注目のプロダクトを開発する企業を紹介する本企画。今回は、無償で使えるローコード開発ツール「Pleasanter(プリザンター)」を手がける株式会社インプリムにインタビューしました。
インプリムは業務アプリ開発ツール「プリザンター」で仕事効率化を支援
株式会社インプリムは、マウス操作だけで業務アプリケーションを作成できるローコード開発プラットフォーム「プリザンター」を開発・提供する会社です。
プリザンターはソフトウェアのソースコードが一般公開されているOSS(オープンソースソフトウェア)で、機能制限なく誰でも無料で使うことができるのが特徴です。
導入企業は、プリザンターを使って業務ごとに使っている別々のツールを一元化したり、担当者が個々に管理していた顧客情報や案件を一元管理したり、課題に合わせたアプリを制作し、業務の効率化を実現しています。
会社名 | 株式会社インプリム |
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住所 | 東京都中野区中野2-30-5 中野アーバンビル3F |
事業内容 | OSSのローコード開発プラットフォーム「プリザンター」の開発 |
設立 | 2017年3月 |
公式ページ | https://implem.co.jp/ |
創業以来、右肩成長を続ける株式会社インプリムは採用にも力を入れており、IT業界が未経験であってもユーザー目線に立ったアイディアなどを出し、プロダクトの成長をけん引してくれる人材を求めています。
今回は、経営企画室で採用に携わる保坂ちひろさんと菅澤杏玖李さんにお話を聞かせていただきました。
プロダクトの無償提供が前提でもインプリムが右肩上がりで成長できる理由
編集部
まず、主力プロダクトのプリザンターについてお伺いしたいと思います。ローコード開発ツールを提供する企業はほかにもありますが、プリザンターならではの特徴や強みはどこにありますか?
保坂さん
誰でも無償で利用できるソフトウェアである点が最大の特徴です。業務アプリ作成を目的とした国産のローコード開発ツールをオープンソースで無償提供している企業は、国内では当社だけではないかと思います。
編集部
無償提供を行う理由は何でしょうか?
保坂さん
代表の内田は、当社を設立するまで19年間SEとして働いていました。その時にエクセルを使った業務で疲弊する現場を見て業務を効率化したいと感じ、プライベートの時間で作り始めたのがプリザンターでした。
起業目的で開発したプロダクトではないからこそ、愛用してくださる皆さんと一緒にプロダクトを育てることを楽しみながら、「Pleasanter=より快適」な仕事環境を実現することを最優先に考えたビジネスができるのだと思います。
編集部
プロダクトに込められた思いを大切にし続け、ユーザー第一の事業を行っているのですね。
保坂さん
このような点を評価いただき、りそな銀行様やユニ・チャーム様、本田技研工業様、ヤンマー様など大手企業にもプリザンターをご利用いただいています。
プリザンターへの信頼性が土台にあるから有償サポート事業も好調
▲保坂さんは、プリザンターの導入企業数や有償サポートの利用件数は右肩上がりで拡大していると話す。
編集部
プリザンターを無償提供する一方で、企業としては収益確保も必要だと思います。インプリムさんはプリザンター事業をどのように収益化しているのでしょうか?
保坂さん
有償で行っている年間サポートサービスが収益の柱です。プリザンターをご利用いただく企業様のなかには、ユーザー数の増加やアプリの複雑化などを理由に技術的なサポートを必要とされる方もいるので、その方々のお手伝いを定額制で行っています。
また、オープンソースのライセンスで提供されるソフトウエアの使用を禁止する企業様もいます。年間サポートサービスに含むエンタープライズ・エディションなら、そのような企業様に「商用ライセンス」でプロダクトをご利用いただくことが可能になります。
編集部
サイボウズさんのkintone(キントーン)をはじめとする、ユーザー課金型のサービスとはビジネスモデルが異なるのですね。
保坂さん
サイボウズさんは中小企業向けにサービスをされているので、ユーザー課金型を取られていますが、弊社の場合は1000人規模の大企業様にもご利用いただくことを想定しているので、ユーザー課金だとかなり高額になってしまいます。そのため、有償サポートという形をとっています。
編集部
有償サポートの導入状況についても、お話いただけますでしょうか?
保坂さん
ありがたいことに右肩上がりで増えており、当社は創業以来、7期連続で増収を達成しています。
1〜2年間無償でご利用いただくなかでプロダクトの使いやすさをご実感いただき、3〜4年目で有償サポートをご契約いただくケースが多いので、一度ご契約いただいたお客様とは長くお付き合いさせていただいています。これは、業績の安定的な拡大にもつながっています。
口コミや認定パートナー経由で導入企業を拡大
編集部
無償利用を含めて、プリザンターを導入している企業からはどのような声が寄せられていますか?
保坂さん
BtoB向けITツール・サービスの口コミサイト「ITreview」では、簡単にWebアプリが作れる点や自由度、拡張性が高く、カスタマイズ性に優れている点を評価いただいています。
編集部
口コミをきっかけにプリザンターを使用していただくケースも多いのでしょうか?
保坂さん
そうですね、口コミをきっかけにした利用は年々増えていると感じます。また、当社は認定ビジネスパートナー様にプリザンターの普及・発展にご協力いただいており、パートナーの数は74社(2024年2月時点)まで増えました。
営業においては、パートナー様に協力いただきながら、お客様の実現したいことや抱える課題をヒアリングするコンサル型の提案を重視しています。
インプリムなら異業種からの転職でも入社直後から活躍できる
編集部
ここからは、採用を担当する菅澤さんに若手社員の活躍をテーマにお伺いしたいと思います。菅澤さんは2024年1月に入社されたばかりということですが、社内の雰囲気などについてどのようにお感じですか?
菅澤さん
IT企業で働くことが初めてだったので、コミュニケーション方法からして前職と全く異なることに驚きました。
例えば、弊社ではTeamsを使っているのですが、お互い顔が見える距離にいながらチャットで会話することもあり、初めの頃は少しとまどいましたね。
保坂さん
IT企業の場合、やり取りの履歴を残すためにあえて文字でコミュニケーションすることがあるのですが、他の業界からジョインした方は驚きますよね。
編集部
現在は、採用担当としてどのような業務を担当しているのでしょうか?
菅澤さん
主にビジネスSNSのWantedlyを活用した採用を担当しています。弊社のことを求職者の皆さんに知っていただくための記事を書いたり、Wantedly経由で求人にご応募いただいた方との面談もすでに何度か担当させてもらいました。
求人案内を見て実際に応募があった時や、こちらからのスカウトに反応していただいた時は、やりがいを感じますね。
資格取得サポートや社内勉強会でスキルアップを支援
編集部
社員のスキルアップをサポートする制度があれば、ご紹介いただけますか?
菅澤さん
仕事に役立つ資格の取得をサポートするものとして、書籍代や資格に合格した場合の受験料を会社が負担してくれる制度があります。
また、スキルアップにつながる外部のセミナーへの参加は業務時間として扱われ、就業時間中でも出席することができます。
保坂さん
資格取得に関する制度は、エンジニアのメンバーが利用することが多いですね。
編集部
社内でノウハウを共有するような機会もあるのでしょうか?
菅澤さん
主にエンジニアを対象としたものですが、毎週火曜日の18時半から「もくもく会」という自由参加の勉強会を開催しています。毎月最後の火曜日は社外の方にもご参加いただきながら、仕事を通じて得た知識やノウハウを発表しています。
外部の方との情報交換もできますし、エンジニアではない私のようなメンバーにとっても役立つ話題があるので、私もたまに参加しています。
採用につながったケースも!インターンは受け入れ拡大も検討中
編集部
インプリムさんは、インターンの受け入れは行っていますか?
保坂さん
IT・デジタルコンテンツ分野の専門学校「HAL東京」さんの学生を対象に、エンジニア育成の授業の一環として1ヶ月間のインターンプログラムを実施しています。
弊社のリソースの事情もあり、現在は技術的なベースをお持ちの学生さんに絞ってインターンを受け入れていますが、今後はより幅広いバックグラウンドの方にご参加いただけるように体制を整えたいと考えています。
編集部
インターンの学生が経験できる業務には、どのようなものがありますか?
保坂さん
プロダクトに機能を追加する作業を実際に担当してもらいます。弊社のプロダクトはオープンソースなので、学生さんが書いたコードもGitHubで全世界に公開されますよ。
編集部
実務に携わり、それが実際に多くのユーザーに利用されるのは、醍醐味がありますね。
保坂さん
このようなプログラムを通じて弊社のお仕事にやりがいや魅力を感じていただいた結果、2022年にインターンで来てくれた学生さんがその後、新卒で入社してくれました。
弊社はそれまで新卒採用をしていなかったのですが、私たちとしてもぜひ来てもらいたいと感じる方だったので、新卒で入社いただけるように環境を整えました。
編集部
インターンを通じてお互いにしっかりとマッチングができたからこそ、双方にとって嬉しい結果になったのですね。
インプリムの社員想いなカルチャーや採用への想いとは
編集部
インプリムさんのカルチャーついても、ご紹介いただけますでしょうか?
菅澤さん
社員は普段は静かですが実際に喋ってみると気さくで優しく教えてくれる人ばかりです。
あと、1万円の住宅手当「ナカナカ手当」など社員想いな制度があるところも弊社のカルチャーだと思います。弊社のオフィスが中野区にあることにちなんだ名称で、以前は中野に住む人限定の手当だったのですが、2024年からは中野在住の社員でなくても住宅手当が支給されるようになりました。
編集部
今は全員が住宅手当をもらえるのですね。
保坂さん
そうです。ほかの区に住宅を購入している社員や、家族がいる社員など、中野区に引っ越すのが難しいケースもあるので、よりフェアな制度にアップデートしました。
IT未経験でもプリザンターを一緒に育ててくれる人を歓迎
編集部
インプリムさんはWantedlyなどを活用して積極的に採用を行っています。その背景にはどのような思いがあるのでしょうか?
保坂さん
数合わせのための採用ではなく、プリザンターを一緒に育てていただける人と出会いたいという思いから、通年で採用を行っています。
編集部
IT業界での経験がない方でも、プロダクトへの想いがある方なら入社のチャンスがあるのでしょうか?
保坂さん
プリザンターはITに長けてない方にも簡単に使ってもらえるのが特徴のプロダクトです。そのため、ITのバックグラウンドをお持ちでなくてもユーザー目線で意見ができる方にぜひ来ていただきたいです。
設立から7年が経ち、弊社内にも未経験の方をお迎えできる余裕が出てきたので、楽しみながら新しいことに挑戦したい方と会社やプロダクトを作っていきたいと考えています。
2023年にはリファラル制度もでき、菅澤さんもこの制度で入社してくれました。今後も、さまざまなチャンネルを通じて、プリザンターを一緒に育ててくれる方と出会いたいですね。
何かに貢献したい人や誰かの役に立ちたい人が活躍できる!
編集部
最後に、インプリムさんのお仕事に興味を持った読者の方にメッセージをお願いします。
菅澤さん
弊社には、資格取得の支援や勉強会など、スキルアップを支援する制度が充実しています。切磋琢磨しながら共に成長し、プロダクトを大きくしていける方とぜひ一緒にお仕事したいです。
保坂さん
インプリムは、何かに貢献したい方、誰かの役に立ちたい方が思いっきり能力を発揮し活躍していただける会社だと思います。
そんな方の熱意に応えるためにも、会社側としては弊社で働くことに喜びを感じてもらえるような制度設計や働きやすい環境づくりにも全力で取り組みたいと思っています。弊社のプロダクトや考え方に共感いただけましたら、ぜひご応募ください!
編集部
ユーザーを第一に考えたプロダクト開発に取り組むインプリムさん。その想いは、採用に対する姿勢にも現れているのだと感じました。
本日はありがとうございました。
■取材協力
株式会社インプリム:https://implem.co.jp/
採用ページ:https://implem.co.jp/recruit