフのフォロー体制やエンジニアの働き方などについて、管理部人事総務グループの竹中美穂さんと、チケット技術部チケット技術グループの武藤百香さんにお話を伺いました。
Tixplusの主力サービス：「チケプラ」と「チケプラトレード」の特徴
▲「チケプラ」のサービスサイト。PCだけでなくスマートフォンアプリから気軽に電子チケットを購入・トレードできる。
編集部
はじめに、Tixplusさんの事業内容についてお聞かせください。
竹中さん
当社は、電子チケット事業とスポーツファン向けのアプリ事業を主軸に事業を展開しています。
電子チケット事業では、主に3つのサービスを提供しています。まず、電子チケットサービス「チケプラ」があります。次に、チケットの発券を行う「チケプラアプリ」があります。そして、ライブやイベントに行けなくなった際に定価でチケットを譲渡できる主催者公認のチケット二次流通サービス「チケプラトレード」があります。
中でも力を入れているのが「チケプラトレード」です。コンサートや演劇、イベント、展示会、スポーツなどのチケット販売は、従来大手プレイガイドが担ってきました。しかし、当社は早い段階から電子チケットを活用した発券サービスを運営してきました。さらに、電子チケットの普及に合わせて、独自のサービスとして「チケプラトレード」を開始しました。
最近では、紙チケットをスマートフォンのカメラで読み取り、人工知能を活用して処理することで、電子チケットと同様にその場ですぐトレードに出せる機能を新たに追加しています。これにより、紙チケットでも簡単に二次流通が可能になりました。
スポーツ業界のDX支援：デジタルトレーディングカードサービスの展開
編集部
続いて、スポーツ関連のアプリについてお聞かせください。
竹中さん
スポーツ関連のアプリでは、プロスポーツチームや各種プロスポーツリーグのデジタルトレーディングカードサービスを開発、運営しております。
現在、取り扱いが多いのはプロ野球、バスケットボールのBリーグですが、サッカーのJリーグのチームや、バレーボールのVリーグ、卓球のTリーグなども増えています。今後は、さまざまなファンビジネスの市場への展開も図っていく方針です。
また、デジタルトレーディングカードサービスでプロスポーツ団体の担当者様とやりとりをするなか、ウェブサイトやアプリを活用したサービスのご相談を受けることがあります。デジタルトレーディングカードサービスに限らず、新しい価値を探りながら、お客様の課題を解決するサービスにも取り組んでいこうと考えています。
Tixplusのミッションとクレド：全社員の行動指針を示すクレドブックの役割
編集部
Tixplusさんでは"「感動」を届ける。広く深く、全ての人へ"というミッションを掲げられています。込められた想いなどについてお聞かせください。
竹中さん
弊社のミッションには、チケットやデジタルトレーディングカードを購入されるユーザー様はもちろん、クライアント様も含め、すべての人から生まれる想いを届けるために、より便利で安心・安全な方法を開発していく決意が込められています。
このミッションに基づき、全社員が同じ方向を向いて迷わず進めるようにし、より働きやすい環境や高め合える関係を築くために、心に刻んでおきたい想いを記したのが"Tixplus Credo 18 Promises"です。
これらの内容はコーポレートサイトで公開しているほか、全社員に配布しているクレド（※）ブックでいつでも閲覧することができます。
（※）クレド：企業の活動方針を簡潔に表した言葉で、全従業員の行動や考え方の模範となるもの
編集部
おしゃれでとても見やすいデザインのクレドブックですが、あえて紙で制作したのは何か理由があるのでしょうか。
竹中さん
コーポレートサイトからでもすぐに閲覧ができますが、あえて紙のクレドブックを作成したのは、全員が同じ意識を持つには、手元でしっかり見れるものがあった方が良いという、代表の池田の考えによるものです。サイズ的にも携帯しやすく、いつでも目にすることができるようになっており、デスクに置いている社員もいます。
若手主導のカルチャー形成：Tixplusにおけるクレドの浸透と実践
編集部
Tixplusさんの社員の平均年齢は34歳と伺っております。比較的若い世代が多く参加されている印象ですが、社内の雰囲気や若手社員の活躍についてお聞かせください。
竹中さん
年齢や社歴にこだわらない社風が根付いている当社では、打ち合わせの場でも若手が意見を出しやすく、風通しが良い環境だと思います。20代の社員の中には少人数のチームのリーダーを務める者もいます。新卒入社から4、5年目の社員は、リーダーポジションに立ってメンバーをまとめる役割を担っています。
また、クレド（企業理念や行動指針）の浸透を図るため、代表が参加するプロジェクトを立ち上げています。このプロジェクトでは、新卒入社から1、2年目の社員が中心メンバーとして活躍しています。若手社員がクレドの打ち合わせに参加することで、会社をより深く理解するといった意識づけの効果も感じています。
編集部
ライブエンタメを取り扱うTixplusさんの特徴として、特定のアーティストやプロスポーツ選手のファンである方が入社するといった傾向はありますか？
竹中さん
音楽やスポーツに限らず、舞台、アニメ、漫画などのエンターテインメントが好きということは、社員に共通しているように感じます。また、特定のジャンルにこだわらず、当社のサービス全般に関心を持つ者もいます。
コロナ禍では大人数での交流が難しかったのですが、社内チャットツールなどで共通の趣味を持った者が集まり、コミュニケーションを取っている様子をみていると、エンターテインメントに対する関心の高さを全社員が一律で持っていることを実感しています。
編集部
ファンの立場からもチケットの取り扱い方法などを考えることが、Tixplusさんの事業や自分の仕事にも反映されているのですね。
シャッフルランチの効果：部門を超えた交流による若手社員の成長支援
編集部
若手が積極的に意見を言えるよう、会社としてフォローする仕組みなどはありますか？
竹中さん
特別な制度は設けていませんが、若手が目上の者に向けて提案する際などは、自然とフォローする雰囲気があります。部長や上長は、若手が主体となって動けるよう、他のメンバーとコミュニケーションを取りながら体制を整えています。
具体的な取り組みの一つとして、シャッフルランチを実施しています。これは部門をまたいだ4、5人のメンバーで食事をしながらコミュニケーションを図るもので、フラットに話せる場の提供を目的としています。
このような機会を通じて、上下関係なく新しい関わり合いが生まれることで、若手社員の性格や得意分野を理解し、チャレンジの場を設けたり、適切なフォロー方法を考えるきっかけになっています。
編集部
会社全体のカルチャーを作るクレドのプロジェクトに若手社員が参加していることや、シャッフルランチによる若手への理解など、Tixplusさんの若手を大切にする企業姿勢が表れているように感じました。
Tixplusの技術チーム：多様な人材が活躍できる環境と円滑なコミュニケーション
▲チケット技術部チケット技術グループの武藤百香さん
編集部
武藤さんは2022年6月にTixplusさんに入社され、現在はチケット技術部チケット技術グループに所属されているとのことですが、入社のきっかけや、業務内容についてお聞かせください。
武藤さん
プライベートの趣味として、もともとイベントに興味があったことが入社のきっかけです。ユーザー目線で当社のサービスに貢献できることがあると思い、入社しました。
ネイティブアプリ開発のエンジニアとして入社したのですが、開発をする中でサーバーサイドの知識も広げたいと考えるようになりました。その旨を上長に相談した際、チャレンジする機会をもらい、現在はアーティストやスポーツチーム、施設やテーマパークなど、既存のアプリに電子チケット機能を持たせる「チケプラSDK」のバックエンド側の開発に携わっています。
編集部
エンジニアとして開発を行う日々の業務の中で、自分の意見が反映されることはありますか？Tixplusさんの開発手法の特徴と合わせてお聞かせください。
武藤さん
機能に関しては基本的にディレクター発信が中心ですが、開発過程で使用上の問題が発生した場合などは意見が反映されることが多いです。
当社のエンジニアチームは、ディレクターの方とのコミュニケーションも重要だと考えています。わかりやすい言葉で説明したり、専門用語を避けるなどの工夫をすることで、円滑なコミュニケーションを図りながら開発を進めるのが当社の特徴と言えます。
編集部
エンジニアチームの勤務形態はどのようになっていますか？
武藤さん
勤務スタイルはチームごとに異なります。自分のチームでは出社する曜日をチーム内で決めており、出社勤務とリモートワークのハイブリッド勤務ができるようになっています。
エンジニアのスキルアップ：自主的な勉強会による技術力向上の取り組み
編集部
Tixplusさんでは、エンジニアのスキルアップにつながる制度やサポートなどはありますか？
武藤さん
現在は、エンジニアが自主的に勉強会を開催し、発表や情報共有を行う取り組みをしています。
所属するチームが異なっても、業務内容によっては指導を仰いだり、意見を求めることが多いので、自然にコミュニケーションの場が生まれるのも、当社の技術チームの特徴です。また、当社の事業と直結するエンターテインメント系の話題もよく出ます。共通の趣味があることで会話が弾み、チーム内の距離感が近くなります。
編集部
入社から約1年半を振り返り、メンバーに助けられて解決できたことや、自身の成長を実感するエピソードなどがあれば、ご紹介いただけますでしょうか。
武藤さん
初めての転職ということもあり、入社当初は社内カルチャーなどにギャップを感じ、慣れるのに少し苦労しました。ディレクターとのコミュニケーションも最初は難しく感じましたが、積極的に対話を重ねることで徐々に慣れ、今では円滑に進められています。
また、クレド（行動指針）を常に意識することで同じ課題感を持って解決に向かえることは、自己成長につながっていると感じます。
編集部
Tixplusさんの若手の意見を尊重したり、フォローをする風土によって、円滑なコミュニケーションが取りやすくなっているのですね。
Tixplusが求める人材像：カルチャーへの適合と積極的な事業貢献
▲人事総務グループの竹中美穂さん
編集部
Tixplusさんのクレドや若手スタッフをフォローするカルチャーについて興味を持った読者も多いと思います。最後に、御社にフィットする人物像についてお聞かせください。
竹中さん
採用ポリシーとして最も重要なのは、当社のカルチャーや風土にフィットした方であるかということです。スキルももちろん重要ですが、それ以上に人柄を重視した採用を行っています。
クレドの取り組みなど、当社としてもまだ発展途上の段階です。そのため、組織風土の土台作りから積極的に関わっていただける方を歓迎します。また、事業においても積極的に意見を出し、新しいサービスの創出にも尽力いただける方を求めています。
武藤さん
開発を担うエンジニアの立場から言えば、他のメンバーを巻き込みながらリードできる方が当社の風土にフィットすると考えています。前職での経験やスキルを新しい視点として取り入れることで、共に成長できることを期待しています。
編集部
ライブエンタメを安心・安全に楽しめるようにするTixplusさんの事業に参加することは、ユーザーに感動を届ける素晴らしい経験になるでしょう。また、クレド作成など若手社員が中心となって取り組んでいることからも、企業の前向きな姿勢が伝わってきました。
本日はありがとうございました。
■取材協力
株式会社Tixplus：https://tixplus.co.jp/
採用ページ：https://careers.tixplus.co.jp/