株式会社ARISE analyticsの「会社の源泉は人である」という想いとワークスタイル

若手が活躍できる環境を作り、社員のワークライフバランスを大切にしながら成長を続けている企業にインタビューする本企画。今回は、データサイエンスを駆使したコンサルティングサービスを提供している株式会社ARISE analyticsにお話を伺いました。

データサイエンスを駆使したコンサルティングサービスを提供

KDDIのグループ会社である株式会社ARISE analyticsは、AIやデータアナリティクスを活用したマーケティング支援、企業のDX支援サービスなどを展開しています。KDDIに蓄積されているデータをもとに、グループ内外の企業にあらゆるソリューションを提供しているのです。

会社名	株式会社ARISE analytics
住所	東京都渋谷区渋谷2-21-1
事業内容	データ分析、アルゴリズム開発、及びDMP、AI、IoTソリューション導入支援などのアナリティクスサービスの提供
設立	2017年2月27日
公式ページ	https://www.ariseanalytics. com/

同社は幅広いプロジェクトを手掛けており、社員本人の希望に沿ったプロジェクトをアサインするなど、キャリア面でのサポートも充実しています。加えて働きやすい環境も構築しているため、若手が伸び伸びと活躍しています。

同社の若手の成長を促す仕組みや働き方について、人事 Unit,Unit Leadの櫻田元子さん、Marketing Analytics Unit,データ分析教育 Teamの西谷彩菜さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方

株式会社ARISE analytics
人事 Unit,Unit Lead

櫻田元子さん

株式会社ARISE analytics
Marketing Analytics Unit,データ分析教育 Team

西谷彩菜さん

社員のキャリアイメージに寄り添ったチャレンジを実現できる環境

編集部

まず、若手社員の活躍ということでお話を伺っていきたいのですが、活躍されている社員の一人でいらっしゃる西谷さんのARISE analyticsでの経歴についてお聞かせください。

西谷さん

私は2020年9月にARISE analyticsに入社し、現在3年目になります。初めは親会社でありお客様でもあるKDDIの複数のマーケティング施策を横断的に評価する取り組みに携わっていました。

次に担当したのは、ポイント事業に関する支援です。その後は沖縄にあるKDDIグループの子会社や、また別のクライアントのマーケティング支援に携わった後、現在はデータドリブンな組織作りのための分析や人材育成に関する支援業務に携わっております。

編集部

3年でさまざまな業務を担当されていますが、短いスパンで多くの業務を経験できるというのはARISE analyticsの特徴なのでしょうか？

西谷さん

ARISE analyticsでは、様々なプロジェクトが動いているので、ジョブ変更について柔軟に対応してくれます。自分がやってみたい、スキルを伸ばしたいと思っていることについて上長に伝えると、その時の社内の状況にもよりますが、希望にフィットするような部署に異動させてもらえるチャンスがあります。

大手企業になると3～4年は同じ部署にいるというのが一般的だと思うのですが、弊社は関わる事業領域が広いということもあり、自分がチャレンジしたいことを実現しやすい環境にあります。

編集部

異動することによって得られるメリットは何でしょうか？

西谷さん

常に新鮮でエキサイティングな気持ちで仕事ができるというのはメリットですね。そのほか、さまざまなビジネス課題に対して、異なるアプローチで分析実務の経験を積むことができるのも大きいです。

また、全く違う業務をやっていても以前経験したことがつながる瞬間があるので、そんな気付きを得られるというのも良い点だと感じています。

編集部

一つの会社で、まるで転職したかのような多様な経験が得られるというのは大きなメリットですね。

月に1度上長と1on1を実施、特徴は建設的なコミュニケーション

編集部

さきほど上長に自分の希望について伝えるというお話がありましたが、そのような場が定期的に設定されているのでしょうか？

西谷さん

ARISE analyticsでは月に1度、上長と1on1をする場が設けられています。1on1ではポジティブな雰囲気のなかで前向きなフィードバックをもらえたり、自分の希望について思ったままに伝えられます。

自分のことを客観的に見ていただいて、自身の成長課題や次のステップのために必要なスキルについて一緒に言語化してもらえます。また、日々の業務でも十分に会話はできているのですが、業務についての困り事がある場合は、こういった場も活用してより具体的なアドバイスをもらえるのでありがたいですね。

編集部

基本的にポジティブな方向性でコミュニケーションが取られるのですね。

西谷さん

建設的なコミュニケーションが取れるのでありがたく思っています。社風によっては、部下が失敗したときや上長の考えと異なる動きをしたときに「このような状況があって、自分はこういう考えでこのような対応をした」と説明すると「言い訳をするな！」と言われることもあると思うのです。

でも、ARISE analyticsでは自分の考えに基づいて動いて、たとえそれが失敗した場合でも、行動の背景や自分の考えを説明すればしっかりと聞いてもらえますし、上長は前向きなアドバイスをくれます。立場の差に関係なく「最適なことは何か？」をコミュニケーションの中で一緒に考えられるからこそ、効率よく業務を進められるのだと思います。

このような社風のおかげで本質的な業務に集中できるのは、ありがたいです。

編集部

1on1だけでなく普段のコミュニケーションから合理的なやり取りがなされているのですね。

社員が自分の成長にやりがいを感じ、長く働いてもらうための環境作りを進める

▲「ARISE university」という独自の社員教育の仕組みを構築している

編集部

ARISE analyticsにはどんな学びの場があるのでしょうか？

西谷さん

ARISE analyticsには「ARISE university Training」という教育プログラムがあります。そこでは社員が自身の案件の内容や、そこで得られた体験を話したり、経営陣などが会社のビジョンや最新のビジネストレンドを語ったりしています。

30分から1時間で実施され、希望者が話を聞きに行くという方法で実施されており、開催後に録画を見ることも可能です。

市販の書籍を読んで学ぶことも大切ですが、本は誰もがアクセスできる情報でもあります。その点、「ARISE university Training」で実施される講座は実際の分析業務での体験をもとにした一次情報ですので、そのような話を聞けることはありがたいですね。

編集部

ほかに若手社員の成長を促すような制度はございますでしょうか？

櫻田さん

ARISE analyticsでは、新卒で入社した社員は入社後4カ月間、中途社員については入社後2カ月間の研修を実施しています。この期間で、データサイエンティストとして活躍できるベースを養ってもらえます。

具体的な研修の内容としては、入社1日目のオリエンテーションの後、約1カ月をコアスキルトレーニングに、その後約1～3カ月かけて、データサイエンティストの基礎スキルを学ぶブートキャンプを実施しています。仕事で使う“考える力”“整理する力”“書く力”を鍛える研修を導入しているのが特徴です。

技術力が武器になることは間違いありませんが、その武器を使ってどのような価値を提供できるのか、お客さまに提案してはじめて仕事が発生します。そしてデータを分析した結果をお客さまにわかりやすく示してこそ、私たちの価値を感じてもらえます。

編集部

入社時点でかなり力を入れて研修を実施されているのですね。入社後に学びを支援する制度もあるのでしょうか？

櫻田さん

ARISE analyticsでは外部研修の受講や、書籍購入、資格取得についても費用補助制度を設けています。上限は1年間で3万5千円です。

編集部

ここまで教育に力を入れているARISE analyticsさんの根元にある考え方は何でしょうか？

櫻田さん

ARISE analyticsの源泉は人であるという考えがあるので、社員が活躍するために必要なことに真摯に向き合っています。

編集部

社員さんの活躍を軸において会社の環境作りを進められているのですね。

居住可能範囲の拡大、時短勤務の対象年齢の延長など、長く働いてもらうための制度

編集部

ARISE analyticsの働き方について伺わせてください。

櫻田さん

ARISE analyticsではフルフレックス勤務制を導入しており、社員が始業及び終業時刻を決めることができます。就業時間帯としてフレキシブルタイムと1日3時間以上の最低就業時間が定められていますが、コアタイムは設けていません。

働く場所については、弊社はリモートワークと出社のハイブリッド勤務制です。週に1度はチームで顔を合わせることを共通ルールにしていますが、運用方法については各チームにお任せしています。

場所を問わず働ける環境があることで、弊社では社員の居住地を東京に限っていません。

入社2年目以降の社員で、公共交通機関を使って午前10時に渋谷ヒカリエのオフィスに出社が可能なこと、午後7時までオフィスにいたとしてもその日中に帰宅できること、月の通勤費の上限を15万円として週に1回出勤できることを条件に、どこに居住しても良いとしているのです（入社1年未満の新卒社員は対象外、入社2年目以降が対象）。

編集部

居住地の縛りがないというのはさまざまなプライベートの事情を抱えている社員でも継続して働けそうです。子育て中の方も働きやすい環境だと感じました。

櫻田さん

子育てに関しては、ARISE analyticsは男性の育休取得率が100％なのです。今のところ産休・育休を迎える女性社員が少なく、育休の対象になる男性社員の方が多いということもあり、まずは男性社員から積極的に取得してもらうようにしています。

西谷さん

私は今まさに妊娠しているのでこれから産休育休を取得していきますが、これまで男性の社員さんがお手本を示してくれたからこそ、これだけの安心感が生まれていると感じますね。取得にあたってのハードルは特に感じていません。周りに申し訳ないというよりも、これからがんばっていこうという前向きな気持ちでいますね。

早く戻ってこなければならないプレッシャーも感じず、復帰後についても様子を見ながら決めていこうとしてくれていますので、安心して産休育休に入れます。

編集部

産休育休が取りやすい環境にあることが伝わってきますが、実際に子育てが始まった後にサポートするような制度はございますでしょうか？

櫻田さん

ARISE analyticsは育児時短勤務できる子どもの年齢を18歳までとしています。お子さんが大きくなっても長く働いてほしいという思いが込められた制度で、2023年10月から開始しました。

編集部

子育て世代にはありがたい職場ですね。

櫻田さん

子育て中の社員の方はもちろんですが、ARISE analyticsは全社員にさまざまな経験を積んでもらって自身のキャリアを豊かなものにしてほしいと考えています。そういった考えから一定の条件のもとで副業も認めています。

副業を検討している社員はまだまだいますので、これから人数も増えていくでしょう。

西谷さん

私も副業をしている社員の一人です。小学生向けの英語教室を運営しています。

編集部

まさに社員のワークとライフバランスを両立しているお話だと感じました。

社員が社内外のイベントを企画するワーキンググループ

▲SDGs推進ワーキンググループの集合写真。実施したイベントが採用にも好影響を生んでいる

編集部

これまでさまざまなお話を伺ってきましたが、ARISE analyticsさんならではの組織の特徴についてもう一つお教えください。

櫻田さん

ARISE analyticsは設立されて7年と若い会社ですので、これからもっと会社を良くしていこうという想いを強く持っています。

そんな想いから、弊社では、組織の課題へのアプローチを考えたり、更に社員が活躍するための取り組みを推進するワーキンググループが20個ほどあります。

西谷さん

私はSDGs推進ワーキンググループに所属しています。そのワーキンググループでは、ボランティアの企画やSDGsの社内認知を高めるイベントの開催、社内報の制作、社内のノウハウを使って社会貢献ができるシステム開発などをしたり、大学向けにデータアナリティクス講義を実施するなど、色々な取り組みにチャレンジしています。

編集部

データアナリティクス講義というのはどういったものなのでしょうか？

西谷さん

データ分析の活用場面や進め方などが学べるもので、プログラム全てを社員主導で考案しています。これまで早稲田大学や中央大学、岩手県立大学、関西大学などで実施しております。

私は講師として教壇に立ったことはないですが、社外の人と交流するのは楽しいし刺激的だという話を社員から聞きました。これまで自分が無意識にやっていたテクニカルな部分を言語化して人に伝えるというのは、自分にとって良い経験だと感じる社員もいるようです。

また、このような活動によって弊社に興味を持ってくれる学生さんもいらっしゃいます。講義をきっかけに採用イベントに参加してくれるケースもありますので、採用についても好影響が生まれていますね。