半年間の男性育休取得も。ハジメクリエイトがこだわるライフステージに合った働き方

新しい働き方の制度や独自のカルチャ―を持つ企業を紹介していく企画。今回は、Web制作やWebコンサルティング業を行う「株式会社ハジメクリエイト」をご紹介します。同社は企業や病院などを顧客に多数の実績を持つプロ集団であり、働き方の柔軟性にもこだわっています。

株式会社ハジメクリエイトとは?

株式会社ハジメクリエイトのホームページ
▲「Webとクリエイティブでビジネスをかたちにする」とうたう、ハジメクリエイトさんのHP

株式会社ハジメクリエイトは岡山市にある制作会社で、2011年8月に代表の内海太郎さんが設立しました。

「会社のHPを作りたい」「自社や店舗をPRする素材を作りたい」「HPやSNSを通してサービスやお店の認知度を上げたい」といった企業や団体の悩みに対し、HP制作や動画制作、SEO対策、SNS広告代行、IT・Webコンサルティングなどのサービスを提供しています。

地方に本社を置く企業として、地方にある価値あるものを都市圏や海外へ発信することや、「自社の魅力を発信して未来の人材を獲得したい」と考える顧客の役に立つことに力を入れており、これまで岡山県や岡山大学などの官公庁や学校、さまざまなジャンルの企業での実績があります。

会社名 株式会社ハジメクリエイト
住所 岡山市北区田中604-14
事業内容 ・ホームページ制作
・IT/Webコンサルティング
・サーバー管理
・IT教育
・各種広告デザイン
・広告出稿代行
・印刷代行
・ECサイト管理運用
・Googleストリートビュー撮影
・パノラマフォト撮影
・おかやま厚生町ビジョン管理運用
設立 2010年8月創業
2011年8月設立
公式ページ https://hajimecreate.com/
働き方 ・フレックスタイム制
・在宅勤務もあり

株式会社ハジメクリエイトは2020年、国が子育て応援企業を認定する「くるみん」認証を取得し、男女に関わらず育児との両立を支援しています。働き方の実態や社内カルチャーについて、代表取締役の内海さんに聞きました。

本日お話を伺った方
株式会社ハジメクリエイト代表取締役の内海太郎さん

株式会社ハジメクリエイト
代表取締役

内海太郎さん

ハジメクリエイトの強みはWebの集客設計や運用もできること

株式会社ハジメクリエイトの提供サービスイメージ

編集部

ハジメクリエイトさんの事業内容について教えてください。

内海さん

弊社はWebの制作と運用、Webシステムの開発をメインにやっている会社です。岡山に拠点がある会社なのですが、お客様は東京・北陸から九州まで広がっています。

編集部

自社の強みはどこにあるとお考えですか?

内海さん

私たちの強みは問題解決力だと思っており、Web制作はお客様の目的を達成するための「手段」と考えています。というのも、お客様がWeb制作や運用に当たって本当に望まれていることは、売上の向上や問い合わせ数の増加だからです。

Webシステム開発の場合、望まれているのは社内工数の削減です。そこで、私たちは目的をどう実現するかを考えて企画し、デザインで表現します。

こういった問題解決力が評価され、Webページを制作した後も、運用を担当させていただくことが多くなっています。

編集部

Webページの制作だけではなく、設計から運用まで行うことが強みなのですね。御社HPの制作実績ページを見ると、地元の岡山だけでなく、さまざまな地域・業種の企業や団体様が並んでいます。どのようにお仕事を開拓されているのでしょうか。

内海さん

一度お仕事をさせていただいた方からのご紹介や、コンペ(コンペティション)が多いです。一度お付き合いが始まると、ご評価をいただき、またコンペに呼んでいただくというような流れですね。

編集部

Web運用まで担うとなると長期のプロジェクトも多いと思いますが、社員さんは11名(※)と少数精鋭で行われているのですね。
(※)2023年4月現在

内海さん

はい。社内は分業が進んでいますので、企画立案をする人と運用していく人は分かれていることが多いです。Webデザインをする人とコーディングをする人も別々です。案件ごとにプロジェクトを組み、チームで仕事を進めています。

22歳の新卒社員から59歳まで。多様性に富んだ少数精鋭チーム

男女ともに幅広い年齢層のスタッフがそろう株式会社ハジメクリエイトの社内風景
▲ハジメクリエイトさんの社内風景。男女ともに幅広い年齢層のスタッフがそろっている

編集部

先ほど伺った少数精鋭の組織について、もう少し詳しくお聞きしたいと思います。社員さんはどのような方が多いのでしょうか?

内海さん

うちは年齢層が非常に幅広いのが特長です。2023年4月に大学卒の新卒社員が1名入社しましたので、一番下は22歳です。そして、一番上は、2023年7月で定年になる方で、今、59歳です。私としては、定年になった後も働き続けてほしいと思っており、本人も「65歳ぐらいまでは頑張ろうかな」と言ってくれているので、まだまだ活躍していただけそうです。

ライフステージで見ても、未婚の人、既婚で子どもはいない人、子育て中の人、本当にさまざまなスタッフがいます。

編集部

多様性に富んだ、少数精鋭のチームでいらっしゃるんですね。

フレックスタイム制を導入し、個々の事情に合わせた柔軟な働き方を実現

株式会社ハジメクリエイト社員の働く様子

編集部

ハジメクリエイトさんは、働き方の制度に特徴がありますか?

内海さん

ライフステージやライフスタイルに合わせて働けるよう、始業や終業時間を自分で自由に決められるフレックスタイム制を導入しています。午前7時~午後9時までのフレキシブルタイムの中で、コアタイムを定めています。

弊社では毎週月曜日の午前中に定例会議を行っていますので、月曜日と火~金曜日でコアタイムの時間帯が異なります。月曜日は午前10時~午後1時まで(休憩60分含む)がコアタイムです。火~金曜日は午後1時~4時までがコアタイムです。

編集部

柔軟な制度にしていらっしゃるのですね。フレックスタイム制を利用して、実際にどのような働き方をされているケースがありますか?

内海さん

フルタイムスタッフのベース出勤時間は「7:30~16:30」「9:00~18:00」「10:00~19:00」など、いくつかのパターンに分かれています。これに半日有給休暇を組み合わせてイレギュラーな出退勤をしたり、各自でプライベートに合った出退勤をしたりしています。

編集部

フレックスタイム制がしっかりと運用されていることがわかりました。また、自由な働き方ができる背景には、1人ひとりの高い自己管理力やアウトプットにあるのだろうと感じました。

株式会社ハジメクリエイトのフレックスタイム制についての紹介ページ
▲ハジメクリエイトさんの採用ページではフレックスタイム制をわかりやすく説明している

育児中女性が働きやすい環境をつくり、国の「くるみん」認定を取得

くるみん認定通知書を手にする株式会社ハジメクリエイト代表の内海太郎さん
▲「くるみん」認定通知書を手にする内海さん

編集部

先ほどライフステージに合った働き方のお話を伺いましたが、ハジメクリエイトさんでは国が子育てサポート企業を認定する「くるみん」を取得されたそうですね。取得背景について教えてください。

■「くるみん」の概要はこちら(厚生労働省ウェブサイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/kurumin/index.html

内海さん

「くるみん」の取得には、私自身の想いが背景にあります。私も妻も他県の出身で、たまたま縁があって岡山で仕事をしています。私も妻も兄弟姉妹はいますが、もし郷里の親になにかあったときには、実家に駆け付けたり、介護したりということが必要です。核家族化の進んだ今、これって、誰にでも起こりうることですよね。

ハジメクリエイトでやっているWeb制作や運用の仕事は、オンラインでできるところも多く、場所や時間の縛りはあまりない業種です。そこで、業種の特性を活かし、働き方の自由度を高めることで、スタッフがどんな時でも仕事が続けられるようにしたいと思ったのがきっかけです。

編集部

スタッフがライフステージの変化でも辞めなくてすむように、という考えから始められたのですね。

内海さん

はい。例えば、育児や介護で自分の生活環境が大きく変わる人が、仕事を辞めざるを得なくなり、もう一度仕事を探し直すというのは大変だと思います。固定された時間の勤務は難しくても、時間をずらすことで何とかなるのなら、フレックスタイム制を導入してはどうかと考えました。

こんなふうに、当初から「くるみん」取得を目指していたわけではなく、少しずつ働きやすい環境をつくっていった結果、2020年10月に「くるみん」認定を取得することができました。

「くるみん」認定企業は100名規模以上の会社さんが多いので、私たちのような少人数の会社はかなり珍しいのではないかと思います(※)。

小さな会社でも国の認定が取れる程度に自由な働き方が実践できていることは自負しているところですし、同じような小規模企業のモデルとなれたら嬉しいです。

(※)労働政策研究・研修機構が「くるみん」「プラチナくるみん」取得企業を対象にした調査によると、回答した「くるみん」認定企業1,529社のうち83.4%が、従業員規模が101人以上であった。(2021年7月30日発表の「次世代育成支援対策推進法の施行状況に関する調査」より)

編集部

少しずつ環境をつくっていかれた過程について教えてください。

内海さん

2017年に仕事と家庭の両立支援についての「一般事業主行動計画」を策定し、2018年~2019年の間に有給休暇の半日単位取得、テレワーク制度の開始、短時間正社員制度の開始などを行いました。

こうした取り組みを受けて、2021年3月には岡山県が従業員の仕事と家庭の両立支援に積極的な企業を認定する「おかやま子育て応援宣言企業(アドバンス企業)」にもなりました。

編集部

ハジメクリエイトさんで、出産後、活躍する女性スタッフさんの事例を教えていただけますか?

内海さん

社内に子育て中の人は多く、3人の子育て期の女性スタッフもいます。

初めて社内で産休・育休を取得した女性社員の事例を紹介しますと、この社員は育休明けにパート社員として復職し、その後、短時間正社員となり、今年からフルタイム正社員になりました。

弊社は少人数の会社ですが、こんなふうにキャリアのロールモデルは結構たくさんあると思っています。
▲ハジメクリエイトさんでは育児との両立を支援している

6ヵ月間の育児休業に入った男性スタッフもいる

株式会社ハジメクリエイトの社内会議風景

編集部

育児中の女性スタッフの活躍について伺いましたが、男性にとっての育児との両立のしやすさはいかがでしょうか?

内海さん

弊社は男性の育児参加もしやすい風土ですし、実際に例もあります。例えば、2017年11月から男性スタッフが育児休業を取得しました。また、2020年には男性役員が時短勤務を実施しています。

さらに2023年4月からは、別の男性スタッフが6ヵ月間の育休に入ったところです。期間については本人の希望を優先しており、結果的に半年間となりましたが、「1年取ってもいいよ」と伝えていました。

編集部

男性育休の取得者2例目なんですね。少人数の組織で半年間の育休者となると、組織としても大きなインパクトがあるのではと思いますが、どのような対応をされたのでしょうか?

内海さん

会社としてはスタッフに育休取得を推奨していますので、本人が取得を希望した場合、なるべく100%応じられるようにするというスタンスでやっています。それに伴う仕事をどう調整するかは、経営者である私が考えるところです。

「半年も休んで大丈夫?」「ちゃんと戻ってこられる?」と心配する声がないわけではありません。また、職場を離れる期間が長ければ長いほど、本人も復職時に以前の状態にアジャストしていくのが大変になると思います。ですので、本人にもきちんとそれを伝えています。

編集部

育休を取ることは応援されつつ、復職時の心構えについても伝えていらっしゃるのですね。

内海さん

はい。復職時のハードルはあるかもしれません。ただ、これは私見ですが、パートナーの出産後に共に子育てをすることは人生においてとても大事なことだと思うんです。

パートナーが出産したときに、夫として、父親としてどう関わったかは、おそらく一生言われるのではないでしょうか。妻が大変だったときにどのぐらい夫に背中を預けられたのか、夫がどのくらい一緒にやったのかということは、その後の2人の人生にずっと関わる話だと思っています。

子どもはいずれ自立しますが、パートナーは一生一緒にいますからね。こんな私見もあって、男性スタッフの育休取得は応援しています。

編集部

内海さんご自身の想いもあって、男性スタッフが育休取得を検討しやすい環境ができているのですね。

スタッフの誕生日はケーキで祝う、温かいカルチャー

スタッフの誕生日祝いについて紹介する株式会社ハジメクリエイトのFacebookページ
▲ハジメクリエイトさんのFacebookページにはスタッフ誕生日祝いの投稿も

編集部

ハジメクリエイトさんの社内カルチャーについても伺いたいと思います。社内の雰囲気や、「うちの会社らしい光景」というのはありますか?

内海さん

成果に対しては厳しいですが、社風としてはアットホームな雰囲気です。例えば、スタッフの誕生日を祝うときですね。

以前は「今日は○○さんのお誕生日です」といって有志でケーキを買ってきたりしていたのですが、スタッフの人数が増えてきたことから、今は会社の予算で誕生日ケーキを買って一緒に食べてお祝いをしています。

編集部

会社の予算で誕生日ケーキを購入して、みんなでお祝いするというのは珍しいですね。

内海さん

そうかもしれませんね。誕生日ケーキは「あそこのお店のケーキを食べてみたい」という本人のリクエストをもらって買ってきます。

ちょっと変わった例では、ジム通いに熱中している社員が「一度、糖質オフのロカボケーキを食べたいと思っていたけれど、高くて手が出なかった」というので、誕生日にロカボケーキを注文したこともあります。

編集部

一人ひとりの希望に応え、みんなでお祝いする温かいカルチャーがあるのですね。

社員のあらゆるライフステージに対応した組織を目指す

編集部

現在はみなさん、出社を前提とされているのですか?

内海さん

はい。これまでは在宅勤務も出社も自由としていたのですが、この春は新入社員が入ってきたこともあり、出社を基本にしました。まだ小さい会社ですので、みんなで顔を突き合わせて、若い仲間を育てていこうとしています。

編集部

新入社員さんが入ったことで、また組織の雰囲気や働き方も少しずつ変わっていくのですね。

編集部

内海さんは代表として、どんな組織を目指したいとお考えですか?

内海さん

弊社ではアウトプットがちゃんと出ていれば、働き方に関してはなるべく柔軟な形にしたいと考えています。ライフステージやライフスタイルは個々別々ですよね。どんなライフステージの人でも対応できるような制度を作っていますし、そんな会社を目指したいと思っています。

編集部

HPのブログでも、社員さんそれぞれが個性を出して発信されており、どんなライフステージやライフスタイルの方でも、自分らしく働ける環境なのだなと感じました。

■ハジメクリエイトさんの社員ブログ「ハジメラボ」
https://hajimecreate.com/hajimelabo/

性別・年齢・経験を問わず、Web制作や運用にチャレンジしたい人を歓迎

株式会社ハジメクリエイト代表取締役の内海太郎さん▲「未経験でもチャレンジしたい人はぜひ応募を」と語る内海さん

編集部

最後に、ハジメクリエイトさんで働くことに興味を持った方に向けて、内海さんからのメッセージをいただけますか?

内海さん

一口にWeb制作や運用といっても、中身は案件ごとに違ったことをやっております。秘密保持契約の関係ですべての実績を紹介できないのですが、ベンチャー企業のシステムを作っていたり、遠方の大学のHP制作を担当していたりします。ですので、いろいろなことをやってみたい方には、お勧めできます。

また、ハジメクリエイトでは採用に当たって、年齢も性別も問うていません。経験者は優遇しますが、未経験入社で活躍しているスタッフもいます。チャレンジしたい方は、ぜひお声がけください。

編集部

内海さん、本日はありがとうございました!

ハジメクリエイトさんは、子育て中の男女をはじめ、さまざまなライフステージの人にとって働きやすい環境を作ることで、SDGs(持続可能な開発目標)のうち、5番「ジェンダー平等を実現しよう」や8番「働きがいも経済成長も」に貢献しています。

事業内容や内海さんの想いに共感した方は、ぜひホームページをご覧ください。

■取材協力
株式会社ハジメクリエイト:https://hajimecreate.com/
採用ページ:https://hajimecreate.com/recruit/