AIの力で警備業界変革を目指す株式会社アジラのパーパスドリブンの組織づくり

グローバルにサービスを展開し成長するのと同時に、働きやすい職場作りにも力を入れている企業にインタビューする本企画。今回は、行動認識AIを活用した警備システムを提供している株式会社アジラにお話を伺いました。

行動認識AIを活用した警備システムを展開しているアジラ

警備業のDXを実現するべく、行動認識AIを活用した警備システム「AI Security asilla」を展開しているのが株式会社アジラです。

防犯カメラで24時間365日のモニタリングを実施し、映像をAIが解析。通常行動についてAIが自律学習し、その行動から外れた違和感のある行動を瞬時に感知して知らせる機能などが備わっています。

全国さまざまな商業施設やオフィスビルで導入されているほか、大手警備会社とも資本業務提携を結んでおり、今後のさらなる成長が期待される企業です。

会社名 株式会社アジラ
住所 東京都町田市中町1丁目4-2
事業内容 行動認識AIを活用した警備システムの提供
設立 2015年6月1日
公式ページ https://jp.asilla.com/

同社はベトナムにも拠点を置いており、ベトナム法人を含めると7割が外国籍の社員です。新卒で採用された社員が入社直後からベトナムの拠点で勤務するなど、チャレンジングな環境にあります。

同社の働き方やカルチャーについて、HSA研究チームを率いる取締役CTOの若狭政啓さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
株式会社アジラの若狭さん

株式会社アジラ
HSA研究チームリーダー 取締役CTO

若狭 政啓さん

開発拠点はベトナム、将来的な海外進出も視野

株式会社アジラのベトナム法人「Asilla Vietnam」のエントランス
▲ベトナムにも拠点を持っている

編集部

アジラさんはベトナムにも拠点を持っていらっしゃるとのことですが、そちらについて詳しく伺わせてください。

若狭さん

アジラはベトナムにグループ会社である「Asilla Vietnam(アジラベトナム)」を置いています。開発拠点をベトナムに置いているという状況です。弊社は全体で100名の社員がいますが、約60名の社員がベトナムで勤務しています。

アジラベトナムには日本国籍の社員が2名おりまして、それ以外の社員は外国籍です。会社全体でいうと、ベトナム法人も含めると7割ほどが外国籍の社員ですね。開発については基本的に英語で業務が進んでいきますが、営業を担う日本の拠点では基本的に日本語が使用されています。

編集部

アジラベトナムさんはあくまで開発拠点とのことでしたが、今後は海外にもマーケットを広げていきたいとお考えでしょうか?

若狭さん

弊社としては、ゆくゆくは海外にもサービスを展開していきたいと考えています。私たちが手掛けているサービスは警備業に関わってくるものですので、治安の良い日本よりも海外の方がニーズはあるのかもしれません。

ただ、今は日本のマーケットを固める段階です。国内で実績を積んで、いずれは海外も視野に入れていきたいですね。

新卒入社すぐにベトナム法人へ、社員の意思を尊重する環境

編集部

ベトナム法人には2名の日本国籍の社員さんが在籍されていらっしゃるとのことでしたが、やはり日本で何年か実績を積んでベトナム法人に異動するという流れなのでしょうか?

若狭さん

実はベトナム拠点にいる社員は新卒で入社した社員です。2人とも最初からグローバルで活躍したい、スキルを身に付けたいという意思を強く持っていたため、自ら進んでベトナム法人での勤務を選ばれました。

編集部

入社してすぐに海外の拠点で勤務するとは驚きです。そのような決断ができた背景としては何があるでしょうか?

若狭さん

この2人に関しては、自由度が高いという弊社のカルチャーが合っていたのではないかなと考えています。もともと新卒ですぐにベトナムで働きたいという2人ですので、行動力があって自分から動くというスタイルを持っています。

ベトナム法人としても2人の提案はどんどん受け入れていこうという雰囲気にありますので、生き生きと働けているのではないかと思います。ベトナム法人は平均年齢も27歳と若く、同年代が集まったエネルギーに満ち溢れた職場が2人を成長させてくれていますね。

編集部

自由な環境で伸び伸びと勤務されていらっしゃるのですね。

日本とベトナム両拠点に在籍している優秀な人材、拠点同士の交流も活発

株式会社アジラのベトナム法人「Asilla Vietnam」のオフィスの様子

編集部

日本法人とベトナム法人それぞれの特徴についてお聞かせください。

若狭さん

ベトナム法人についてですが、ベトナムのトップ大学を卒業していたり日本に留学した後に入社いただいたりなど、非常に優秀なエンジニアが在籍しています。優秀なエンジニア同士で密にコミュニケーションを取りながら開発を推進しているというのがベトナム法人です。

一方で日本法人ですが、実は日本にも研究開発チームがあり、6名ほどのリサーチャーが在籍しています。6名とも外国籍の方で、日本の大学で博士や修士を取って入社し、研究開発を進めているという状況です。

ベトナムだけでなく日本にも外国籍の方が在籍していて、日本法人とベトナム法人で日々コミュニケーションを取りながらサービスをより良いものにしています。

編集部

日本法人とベトナム法人で交流することはあるのでしょうか?

若狭さん

日本法人とベトナム法人間の交流は活発です。ベトナム法人の開発系トップの社員が1週間日本に来て、日本のお客様のもとを訪問するということもありました。実際にサービスがどのような使われ方をしているのか、課題は何なのかという部分をヒアリングさせていただきましたね。

もちろん、日本法人からベトナム法人に伺うこともあります。日本の研究メンバーがベトナムに行って密にディスカッションをするというのもよくある光景です。

編集部

自分たちが開発したサービスが日本でどのように活用されているか知ることは、開発担当からすると大きなことですね。

若狭さん

やはりプロダクトの開発となると、営業と開発で距離があったり開発がお客様について知れなかったりということが起こりがちです。弊社の場合は日本とベトナムということで物理的に距離もありますし、コロナ禍の際はより一層現場の声が届きにくい状況にありました。

そんな背景もあり、今回のお客様訪問に至ったということですね。

編集部

お客様の声があることで、ベトナム法人の社員さんもモチベーションが上がりそうですね。

多国籍な人材が活躍できる環境、名だたる研究機関との共同研究も実施

編集部

優秀な方が多く入社されているアジラさんですが、社員さんはどのような点に魅力を感じてジョインされていらっしゃるのでしょうか?

若狭さん

アジラに入社する社員は、誰も今までやったことがないかつおもしろいことに魅力を感じて入社するケースが多いです。弊社に何か既存のものを変えるポテンシャルがあると感じてジョインしているのだと思います。

弊社には「AIの力でより良い空間価値を提供する」という明確な方向性がありますので、そこに共感してくださる方が非常に多いです。また技術目線で見ると人の行動分析というのは複雑でチャレンジングなものですので、技術的な部分に惹かれて入社する方もいます。

編集部

実際にそういった好奇心を満たしてくれるような環境にあるのでしょうか?

若狭さん

弊社は学術機関との共同研究も実施しているなど、開発メンバーにとっては魅力的な環境にあると思います。

共同研究させていただいているのは東京工業大学さんや名古屋大学さん、そして省庁などの研究所さんなど名だたる機関ばかりです。研究者の知的好奇心を満たす環境が整っているといえるのではないでしょうか。

また、先ほどもお伝えした通り、開発において日本語を話せなくてもジョインできる環境にあります。言語という制限がなく開発に没頭できるというのも魅力的な部分の一つです。

編集部

多国籍な人材が活躍できる環境にあるのですね。

ビジネスサイドと開発サイドで異なる働き方

交流する株式会社アジラの社員のみなさん

編集部

アジラさんの働き方について伺わせてください。

若狭さん

アジラはコアタイムを設けた上でフレックス勤務制を採用しています。

コアタイムはビジネスサイドと開発サイドで異なっておりまして、ビジネスサイドのコアタイムは午前8時半から午後1時です。お客様と接する機会も多いですので、少し早めの時間となっています。

一方、開発サイドのコアタイムは午前10時半から午後3時半です。ベトナム法人とコミュニケーションを取る機会が多いですが、日本とベトナムには2時間の時差があります。時差を考慮した結果、この時間帯をコアタイムとしているのです。

編集部

普段の勤務では出社とリモートワークどちらを採用しているのでしょうか?

若狭さん

勤務スタイルについてもビジネスサイドと開発サイドで違い、ビジネスサイドは基本的に出社して仕事に当たっています。密にコミュニケーションを取りながらディスカッションを交わしてほしいという狙いがありますね。

開発サイドについては先ほども申し上げた通りオンラインで日越間でコミュニケーションを取ってまいりますので、リモートワークメインで業務を進めています。

編集部

会社で一律に働き方を固めているのではなく、それぞれの役割に応じて柔軟に設定していらっしゃるのですね。

国籍問わず交流を深められる環境、旅行やお花見パーティーも

株式会社アジラの懇親会の様子
▲さまざまな国籍の社員が交流を深めている

編集部

アジラさんの社内の雰囲気についてもお聞かせください。

若狭さん

AIのプロダクトを用いて警備業界を活性化していく、アジラのプロダクトをどんどん広げて社会インフラとなっていくという会社の方向性に共感して、社員みんなが同じベクトルを向いて邁進していますね。

ビジネスサイド、開発サイドに隔たりはありません。みんなで賑やかに仕事をしています。

編集部

社員さん同士の絆が深いようにお見受けしますが、交流の機会も多いのでしょうか?

若狭さん

弊社では社内イベントを定期的に実施しています。先ほどもお伝えした通り、日本法人にも外国籍の方がいらっしゃいます。やはり異国の地とあって疎外感を感じてしまう機会も多いのではないかと思います。

そのため、密にコミュニケーションを取るために1泊2日の旅行に出かけることもありますし、お花見パーティーを実施することもあります。

また、弊社には社内の表彰式もあります。成果を挙げた人をしっかり評価して全体のモチベーションを高めることに努めていますね。

編集部

どの国籍の社員さんも安心しながらモチベーションを高められる環境があるのですね。

海外からもインターン生を受け入れ、幅広く業務を経験できる

編集部

アジラさんではインターンシップも実施されているとのことですが、これまで何名のインターンを受け入れてきたのでしょうか?

若狭さん

アジラのインターン生は現状1名で、これまで4~5名受け入れてきました。現在のインターン生はビジネスサイドのインターン生で、学生です。基本的にマーケティングチームの一員として働いていただいています。

編集部

マーケティングチームに在籍されているインターン生さんはどのような業務を担当されていらっしゃるのでしょうか?

若狭さん

マーケティングチームの担当業務は多岐に渡るのですが、例えば展示場の準備や記事の執筆などを担当いただいています。徐々に主体的に動けるようになってきていますので、ある程度お任せできることはお任せしていますね。

編集部

開発サイドでもインターン生を受け入れることはあるのでしょうか?

若狭さん

今のインターン生はビジネスサイドで受け入れていますが、実は過去にはエンジニアをインターン生として受け入れておりました。インドやアメリカの大学など海外から募集をいただいておりまして、インターンを終えた後に勉強のためにまた戻るというケースが多かったですね。

編集部

インターン生はおおよそどのぐらいの期間在籍されるのでしょうか?

若狭さん

今のインターン生は、1~2年ほど在籍していますね。過去のインターン生は3カ月の短期という形で、大学のプログラムの一環で来ていただいておりました。

ただ、もし意欲があるのであればそのままの入社も大歓迎です。

新しいビジネスモデルで変革を起こしたいという人材を歓迎

株式会社アジラの若狭さん
▲「アジラの社員は社会貢献を軸に集まっている仲間たちだ」と話す若狭さん

編集部

アジラさんは現在採用に力を入れられていると伺いました。

若狭さん

アジラは現在IPOの準備を進めています。それに伴い人もどんどん増えておりまして、3年ほど前と比べ倍の人数になっています。

私たちは社員について「社会貢献を軸に集まっている仲間たち」だと捉えています。プロダクトの開発段階で研究を進めていくのですが、弊社の研究者は研究成果のアウトプットにかなり興味を持っています。

自分たちの研究結果がどのようにビジネスに転用されているのか知りたいという人ばかりなのです。

一般的な研究者は研究自体には興味を持っているのですが、その先についてはどうでも良いというスタンスであることが多いです。弊社の場合はそんなことはなくて、研究者も含め全社員がプロダクトを通じて安心安全が担保される世界を作るという部分に意義を感じています。

編集部

大きな志を持って社員さんが一丸となって進んでいるのですね。最後に、アジラさんに興味を持っている方に向けてメッセージをお願いいたします。

若狭さん

弊社は誰もやったことのないことに挑戦しています。ですので、技術を用いて社会を変えたい、新しいビジネスモデルで変革を起こしていきたいという方に入社いただきたいです。警備業界の変革というものに、一緒に挑んでいきましょう。

編集部

社会に影響を与える仕事に挑戦してみたいという方にとって魅力的な職場だと感じました。本日はありがとうございました。

■取材協力
株式会社アジラ:https://jp.asilla.com/
採用ページ:https://jp.asilla.com/recruit