ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、静岡県御殿場市役所にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同市で働く魅力をご紹介します。
富士山の麓に位置する静岡県御殿場市。市役所では、充実した休暇制度など、職員のワークライフバランスを重視した職場環境づくりを推進しています。特に子育て中の職員へのサポートは充実していて、その働きやすさが評判です。
また、市民に寄り添った窓口対応から、JAXAとの連携事業をはじめとする企業等との協働まで、幅広い分野で活躍できる職場としても注目されています。
今回は、御殿場市役所の働き方や職場環境について、人事課の和田さん、社会福祉課の勝又さんにお話を聞かせて頂きました。
ワークライフバランス:有給を1時間単位で取得できる
編集部
御殿場市役所は、働き方に特徴があるそうですが、まずはその取り組みについて詳しく伺えますか?
和田さん
当市では、職員一人ひとりのワークライフバランスを大切にしています。
こう言うと、リモートワークやフレックス制度の充実を想像されるかもしれませんが、当市ではそれらの制度は導入していません。窓口業務が中心で市民の方への対応が必要なことと、個人情報を扱う業務が多いことが理由です。
ではどうしているかというと、実は、休暇制度が非常に充実しているんです。年次有給休暇に加えて、夏季休暇が5日間、また特別休暇として、結婚休暇が10日間、子育て関連の休暇が5日間など、目的に応じた休暇制度も整備されています。
さらに、休暇は1時間単位で取得できるので、例えば子どもの三者面談などの際に中抜けするといった短時間の用事にも対応しやすい環境です。
男性職員もほとんどが育休取得。「お互い様」の精神が浸透
編集部
お二人は共に育休取得を経験されたとのことですが、その体験談をお聞かせ頂けますか?
和田さん
私は、第一子が誕生した2015年に1ヶ月ほどの育児休業を取得しました。当時はまだ、男性の育休取得は珍しかったのですが、その後徐々に取得率が高まった感じですね。現在では、多くの男性職員が育休を取得しています。
勝又さん
私は2024年に3週間ほどの育児休業を取得しました。上司に相談したところ「それはもう積極的に取得しなさい」と背中を押されましたし、むしろ「本当に3週間で足りるのか」と心配されるほどでした。早めに相談したこともありますが、現場レベルでもかなり配慮していただき、育休を取得しづらいような雰囲気は全くありませんでした。
気兼ねなく育休を取れるこの流れは、和田さんが作ってくれたと言えるかもしれません。(笑)
編集部
育休以外の部分ではいかがですか?
勝又さん
当市には、男女関係なく子育て中の職員が多く在籍しているため、育休に限らず、日ごろから「お互い様」という意識が浸透しています。
例えば、小さい子どもがいる職員の夜間の会議参加については柔軟な対応をするなど、お互いの状況を理解し、フォローし合える風土がありますよ。
仕事内容:市民サービスとJAXA連携など、多彩なキャリアを築ける職場
編集部
御殿場市の職員さんとして、印象に残っているお仕事があればお聞かせください。
和田さん
私は以前、社会福祉課に所属しており、その中で市民の方と近い距離で関わってこられたことが印象に残っています。
福祉課の窓口に相談に来られるのは困難を抱えた方が多く、最初のうちは心を開いてもらえないこともあります。でも、やはりその方自身に「今の暮らしを変えたい、良くしたい」という思いがあるからこそ頼ってきてくださるんですよね。
その気持ちになんとか応えようと心を込めて対応し続けていると、だんだんと色々な話をしてもらえるようになるんです。
一例として「心身に不調があり仕事に就くことができない」という方がいらっしゃいました。その方のお話を聞いて、必要な機関につなぐなどしながら継続的にフォローしてきたところ、無事にお仕事が見つかり、その後何年も続けていらっしゃいます。
私が社会福祉課から異動して10年が経ちますが、現在でも、その方が社会福祉課を訪れると「和田さんは元気?」などと気にかけてくださっているそうです。職員と市民という関係ではありますが、真剣に関わったことで、人間としての信頼関係を築くことができたことをとても嬉しく思っています。
勝又さん
私は今、社会福祉課に在籍しています。民生委員さんなどさまざまな方とも連携を取りながら、市に暮らす人々の環境を整えていくことには、大きなやりがいを感じますね。
また、私は企画部門にいたこともあり、御殿場市に関心を持つ企業等との協働プロジェクトに携わった経験があります。
市民の方と密接に関わる業務から、企業等との協働による新しい価値の創造など、幅広い仕事ができる環境は、他ではなかなか見つけられないと思います。
宇宙開発の最前線:JAXAと協働する御殿場市の挑戦
▲御殿場市とJAXAの協定締結。JAXAが人工衛星の校正検証を目的に協定を締結した自治体は、御殿場市が全国初
編集部
企業等とのプロジェクトというお話がありましたが、そういった取り組みの例をご紹介頂けますか?
勝又さん
代表的なものとしては、JAXA(宇宙航空研究開発機構)との連携事業があります。
JAXAでは人工衛星を用いて地球を観測する中で、その人工衛星が毎日富士山上空を通っていることが縁で、その麓に位置する御殿場市に興味を持ってくださったそうです。
そういったお話を頂いたことからJAXAとの交流が始まり、茨城県にある筑波宇宙センターへも訪れるなどして打ち合わせを重ね、2017年には御殿場市とJAXAの協定を結ぶに至りました。
編集部
協定はどのような内容ですか?
勝又さん
御殿場市にコーナーリフレクタ(人工衛星から発信される電波を反射する装置)が設置されるというものです。また「宇宙教育の推進」として、市民の皆さんに向け、宇宙に関する講座やイベントが行われることも決定しました。市民の皆様や子ども達が宇宙を身近に感じられ、夢が広がることが嬉しいですね。
協定締結の約1年後には記念のイベントとして、宇宙服などの展示や、ロケット打ち上げの映像や音を再現する音響体験などを行い、好評を頂きました。
▲富士山五合目駐車場に設置された、JAXAのコーナーリフレクタ
▲協定記念イベントには、老若男女、多くの人が集まった
穏やかな雰囲気の職場と「目の前に富士山」の贅沢環境
編集部
御殿場市役所の職場の雰囲気についてお聞かせください。
和田さん
私は現在人事課に所属しているということもあり、市の職員についてはほとんどが顔見知りですが、穏やかで物腰の柔らかい方が多いですね。
もっとも、ゆったりとして穏やかなのは、御殿場市の市民性かもしれません。車同士が自然に道を譲り合ったりするような、そんな光景が日常的ですから。
編集部
関連して、御殿場市のまちの魅力についても少し教えて頂けますか?
勝又さん
なんと言ってもやはり、富士山を毎日眺めることができるまちだということですね。標高が高く夏でも涼しいので、ワーケーションのような感覚もあります。
それから、箱根や富士五湖、伊豆などの観光地や、都心部へもアクセスが良好で、とても便利です。
和田さん
私も「世界遺産の富士山がすぐそこにある」というのが最大の魅力だと思っています。私は車通勤ですが、富士山を横目に好きな音楽を聴いて運転していると、通勤というよりドライブをしているようで、朝からすがすがしい気持ちで仕事に取り掛かれます。
▲市庁舎にある「富士山展望デッキ」も御殿場市の自慢
▲四季折々、時刻ごとに表情を変える富士山。毎日眺めていても、日々新鮮に感動するそう
御殿場市が求める人材:新しい挑戦と市民サービスに意欲的な方
編集部
最後に、御殿場市に興味を持たれた読者の方に、メッセージをお願いします。
勝又さん
公務員というと堅いイメージや、言われたことをこなす仕事というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、時代とともに市役所の仕事も変化してきていますし、特に御殿場市は、ワークライフバランスを重視していたり、JAXAとの連携事業のような取り組みもあったりと先進的な環境です。新しいことにチャレンジする意欲を持った方は、ぜひ御殿場市の職員に応募して頂ければ幸いです。
和田さん
御殿場市役所は地元出身でなくても馴染みやすい職場環境です。実際に近年では「御殿場市にゆかりはないけれど、市の政策や取り組みに興味を持って応募した」という方も増えています。
私は、人との関わりに興味がある方に来て頂きたいと思います。自分のためだけでなく、約8.4万人の市民の方々のために働くという意識を持って、笑顔で接することができる方が理想的ですね。
編集部
ワークライフバランスの推進に、富士山が眺められる環境、幅広くやりがいのある業務と、御殿場市の働きやすさが存分に伝わってきました。
本日はありがとうございました。
編集後記
JAXAとのプロジェクトのお話もインパクトがあり、誰もが知る機関と自治体がオフィシャルに協働することは注目度も高く、やりがいの大きさが想像できました。
この記事のまとめ
休暇制度 |
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育児支援 |
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職場環境 |
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仕事の特徴 |
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働きやすさのポイント |
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御殿場市役所の基本情報
住所 | 静岡県御殿場市萩原483番地 |
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公式ページ | https://www.city.gotemba.lg.jp/ |
採用ページ | https://www.city.gotemba.lg.jp/ recruit/ |
募集職種 | ・一般事務 ・保育士・幼稚園教諭 ・技師 ・保健師 ※募集職種は採用年度により異なります |