エンジニアが成長できる環境を作り、独自の強みでビジネスを展開しながら成長を続けている企業をインタビューする本企画。今回は、データ分析コンサルティング・ソフトウェア開発事業を展開しているDATUM STUDIO株式会社にお話を伺いました。
DATUM STUDIO株式会社とは
DATUM STUDIO株式会社が展開しているのは、データを活用したコンサルティング事業と、ビッグデータプラットフォームなどのソフトウェア開発事業です。
社内にデータサイエンティスト、データエンジニアが多数在籍しており、単なるソフトウェアの開発に留まらず、データ分析の知見を活かしながらクライアントに最適なソリューションを提供しています。
会社名 | DATUM STUDIO株式会社 |
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住所 | 東京都港区虎ノ門一丁目17番1号 虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー27階 |
事業内容 | データ活用に関するコンサルティング、受託分析、システム開発、人材育成、セミナー、記事や書籍の執筆など |
設立 | 2014年8月 |
公式ページ | https://datumstudio.jp/ |
DATUM STUDIO株式会社では、エンジニアが学んで成長できる環境や仕組みを構築しており、多くのエンジニアが活躍していることが特徴の一つとして挙げられます。同社の強みや働く環境について、代表取締役社長の武智壮平さんにお話を伺いました。
データ分析の知見を活かしたソリューションを提供
▲社内にデータサイエンティストが在籍しているため、データを活用したソリューションが提供できる(公式ページより)
編集部
初めに、DATUM STUDIOさんの事業内容について伺わせてください。
武智さん
DATUM STUDIOは総合ソフトウェア開発を手掛けています。システムを開発する企業は数多くありますが、DATUM STUDIOの特徴はデータ分析の知見を持っているということです。
多数のデータサイエンティストやデータエンジニアが在籍しているため、データを活用したソリューションが提供できます。
今や多くの企業が莫大なデータを抱えています。どんなビジネスをするとしても、データ分析という過程は避けて通れません。
DATUM STUDIOではビッグデータプラットフォームの構築を手掛けていますが、システムを開発して終わりというわけではなく、その先のデータ分析、データマーケティングについてもクライアントと伴走しながらサポートをさせていただいています。
編集部
システムの開発、保守だけでなく、データを活用したクライアントのビジネスについても支援されているのですね。これまで展開してきたサービスの事例についてお教えください。
武智さん
当社のクライアント企業は、膨大な量のデータをお持ちです。そのデータをどのように取り扱い、活用するためにどんなデータを確保し続けるべきかなど、さまざまなことを考えなければなりません。
DATUM STUDIOでは、データを適切に分析し活用することで、エンドユーザーにより良いサービスや顧客体験を提供することができます。
ある事例では、クライアントの課題を伺ってその理想を実現するため、既存の「DWH(データウェアハウス)(※)」からよりスピーディかつストレスがない環境にするべく別のDWHに移行することを提案し、導入も支援するというように、総合的なデータ分析を担わせていただきました。
(※)企業内にあるあらゆるデータを一括で保管するデータベース。データ分析に特化したデータベースで、さまざまなツールがある。
編集部
ソフトウェア開発という枠組みに縛られず、データのスペシャリストとしてソリューションを提供されているのですね。
年平均25%以上で成長、強みはクライアントに寄り添う姿勢
編集部
DATUM STUDIOさんの成長推移について伺わせてください。
武智さん
売上高の年平均成長率は25%以上です。プロジェクトの数も堅調に増えているので、データサイエンティスト、エンジニアをはじめとした人材の採用も強化しています。
編集部
人手を増やさなければならないほど成長しているということが伺えます。成長要因として挙げられるDATUM STUDIOさんの強みは何でしょうか?
武智さん
先ほどの事業内容の説明でも挙げましたが、データ分析の知見からサービスを展開できていることが強みとして挙げられます。
データ界隈の話でいうと、サードパーティデータがこれから使えなくなる中で、企業は自分たちで取得・所有するファーストパーティデータを利活用していく必要に迫られています(※)。
(※)サードパーティデータとは、「第三者を介して取得したデータ」のことを指す。例えば、Googleで広告を出稿する場合はGoogleに蓄積されたユーザーデータを活用するため、第三者を介してデータを取得、活用することになる。GoogleなどはWEB閲覧データなどを蓄積するCookie(クッキー)を活用してデータを取得していたが、個人情報保護の観点から規制が進んでいるため、企業が自分で収集するファーストパーティデータの重要性が高まっている。
ファーストパーティデータの蓄積・分析・活用のノウハウは、多くの企業が求めているところです。このような状況下で、データ活用について一気通貫でサポートしている我々のような企業へのニーズが高まっていると感じています。
編集部
データ活用に関する一連の運用を、自社内で完結させることはやはり難しいのでしょうか?
武智さん
DATUM STUDIOではデータ分析基盤の構築も手掛けていますが、どんなデータが必要でどのように活用していきたいかなどといった与件整理や、分析時点のパフォーマンスを上げていくことは、地味な作業ながらとても難易度が高いことです。
また、当社でデータ分析をしてその結果だけをクライアントに渡すということでは、そのデータが十二分に活用いただけない可能性もあります。特に数字に苦手意識を持っているような方にとっては、すぐに活用に結びつけることが難しいケースもあり得ます。そこで我々は、データのリテラシー面の教育・育成支援や伴走型の支援を行っております。
DATUM STUDIOはデータ分析においてAIを活用しています。AIを活用して分析結果についてコメントをしたうえで注目ポイントを提示するなど、クライアントにビジネスに寄り添う姿勢を徹底しています。
経験豊富なメンバーが在籍していることで生む「先見性」という武器
編集部
サービス内容での強みについてお話しいただきましたが、そのほかでDATUM STUDIOさんの強みとして挙げられることは何でしょうか?
武智さん
「先見性」そして「人」といった強みが挙げられます。
まず先見性についてですが、常に次にどんなテクノロジーが来るのだろうかと考えながらサービスを展開しています。
たとえばDATUM STUDIOはSnowflake社とパートナーシップを締結しており、Snowflakeが国内のデータ界隈においてこれほどまでに注目される以前から、クライアントへのご紹介とサービス提供を行ってきました。現在もSnowflakeにおける国内トップクラスのパートナーとして精力的に様々な活動を展開しています。
編集部
DATUM STUDIOさんの先を見る力の原動力となっているものは何でしょうか?
武智さん
二つ目の強みである「人」にも通じるところですが、豊富な経験を持ったメンバーが多く在籍していることが先を見る力の原動力となっていると思います。さまざまな業界のクライアントが持つ課題に向き合う中で、クライアントが苦労されているポイントについて日々理解を深めています。
クライアントの課題解決に結び付くような新しいテクノロジーや、ソリューションへの目利きは鋭いと言えるでしょう。
編集部
経験豊富で優秀なエンジニアが多く在籍しているからこそ、成長し続けられているのですね。
武智さん
DATUM STUDIOには、業界では有名なデータサイエンティストやデータエンジニアが多数在籍しています。
この業界の特徴の一つとも言えると思いますが、優秀なエンジニアの存在はX(旧Twitter)などのSNSで広がっている傾向があります。優秀なエンジニアが集まりそこからコミュニティができているケースもあるので、そのようなコミュニティを介してDATUM STUDIOに入社いただくこともありますね。
編集部
優秀な人材が集まるような好循環を生み出せているのですね。
エンジニアをはじめとした若手メンバーが成長できる環境
▲社員研修が実施されるなど、若手メンバーが成長する環境が整えられている
編集部
DATUM STUDIOさんの社員の役割や組織構成についてお聞かせください。
武智さん
DATUM STUDIOは現在146名(2023年8月時点)が在籍していますが、そのうち約8割がデータエンジニアやデータサイエンティストです。他の2割については、コンサルティングやセールスを担うビジネスサイドのメンバーです。
組織としてはデータアナリティクス本部とエンジニアリング本部、コンサルティング本部に分かれています。
データアナリティクス本部は先ほどもご説明したとおり、AIなどを活用してデータ分析を手掛けるチームです。
エンジニアリング本部は、ビッグデータ基盤やクラウド型データベースなどを作り、どのようにクライアントに提供していくかを考えています。コンサルティング本部は、トータルでクライアントをサポートしていく役割を担っています。
編集部
メンバーの年齢層としてはどの年代が多いでしょうか?
武智さん
DATUM STUDIOのメンバーの半分以上は、20~30代です。若い方が多い組織だといえます。
若手をはじめとしたメンバーの成長にも力を入れており、DATUM STUDIOのビジネスや技術に関する資格取得にかかる費用については、会社で補助しています。例えば、Snowflakeに関する資格であれば、複数回不合格であっても全額負担しています。
また、定例会やLT会を開催し、その場で新しい技術の紹介や論文の発表など、メンバーそれぞれの知見を共有する場を設けています。メンバー同士でオンライン、オフライン問わず技術について共有する場が多くあるので、それぞれが学び、高め合っています。
編集部
若手メンバーが成長できる環境を作れているということですね。
新しいツールに触れ実践することでエンジニアとしてのスキルの幅が広がる
編集部
エンジニアとしてDATUM STUDIOさんで働く魅力は何でしょうか?
武智さん
エンジニアとしてDATUM STUDIOで働く魅力は、新しい技術製品に触れることができて、実践する場があることです。
近年、新しいクラウドサービスやツールが次々と誕生しています。そんな新しいテクノロジーをいち早く検証して、クライアントのもとに届けることは、エンジニアにとってとても楽しいのではないでしょうか。
また、当社ではあらゆる業種のクライアントとお取引させていただいておりますので、取り扱うデータも多種多様です。さまざまなツールを駆使しながら多様なデータを扱っていく環境は、データエンジニアとしてのスキルの幅を広げてくれるでしょう。
編集部
具体的には、どんなツールに触れられるのでしょうか?
武智さん
たとえばdbt™という、クラウドDWHにおいてSQLを用いてデータフローにおける変換プロセスを構築するDWHのツールを取り扱っています。SnowflakeなどのクラウドDWHを用いてデータ基盤を構築するうえで、dbt™はこれから世界のスタンダードになっていくと言われているツールです。
一番効率よく働ける場所を選べる自由な勤務スタイル
編集部
DATUM STUDIOさんはどのような勤務形態を採用しているのでしょうか?
武智さん
DATUM STUDIOでは正午から午後3時までをコアタイムとしたフレックスタイム制を採用しています。また、リモートワークを実施していますので、場所を問わず働くことができます。
私自身も平均すると週1日出社しているというイメージです。出社は必要に応じて、自分が使い親しんでいるモニターなど整った環境がある自宅で仕事をする方が効率が良いのであれば、在宅勤務を選択していただいて構いません。
編集部
個々が力を発揮できるような環境を作られているということですね。オフラインの場で集まることはあるのでしょうか?
武智さん
DATUM STUDIOでは定期的に集まって、業務に関する発表会や食事をする機会を設けています。ただし、その集まりも出社を前提にすることはなく、オフライン、オンライン同時で開催しています。
編集部
とても自由度が高い環境にあると思いますが、狙いや思いは何でしょうか?
武智さん
エンジニアやデータサイエンティストは、自分のパソコンがあれば作業できます。単純に、オフィスでなくとも自分が心地よいと思う環境で仕事をした方が効率が上がりますよね。なので無理やり出社する必要はないと思います。
プロジェクトによってはクライアント先に常駐しなければならないケースもあります。もちろんそのときは常駐しますし、みんなで集まって話し合いたい場合は集まります。状況に合わせながら、それぞれの裁量に任せていますね。
編集部
そのときの仕事の状況に合わせながら柔軟に働くスタイルを変えているということですね。
変化に適応しつつ自分を高めたいという意欲を持つ人材を歓迎
▲「新しいテクノロジーを使ってクライアントにどう貢献できるかを考えられる方に入社いただきたい」と話す武智さん
編集部
最後に、DATUM STUDIOさんに興味を持っている方に向けてメッセージをお願いいたします。
武智さん
データサイエンスの世界は技術の進化が激しく、今までのテクノロジーがあっという間に淘汰されていくことも多いです。
だからこそ、時代の潮流に沿って新しいものをキャッチアップし適応していく、自分を成長させたいという意欲がある方はDATUM STUDIOの仕事とカルチャーにフィットすると思います。逆にいうと、「自分はこれを突き詰めたい」「これだけをやっていきたい」という方は、当社には合わないと思います。
ただし、単に新しいものが好きであれば良いということではありません。新しいテクノロジーを使ってクライアントにどう貢献できるかまで考えられる方に入社いただきたいです。
自分を高めながら、時代の変化のダイナミズムを感じたいという方は、ぜひDATUM STUDIOの門を叩いてみてください。
編集部
とてつもない速さで変化していく環境を楽しめる方がDATUM STUDIOさんにフィットすると感じました。本日はありがとうございました。
■取材協力
DATUM STUDIO株式会社:https://datumstudio.jp/
採用ページ:https://datumstudio.jp/explorejobs/