様々なライフステージの社員が活躍する職場についてインタビューする本企画。今回は「公平な社会の実現 ~すべての人が平等に機会を得られる社会の実現~」をミッションに掲げ、コミュニケーションを中心としたデジタル変革事業を展開する、株式会社ブイキューブにお話を伺いました。
株式会社ブイキューブの事業展開:コミュニケーションDXを推進する3つの柱
株式会社ブイキューブは「Evenな社会の実現」をミッションに掲げ、場所や時間に制約されず、個々のライフスタイルに合わせた選択が可能な社会を目指すIT企業です。様々な分野でコミュニケーションの変革やリモート化を推進しています。
「イベントDX事業」では、オンラインイベントを通じて場所の制約なく情報や機会を得られる社会を目指しています。製薬・採用・株主総会など、多様な分野でイベントのオンライン化やハイブリッド化を支援し、運用面でのサポートも提供しています。さらに、仮想現実や拡張現実などの最新技術を活用してイベントの成功をサポートしています。
「サードプレイスDX事業」は、自宅やオフィス以外の場所で働く自由度の拡大を目指しています。主力製品である防音個室ブース「テレキューブ」は、多くの企業で導入され、オンライン会議や少人数のミーティングに活用されています。
「エンタープライズDX事業」では、コミュニケーションDXを通じて新しい働き方の実現を目指しています。Web会議やSDK(※)など、リモートコミュニケーションに関する様々な製品を開発・販売しています。
(※)Software Development Kit(ソフトウェア開発キット)の略称。アプリやウェブサイトの開発に必要なプログラム・API・文書などをパッケージ化したもの
同社が手掛けてきたオンラインコミュニケーションのシステムは、コロナ禍で急激に需要が高まり浸透しました。現在、対面コミュニケーションの機会が戻る中で、「離れた場所にいる相手と交流しつつ、対面で得られるようなリッチ感もある、新しいかたちのコミュニケーション機会の創出」という更なる進化が求められています。
株式会社ブイキューブは、これら3つの事業を通してコミュニケーションのDX化を推進し、オンラインの可能性を追求しています。
会社名 | 株式会社ブイキューブ |
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住所 | 東京都港区白金一丁目17番3号 NBFプラチナタワー16階、17階 |
事業内容 | ビジュアルコミュニケーションツールの企画・開発・販売・運用・保守 |
設立 | 1998年10月(創業) |
公式ページ | https://jp.vcube.com/ |
働き方 | Web会議を活用したテレワーク勤務制度など、当社独自の勤務制度あり フレックスタイム制度(コアタイムなし) |
今回は、社員の活躍を支援する制度や職場環境について、ピープル・サクセス室で室長を務める奈良志穂さんにお話を伺いました。
「ピープル・サクセス」が支える事業成長:社員の活躍を重視する経営方針
編集部
まず、ブイキューブさんの公式サイトにも掲げている「ピープル・サクセス」について、教えていただけますでしょうか。
奈良さん
私たちはミッションとして「Evenな社会の実現」、つまり、すべての人が平等に機会を得られる社会の実現を目指しています。
ミッション実現にあたっては、「カスタマー・サクセス」もとても重要ですが、「社内で働くみんなが一人ひとり活躍して、ハッピーを感じていないと、お客様を成功に導くこともできないよね」という考えに至り、もう一つの柱として「ピープル・サクセス」を打ち立てました。
人事組織がピープル・サクセスを担う部署になり、名称も「管理本部人事グループ」から「ピープル・サクセス室」に変わりました。
編集部
社内の大きな変化だと感じましたが、何かきっかけがあったのでしょうか。
奈良さん
私たちはこれまで、オンラインビジュアルコミュニケーションツールの普及を目的に、がむしゃらにやってきました。そして創立20年を迎えるにあたって「ブイキューブが今後長く続いていくために、そしてブイキューブらしさというものを社内外に伝えていくために、何を大切にしていくべきなのか」を見直したのがきっかけです。
それまで暗黙知として脈々と受け継がれていたブイキューブらしさや、未来に向かって何をなしていくのかという意志などをまとめ、会社も社員も一緒になってミッション、バリューを策定しました。そして「ミッション、バリューの実現に大切な、カスタマー・サクセスを支えているのは誰だっけ」と考えたとき、当然ですが答えは「ブイキューブで働く社員」だったのです。
そこで改めて、社員一人ひとりが活躍できる職場環境の構築、人間力のある人財育成に力を入れていくことにしました。
編集部
ブイキューブさんが、お客様だけではなく社員のことにも目を向け、また成長を応援してくれる企業だということが分かりました。
ワークライフバランスの実現:ファミリーサポート「Navel」が支える社員の自己実現
▲眺望の良いオフィス内のフリースペースでは、ゆっくり休憩もできる
編集部
ブイキューブさんの中で、社員の皆様に特に喜ばれている制度はございますか。
奈良さん
例えば、2022年に開始したファミリーサポート「Navel(ネーブル)」があります。「子を育みたい」という想いと「キャリアを紡ぎたい」という意思を持っているものの、何らかの壁があって両立が難しいと感じている社員を支援したいと考え、始めた制度です。
編集部
どのような支援があるのでしょうか。
奈良さん
開始当初は出産や育児に関わる支援が中心でしたが、2023年には育児期だけでなく、ライフサイクルに合わせた支援ができるよう、包括的なサポートができる制度にアップデートしました。例えば、月経痛がひどく仕事に支障をきたしてしまう場合には、ピルの費用補助や外部の専門相談窓口の利用ができます。
また、妊活や不妊治療、産後ケアの支援なども行っています。これらは本人だけでなくパートナーも利用対象としていて、性別も不問です。子どもを持つ選択肢は様々ですので、性別に関係なく子どもを育てたいと思う社員が、働き続けやすい環境を整えています。
編集部
制度や支援を利用した方から、届いている声がございましたら教えてください。
奈良さん
内容がセンシティブなため、相談窓口の外には具体的な声は届いていません。ただし、相談窓口の利用や費用補助の受給数が増加していることは、数字として把握できています。
私個人としても、会社側から「困難があれば応援する」というメッセージが明確にあるのは心強いと感じています。「気兼ねせず相談してほしい」という会社の思いを、人事からブイキューブのメンバーに届けたいですね。
編集部
「Navel」は、性別を問わず社員の皆様が安心して頼れる制度なのですね。
フレックスタイム制、テレワークは、全員が“あたりまえ”に活用
編集部
奈良さんはマネージャーを務めながらお子さんを育てられているとのことですが、両立する際に役立っている制度はありますか。
奈良さん
はい。まず、私の経歴を簡単にお伝えすると、2016年にキャリア入社して、2020年に出産、育児休業を取得して復帰しました。2024年1月からは、部署の室長を務めています。
ライフステージが変わっても管理職になれた理由のひとつは、働き方が柔軟に選べることだと感じています。
編集部
具体的にどのような働き方があるのでしょうか。
奈良さん
コアタイムのないフレックスタイム制度やテレワーク制度があります。これらの制度は、当社では性別や年齢に関係なく、ほぼ全員が活用しています。
子育て中の女性だけが使う制度の場合、利用者が限定されてしまい、使いづらさを感じることがあります。「自分だけ便利な制度を使って申し訳ない」という気持ちになってしまうんです。
テレワークも一見便利そうですが、実際には難しい面もあります。利用者が限られていると、「使ってみないとわからない悩み」や「周囲に理解されにくい悩み」を抱えやすくなります。
ブイキューブでは、大半の社員がフレックスタイム制やテレワークで働いていて、私自身も出産前から活用していたので、気兼ねなく制度を利用できました。そのため、職場への復帰もスムーズでした。
編集部
女性が様々なライフイベントを迎えても、継続して働き続けられる環境ですね。ほかにも、活躍されている女性の例をお聞かせいただけますか。
奈良さん
営業組織では女性の役職者が複数名おり、30代前半で副本部長を務めている方もいます。技術組織でも、キャリア入社後数か月でマネージャーになった女性がいます。また、リーダー層でも女性の登用が増えています。
編集部
性別や働き方に関係なく、長く勤めてキャリアアップできる職場なのですね。
若手育成プログラム「The GOLD」:挑戦と成長を促す人材育成の仕組み
編集部
ブイキューブさんでの、若手の育成についてお聞かせいただけますか。
奈良さん
当社には「The Gold」という人材育成の仕組みがあります。新入社員研修では「挑戦、経験、内省、対話」というサイクルの繰り返しが成長に繋がることをしっかりと教育しています。
▲新入社員は「The Gold」をもとに、自己成長を実現していく
新人でも、まず「挑戦」から始まるところが、ブイキューブらしさだと思います。当社では、人に関わる基本方針を「ピープル・サクセスポリシー」としてまとめています。その中で「自己実現を目指す社員を最大限支援すること」を約束しており、一人ひとりが「成長したい」「挑戦したい」という意思表示をすることを大切にしています。
編集部
個人の成長については、どのようなサポートがございますか。
奈良さん
キャリアをサポートする点では、1年に1回「キャリアドック」を実施しています。これは、キャリアの振り返りと、それをベースに上司と対話をする時間です。
また、The GOLDのサイクルの中にも「対話」があり、1on1を仕組み化しています。上司のスキルアップにも取り組んでおり、対話力を向上させるために、プロのコーチングを受ける機会を提供しています。
編集部
新入社員だけでなく、キャリアを積んでいる社員の方も、さらに学べる機会を設けていらっしゃるのですね。
新規事業創出の場「Next ATARIMAE Challenge」:若手の斬新なアイデアが事業化へ
▲ 現場からの声を大切にする新規事業コンテスト"Next ATARIMAE"の様子
編集部
ブイキューブさんに入社された若手社員の成長を感じた事例をお聞かせください。
奈良さん
「次のあたりまえをつくる "Next ATARIMAE Challenge"(通称、NAC)」という社内のビジネスコンテストがあります。年齢・社歴・部署・役職に関わらず誰でも参加できるこのコンテストでは、社会課題を解決するような新しい事業モデルのアイデアを発表しています。
採用面接の時点で、NACコンテストへの出場を希望する候補者も多く、「チャレンジしたい」という意志のある若手が「自分のやりたいことを実現したい」というモチベーションで入社し、それを実行してくれているのを感じます。
2022年には、新卒1年目だけで結成したチームが優勝しました。現在、その優勝チームは副社長のもとで事業化に向けて試行錯誤を重ねています。
編集部
それはすごいですね。新卒1年目の皆様の力を感じます。コンテストでは、どのようなアイデアが発表されるのでしょうか。
奈良さん
既存の事業を活用したプランを考えるチームもあれば、全く新しい分野から斬新なアイデアを提案するチームもあります。
例えば、先ほどの新卒1年目だけで結成したチームは「推し活エンタメ系」の企画を発表しました。自社が培ってきたビジュアルコミュニケーションツールの技術とノウハウを駆使して、それを推し活に活用するアイデアです。役員たちから「今の時代のニーズを捉えている」と高い評価を得ました。
編集部
若い方たちならではの考え方や視点で、今後、新しい事業が誕生しそうですね。
ブイキューブが求める人材像:成長意欲と挑戦心を持つ仲間を募集
▲成長意欲が高く、挑戦したい方が活躍できる職場だと教えてくれた奈良志穂さん(写真左)
編集部
ブイキューブさんが、採用の際に重視されていることをお教えいただけますか。
奈良さん
企業として「自身の成長を志して挑戦するメンバーを、最大限支援します」と明言していますので「挑戦したい、成長したい」という方からの応募をお待ちしています。
若手であっても、入社間もない社員であっても、その方の「チャレンジしたい」という意思を私たちは全力で応援していきたいと考えています。例えば、先ほどお話したコンテストへの出場に挑戦したり、社内の教育制度を積極的に活用したりして、個々人が成長していくことを期待しています。
奈良さん
一歩一歩ではありますが、新たな制度や支援を構築しています。このように企業が発展していく過程を、一緒に楽しんでくださる方で、なおかつ「成長したい」「挑戦したい」という方に、ぜひ仲間になっていただきたいと思います。
編集部
ブイキューブさんが、社員の皆様を大切にし、これからさらに制度改革などで、組織を進化させようとしていることがよく分かりました。本日はありがとうございました。
■取材協力
株式会社ブイキューブ:https://jp.vcube.com/
採用ページ:https://ps.vcube.com/recruit/