若手社員など、多様なメンバーが生き生きと活躍している企業にお話をお伺いするこの企画。今回は、宿泊・飲食・ブライダル業界などの「おもてなし産業」に特化した人材紹介事業により、業界の発展を目指す株式会社Coretにお話を伺いました。
「おもてなし産業特化型」の転職エージェント
株式会社Coretは、パチンコ店をはじめとするレジャー施設を全国に展開する株式会社マルハン東日本カンパニーの傘下子会社として、2022年10月に設立されました。
同社では、宿泊・飲食・ブライダルなどの付加価値が高い接客やサービスを提供する業界を「おもてなし産業」と定義し、これらの業界に特化した就職・転職支援サービスを提供しています。
人材不足の課題を抱えている「おもてなし産業」の発展を目指し、求職者向けのメディア「おもてなしstation」の運営、企業とのマッチング支援、面接や交渉のサポートなどを通じて、求職者のキャリアビジョンと企業をつなぐ挑戦を続けています。
会社名 | 株式会社Coret |
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住所 | 東京都千代田区丸の内1-11-1 PCP丸の内28階(本社) 東京都千代田区神田鍛冶町3-7-6 翔和鍛冶町ビル6階(事業所) |
事業内容 | ・有料職業紹介事業 ・労働者派遣事業 ほか |
設立 | 2022年10月 |
公式ページ | https://coret-omo-st.com/company/ |
今回は、株式会社Coretの展望や、若手社員の活躍などにスポットを当てて、代表取締役の岸野さん、事業推進部部長の山﨑さん、および事業推進部の井手上さんにお話を伺いました。
親会社の人材採用・育成のノウハウを活かし事業をスタート
編集部
まずはじめに、Coretさんの設立の経緯を教えてください。
岸野さん
Coretは、全国にパチンコホールやレジャー施設を運営する「株式会社マルハン」という会社の子会社として設立された会社です。
親会社のマルハンでは、2021年4月からカンパニー制度を導入しておりまして、各カンパニーが機動的に意思決定をして、事業展開していく方針となりました。
それに伴い、新規事業を提案する取り組みがスタート。Coretは取り組みを通じて承認を得て、新規事業会社として設立しました。
編集部
社内起業のような形で立ち上がったわけですね。Coretの事業は、代表を務められている岸野さん自らが提案されたのでしょうか?
岸野さん
はい。私とほか数名で提案したものです。
編集部
なぜ人材紹介の事業を提案するに至ったのでしょうか?
岸野さん
マルハンには、ここ30年くらいの間で採用や育成に注力してきたことで大きく成長してきた歴史があります。
もともとパチンコ業界は、就職先としては不人気の業界でした。ネガティブなイメージも根強くあり、私が入社した25年前は、新卒での就職は珍しい状況でした。そのような状況から採用に注力すると同時に、「7つの習慣」を土台とした各種制度や研修を継続し「パチンコ=サービス業」として、業界のイメージアップに努めてきました。
また、全国に展開する300以上の店舗においては、毎年約4,000名規模のアルバイト採用も行っております。これら採用・教育・制度といった多くのノウハウを活かせないかということで、人材事業をスタートするに至ったのです。
目指すのは人材不足に悩む「おもてなし産業」のイメージ改革と発展
編集部
Coretさんが提供している具体的なサービスの内容や特徴について教えていただけますか?
岸野さん
私たちは、宿泊・飲食・ブライダル業界をはじめとした「おもてなし産業」に特化した、就職・転職支援サービスを提供しています。「おもてなしstation」という自社メディアを通じた求人情報の提供、企業とのマッチング支援、面接や交渉のサポートなどを行っています。
■産業マガジン「おもてなしstation」はこちら!
https://coret-omo-st.com/cms/
編集部
「おもてなし産業」に特化したサービスを提供されている背景はどのようなところにあるのでしょうか?
岸野さん
宿泊・飲食・ブライダル業界をはじめとする「おもてなし産業」は、お客様との直接的なコミュニケーションを通じて大きなやりがいを感じられる一方、やはり大変なお仕事ですし、一般的には給与面もそんなに高い水準ではないため、なかなか希望する人がいないというのが実態なんです。
企業側から見れば、人件費を簡単に上げることもできず、また人材不足により教育にかける時間もないというケースも多く見受けられます。
こうした課題の解決に、マルハンが今まで積み上げてきたノウハウは転用できると考えているんです。パチンコ店とは業界は異なりますが、「建物があって、従業員がいて、お客様を迎え入れておもてなしをする」という形式は同じですし、実は共通するところがたくさんあるんですよね。
編集部
長い間培ってきたノウハウを、「おもてなし産業」が抱える人材不足問題の解決に活かしたいということですね。
岸野さん
はい。「おもてなし産業」には実際には多くの魅力があるにもかかわらず、ブラックなイメージも存在しているというのが現状だと思っています。
時間はかかると思いますが、そのマイナスなイメージを払拭して業界の人気の底上げを図っていきたいですね。そうすれば、どんどん新しい人が入ってくるという好循環が生まれると考えています。
現在は採用のところに注力していますが、ゆくゆくは採用した人材の教育というところまでサービスを拡大し、「おもてなし産業」の発展を目指していきたいと思っています。
「価値観」が合う人と企業をマッチングするのがCoretのこだわり
編集部
業界特化型という点以外に、Coretさんのサービスの特徴や強みがあれば教えてください。
山﨑さん
Coretでは、時給や年収、労働時間など「条件」の部分だけでなく、その企業の信念や目指す姿など、「価値観」への共感を重視し、人と企業のマッチングを行っています。
例えば自社メディア「おもてなしstation」においても、ただ条件を羅列したような求人情報を掲載するのではなく、「SDGsに取り組んでいる」「社会貢献、地域貢献している」「人を大切にしている」など、深掘りした企業の魅力を発信することにこだわっています。無料で企業さんへインタビューをさせていただいて、それを記事にして掲載しております。
編集部
一般的な採用サイトですと、写真が1枚、2枚程度掲載されていて、簡単な企業の紹介と労働条件が提示されているだけで終わっているものも多いと思いますが、それだけではわからない企業の魅力を伝えることを重視しているというわけですね。
岸野さん
はい。近年の傾向としては、働くことの意義や目的、働き方の選択肢、キャリアパスなど、就職に対する意識や期待が多様化しておりますので、その企業様の独自の取り組みや理念などを深堀りしてお伝えするということはとても大事だと思っています。
給与や待遇など条件面だけでの競争にならないという観点で、企業側にも大きなメリットがあると思いますし、企業の価値観の部分に共感してエントリーすることで、早期離職の防止にもつながり、業界の発展に寄与できるのではないかと考えています。
編集部
企業にとっても転職者にとってもプラスになるようなサービスを目指していらっしゃるということですね。
Coretの事業に共感いただけるパートナー企業も日々増加中
編集部
2022年10月に会社を設立されてから1年間ほどになるかと思いますが(取材は2023年11月実施)、感じていらっしゃる手ごたえがあれば教えてください。
岸野さん
まずは私たちが目指していることを企業様にしっかりとお伝えして、記事掲載や求人掲載に協力いただけるパートナーを増やしていくことが、「おもてなしstation」というメディアのパワーを引き上げていくうえでとても重要な部分となりますので、今はしっかりとそれに取り組んでいます。
私たちの目指す世界観に共感いただける企業様は確実にいらっしゃるという手ごたえのようなものは感じていますし、スタッフたちの士気も高まってきているように感じています。
編集部
まずはしっかりと土台を固めているということですね。
岸野さん
そうですね。人材のご紹介が成立して初めてお金を頂くという収益モデルは、他の人材紹介企業と同様です。しかし、弊社はその前段階で、企業様の魅力発信を取り上げた記事作成や掲載は無料で行っているため、現時点ではまだまだ売上などの数値面で大きな成果が出ているわけではないというのが正直なところです。
ですが、今後ご参画いただける魅力的な企業様が増え、その魅力に共感した求職者が流入し、人材紹介の実績が積み上がってくると、どんどん歯車が回り始めて、売り上げの部分も含めて成長していくことができるとイメージしています。
そうすると、コーディネーターやキャリアアドバイザーなどの人材も多く必要になってきますので、組織の規模としても今後どんどん拡大していく展望を持っています。
入社して間もない若手でも、やる気があれば即戦力に
編集部
続いて、若手社員の活躍というテーマで、井手上さんにお話をお伺いしたいと思います。井手上さんは、入社して比較的間もないと伺っています。まずは前職のお仕事の内容や、Coretさんへの転職のきっかけについて教えていただけますか?
井手上さん
私はCoretに来るまで、15年間飲食業に携わっており、シェフや店舗マネジメントを行っておりました。
転職のきっかけは、やはり人材不足問題をなんとかしたいという想いからですね。私が勤務していたどのレストランでも人材不足問題がずっと課題になっていたんです。過酷な労働や仕事のミスマッチが原因で、すぐにやめてしまう方もいました。
何とかできないかという思いがあるものの、会社の一員ではなかなか難しいと感じていたため、だったら外部から働きかけができないかと考えるようになり、キャリアコンサルタントへの転職を考え始めたんです。
そうした中で、Coretという会社に出会い、「おもてなし産業のブラックなイメージを払拭し、魅力を伝えたい」という理念の部分に共感し、入社させていただくという運びになりました。
編集部
現在はどのような業務を担当されているのでしょうか。
井手上さん
まずはひと通りの業務をやってみないとわからないということもあり、入社する際の面接で相談して、企業様への営業から求職者の対応まで、幅広い業務を経験させてもらっています。
他の人材サービス系の会社だと、企業担当の方と求職者担当の方で明確に別れていることが多いのではないかと思いますが、双方の業務に関われることでとても多くのことを学べていますし、人脈を広げられるという面でもとてもメリットを感じています。
編集部
やる気次第で幅広い業務にチャレンジさせてもらえる環境があるということですね。企業様と求職者側それぞれの視点を持ってお仕事ができるというのは大きな強みになりそうです。
これまで携わったお仕事の中で、やりがいを感じた瞬間など、何か印象に残っているエピソードがあれば教えていただけますか?
井手上さん
やはり、企業様に信頼されて、こちらの想いが伝わったときはとても嬉しいですね。
最近、飲食関係の企業様にご契約をいただいたのですが、その企業様が新たに京都に店舗をオープンされるということで、かなり忙しくされていたんです。
人事の方も助っ人として京都に行かれているような状況だったので、「私にできることがあればお手伝いに行きます」とお声がけをしていたところ、とても信頼していただいて、取締役の方も含めて、お食事をする機会を作っていただけました。
そこで、企業様が求めている人材についてなど、さらに深掘りしたお話も聞けたので、とても嬉しかったですね。
編集部
表面的な営業ではなくて、真剣に寄り添ってくれていると感じられたんでしょうね。入社して数か月でも、やりがいを感じながらお仕事をされているということがよく伝わってきました。
和やかな雰囲気と、挑戦を歓迎する風土がCoretの魅力
編集部
他の業界から転職してきた井手上さんから見て、Coretさんの職場の魅力はどのようなところにあると思われますか?
井手上さん
とても和気あいあいとした雰囲気が魅力だと思っています。面接のときから本当に気さくに対応してくださって、それも入社を決めた要因のひとつになりました。
何も知らない状態で入社をしたので不安も大きかったのですが、メンターの方がいつも丁寧にレクチャーしてくださいますし、他の方も質問すると手を止めて親切に対応してくださいます。楽しい会話も飛び交っていて、とても働きやすいですよ。
編集部
そのような和やかな環境の中で、先ほどおっしゃっていたように、やりたい仕事を後押ししてもらえているということですね。
井手上さん
そうですね。チャンスがあれば、チャレンジさせてもらえるので、成長したいという方にとってはとても魅力的な会社だと思います。
先ほどお話ししたとおり、私は企業様への営業もやらせていただいているのですが、全く営業経験がない中でもすぐに「行ってみよう」ということになったんです。
いきなりだったので緊張もしましたが、山﨑が同席しフォローしてくれたので、何の心配もなく話すことができました。そのようなフォローがあるという安心感の中で仕事をさせてもらっています。
編集部
求職者の方はもちろん、一緒に働くメンバーの方にも寄り添って、成長を支援する風土があるということですね。とても魅力的な職場だと感じました。
ともに業界を変える、おもてなし業界経験者募集!
編集部
最後に、採用についてお伺いしたいと思います。Coretさんでは、今後どのような方を積極的に採用したいと考えていますか?
岸野さん
企業様や転職希望者の方に寄り添うためには、その業界の実態を知っているということがとても重要になってくると思います。ですので、基本的には、ホテル・飲食・ブライダル業界でキャリアを積まれてきた方を積極的に採用したいと考えています。
山﨑さん
いずれの業界もネガティブな側面がフォーカスされがちですけど、一方でやりがいもたくさんある業界なんですよね。それを発信したいという方、業界を良いものに変えたいという方と、ぜひ一緒に仕事をしたいと思っています。
編集部
井手上さんのように、実際に「おもてなし産業」の現場にいた経験をもとにして、業界をよりよいものにしたいという想いを持たれている方を歓迎するということですね。
岸野さん
そうですね。ホテルや飲食、ブライダルなどの業界にいた人が人材業界に転職するとなると、大きなキャリアチェンジになりますし、心理的なハードルは高いかもしれません。
ですが、転用できるスキルは実はたくさんありますので、自分の可能性を広げたいという気持ちを持って、ぜひチャレンジして欲しいと思いますね。
同じ業界、同じ仕事の中で縦にキャリアを積み上げるだけでなく、斜めの方向にもキャリアを広げることで、確実に自分自身の成長につながるはずです。
編集部
新たなステージで自分の可能性を広げるための手段として、Coretさんへの転職を検討してみて欲しいということですね。
岸野さん
はい。私たちが提供しているサービスも、自分の可能性を転職によって広げていくことを応援するというものですし、実際に他の業界からおもてなし業界に飛び込んで来られる方もいらっしゃいます。
ぜひ、同じようにチャレンジしていただければと思いますし、その選択肢に弊社が含まれるといいなと思いますね。
また、どうしてもおもてなし業界は勤務時間が不規則になりがちですよね。Coretの勤務時間は9時〜18時なので、働き方を変えたい方の選択肢にもなるのではないかと思いますよ。興味を持っていただけた皆さんのご応募をお待ちしています!
編集部
ありがとうございます。インタビューを通じて、「おもてなし産業」をより良くしたいという、Coretさんの想いがとてもよく伝わってきました。理念に共感し、ともに挑戦したいと感じた方はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
本日は貴重なお話をたくさんお聞かせいただき、ありがとうございました。
■取材協力
株式会社Coret:https://coret-omo-st.com/company/